今回は、AKRacing の Overture をレビューさせていただく。
Overtureは、昨年(2017年)末に発売されたばかりの、AKRacingのゲーミング・オフィスチェアの新製品で、Nitro、Pro-X、Wolf、Premium に続く5番目のモデルとなる。(座椅子タイプの極坐を除く。)
https://www.tekwind.co.jp/information/AKR/entry_698.php
位置付けはNitroと同じスタンダードクラスの製品で、機能的にもNitroと同等のようだ。
https://www.tekwind.co.jp/products/AKR/category.php?p=products
現在使用しているPC用チェアは、ニトリで買ったメッシュチェアだ。
コレを使っている時の様子はこんな感じ。
このイスとの比較を中心にレビューするつもりだったのだが、比較すべきものではなかった。
もうこの椅子には戻れそうもない・・・
大きさ、重さが問題だが、組み立て自体は難しくない
驚くのは、梱包状態での箱の大きさ。
箱が大きいってことは知っていたが、この大きさ。(ちなみに、この廊下の幅は約110cmある。)
配送時は帰宅前だったため、カミさんに受け取りを頼んでおいたが、台車に乗せて運んできた佐川のお兄さんが、『重いですよ。』って言ってたらしい。(重さは約28Kg)
で、まずは、開梱のためにリビングへ移動。
いざ、開梱・・・
このままリビングで組み立てると2階への移動が大変なので、各パーツを2階へ運ぶ・・・
ダンボールの小箱には、ガスシリンダー、シリンダーカバー、サイドカバー、PUキャスター、シリンダー台、6角レンチ×2本、カバー固定ネジ(3本)、組み立てマニュアル・保証書、よくある質問と、手袋が入っている。
組立方法は、マニュアルに写真入りで詳しく記載されているが、Youtubeに動画がアップされているので、事前に見ておくと良いと思う。
また、ZIGSOW内のレビュー記事も参考になるものが多い。
はじめに座部に背もたれを固定するのだが、ここではcybercatさんのレビューに、ネジの固定順について記載されていたため、その通りに取り付けたが、お陰でスムーズに取り付けることが出来た。
そして、ココにサイドカバーを付ける。
左右のカバーは形状が異るのものの、どちらにも装着可能で分かり難いが、カバーの裏側にR/Lの刻印があるので、間違えないように取り付ける。
次にシリンダーベースを取り付けるため、下面に仮止めされているビスを外すが、このビスは長さが異なるので、組み付け時に注意する必要あり。
ここに、ガスシリンダーを組み付ける。
次は、ベースにキャスターを取り付ける。キャスターは、真っ直ぐに押し込むのがコツ。
キャスターを全て付けたら、ガスシリンダーを差し込んで合体させる。
これでほぼ完成だが、付属のランバーサポートとネックピローを取り付ける。
で完成!
写真を撮りながら組み上げたので、開梱から完成までに約50分を要した。
成人男性であれば、普通に組み上げれば30分程度あれば組み立て可能だろう。
重量がある(梱包で28Kg、完成状態で約25Kg)ため、階段を持って上げ下げするのは困難だと思われるので、利用するフロアで組み上げるのがベターだと思う。
PUレザーは肌触りも良く、高級感を感じる
まず、今まで使っていたPCチェアとの見た目の違いから・・・
今まで、それほど不満は感じていなかったのだが、こうして並べてみると、とてもチープに見える。
表皮には、高品位なPUレザーを使用と謳っているが、柔らかで滑らかな肌触りで、質感は高い。
我が家の愛車 FIT3 HYBLID Lパッケージのシート表皮(プライムスムース)に近い感触だ。
FIT3 Lパッケージではシートサイド、アームレストにプライムスムースを使用
デザイン的には、黒ベースのシートにブルーとグレーの差し色を入れ、ブルーのパイピングをアクセントにしている。
Overtureは6色をラインナップするが、ブルーは比較的控えめな配色だと思っていたが、ブルーと言ってもスカイブルーと言って良い明るい色で、カジュアルな印象だ。
AKRACINGロゴの綺麗な刺繍が、各所に施されている。
背もたれ部分には、白と黒のステッチがV字型に入り、アクセントになっている。
5本足のベース部は、ダイキャスト製のシッカリしたもので、表面は綺麗に塗装が施されている。
レーシーなシート形状と、カジュアルな配色だが、シート表皮から脚部まで、高品位なモノを使用してる。質感も高く高級感があるので、リビングやオフィスにおいても違和感は少ないだろう。
細かなリクライニングと、ランバーサポートで快適姿勢が保てる
本チェアに期待していたのは、180°まで可能なリクライニング機構。
ただ、あの角度で安定しているのが不思議だったので、真っ先に試してみた。
最も立てた状態では垂直に立った感じで、そこから水平近い状態まで、20段階に固定できる。
固定角度が細かく調整できるので、シチュエーションに合わせた使用が可能だろう。
見た目とは裏腹に、最大リクライニング時でも、安定していて不安定さはない。
重心位置が絶妙に計算されているのだろう。
ロッキングが有効になっていると、ゆらゆらと揺れるが、当然だが倒れることはない。
アームレストは、高さ、幅が変えられる。
PRO-XやPREMIUMに装備される、前後と回転の調整機構は用意されていない。
高さはアームレスト下部のレバーを引き上げることで、6段階に固定できる。
左右幅の調整は、座部下面の固定ネジを緩め、固定位置を変更することで可能だ。
意外に幅があるので、一番狭めた位置に固定したが、それでも今までのPCチェアより広い。
アームレストの取り付け位置が調整可能
アームレストの幅は、最小でも約47cm(後ろ側では約48cmある)
今までのPCチェアは約42.5cm
ロッキング機構は、高さ調整用レバーを引き出すと、座面と背もたれの角度を保ったまま、全体を12°まで傾けることができる。
座面高さとロッキングON/OFF用レバー(上の水平なレバーはリクライニング用)
背もたれを起こしているときは、さほど動く感じはしないが、前述のように大きくリクライニングさせて背もたれに荷重をかけると、ゆらゆらと揺れるように動く。
キャスターは、PU(ポリウレタン)製の双輪キャスターが採用されている。
ポリウレタン製なので、柔らかく、フローリングの床を傷付け難い。
床には既に、今までのPCチェアのキャスターで跡が付いてしまっているが、PUキャスターは静かに、そしてスムーズに動いてくれている。
長時間のPC作業も苦にならない
Overtureは堅牢なメタルフレームに、高反発モールドウレタンフォームを使用しているため、座るとクッションが比較的固めに感じるが、適度に沈む張りのある固さだ。
今まで使っていたPCチェアに座り変えたら、『アレッ、このイスってこんなに柔らかかった?』って思ったのと、座面に沈む感じが心地良くない。
Overtureは、座っても沈み込まないので固く感じるが、程良い圧力で包み込むような感じと言えば良いのだろうか・・・
レーシングシートを模したシートデザインは、実際のレーシングシートと同様、体をホールドしてくれるイメージがあったので、オートバックスに出向き、レカロのシートに座ってみた。
レカロにもいろいろなタイプがあるが・・・
幾つかのシートに座ってみたが、レカロのシートに共通しているのは、タイトな着座感だ。
実際のカーシートにおいては、車の挙動やGに耐えて体の姿勢を保つことが必要だ。車の挙動を尻で感じられるように、腰も肩もタイトでシッカリとしたホールドするようになっていた。
対してゲーミングチェアは、レーシングシートの雰囲気は持ってはいるが、本来のレーシングシートのような体のホールド性は必要なく、肩や腰回りに余裕を持たせているので、タイトな感じは全く感じ無い。あくまでも、PC使用に適した設計がされているのだろう。
ランバーサポートは、腰と背もたれの隙間をうまく埋め、背筋をS字に保ってくれる。
ネックピローは、頚椎を支え、サポートしてくれる。
この2つがあることで、疲労感が違うのだろう。
このネックピローも張りがあって結構固めだ。
ダイソーにもネックピローがあったことを思い出し、出掛けたついでに購入してみた。
ダイソーの方が少し大きく柔らかだった。
付け替えて使ってみたが、付属のネックピローのほうがサポート感がシッカリしていて疲れも少なそうに感じた。
以前、ドン・キホーテで低反発のネックピローを見たので、機会があれば試してみたいと思う。
PUレザーのシート表皮は、『滑るんじゃないの?』って思っていたのだが、心配は無用だった。
(考えてみたら、車のシートにも使われてるから大丈夫なはずだった・・・)
しばらく作業をしていて、無意識に体の位置をズラそうとしたが、シート表面が滑らず体の位置が変わらなかった。
そこで気づいたのは、今までは、長時間作業をしていた時、時々体の位置を変えていたってこと。
長時間同じ姿勢で座っていると、体が痛くなってくるのだ。
時には腰の位置を前に出し、背を持たれるように座ったりもしていた。
リクライニング機構のないイスで、この後傾姿勢は無理があるが、それでもたまにはこんな姿勢を取りたくなってくる。
一方Overtureでは、体をズラさなくても気にならない。
同じ姿勢で座り続けていても、体が痛くなってこないのだ。
リラックスして使う場合もリクライニングで楽々だし、更に寝かせば休憩もできる。
とても快適なので、今まで使用していたPCチェア用に、ダイソーのランバーサポート(車用)を装着して使用してみた。
今までよりは楽になったが、座面の沈み込みとサポートの悪さは如何ともし難い。
もうこの椅子に戻れる気がしない・・・
写真の編集、現像作業時に使ってみた・・・
PCでの作業で、比較的時間が掛るのが、写真の編集・現像作業だ。
一眼レフで写真を撮るときは、SDカードへの記録はRAW形式で保存している。
このRAWファイルを、JPEGに変換する作業が現像だ。
集中して作業していると気付かないが、一段落して手を休めた時に、疲れていることがわかる。
今までは1時間も作業していると休憩したくなり、立ち上がって体を動かしたりしていたのだが、Overtureで作業していると、休憩時にも、疲労感が少ないのがはっきりわかる。
このレビューも、Overtureに座って書いているが、快適に作業を続けることができている。
ゲームをやってみた・・・
最近やっているPCゲームは『GRID2』だ。
以前もちもの登録したGRIDのセカンドバージョン。
まず、このシートに座って始めると、気分的に盛り上がる。
実際のカーシートのようなタイトな着座感はないが、それでもレーシングシートに収まる感覚は味わえる。通常のPC作業時よりも、2段程度リクライニングを倒し、車の運転時に近い好みのポジションが取れるのも、気分を高揚させる要因だ。
そして、時を忘れてプレイしていても、体が痛くなることはなかった。
使い続けて感じること・・・
2018年1月21日
とりあえず、ファーストインプレッションとしてアップ。
この後は、気づいたことなどを、随時アップしていこうと思います。
2018年1月28日 一週間使ってみて感じること
良いところ
- 長時間座っていても疲れない
張りのある硬めのクッションは、長い時間同じ姿勢で座っていても、疲労が少ない - 細かく調整できるリクライニング機構
文書作成や、写真編集などの通常のPC作業時は、リクライニングを立てていたほうがタイピングもしやすい
一方、レースゲームでは、車の着座感に近い形で2ノッチほど寝かせ
Webブラウズや、動画視聴時などは、更に寝かせ気味でするとリラックスできる
など、シチュエーションに合わせて、リクライニング角度を調整できる
気になるところ
- ランバーサポート、ヘッドレスト(ネックピロー)の位置調整ができると良い
どちらも、位置が固定しにくく、下がってきてしまう傾向にある
もう少し上で固定できると良いのだが、使用者の体型や身長(座高)によっても変わってくるので、位置調整の機構があると良いと思う - ヘッドレスト(ネックピロー)は少し小さく、硬い
ダイソーのネックピローと付け替えながら使ってみているが、大きさ、硬さ共に、ダイソーのネックピローのほうがリラックスできる
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