今回レビューするモバイルモニター「On-Lap 1102H」はバッテリーを内蔵しているので、電源の心配をする事無く使用する場所を選びません。
モニター解像度が Full HDでサイズは 11.6インチありますので、カメラに接続した時にはピントが合っているかなども確認し易そうです。
PCのモニターとしての利用でも優秀そうですが、利用場所を選ばないという点でゲームコンソールやポータブルメディアプレーヤーとの接続、カメラに接続しての利用をレビューしたいと思います。
【特 徴】
先にも少し書きましたが、主な特徴は以下の通りです。
・IPS方式 グレアパネル採用
・パネル解像度 11.6インチ、FHD(1,920 x 1,080 dot)
・7,800mAhバッテリー搭載
・HDMI、VGAによる映像入力
(オプションのリアドックポートを利用する事で HDMIポートがもう一つ使用可能)
・スタンドにもなる保護カバー付属
・三脚取付用のアタッチメント(三脚スタンド)付属
・ステレオスピーカー内蔵
一番の特徴は、バッテリーを内蔵しており利用時に電源供給無しで利用出来る事でしょう。
モニター使用時に電源ケーブルが一本無い事でケーブルの煩わしさが減るだけでなく、どうやって電源を確保するか悩む必要もなくなります。
そして別売品を購入する事無くスタンドになる保護カバーと三脚スタンドが付属するのも見逃せません。
スタンドになる保護カバーは持ち運び時には液晶の保護カバーとしても利用できます。
三脚スタンドは保護カバーとの排他利用ですが、パネル下部に三脚取付穴がくるので使い易いです。
この他スペック表に載っていない部分で、デジタルサイネージ利用時に便利な電源ロック機能や盗難防止用のセキュリティスロットがあったり、暗い室内での利用時に目の負担軽減にもなるブルーライト軽減機能もあったりします。
またカラーモード設定には映画や写真といった利用状況に合わせたモードを 4種プリセットされており、自分で細かく手動設定せずに指定する事が出来ます。
この様にスペック表だけでは見えてこない魅力がいくつもあり、PCのモニターとしての利用だけではもったいないですね。
【外 観】
実測 378 x 333 x 44 mmの薄手の外箱です。
外箱から引き抜いて内箱を出すと、本体と付属品の入った箱が詰め込まれています。
付属品毎個別にビニールに入っており、本体の他
・保護カバースタンド
・HDMI to micro HDMIケーブル(1.2m) x1
・USB A to micro USBケーブル (1.2m) x1
・電源アダプター
・ユーザーマニュアル
・1102 三脚スタンド
・ネジ 4本
・ケーブルタイ(面ファスナー) x2
が標準添付品として入っています。
今回レビュー用にオプション品の「On-Lap VGA 専用ビデオケーブル(1.2m)x1」と「mini HDMI to micro HDMIケーブル(60cm)」が同梱されてきました。
VGAケーブルの方は、同社の On-Lap 1002に同梱されていた VGAケーブルと比べ、
VGA端子の頭が小さくなったようです。
液晶背面右下にはドック専用接続ポートがあり、オプションの背面拡張ドックや専用ケーブルを接続する事が出来、こちらに接続した HDMIケーブルは[HDMI2]として認識されます。
また上下と左側の縁が斜めにカットされた変ったデザインをしています。
モニターのみの重量は 590gで、サイズが大きいので軽く感じられます。
前面にはボタン類などは無く、スピーカーは上側面に二つ付いています。
出力は 1W(最大)ですので音質は推して知るべしですが、別途スピーカーやイヤホンを必要としないのは便利です。
底面には三脚スタンド取付用ネジ穴とシリアルナンバーのシールが貼られています。
右側面は操作ボタンが集中しており、右(上側)から
・「ボリュームUP/上」ボタン
・「ボリュームDOWN/下」ボタン
・「メニュー/セレクト」ボタン
・「終了/自動調整」ボタン
・「電源」ボタン
となっており、この他「電源ランプ」と下部に「ケンジントンスロット(セキュリティスロット)」があります。
左側面はポート類があり、左(上側)から
・VGA入力ポート(microHDMI)
・HDMI入力ポート(microHDMI)
・5V DC入力ポート(microUSB)
・イヤホンジャック(3.5mm)
となっています。
続いて保護カバースタンドを見ていきます。
カバーの重量は 250gあり、本体と合わせると 840gになるので、手に持って視聴するにはちょっと重い感じです。もっとも、カバーに入れる時は持ち運び時かスタンド利用時なので、問題ないですね。
こちらのカバーに液晶面を裏にして載せれば保護カバー、液晶面を表にすればスタンドとして利用できます。
本体を載せた時に両側のストッパー(保護カバーロック)を回転させロックし飛び出さない様にします。
こちらのストッパーは強力磁石で留まっているだけで、取り外す事も出来ます。
背面の真ん中がラバーになっており、
この部分を外して折りたたむ事でスタンドになります。
下部が本体と繋がっており、上部がマグネット、中ほど 4ヶ所がはめ込み式になっています。
矢印の部分にマグネットが内蔵されており、金属面に吸着させた位置でスタンド角度が決まりますが、内側は樹脂製になっているので必ず外側のラバー面を金属面に吸着させるようにします。
ラバー製なので滑らず良いのですが、ちょっとホコリが付き易いです。
続いて三脚スタンドですが、
底面 2ヶ所と背面 1ヶ所をネジ留めします。
ネジの頭が大きく指で摘まんで留める事も出来ますが、マイナスネジの溝が太目なのでコイン等でしっかり留める事が出来ます。
スタンドの三脚用ネジ穴が底面になるので、三脚利用時は背面にネジ穴があるモノより使い易いです。
【設 定】
先に書いた様に電源ロックの設定やカラーモードの設定を行なうには、起動後「メニュー/セレクト」ボタンを押下し[OSDメニュー]より行います。
デフォルトは英語表記ですが、左から5番目のアイコンにある[言語選択]のサブメニューより『日本語』を選択する事で日本語メニューに切替えられます。
ちなみに 7ヶ国語対応となっています。
また一番右のアイコンの[情報](Information)でファームウェアのバージョンなどを確認する事が出来ます。
今回のファームウェアバージョンは「G11HO17122001」となっており、購入時期によりレビューを行なった内容と動作が異なる可能性がある事をご了承ください。
ファームウェアバージョンが見られるのならばユーザー側でバージョンアップを行なえると良いのですが、残念ながらその様なサービスは現在ありません。
ゲームコンソールやメディアプレーヤー、カメラでの利用
それでは課題のレビューに入りたいと思います。
ゲームコンソールやポータブルメディアプレーヤー、カメラ接続時の使い勝手についてレビューしていきます。
○ゲームコンソール接続
ゲームコンソールに接続と言っても据え置き型のゲーム機ではなく、持ち運びに便利な「On-Lap 1102H」に接続するのですから、こちらも持ち運びに便利な「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」を屋外に持ち出してプレイする事を前提に考えます。
屋外で使用するにあたり「On-Lap 1102H」はバッテリーを内蔵していますが、「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」は別途電源を確保しなくてはなりません。
しかしながら電源入力ポートは microUSBで 5V / 1.0Aの入力が出来れば良いので、モバイルバッテリーを使用出来ます。1.0A出力で良いので、ちょっと古めのモバイルバッテリーでも十分使えますね。
今回はこちらのモバイルバッテリーを使い、プレイしてみました。
上記では長時間遊べるようにと「On-Lap 1102H」もモバイルバッテリーに接続していますが、「On-Lap 1102H」単独では約3時間はバッテリーがもちます。
(輝度や音量によって使用出来る時間は変わります)
ゲーム開始時もスムースに画面が切り替わります。
何を当たり前の事を言っているんだ?とお思いかもしれませんが、この後のレビューでちょっと気になる現象が発生します。
試しに「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」にも接続してみましたが
こちらも問題なく使えます。
実際に車に乗った時に、後部座席の息子に遊ばせてみました。
利用している車載用のタブレットホルダーはこちらで
8インチタブレットでは長辺を挟み込んでいましたが、「On-Lap 1102H」では短辺を挟み込む事でピッタリでした。
画面サイズ 3インチ以上アップは大きいですね。
特に車載時ではケーブルが横に飛出すのが気になるので、L字型の HDMI変換ケーブルを用意しました。
ケーブルが下に垂れ下がるように曲がるタイプがケーブルに負担が少ない感じがして好みなのですが、下方向には microUSBポートがあるので背面側に曲がるタイプのモノにしました。
これだけで結構スッキリした感じになります。
ただ車載でゲームを遊ぶのに首都高だとカーブが多過ぎ酔っちゃいそうとの事で、少し遊んだだけでやめていました(^^;;;
車内でゲームをプレイさせるなら直線の多い高速道路や渋滞にハマった時くらいにさせた方が良さそうです。
○メディアプレーヤー接続
続いて接続してみたのはメディアプレーヤーです。
持ち運びを前提としたポータブルメディアプレーヤーで
電源入力端子が AC端子ではありますが、USB-DC電源ケーブルが付属しておりモバイルバッテリーで使う事が出来ます。
こちらはネットワーク機能や PC接続しストレージとしても使えますが、単体では MicroSDカードスロット、USB端子、内蔵SSD/HDDを利用出来ます。
SSDを内蔵させ長編動画を観るのも良いですが、私が想定していたのはビデオカメラやカメラのメモリカードを使う事でした。
しかしながら手持ちのビデオカメラ等は SDカード使用のモノばかりですので、USB接続のカードリーダーを使う事になりますが、カードリーダー利用には問題ありませんでした。
が、ここで違う問題が発生しました。
映像を再生している間は良いのですが、メニューの切替え時や映像再生開始時に 5~12秒ほど画面が真っ暗になってしまうのです。
具体的には、メディアプレーヤーのメニューから動画ファイルを再生するのにフォルダ開いていく時や映像再生開始時に暗転し「Screen Booting」と一瞬表示されます。
フォルダ表示時などはまだ良いですが、映像再生時にはその間動画は進んでしまっています。
(操作:「フォルダを開く」→「ファイル一覧より動画再生」→「次の動画再生」)
特に今回利用のメディアプレーヤーはレジューム再生が可能であり、動画再生時の最初に10秒程度メニューが表示されるのですが、ちょうどメニューが消える寸前に画面が表示されるので間に合いません。
また画像のスライド表示に至っては画像が切替る度に暗転してしまうので使い物になりません。
(画像サイズの異なるファイルが混在時)
暗転時に「Screen Booting」と表示される事から、入力解像度検出のタイミングでリブートされているようです。
同メーカーの「On-Lap 1002」ではこの様な事は無く
暗転せずに表示出来ているので、解像度検出機能の調整(修正?)で何とかなりそうなのですが...
○カメラ接続
カメラに接続する前に、先に三脚スタンドをもう少し見ていただきます。
三脚用ネジ穴が底面にあるのは大変よろしいのですが、取付けるのに向いていない台座があります。
正に今回用意していた三脚で
台座のネジの周りに穴が空いているタイプです。
と言うのも、三脚スタンドのネジ穴部分の周りが細すぎて、きつく固定していくと台座のネジ周りの穴を押し広げてしまいます。
また安い三脚の台座でウレタン等柔らかめの素材だと押しつぶしてしまう可能性が高いので、出来ればネジ穴の接地面を広くして欲しかった。
という事で、こんなのを使ってみました。
底面に三脚用ネジ穴が切ってあるので、これを三脚スタンドに取り付け
先ほどの問題は解決です(^^
台座に広い面で接地するので安定性も上がります。
準備が出来たところで、実際にカメラと接続してみます。
行ないたかったシチュエーションはモチモノ登録用のブツ撮りで、普段のブツ撮り時にカメラの液晶ではピントが合っている様に見えていたのに実際にはピントが合っていなかったという事があります。
その場で大きい画面で確認が出来れば撮り直しの手間が減ります。
普段ブツ撮りにはミラーレスカメラの「CANON EOS M」を使用しており
マンフロットの三脚に載せています。
上の三脚にクランプを取り付け、
簡単に脱着出来るようにアルカスイス互換のクイックシューアダプタを使います。
場合によっては別の三脚に載せて使い、これで撮影時にピントが合っているか等の確認もその場で行なえる様になりました。
今回室内で撮影しているので電源ケーブルを接続していますが、カメラも「On-Lap 1102H」もバッテリーを内蔵しているのですから、屋外でも同じ機材で利用する事が出来ます。
ただし「CANON EOS M」で使用する時には注意が必要です。
設定などは基本カメラの液晶のタッチ操作で行なうので、カメラに繋いで表示させながら撮影を行なう場合はかなり制限されてしまいます。
特にピントの合う位置を指定するには AF(オートフォーカス)モードを「ライブ1点AF」にして、ピントの合わせたい位置を画面タッチしていたのですが、外部出力している時にはカメラの液晶は表示もされず反応しない様になっています。
仕方がないので、ピント合わせは「ライブ多点AF」にしてカメラ任せにします。ブツ撮りなので全体的にピントが合っていた方が良いのでこれでも大体大丈夫です。それでもピントを合わせたい位置がズレたりしますが、被写界深度を深くして極力全体にピントが合うようにします。
ピント合わせ以外でも明るさ調整の為によく露出を変更しますが、こちらの操作も画面タッチ操作でしか行えません。
撮影モードをシャッター優先や絞り優先モードにすると、シャッター速度や F値の変更はカメラの液晶横のダイヤルで変更が出来るので、シャッター優先にしてシャッター速度を長くしたり短くしたりして明るさを調整します。
ただピント合わせや明るさの調整をしたいだけなのに、ミラーレスカメラで外部モニター表示させながら撮影するには知識や労力が必要とされます。
それなら AUTOモードで撮れば良いと思われるかもしれませんが、思った通りの明るさになりませんし室内なので ISO値が上がりノイズも乗ってくるので AUTOモードでは撮りたくありません。
AUTOモードで撮影するのならばミラーレスカメラでも良いのでしょうが、そもそも外部モニター出力させて細かい設定を行ないたいのならばミラーレスカメラを使うべきではなく、外部モニター出力させてもボタンやダイヤル操作で各種設定が出来るカメラを使うべきなのでしょう。
という事で、一眼レフデジタルカメラの「CANON EOS 70D」に接続してみる事にしました。
ところが用意していただいた「mini HDMI to micro HDMIケーブル(60cm)」で接続しても外部モニター出力する事が出来ません。
モニターにはケーブルを接続するように警告メッセージが表示されるだけです。
問合せを行なったところ、メーカーでも一部のカメラで表示出来ない事は確認されているようで、カメラ側で解像度を指定して出力できるようならば試してみて欲しいとの事でした。
また HDMI CEC機能(HDMI制御機能)があれば ”OFF”にしてみるようアドバイスされました。しかし 手持ちの CANON製カメラで HDMI出力時には相手機器の解像度を自動検出するようになっており、出力解像度を指定する事は出来ません。
そして HDMI CEC機能(CANONでは「HDMI機器制御」)を”OFF”にしてみましたが、やっぱり表示する事が出来ませんでした。
ちなみにメーカーで確認(一部のカメラのみ)したところよると NIKON製一眼レフデジタルカメラでは出力出来ているようなので、現時点で相性問題があるようですね。
更に聞いたところによると今回表示出来ないのはカメラの自動検出待ち時間と「On-Lap 1102H」の自動検出待ち時間のズレが原因のようで、調整を行ないファームウェアの改修により改善できるようなので、なおの事新しいファームウェアが出来たらユーザー側でアップデートできる仕組みを作っておいて欲しかったところです。
他の手持ちのカメラで表示が出来るのか気になったので、当初予定していなかったコンパクトカメラ「Canon PowerShot S120」とミラーレスカメラ「SONY NEX-5T」「OLYMPUS PEN E-P5」でも確認してみました。
「Canon PowerShot S120」では「HDMI機器制御」の ON/OFF関係なく表示出来ました。
続いて「SONY NEX-5T」です。
こちらも問題なく表示する事が出来ました。
「OLYMPUS PEN E-P5」では外部出力時に解像度を指定できるので期待したのですが、表示出来ませんでした。
ちなみに「1080p優先」、「720p優先」のどちらでもダメで、HDMI制御機能の ON/OFFの組合せを試してもダメでした。
しかしながらカメラを再生モードにしたまま何度もケーブルの抜き挿しをしてみたところ、一回だけ表示させる事が出来ました。
ただしその後何度も試してみたのですが、再現する事は出来ませんでした....
これらの事からも出力解像度の指定や HDMI制御機能は関係なく、単に自動検出のタイミングのみの問題の様に思えます。
ちなみに「On-Lap 1002」では前述のカメラ全てで問題なく表示出来ているので、ぜひ早期に解決して欲しいものです。
他モバイルモニターとの比較
今回比較を行なうモバイルモニターは、同じくバッテリーを搭載した「Diginnos DG-NP09D」です。
まずは市場価格とスペックを比べてみます。
一番気になるのは市場価格で倍以上の差があり、実際にそれだけの価値の差があるのかでしょう。
「Diginnos DG-NP09D」は詳細な仕様があまり公開されておらず不明な点もありますが、スペック表の上から見ていきます。
まず目につくのが液晶サイズの差で、「On-Lap 1102H」の方が 3インチ近く大きいです。
パネル種別が「Diginnos DG-NP09D」は不明ですが、視野角が広く IPSの様に思えます(あくまで自己判断です)。
解像度に関し「Diginnos DG-NP09D」の方が短辺方向が詳細になるので PCで使う上では表示情報が多くなり有利そうですが、長辺の解像度は一緒ですので液晶サイズの差の方が大きく感じました。
※FHDのPC画面をミラーリング表示させているため「Diginnos DG-NP09D」は上下に
少し余白が出来ています(本来右上の電池マークがある高さまで表示可能)
色温度等条件を揃えて撮影していますが別々に撮った画像を並べていますので
実際の見た目と若干差があるかと思いますが、概ね見えている通りです
映像入力に関しては、「On-Lap 1102H」は VGA入力に対応しており一般のユーザーでは今更感がありますが、サーバーのモニター利用等ではまだまだ現役ですね。
オプションの背面拡張ドック等を利用する事で、HDMI入力を増やせるのも利点です。
バッテリーは「Diginnos DG-NP09D」の方が若干多いだけですが、液晶サイズの差か利用出来る時間が 1時間近く違ってしまいます。
更に「On-Lap 1102H」ではバッテリー容量が少なくなってくると、警告表示が画面中央に点滅したり音声出力が出来なくなるのでギリギリまで使い切れません。映画一本くらい見るのは問題ありませんが、それより長く連続して使用したいのならばモバイルバッテリーは一緒に持ち歩きたいところです。
付属品では「On-Lap 1102H」にあるカバースタンドと三脚スタンドの存在が大きいです。
「Diginnos DG-NP09D」でも保護ケースやスタンド、三脚取付用のホルダーを別途購入する事で同等の事は出来ますが、専用品では無いためいろいろと使い勝手が悪いです。
特に三脚に取り付けるのに汎用のタブレットホルダーでは固定方法が挟み込むだけなので脱落の不安が付きまといます。
ここまでスペック表を見比べてきて付属品の差を考えても価格差ほどの差は無いように見えますが、仕様からは見えてこない部分で大きな差があります。
肝心の映りに関して「Diginnos DG-NP09D」もなかなか良く比べなければ今まであまり不満を感じて無かったのですが、解像度のところで載せた画像を見ると「Diginnos DG-NP09D」の方が白っぽくなっている(黒色にしまりがない)のが分かるかと思います。
ネコの写っている画像では、「On-Lap 1102H」の方が写真モードにしており引き締まって見えます。一方「Diginnos DG-NP09D」にも画像モードとして「スタンダード/ダイナミック/ユーザープリセット(手動設定)/マイルド」があるのですが、明るさとコントラストの調整しか行えないので、黒色を引き締め様がありません。
また好みではあるのですが、「On-Lap 1102H」の画面はノングレアで「Diginnos DG-NP09D」はグレア(光沢)になります。使う場所や使用用途によるのですが、映り込みのないノングレアを使いたいところです。
他にも冒頭に書いた様に「On-Lap 1102H」には電源ロック機能やセキュリティスロットがあったり、カラーモード設定(標準/ゲーム/写真/映画)、ブルーライト軽減、色温度など映りの設定を細かく行えます。
また背面の拡張ポートを利用するリアドック等のオプション品や VESA規格のモニターアーム等に取り付けられるキット等のオプション品もあります。
「Diginnos DG-NP09D」にはオプション品は無く、あるがままをユーザーが工夫して使う必要があります。
これら総合的に見るとやはり妥当な価格差だと分かります。
使用用途によってはどちらかの製品でないとダメというケースもあると思いますが、PCのサブモニターとしてだけしか使わないようならば「On-Lap 1102H」では利用しない機能が多く宝の持ち腐れという事にもなりそうです。
【問題点&要望】
レビュー中に指摘した点を含めいくつか気になる点がありましたので、ここでまとめます。
・メディアプレーヤー接続時に画面が切替る度に暗転する
こちらは使用する機器が解像度情報をどのタイミングで出力するかによって発生頻度が異なると思われますが、今回使用したメディアプレーヤーではメニュー切替や動画や画像連続再生時にファイルが切替るタイミングで発生するのでイライラします。
「Screen Booting」の時間を一瞬で終わらせられる様になるか、いっその事解像度の自動検出以外に解像度固定モードを搭載して欲しいところです。
・カメラ接続時の相性
全てのカメラで再生できるのが理想ですが、現状では一部のカメラで表示出来ない事を確認しているようなのでメーカーから接続可否の情報(一覧表など)が提供されると良いですね。
・バッテリー残容量が少なくなった時
内蔵バッテリー利用時に残容量が少なくなると低電圧警告が画面中央に透過状態で点滅表示されます。
電池残量を確認すべく OSDメニューを表示させ電池アイコンを見ると二目盛残っています。
状態としては満タンで四目盛となっており二目盛だと 25~50%の残量となります。
たぶん 25%に近い二目盛ではあると思われますが、もう少し詳細な残量が知りたいですね。せめて10段階にするか、ずばり数値表示して欲しいです。
低電圧警告の表示タイミングをマニュアルで確認すると残目盛が一段目位とあり自動的に節電モードに入るようなので、個体差があるようです。一段目位と言っても幅があるので、残容量が 10%以下になったら表示される位で良いのですけどね。
低電圧警告が表示され少し経つと音声が出なくなるので、まだバッテリーが残っていても動画などは実質見られなくなります。バッテリー容量ギリギリまで使いたいので、自動的に節電モードに入るかどうかの指定を出来るようにして欲しいです。
また警告は画面中央で点滅表示され大変邪魔なので、邪魔にならない場所に電池アイコンが表示される位だと良かった。
・ファームウェアのアップデートについて
現在の問題点の修正がされた時にユーザー自身で対応できる様にして欲しい。
レビューにて比較を行なった「Diginnos DG-NP09D」ではユーザーがファームウェアアップデートを行なえる様になっており、WEB上でツールおよびファームウェアが提供されています。
「On-Lap 1102H」でも出来ると良いのですが。
・ケーブルについて
ゲームコンソールの利用のところで少し触れましたが、ケーブルを接続すると横に飛び出すようになり邪魔になる事があります。また縦型表示させると飛び出したケーブルが大変見苦しいです。
私は L字型の HDMI変換ケーブルを購入しケーブルを背面に回すようにしましたが、出来れば専用品で USBケーブルと共に提供されるとうれしいです。
【まとめ】
今回レビューでやりたかったカメラとの接続やメディアプレーヤーとの接続で動作がイマイチだったのであまり印象は良くありませんでしたが、通常ではメインの使い方となるであろう PCとの接続はやっぱり便利です。
11.6インチあるので、ノートPCと繋いでもう一画面普通に使えるのは良いですね。
小さい画面だとツイッターなど実作業外のものしか表示させる気になれませんが、メインの作業もこなせます。
また縦表示では液晶の長辺が B5用紙と同じ長さなので、雑誌の閲覧やワープロ用途にも向いています。
本来なら「PCで便利なのは当たり前で HDMI接続できる機器ならなんでも OK」となれば良かったのですが、私がメインで利用しているカメラやメディアプレーヤーとの相性が悪く大変残念です。
ぜひ早期にこれらの問題が解消され、既存ユーザーがその修正を享受できる方法の提供を望みます。
とは言え、このサイズのモバイルモニターがあると PCでの利用はもとより、サーバーや自作機等の一時的なモニター利用やゲームコンソール等のモニター利用等々いろいろ使えて一台は持っておきたいですね。
Picardさん
2018/01/14
三脚用バックパネルのネジはシルバーだったんですね。
カメラネジの使い方。参考になりました。私の場合は、最初からライトスタンドに固定したので、気づきませんでした。
お疲れまでした。
atsuo@tokyoさん
2018/01/14
コメントありがとうございます。
私の用意していた機材ととことん相性が悪く苦労しました(^^;
カメラネジを三脚スタンドに取り付ける時にはゴム製のスペーサーを挟めば更に良いかと思いますが、使用していて特に緩みなど発生していないのでスペーサーは使いませんでした。
カメラネジはいろいろ使えるので、ストックしておくと便利です(^^