レビューメディア「ジグソー」

Core M スティックPCで、家中どこでもドラマ&艦これ

昔から連続ドラマを見るのが好きなのですが、仕事の関係で、リアルタイムで見るのは難しいので、もっぱら、平日に録り溜めたものを週末に一気に見る、という生活が習慣化しています。
当初はレコーダー専用機、PCのディスプレイを27インチにしてからはUSBタイプのチューナーを使っていましたが、そのチューナーが壊れたのを機にnasneを使うようになりました。

 

2年ほど前にスティックPCというカテゴリーの製品が発売された際、「nasneと組み合わせて、茶の間の大画面テレビでドラマが見れるかも!」と、とても興味を惹かれたのですが、PCとして満足できるスペックの製品が出てこなかったため、購入には至りませんでした。

 

そんな中、Core M搭載のスティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)が発売され、幸運にもレビューさせて頂く機会を得ましたので、基本的なレビュー観点に加え、私のもう1つの生活習慣(?)である艦隊これくしょんの提督業と、冒頭で触れましたnasneを用いたドラマの録画/視聴を、本機を使って家中の様々な環境で試しながら、レビューを進めていきます。

更新: 2016/10/23
総評

家中での使用は申し分ない、普段使いからモバイルまで、いろいろと用途が膨らむ魅力的なPC (^^)v

本スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)は、今回のレビューテーマである「家中どこでもドラマ&艦これ」に非常にマッチしたPCだと感じています。
実際の使用に際して、環境によっては、「使用感」に書いた通り、若干の工夫が必要となる部分があると思いますが、それらを差し引いても、テレビやディスプレイに気軽に挿して使える、非常に魅力的なPCであると思います。

 

1点、レビューを通じて、筐体が結構高温になる、という懸念点が残りました。
今回のレビュー中、特に問題(熱暴走、極端な性能劣化等)は発生していませんが、モニタリングツールで温度に気を使いながら使用するべき、と感じました。

 

実を言うと、レビュー中にメインマシンが2週間ほど不調になり、その間、せっかくなので、本スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)をメインに使用していたのですが、意外と快適に日々を過ごせました。
普段はメインPCとして使用し、出張や旅行の際には、持ち出して外出先でも使用する、といった使い方にも十分耐えうると考えます。

 

また、電源確保の問題はありますが、小型のディスプレイと一緒に持ち出して、モバイル使用、というのも面白いと思います。

 

最後に、インテル様には、今後も、本スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)のような魅力的な製品を継続して開発下さいますよう、お願いします。

更新: 2016/09/12
開封の儀

インテルブルーのシンプルなパッケージ

外箱
外箱

シンプルなパッケージで好感が持てます。

ただ、材質は樹脂製ではなく紙製にしてほしいと思います。

 

内容物
内容物

内容物は、本体、ACアダプター、電源ケーブル(USB Type-C)、HDMI延長ケーブル、電源プラグ(EU、UK、US、AU)、マニュアル類です。

なお、USのプラグは所謂Aタイプで、日本で使用する際にも、これを使います。

更新: 2016/09/12
外観

思ったよりも大きい...かな

この手の製品は実物を初めて目にしたのですが、正直、思っていたより大きい、というのが第一印象でした。

でも、よくよく考えると、この程度の大きさは必要ですね。

HDMIコネクター以外に出っ張りもなく、すっきりとした外観で好感が持てます。

ただ、個人的には、白も選択肢として欲しいところです。

 

正面
正面

右側面
右側面

Atomモデルは電源ポートがMicro USBのようですが、本モデルはUSB Type-Cに変更されています。
付属の電源ケーブルも太いので、CPUの消費電力に伴う変更でしょうか。
このポートは電源ケーブルを介してACアダプターに繋がり、ACアダプターがUSBハブの役割を果たすようになっています。
MicroSDXCはUHS-I対応です。

 

ACアダプター
ACアダプター

本体とは別に2個のUSB Type-Aポート(USB 3.0)があります。
デスクトップとまではいきませんが、タブレットやモバイル向けノートPC程度の拡張性は確保できていると思います。

 

左側面
左側面

電源ボタンとUSB Type-Aポート(USB 3.0)が1個あります。
USBはACアダプターと合わせ、計3個のポートが使用可能です。

更新: 2016/09/17
セットアップ

Remote Keyboardが...

小さいながらも Windows 10 プリインストールPCなので、セットアップは簡単です。
(Windows 10に主眼を置いていないので、インストール画面等は割愛します。)

 

ただ、1点だけ。
インストール時から「Intel Remote Keyboard」が使えると思い、スマホ片手にインストールを始めたのですが、全く認識せず、10分ほどマウスを探し回る羽目になりました。
(キーボードの接続も要求されますが、接続しなくてもインストールは進められます。)

 

なお、Intel Remote Keyboardは、出張や旅行でホテル等で使う際には、荷物にならず便利だと思いますが、家の中で日常的に使う場合は、Bluetoothのキーボード&マウスが必要と思います。

更新: 2016/09/19
性能

まずまず、と言ったところでしょうか

体感的にはサクサク動きます。
普段使いのCPUについて、メインマシンがCore i7-2600K(3.4GHz)、リビングのサブマシンがCeleron N3150(1.6GHz)で、Passmarkのベンチマーク値は、それぞれ以下の様な感じです。
 Core i7-2600K(3.4GHz) : 8500程度
 Celeron N3150(1.6GHz) : 1700程度
対して、本機(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)のCPUであるCore m3-6Y30(0.9GHz)のPassmarkのベンチマーク値は3000程度です。
仕事柄、産業用含め、様々なPCを使用していますが、Passmarkのベンチマーク値と体感性能は以下のように感じています(私感)。
 ~1000   : もっさり
 1000~3000 : まぁ耐えられる
 3000~   : 不満なく使える
もちろん、メモリ容量やストレージ種類によっても違いますが、だいたい、このような感じだと思っています。
普段使っているPCによっても感じ方は違うと思いますが、本機(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)のCPU性能は、まずまず満足できるレベルと思います。

 

システムプロパティ
システムプロパティ

初期バージョン

Anniversary Update後バージョン

インストール直後のOSバージョンは所謂TH2です。
Anniversary Updateについては、1周間ほど粘って、Windows Updateで適用しました。

 

エクスペリエンスインデックス

エクスペリエンスインデックスは、Direct3D(ゲーム用グラフィックス)が何故か最高値の9.9、CPUとディスクが6点台後半、グラフィックスとメモリが5点台後半で、基本スコア(5つのカテゴリの中で最も低いスコアと同じ)が5.7という結果になりました。

普段使用しているメインマシン(CPU:Core i7-2600K(3.4GHz)、SSD:Samsung SSD 850 EVO 500GB、メモリ:16GB、グラフィックカード:MSI R9 270X Twin Frozr 4S 4G OC)のスコアが概ね8点台前半(Direct3Dだけは9.9)なので、価格的なことを考慮すると、立派な結果だと思います。

 

ffxiv-heavensward-bench結果

エクスペリエンスインデックスのDirect3Dの値がおかしいので、ffxiv-heavensward-benchを走らせてみました。
メインマシンと条件を合わせ、最高品質で実行したため、結果は惨憺たるものでした。
ちなみに、メインマシンでの結果は4972(快適)でした。
やはり、3Dグラフィック性能には期待できませんね。
ただ、解像度と品質を落としてやれば、3Dゲームも楽しめると思います。

 

何はともあれ、私のテーマである「家中どこでもドラマ&艦これ」には十分な性能と思われます。

更新: 2016/09/19

レビュー環境

今回、ドラマ&艦これを試す環境は、以下のの3つです。


 ①自室(2F)
  25.5インチ PCディスプレイ(三菱 RDT261WH)

  (HDMI切替器とHDMI音声分離器を使用し、Apple TV、メインマシンと共用)

  nasneとの接続:スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)~無線LAN中継器~無線LANルーター~イーサネットコンバータ~nasne

 

 ②茶の間(1F)
  42インチ プラズマTV(Panasonic TH-42PX300)
  nasneとの接続:スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)~無線LANルーター~イーサネットコンバータ~nasne

 

 ③客間(1F)
  42インチ 液晶TV(東芝 42Z2000)
  nasneとの接続:スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)~無線LANルーター~イーサネットコンバータ~nasne

 

使用している無線LANルーター、無線LAN中継器、イーサネットコンバータは以下の通りです。
(nasneは2台あり、それぞれ、異なる場所に設置してあります。)


無線LANルーター

無線LAN中継器

イーサネットコンバータ(nasne1)

 

イーサネットコンバータ(nasne2)

nasne1

nasne2

家庭内のネットワークは、ほとんどが無線LANです。

nasneで録画/視聴を行うためのアプリケーション「PC TV Plus」は、ネットワーク帯域をそれほど使用しません。
ブラウザゲームである艦これも同様です。
ですので、自室でメインマシンを使って提督業、ドラマ視聴する際は全く問題ありませんが、IEEE 802.11ac準拠とは言え、筐体の小さいスティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)の無線LANには、環境的に厳しいかも知れません...。

更新: 2016/10/23
ドラマ視聴と提督業

思っていたよりも軽快 (^^)v

当初の予想に比べると、軽快に視聴&プレイできました。
それぞれの環境での状況は以下の通りです。


まずは、自室から。

 

 

nasneの方は、録画を行いながら、過去に録画したビデオを視聴しています。

ビデオ、艦これ、ともに遅延もなく、普通に視聴、プレイできています。

CPU使用率が30%~50%程度、無線LANの使用帯域も数Mbpsの山がいくつかある程度で、特別な高負荷、という訳ではありません。

ただし、筐体が結構な熱を持つため、長時間の視聴&プレイに若干の不安がありましたが、今回、ドラマ2話分(約2時間)の視聴中は安定的に動作していたようです。

 

普段使っているメインマシンで同様のことを行った場合、ネットワークの使用帯域は同じくらいですが、CPU使用率は20%~30%程度です。

この辺の差は、GPUの実装(スティックPCはCPU内蔵、メインマシンは専用ビデオカード)によるものと推測しています。

 

ちなみに、無線LANルータまでの距離は12~13m程度(天井&壁越し)、使用している無線LAN規格は以下の通りです。


スティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC) ~~ IEEE 802.11n(2.4GHz) ~~ 無線LAN中継器 ~~ IEEE 802.11ac ~~ 無線LANルーター


無線LANルーター ~~ IEEE 802.11n(5GHz) ~~ イーサネットコンバーター ~~ 有線LAN ~~ nasne1
無線LANルーター ~~ IEEE 802.11n(5GHz) ~~ イーサネットコンバーター ~~ 有線LAN ~~ nasne2

 

茶の間は、このような感じです。

茶の間テレビ(ビエラ)
茶の間テレビ(ビエラ)

 

自室と同じく、裏録中のビデオ視聴&艦これプレイです。
場所が違うだけで、やっていることは同じなので、リソース使用状況は自室と変わりませんでした。
ネットワーク条件が自室よりも若干良い(無線LANルーターとの距離(5m程度、壁越し)、使用する無線LAN規格(IEEE 802.11ac))と思われますが、顕著な違いは見られませんでした。
nasneも艦これもネットワーク帯域に優しいですね (^^)

 

※茶の間のテレビは解像度がHD(1280 x 720)なので、画面内にビデオと艦これのウィンドウを収めるのは、若干、キツイですね。

 

そして、客間です。

客間テレビ(レグザ)
客間テレビ(レグザ)

 

自室、茶の間と同じ条件でのビデオ視聴&提督業で、使用感も、リソース使用状況も、自室、茶の間と変わりませんでした。
ネットワーク条件は自室と茶の間の中間くらい(無線LANルーターとの距離(7~8m程度、壁越し)、使用する無線LAN規格(IEEE 802.11ac))ですが、顕著な違いは見られませんでした。

 

※茶の間、客間のテレビとも、オーバースキャン設定の解除方法がわからず、若干、画面がはみ出しています (>_<)

更新: 2016/10/03
使用感

そのままだと気になる部分がいくつかあるけど、カバーできる範囲...かな

全体的な使用感と、自分が使う上で、あると良いと感じたもの(ソフトウェア以外は実際に買いました ;^^)を書いてみます。

 

※ソフトウェアのダウンロードリンク等は設定していません。

 興味のある方は、検索エンジン等で調べて下さい。

 

1.結構筐体が熱くなるので、負荷状況、温度などをモニターした方が良いと感じました
  ⇒ Core Temp


メインマシンではHWiNFOを使っていますが、意外とCPU負荷が高いので、リソースに余裕のないスティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)のモニタリング用には、Core Tempを選びました。

肝心の温度ですが、録画した番組を視聴しながら艦これをプレイすると、Core Tempでの測定値が75~80℃になります。

Core m3-6Y30(0.9GHz)のTjunction値が100℃なので、まぁ、問題ないかな、と思っています。

 

2.ストレージアクセスランプがないので、処理に時間がかかると不安に感じました
  ⇒ WinLED

 

最近は、ノートPC等でもストレージのアクセスランプのない(もしくは、見にくい)機種が増えていますが、処理時間が長くなると、処理中なのか(待てば終わるのか)、中断してしまったのか(強制終了等が必要なのか)、わからなくて不安になることがあります。
もちろん、OS稼働中しか確認はできませんが、それでも、不安要素の軽減にはなっています。

 

3.ちょっとした設定変更、録画予約等をリモートで行いたいと思いました
  ⇒ Teamviewer


RDP Wrapper Libraryの使用も考えましたが、ライセンス的にグレー(元々のエディションで許可されていない機能を有効化して良いものか...?)なので止めました。
ちょっとした設定変更はローカル接続で、外出先で急に録画予約したくなった際はスマホから、みたいな事ができて便利だと思います。
(録画予約については、それ用のスマホアプリを使う方が便利ですが、諸々の事情により、たまに使えないことがあるので、そういった際に備えての導入です。)

 

4.付属のACケーブル(USB Type Cケーブル)が硬すぎるので、柔らかいケーブルが欲しくなりました
  ⇒ belkin USB-Cケーブル F2CU030BT1M-BLK-A

テレビに直挿しした際に、変なテンションがかかるのが心配だったので、柔らかいことを期待して購入しました(実際に柔らかくて安心しました)。
そもそも、硬いと、収まりが悪く、持ち運びにくい、というのも購入理由の1つです。
最大出力60W/3Aなので、USB PDに対応していると思われます。
インテルのサイトにあるデータシートではACアダプタのDC出力が5V x 4A(最大)と読み取れますが、ACアダプタの仕様表示ではUSB Type C側の出力は5.2V x 2.2Aとなっており、本ケーブルをスティックPC(インテル® Compute Stick STK2M3W64CC)で使用しても問題ないと判断しています。
(ちなみに、USB Type A側の出力が5V x 0.9Aとなっており、USB Type C側の出力と合わせても15.94Wなので、データシートの数値は、あくまでも最大値、と思っています。)

 

5.付属のHDMI延長ケーブルが短いので、長めの延長ケーブルが欲しくなりました
  ⇒ HORIC ハイスピードHDMI延長ケーブル 1.0m HDM10-948FM

自宅のテレビは、HDMIポートが背面にあり、接続しにくいので、前面で簡単に接続できるように購入しました。

29人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (4)

  • アイヴァーンさん

    2016/09/19

    こにゃにゃちは~。
    キーボードは大事ですよ!

    ところで,君たち(誰?)…
    温度測ろうぜ(なんでやねん)
  • たかみっちさん

    2016/09/19

    コメント、ありがとうございます。

    確かにキーボードは大事ですね。
    ただ、Windowsはセットアップ中もソフトキーボードを出せるので、今回はそれでセットアップを進めました。

    温度は...HWiNFO入れて見てみようと思います。
  • しばさん

    2016/10/03

    &艦これってのは重要だと思いました。

    …気づけば筆者、1年近く新規に記事を起こしてないです><;
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