レビューメディア「ジグソー」

限りなく至高へ近づいたテンキーレスキーボード

今回のレビューは「ROCCAT™ Ryos TKL Pro ~ テンキーレスでコンパクトなハイエンドメカニカルキーボード ~」のレビューアー選出によるものです。

この度はレビュアーに選んでいただきありがとうございます。
この場をお借りして御礼を申し上げます。

 

さて、ROCCATのRyosと言えば、縁あって昨年の同じ頃にRyos MK Pro(以降MK)をレビューさせて頂きました

その最中に開催されていたCES2014にて、今回レビューさせていただくテンキーレスタイプ「Ryos TKL Pro」が発表され日本での発売を切望していた事が思い出されます。

 

それから1年。

 

ついに。つ・い・に。

ROCCAT Ryos TKL Pro 日本上陸です!

 

もう感無量ですね。あのRyosのテンキーレスですよ、期待せざるを得ない。

 


 

それではパッケージから。

いつものROCCATらしいパッケージです。
今回レビューさせていただくのは赤軸版です。

 

Ryos TKL Pro(以降TKL)もMK同様メカニカルキーボードではお馴染みのCHERRY MXキースイッチを採用しており、赤軸・黒軸・茶軸・青軸の4種類から選ぶことが出来ます。

(今回のレビュアー応募に際しては、こちらから選択可能であれば赤軸で、との希望を付けさせて頂きました。)

今回のTKLレビューに際し、MKおよびCooler Masterのゲーミングブランド CM STORM の Quick Fire Rapid(以降QFR)との比較を行います。
MKもQFRも赤軸ですので、今回のTKLも赤軸にする事でキースイッチの違いによる操作感の違いを排除した形でレビューを行えると考えたためです。

 

私的には現在のところ赤軸至上ですが、全ての人にとってのベストだとは思いません。
Ryosに限らずメカニカルキーボードの購入を検討する際には、実際にサンプル品を触れるお店で各軸の違いを体感した上で購入されることをお勧めします。(まぁ、そのサンプル置いてある店が近くにあるかどうかが一番の問題ではあるのですが。)

 

パッケージの側面を開き内箱を取り出します。
黒一色の箱に艶消しでROCCAT RYOSのロゴが。

 

内箱を開けるとTKL本体がお目見えです。

 

キーボードの下にはドライバソフトのダウンロードを案内する小冊子が入っています。

 

毎度の事ですが、ROCCAT製品のドライバはネットからのダウンロードになります。

勿論ドライバ無しでも普通にキーボードとしては使用出来ますが、せっかくの各種機能が使えませんのでドライバのダウンロードは必須だと思ってください。
まぁ、このレビュー見てる人は、これ見てる時点でネット接続環境がある訳ですが。

 

ドライバソフトが付いていない事についは賛否両論あるでしょうが、私的にはCD-ROMでドライバ添付されても使わないので、無駄を省いている非バンドル方式は肯定ですね。

 

さてキーボード裏面。
溝が掘られていて、その溝にケーブルを入れる事が出来ます。

ケーブルは本体直付けですが、ケーブル用の溝が直上以外にも少し左右にずれた位置に出せるのが嬉しいですね。
また、左右そのものにも出す事も可能です。

 

 同門対決!TKLとMKを比較 

 

さて、それではMKとTKLの比較を。

TKLはMKのテンキーレス版になる訳ですが……


パッケージの段階で横幅が随分と違いますね。
何故か縦幅も若干縮んでいますが……

 

キーボード本体の比較。
TKLはMKから左端のマクロキーおよび右端のテンキーがカットされています。

 

テンキー部が削られた事により、テンキー上部にあった製品名がパームレスト中央右寄り(THUMBSTER KEYS(T1~T3)の右側)に移動しています。

 

正直、MKの欠点であった左端のマクロキーと右側のテンキーが無くなったのは非常に大きい改善点ですね。

マクロキーは利便性が高い半面、その位置的に誤爆を誘発しやすいと言う欠点も持ち合わせていました。

テンキーに至っては、邪魔なだけで存在価値自体ありません。
テンキーが無くなる事でキーボードとマウスの距離が縮まり、非常に使いやすくなったと言えます。

 

世の中にはテンキーが無いと困ると言う人も少なからず要るようですが、その割には実際に必要としている人は一部でしかなく、多くの人はメインキーの数字キーで十分間に合うのが実情でしょう。

まぁ、どうしてもテンキー欲しい人の為にこそMKがある訳ですが。

 

一方でコストダウンの為か、筐体サイズが小さくなったせいなのか、一部の機能が削られています。

 

TKLではMKにあった、キーボード左右面上部の音声入出力とUSBポートが省かれています。

 

付いていても使わなかった、と言う人が多かったのかもしれませんが……
音声入出力は兎も角、USBポートは地味に便利だったのですけどねぇ。

 

機能が削られた結果、接続ケーブルはMKに比べて細くなっています。

 

 

 他流試合!TKLとQFRを比較 

 

それでは次に他社製品であるQFRとの比較です。
QFRもTKL同様に赤軸のテンキーレスキーボードです。

QFRの品質は非常に高く、使い出してから3年超になりますが、キートップが剥げたりする事も無く、チャタリングが起きる事も無く、購入時と変わらず非常に快適に使用出来ています。
非常に優れたキーボードなのですが、残念な事に既に生産終了しており現在は購入する事が出来ません。

 

そんなQFRとの比較ですが、どちらも同じテンキーレスと言う事で、横幅は同じくらいになっています。
まぁ、TKLの方が左右に装飾がある分、QFRよりも幅広にはなっていますが。
流石に奥行き(縦幅)は随分と違いますね。

TKLはパームレスト一体型のため、パームレスト分奥行きを要します。

 

ですが実際問題としてQFRを使う上で、パームレストは必須と言えます。

QFRの手前部分は2cm前後もあるため、手を机上に乗せてそのままキーを打とうとすると手に負担が生じます。

 

これはQFRと同様の形状であるメカニカルキーボードの老舗FILCOのMajestouchシリーズにも同様に言える事であり、FILCOから各サイズのキーボード用に販売されているウッドパームレストがジャストフィットします。

テンキーレスだとMサイズがピッタリですが、こちらのウッドパームレスト、物は良いのですがお値段が張るのが欠点だったりします。

 

さて、そんなパームレストと組み合わせたQFR。
改めて奥行きを比べた所……あれ?同じくらいになりましたね。

 

そんな訳で、実用する上ではTKLの奥行きが無駄に長いと言う訳でも無く、パームレストの長さ分としては適切なサイズである事が判ります。

 

FILCOのパームレストも滑り止め付きで簡単にはずれませんが、TKLのような一体型だとずれると言う事自体があり得ないので、安定感ではTKLに軍配が上がりますね。

 

ちなみに……手触りで言うと、QFR+パームレストの方が上になります。
好みの問題にありますが、QFRの触り心地が最良な上、手首を乗せるパームレストも木製と言う事もあって、こちらも手触りが良いのです。

TKLのキートップも悪くない触り心地ですが、パームレストの部分については木製の良さには及ばない、と言う所ですね。

 

 ROCCATパラダイス極まれり 

 

さて、QFRからTKLにキーボードを差し替えた結果……
ROCCATパラダイス現れる!

キーボードMKでもROCCAT製品統一じゃん、なんて無粋なツッコミは却下ですよ(w

そこは、やはりテンキーレスで無ければ。 

 


 

 

とりあえず手持ちのROCCAT製品まとめてみた。

 

これもこれでパラダイスか……

 


 

 **** おまけ **** 

 

レビュー用のTKLが送られてきた際に何故か二箱(一箱と一梱包)届きました。

はて?何だろう……

 

開けてみると…… 

 

ROCCATのロゴいる帽子(ノベルティグッズ)でした。

 

更新: 2015/03/17
ROCCAT™ Ryos TKL Pro の徹底レビュー PREMIUM REVIEW

ドライバがあってこそ活きる

先に述べたように、TKLはPCに繋げば そのままキーボードとして普通に使えますが、それだけだと宝の持ち腐れです。

ROCCATの入力デバイスはドライバを入れてこそ真価を発揮する訳ですから、素直にドライバをインストールしましょう。

 

ドライバはROCCAT公式からダウンロードします。
TKL製品ページの一番下にダウンロードリンクがあります。

若しくはダウンロードページから製品を検索してダウンロードを行いましょう。

 

2015年3月1日現在では、ドライバは1.07、ファームは1.09が最新のようです。
ダウンロードしたzipファイルを展開するとインストーラーのexeファイルが出てきます。

 

exeを実行するとドライバのインストールが始まります。

 

インストールが完了すると、スタート画面のROCCATグループにTKLドライバのアイコンが追加されます。

 

[ MAIN CONTROL ]

CAPSロックキーおよびFNキーの設定や、一部のコントロールキーの無効化、キートップLEDの明るさ調整やスクリーンセーバー、サウンドフィードバックの設定が行えます。

 

CAPSロックの設定

CAPSロックをCAPSロックとして使用するのか、それともROCCAT入力デバイス最大の特徴であるEASY-SHIFT[+]の起動キーとして使用するのかを選択できます。

 

EASY-SHIFT[+]、それはEASY-SHIFT[+]を有効化する事でEASY-SHIFT[+]の起動キーに割り当てたキー以外のキーに別の動作を与えて動かすことが出来るという、とんでもない代物です。

マウスでは重宝した機能ですが、キーボードでも、となると……正直どこのキーに何の機能を割り当てたかを覚える方が大変です。

 

そうは言っても、特定のキーに別の機能を割り当てられるのは意外と便利です。
ゲームプレイ時にファンクションキーやメインキーの数字キー、Ins/Del/Home/Endと言った機能キーやカーソルキーに別の機能を割り当てて使ってみると、その利便性が判ると思います。

 

特に一部のゲームではテンキーにショートカットが割り当てられている事もあり、テンキーレスキーボード使用者としては困る場合もある訳ですが、EASY-SHIFT[+]でメインキーの数字キーにテンキーを割り当ててしまえば、メインキーの数字キーで本来テンキーに割り当てられている筈のショートカットを使う、なんて事も可能になる訳です。

 

また、各キーには後述するキーマクロを割り当てる事も可能ですので、その利用法は無限に広がりますね。

 

FNキーの設定

FNキーをFNキーとして使うか、Windowsキーとして使うか、の切り替えです。
Windowsキー自体は無くてはならない物ですが、左Windowsキーは生きていますので、FNを右Windowsキーとして使用する頻度は少ないと思われます。

 

コントロール系キーの無効化

ゲームをプレイする際に、Windowsキー等に誤爆して大変な事になる場合があります。
特にWindowsキーでゲーム画面からスタート画面に切り替わったりしてしまうと一貫の終わりです。
そういう場合に、WindowsキーやTABキー、Shiftキーなど誤爆して困るキーを無効化する設定が可能です。

 

一部のキーボードでは本体裏のDIPSスイッチで切り替えたりできる物もあるようですが、TKLではドライバ上で変更するだけで切り替えが可能になります。

そして、その設定はプロファイルに保存する事により、プロファイルを切り替えるだけで手間をかけずに簡単にON/OFFを一括で切り替えられるようになる訳です。

 

そう、通常のWindowsアプリ操作用のプロファイルと、各ゲーム専用のプロファイルを作っておけば、プロファイルを切り替えるだけでキーボード環境の切り替えが出来てしまうんですね。

 

キーLEDの輝度調整

TKLのキートップには青色LEDが使用されており、派手に光らせる事が出来る様になっています。
私的には「青色LEDなんて この世から消えてしまえば良いのに」と感じている側の人間な訳ですが……
えぇ、青色LEDって何でこんなにイラつく光なんでしょうね。

 

でも大丈夫、TKLなら輝度調整が出来るので、鬱陶しいくらいに自己主張している青色LEDを、キーを見やすくする程度の控えめな光に換える事が出来ちゃうんですね。
勿論、消灯する事も可能ですが……部屋が暗い時に最低輝度とかだと割と便利だったりします。

ROCCATのイメージカラーが青色と言う事もあってなのか、単に流行りで青色なのかは判りませんが……

 

既にCES2015ではフルカラーLED搭載のRyos MK FXが発表されていますので、来年辺りには日本語版のRyos MK FXが、上手くいけば更にその1年後辺りにRyos TKL FXなんてのが出てくるんじゃないかと期待してみたり。

※CES 2015 ROCCAT RYOS MK FX

 

いずれにしても高輝度な青色LEDは目障りなので、輝度の調整が出来るのは嬉しい限りですね。

 

スクリーンセーバー

一定時間放置するとキーLEDイルミネーションがデモパターンで光ると言う物です。
後述するLEDマクロマネージャーでLEDマクロ組めば、そのマクロを実行する事も可能ですので、ド派手に光らせたい方はマクロ作りに挑戦してみると良いのではないでしょうか。

 

サウンドフィードバック

プロファイル変更時などに例のおっさんの声を出すかどうか、の設定です(w
ここはやはり岡谷さんに頑張って貰って、日本独自の萌えキャラボイスでも搭載して欲しい所ですね。

 

私的には野島昭生さんの声だと燃えます(w
FXが出る頃には実現して欲しい物ですね。
そして、赤色設定でファンクションキー辺りでナイトフラッシャーの再現を……

 

ドライバリセット

読んで字の如くドライバの初期化です。
設定ミスって訳判らない状態になってしまった時は、このボタンを押しましょう。

 

[ KEY ASSIGNMENT ]

各キーに対するキーの割り当てが行えます

CAPSキーを除く全てのキーの割り当て変更が出来るようですが……
無茶苦茶し過ぎて自分でどのキーに何を割り当てたのか判らなくなるような事が無いように気を付けましょう。

 

各キーには2つの設定が行えます。
通常にキーを押した際に、どのキーとして動くのか、と、EASY-SHIFT[+]起動時にどのキーとして動くのか、です。
上段が通常時、下段がEASY-SHIFT[+]起動時になります。

 

前述の通り、唯一例外的にEASY-SHIFT起動キーとして動作するCAPSキーのみ自由な割り当てが行えません。
ですので、CAPSキーとCTRLキーの入れ替えをこよなく愛する一部の人達にとってはTKLは鬼門となります。

 

マクロマネージャー

キーボードマクロの作成と修正が行えます。

TKLには標準でも海外製の有名なゲームやアプリ用のキーマクロが用意されていますが、日本で馴染みのある物は少ないですので、ゲームやアプリ用のマクロは自作する必要が出てきます。

 

[ KEY ILLUMINATION ]

LEDイルミネーションに関する設定が行えます。

各キーのLEDをどう光らせるか、の設定になります。

 

初期状態ではWASD等一部のキーが点灯状態からキー押下で消灯、他のキーは消灯からキー押下で点灯に切り替わる設定になっています。
暗い部屋の中で使用するなら全キー点灯で消灯に変わるように変更するのが良いですし、派手好きな方ならRIPPLE FXで押下したキーから周りのキーへLEDが広がるようにしても良いですね。

 

★2015/03/17追記

MKとTKLのイルミネーション設定の比較です。

TKLではMKからイルミネーションが進化し「lighting engine 2.0」になった、との事で、設定画面にも違いが表れています。

 

一部ON/OFFの名称や設定方法が変わっていたり、テンキーレスになった事でテンキーへの設定が消えていたり。
機能的に進化している部分としては以下の2点があります。

  • コントロール
    MKではBLINKINGのみ、TKLではBLINKINGとBREATHING。
  • エフェクト
    MKではDELAYのみ、TKLではDELAYとFADE。

とは言え、ファームで対応できるレベルの物だと思いますので、MKにもファームアップが来る可能性はありますね。
先日MK用のド派手なキーイルミネーションのデモが公開された訳ですし。
と言う訳で、TKLだけズルい!とお嘆きのMKユーザーはROCCATに要望送ると良いかも。

 

LEDマクロマネージャ

LEDマクロの作成と修正が行えます。

ここで作成したLEDマクロを先のスクリーンセーバーに指定する事も出来るようです。

 

[ ROCCAT R.A.D. ]

使用履歴です。

これまでにWASDキーおよびThumbボタンがどれくらい押されたか、またEASY-SHIFTの利用回数等の情報が表示されます。

 

[ UPDATE/SUPPORT ]

ドライバダウンロードページへのリンクと、サポートページへのリンクです。

現在のドライババージョンおよびファームバージョンの確認もここで行います。

更新: 2015/03/02
機能性

解放されたKone Pure

TKL単体でも素晴らしいキーボードな訳ですが、マウスもROCCAT製品で揃えると更に便利に。

と言うよりも、ROCCAT製マウス使うならキーボードもROCCAT製に、と言う方が適切ですね。

 

ROCCAT入力デバイスの支援ソフトにROCCAT TALKがあります。

 

このTalkとは何ぞや?

ROCCATの入力デバイス間で会話が行えると言う物のようです。

デバイス同士の会話、つまりデバイス連携が行えるんですね。

 

行える連携機能は2つ。

 

1つはEASY-SHIFT[+]コントロール。
これによりキーボードからマウスのEASY-SHIFT[+]を起動出来る様になります。

 

もう1つはEASY-AIMコントロール。
これによりキーボードからマウスのDPI設定の変更が出来る様になります。

 

注目すべきはキーボードからマウスのEASY-SHIFT[+]やDPI変更が行えると言う点。

つまりマウス側にEASY-SHIFTやAIM設定を行う必要が無くなる訳で。

 

EASY-SHIFT[+]起動用に取られていたマウスのサイドキーが解放される事になります。
同様にDPI切り替えに割り当てていたキーも解放され、別の機能を割り当てる事が可能になります。

 

実際にどんな感じで動くのかドライバを入れて連携させてみましょう。

先ずは公式サイトからTalkをダウンロードします。
ダウンロードページでキーボードなりマウスなりを選択すると、Talk対応デバイスの場合、Talkもダウンロード可能になっています。(一部の廉価版デバイスではTalk対応が省かれているようです。)

 

ダウンロードしたzipを展開するとインストーラーのexeファイルが現れます。

exeを実行するとドライバのインストールが始まります。

 

インストールが完了するとスタート画面のROCCATグループにTalkのアイコンが追加されます。

 

Talkを起動すると……タスクトレイにアイコンが。
Kone PureとTKLのドライバがまとめられています。

 

こちらはマウス、Kone Pureのドライバ画面。
通常だとEASY-SHIFT[+]を使用するためにはサイドボタンのどちらかにEASY-SHIFT[+]機能を割り当てる必要がありますが、EASY-SHIFT[+]の設定を省いてみます。

 

そしてTKLのドライバ画面。
メインコントロールのCAPSキー設定のROCCAT Talk FunctionにROCCAT Talk:Kone Pureが現れました。


さらに進めると、EASY-SHIFT[+]およびDPI設定があるのが見えます。
今回はKone PureのEASY-SHIFT[+]を選択してみました。

 

結果どうなったのか。

 

先ずTKL自体のEASY-SHIFT[+]が起動しなくなりました。
CAPSキーを押してもキーボード上のEASY-SHIFT[+]LEDが点灯しません。
勿論、EASY-SHIFT[+]時の機能を割り当てているキーも通常キーとしてしか動作しません。

 

次にTKLのCAPSキーを押しながらマウスの左ボタンをクリックすると……
左クリックとしては動作せず、代わりにスタート画面が表示されました。
これはマウスの左クリックにEASY-SHIFT[+]時の動作としてWindowsキーを割り当てていたからです。

 

つまり、キーボードでEASY-SHIFT[+]を起動する事でマウスのEASY-SHIFT[+]機能が有効になる、と言う事が確認できました。

 

キーボード本体は豊富にキーがありますし、T1~T3もあるのでEASY-SHIFT[+]が必要になる場面は薄いですが、これがマウス側となると割り当てられるキーが足りないくらいなので、TalkによりEASY-SHIFT[+]起動用とDPI切り替え用のキーが解放されるのは非常に有難いですね。

 

キーボードとマウスで連携が取れるのも同社製品の組み合わせならでは、ですね。

更新: 2015/03/14
ROCCAT™ Ryos TKL Pro の活用術 PREMIUM REVIEW

打ちやすいだけじゃない、機能面でも充実

通常のキーボードとして見ただけでも打ちやすくて使い易いTKLですが、やはりドライバソフトと連携してこそ真価を発揮します。

 

使い易さを向上させる機能として、キーアサインとマクロ機能に注目してみたいと思います。

 

先ずはキーアサイン。
TKLに限らず、Ryosシリーズではキーボードの各キーに異なるキーを割り当てる事が出来ます。

極論すればメインキーの配置変えまくる事も可能ですが、どこに何が割当たっているか判らなくなるので、その場合はキートップ引っこ抜いて物理的な方も合わせておく方が良いかもしれませんね(w

 

さて、そのRyosシリーズにはスペースキーの手前にT1~T3と言う特殊キーがあります。

3つあるキー、と言う事で思い浮かんでくるのはSEGAのオンラインMO「ファンタシースターオンライン2」のメインパレット切り替えです。

標準設定ではメインパレット切り替えはテンキーの1~6に割当たっています。

(実際に使用するのは1~3)

 

TKLにはテンキーはありませんが、T1~T3と言う正にメインパレット切り替えのためにあるようなキーがあります。

と言う訳で、T1~T3にキーアサイン機能を用いてテンキーの1~3を割り当てます。

 

ちなみに、本レビュー内の「取り消し済みの小技」内で検証を行っていますが、ドライバソフトでのキー割り当ての際には物理キーボードからの入力でしか割り当てが出来ないようです。

 

T1~T3へのキーアサインの結果は後ほど。

 

さて、もう一つの大きな機能となるマクロ機能。

オンラインMO等でスキルの連続技を出したい場合に、いくつか組み合わせを作っておくと便利かもしれませんね。

今回はハンゲームのドラゴンネストでスキルの連続実行マクロを作ってみました。
標準設定ではスキルがメインキーの数字キーに割当たっています。

以下はアーチャーのスキル4つを連続で出す単純なマクロです。
各キーの押下の間に2秒のウェイトが入っています。

マクロはマクロマネージャーで作成した後、先程も出たキーアサイン機能を用いて、キーを割り当てる代わりに作成したマクロを割り当てます。

さて、先程のPSO2のキーアサインと、ドラゴンネストのマクロ機能、双方の動作を動画にしてみました。

 

キーアサインは指定通り、T1~T3でメインパレットの切り替えが行えるようになりました。
TKLでなくMKでもマウスから手を放してテンキーを操作するよりも空いている左手親指でT1~T3を操作してメインパレットを切り替える方が便利だと思います。

 

一方マクロについては、確かにワンキーで連続してスキルを出していますが、スキルを放つ間隔に間が空いていたりと改善すべき点が見られます。

今回はデモ用と言う事で、確実に動作するように間隔を長めに かつ一定の数値で設定してありますが、実際に使用する場合はスキル毎にギリギリのタイミングでウェイトを設定する必要があります。

 

また、連続スキルを出したは良いけれど敵がいなくなった後も無駄にスキルを発動する場面もありました。

今回の場合はスキルの切れ目に移動して敵に近づく事でフォローしましたが、何でも連続に出せれば良い物でも無いと言う事ですね。

ゲームに適用するには使い処を見極めないと無駄な動きでかえって操作性を落としてしまう場合もあると思いますが、上手く使えれば複雑な操作をワンキーで行えるようになるのは魅力的ですね。

 

ゲームに限らず、繰り返し操作を行うような物に使うと作業効率を上げる事が出来て良いですね。

 

キー入力そのものの良さに加えて、ドライバソフトによる機能で正に鬼に金棒状態ですね。

 

WarThunderでも使用してみました。
WarThunderの場合、そのゲームの特性からマクロが必要になる事はなさそうな気がします。

 

今回WarThunderではTalkを使用してマウスのKone Pureとの連携を重視してみました。

 

以下は以前使用した、同ROCCATのTyon(タイオン)でのWarThunder用設定です。

そして以下が今回 Kone Pureに設定した内容。

Tyonと違ってKoneにはX-CeleratorやFin Switchはありません。
ですので、Tyonと同じ所までは設定できませんが、左右ロールは左手キー操作で対応が可能なので、マウスから手を離さないと操作が出来ない機首やフラップの上げ下げをマウスのサイドボタンに割り当てます。

 

ですが、KoneのEASY-SHIFT[+]起動用の割り当てが出来るのもサイドボタンのみ。
そのサイドボタンにキーを割り当ててしまっては肝心のEASY-SHIFT[+]が起動できません。

 

そこで登場するのが、TKLとKoneを繋ぐTalkと言う訳です。
Talkについては機能面の所で説明していますので、詳細はそちらをご覧ください。

 

TKLのEASY-SHIFT[+]起動キーを、KoneのEASY-SHIFT[+]起動に割り当てる事で、TKL側からKoneのEASY-SHIFT[+]をコントロールする事が出来る様になります。

 

これによるメリットは、キー操作の為に右手をマウスから離す必要がなくなる、と言う点です。

キーボード左半面については、元々左手が置かれ移動をはじめとする基本操作が割り当てられています。

 

一方右半面についても補助機能が割り当てられていますが、それらを操作するには一旦マウスから手を離し、キーボードに右手を移動させキー操作を行い、再度マウスを握り直すと言う手間が発生します。

 

マウスとキーボードの間を右手が行き来すると言う問題もありますが、右手で操作しようとするキーの位置を確認しなければならなくなるため、視線がモニタから一旦キーボードに落ちると言う問題があります。

 

元からキーボード上に右手が置いてあるならホームポジションから無意識レベルでキーの位置を把握出来るのに対し、マウスからキーボードへ移動させてきた場合は、僅かと言えどもタイムラグが生じます。

 

勿論TKLやMKなら操作すべきキーを光らせておくことで、そのタイムラグを最小限にする事は可能ですが……
それでも動かさなくて済むなら、それに越したことはありません。

 

そういう意味でも本来右手で操作すべきキーをマウスボタンに割り当てられるのは便利ですし、さらに本来EASY-SHIFT[+]に取られるボタンがTalkにより解放され、EASY-SHIFT[+]以外に割り当てできると言うのは非常に大きいですね。
僅か1ボタンの事ですが、実際に使ってみると操作感が大きく変わるのを実感できると思います。

 

逆のパターンもあり得ますね。

ゲーム以外の場面でCAPSキーは必要、だけどEASY-SHIFT[+]は使いたい、と言う場合にTKLのCAPSキーを解放し、KoneのサイドボタンをTKLのEASY-SHIFT[+]起動に割り当てれば、マウス側でTKLのEASY-SHIFT[+]起動をコントロール出来る様になります。

 

サイドボタン奥側をTKL用に、手前をKone用、なんて割り当てにも出来ます。

Talkを活用する事で、TKLやKone単体で使用するよりも便利になりますね。

更新: 2015/03/13

※取り消しです!→ [小技]TKLでテンキーを使う

オンラインゲームをプレイしていると、標準設定でテンキーへショートカットが割り振られている物も珍しくありません。

とは言え、テンキーに割り当てられている機能を使うための代替え手段が用意されている場合が殆どなので物理的にキーボードにテンキーが無い事で困る事は殆どありませんが……

 

ゲームをプレイされない方からすれば、メインキーの数字キーも、テンキーの数字キーも同じに見えると思います。

その通り、キーを押して表示される物は全く同じなんです。

なので、テキストエディタやExcelでは、メインキーの1を押そうが、テンキーの1を押そうが、表示されるのは どちらも同じ1なんですね。

 

でもプログラムの中では別のキーとして認識されているんです。

数字キーだけではなく、キーボードの左にあるShiftやCtrlと、右にあるShiftやCtrlも、それぞれ別々のキーとして認識されるんですね。

 

ですのでゲームをプレイする上では、テンキーの1に割当たっている機能はメインキーの1を押しても動かず、テンキーの1を押して初めて動くと言う訳です。

 

ここはあえてTKLでテンキーを使えるようにしてみましょう。

 

と言っても、物理的に外付けテンキーを繋ぐ、とかではありません。

TKLのドライバでは各キーに対してキーの割り当てが出来ますので、そのキー割り当てを利用します。

 

でも、ここで残念なお知らせがあります。

今から行う手順はWindows 8 以降限定です。

Windows 7 以下の方は使えない手順ですので悪しからず。

 

それではTKLにテンキーを設定してみましょう。

先ずはドライバのKEY ASSIGNMENTを選んで……


メインキーの1がEASY-SHIFT[+]起動時にはテンキーの1として動作するように設定してみましょう。

 

メインキーの1を選んでSECONDARY KEY FUNCTIONでAssign a Shortcutを選択します。
キー割り当て画面が出てきますが、この画面で実際に入力したキーが割り当てられるんですね。

 

おや?それじゃあ、物理的にテンキーの無いTKLではテンキーの入力が出来ないんじゃ?

 

そう、その通りなんですね。
なので、一番簡単なのはTKLとは別にフルキーボードなり外付けテンキーボードを繋いで、そちらでテンキーを入力すると言う物。

 

でも、今回はそんな手段は取りません。

 

じゃあ、どうするの?

 

そ・こ・で、スクリーン キーボードの出番です。

 

おもむろにスタート画面を開いて、画面左下の下矢印(↓)をクリックして、全アプリの一覧を表示します。
スクリーン キーボード は Windows 簡単操作 の中にあります!

 

たらら らったら~、スクリーン キーボード~!

おぉ!ってテンキー無いじゃん、ダメじゃん……

 

大丈夫、大丈夫、オプションがあるから。
オプション開くと、中には テンキーを有効にする の項目があるんですね。

 

そして増えてるテンキー部。

さて、それではドライバに戻って……
キー割り当て画面を表示したまま、ソフトウェア キーボードのテンキーの1をクリックしてみましょう。

すると……何と言う事でしょう、かたくなに入力を拒んでいたキー割り当てにテンキーの1(Num 1)が入力されているではありませんか。

設定を終え入力画面を閉じ、キー割り当て設定のプライマリもセカンダリを見てみると、どちらも1が表示されています。
でも良く見るとセカンダリの方の1は上に何かのマークが付いているようです。
これがテンキーの数字キーを示すマークなんですね。

テキストエディタやExcelではEASY-SHIFT[+]を押しても押さなくても同じ1しか入りませんが、ゲームをする際にはEASY-SHIFT[+]を押さなければメインキーの1が、EASY-SHIFT[+]を押すとテンキーの1として入力されるようになりました。

家にテンキー付きのキーボードが1枚も無い、と言う事は考えにくいですが、普段使わないので押入れの奥にしまっていて出すのが面倒、なんて事はあると思います。

そういう時に覚えておくと、ちょっと便利な小技ですね。

要するに……キー割り当て画面が入力を受け付けている最中に、テンキーのキーコードを送り付けてやればOK、と言うだけの事です。
ですので、VBAなりC#なりでキーコードを送付するプログラムを書けば、Windows 7以下でも同様の事が可能です。(その労力とテンキー付きキーボード持ってくる労力を天秤にかけて、ですけどね。)

 

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2015年3月10日追記。

ソフトウェアキーボードでテンキーの設定が出来ていたと思っていたのですが、再度試してみると上手く動作しませんでした。
つきましては、この小技を取り消すと共に、結果的に誤情報となってしまった事を お詫び申し上げます。

 

先日設定した直後に試した際には一見動作しているように見えたのですが、実は上手く設定出来ていなかったようです。(EASY-SHIFT[+]でメインの数字キーにテンキー設定したものをテキストエディタにEASY-SHIFT[+]状態で打ち込んで数字が打てているので大丈夫だと思っていたのですが、今日試したら数字打てませんでした。EASY-SHIFT[+]状態が上手く働いていなかったのか定かでは無いですが。)

 

正常にキー割り当てが出来た場合、テンキーは「数字(pad)」の表記になるようです。

 

と言う訳で、現状ではソフトウェアキーボードからのテンキー設定は上手く行かないようです。

キー設定時にNum1とか入りますが、元の画面に戻って一旦他のキーに切り替えてから戻って再度表示すると、前回書いた数字の上の記号が付いてるっぽい感じの奴になりますが、あの状態だと正常には設定出来ていないようです。

 

オンラインソフトのソフトウェアキーボードの類を数種使って試してみましたが、全て結果は同じでした。

もしかしたらキー入力後に、入力したキーに対して何らかの検証が行われているのかもしれません。

 

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2015年3月11日追記。

 

さらに追試してみました。

結論から言うと、仮想入力系は受け付けないようです。

スクリーンキーボードからの入力はテンキーのみならず、全てのキーで一見受け付けたように見せかけて、切り替えて再表示すると例の化けた状態(1の上にマークがついたような奴)になる事を確認しました。

 

また、仮想入力ソフトとして有名なJoyToKeyを用いてキーパッドにテンキーを割り当ててから入力を試みましたが、こちらも同様に化け状態になりました。

JoyToKeyについてはキーパッド非対応なオンラインゲーム等の操作にも一般的に用いられている訳ですが、その入力ですらダメと言う事なので、やはり入力したキーが実際に存在しているかどうかの懸賞が行われている可能性が高いですね。

 

結局、現状では物理的にテンキーを用意しないとテンキーの割り当てが出来ないようです。

 

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2015年3月13日追記。

VMゲストのWindowsに対してVMホストのWindowsからスクリーンキーボードで入力すれば擬似的に物理入力に出来るのでは?と試みてみましたが……

VMゲストのWindowsにTKLのドライバをインストールするも、ドライバソフトが起動せず、でした。

更新: 2015/05/05
使用感

やはりテンキーレスに限る!

2015年5月5日追記。

Ryos TKLを使い始めて約2ヵ月が過ぎました。
Ryos MKと比べて、かなり使いやすいですね。

 

MKではメインキーの左側にマクロキーがあり、それが誤爆を誘発していました。
マクロ実行と言う点では便利なマクロキーですが、やはりキーボードの左端にキーが追加されているのは実用上は邪魔ですし、誤爆の原因になります。

 

また、MKはフルキーでしたのでテンキーが付いていました。
無駄に場所を取る割に、利用頻度は非常に低く、と言うか、普通使わないキーなので。
TKLでテンキーが無くなり、マウスとの距離が近くなった事で操作性も向上しました。

 

マクロキーとテンキーが無くなった事で、TKLはMKよりも遥かに使いやすいキーボードになった訳です。(テンキー必須な人からすれば不便になった、と感じる部分でしょうが……)

テンキーレスになった事で、23インチモニタの横幅内にキーボードとマウスが収まり、専有面積的にも丁度良い感じになりました。

 

キー自体の打ち心地と言う点ではTKLもMKも同じでCooler MasterのQuick Fire Rapid(QFR)には及びませんが、本体手前の一体型パームレストが、それを補っている感じですね。(キートップの手触りやキーを押し込んだ際の感覚はQFRの方が上質です。)

ファンクションキーに割り当てられているマルチメディア機能は、ほぼ使わないですね。
稀に音量変更を使う事も無くは無いですが……正直マルチメディア機能の割り当ては要らないなぁ、と。
そして、それだけの為に存在しているFNキーも存在価値が無いので、マルチメディア機能削ってFNキーも無くす方が良いように思います。

 

QFRに比べてキートップがゴチャゴチャして見えるなぁ、と今更ながらに感じましたが……
これはキートップに平仮名表記があるからでしょうね。
かな打ち需要がどれだけあるのか知りませんが……
Ryosの購買層を考えれば、キートップから平仮名表記削る方が見た目がスッキリして受けると思います。

 

とりあえず使い出して2ヵ月超、快適に使用出来ています。

更新: 2016/10/22

LEDが切れました……orz

2016/10/21追記

 

「O」と「Del」のLEDが切れました……orz

コメント (15)

  • vuronさん

    2015/03/02

    第一段レビューお疲れ様です。
    追記楽しみにしています。
    今回は選出に漏れてしまいましたが
    やはり私はテンキーが無いと困る派ですね(強がりじゃないんだからね///
    EXCELを多用するのでテンキーレスだとコンパクトでいいんですが
    数列の打ち込みに学生時代から電卓などで慣れてるせいもあると思います。

    ところで質問ですが、MKに比べると機能が省かれてるようですが
    もしかしてケーブルが細いですか?
  • cougarさん

    2015/03/02

    vuronさん、コメントありがとうございます。

    テンキー必須はの方にはRyos MK Proがお勧めです(w

    MKとTKLの比較にケーブルの比較写真追加しました。
    おっしゃる通り機能が削られた分、接続ケーブルはMKに比べて細くなっていますね。
  • vuronさん

    2015/03/02

    なるほど、3mmも細くなってるんですね。
    取り回しがかなり楽になりそうな感じですね
    質問ばっかりですみませんがcougarさんの感想で構いませんので
    ケーブルの柔らかさの比較をお願いできませんか?お暇ができてからでいいので。
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