パッチコです。今回のレビューはRoccat社のゲーミングキーボード「ROCCAT™ Ryos TKL Pro」です。定番ゲーミングキーボード「Ryos MK Pro」のテンキーレスモデルで、より正確な入力を求めるコアなユーザへの製品です。
RyosシリーズはRoccat社初のメカニカルキーボードらしいです。
日本版のパッケージは写真等が英語ですが、中身はJIS配列となっております。
購入時は英語版か日本語盤かをチェックする必要がありますが、ちゃんと日本語レイアウトですので、ご安心を。
内箱も素敵。
ぱっと見の外見は思ったよりもキーボードレストが大きいです。
基本的な配置は標準的で、どの作業に対しても安心して利用できそうです。
大きめのラバークッションが安定感を生みます。
背面のラバークッションは比較的大きめの物を採用し、打鍵時のキーボードのズレを防止し、安定感のあるタッチを発生させます。角度調整を2段階で調整することはできますが、その場合ラバークッションの効果は半減します。 ケーブルの取り回しもかなり自由にとりまわせます。こういった配慮が嬉しい。
Ryos MK Proと比較して、以下の機能はTKLに含まれていないようです。
TKL版はUSBハブがありません。これはコスト削減には繋がっていますが、少々残念。
サウンド系の入出力も省略されております。
この機能が欲しいユーザは現状、MK Proを購入しましょう。
また、Cherry軸、4種から選択できるという表記がありましたが、
今回は赤軸のセットとなりました。
パッチコだから赤なのですかね?
・基本的なキーボードの設定は専用ソフト、ドライバーをインターネットからダウンロードする必要があります。
3/7時点ではV1.07です。
多機能すぎて少々インターフェースが難しいです。意味がわかるまでは少し戸惑うかも。
肌になじむインターフェースを実現するシンプルデザインと多彩な機能群
・テンキーレスのメリット
テンキーレスのメリットは余分なキーを配置しないことでホームポジションをキープできます。私の場合は(少々亜流ですが)手の腹の部分でポジションを固定しシフトキーには常に小指があるスタイル。ほとんどの場合手は移動しません。よってキーボードはたまに確認する程度で視界に入りません。
仮にテンキーがあっても問題はありませんが、よっぽど長い数列を打たない限りテンキーは使用しません。普段ノートパソコンをメインに使っているせいもありますが、ホームポジションを崩すくらいならないほうが集中できると考えています。
また、このRyosTKLは標準的な106キーボードとレイアウトが変わらないので、接続したその場でいつものように利用することができました。
・ジャンボサイズのリストレスト
リストレストは、キーボードを長期間使うとわかるのですが、筆者のように手首を固定して打つスタイルの人は特に疲労感を和らげる効果がありそうです。個人的にはとても気になるところです。一般的にキーボードの縁と机の間には段差があり、どうしても手首に負担がかかります。腱鞘炎などの原因にもなります。筆者が普段事務所で利用している環境はさらに劣悪で、省スペース化の為にノートパソコンを使用していますが、段差の跡が手首につきますし、ポジション次第によっては、タッチパッドの誤動作にもつながります。
RyosTKLはトラックパッド等が非搭載なので、マウスと併用になります。無理にタッチパッドを付けなかったのは好印象。 潔く不要なものをつけないのは良い事ですね。
キーボードの3分の1はキーボードレストです。
・汚れや指紋の付きにくい光沢のあるキープリント
筆者の場合はどちらかというと乾燥肌なので、手油でギトギトということはありませんが、サラリとした触感で長時間のタイピングにも耐えます。
光沢感のあるキートップ。さらりとした肌触り。
私の好みではもう少し光沢を抑えてもいいかも。
また、キーストロークはかなり深め。しばらくノートパソコンばかりを使用していたため、一番気になったのはストロークの深さです。これも好みのレベルですが、そのうちこれらも調整できるようになったりするのでしょうか。
・キーボードプロファイルは5つ登録可能。
画面上はプロファイルを5つ登録できるようです。
プロファイルの設定はこのキーボードのキモになる部分で、簡単に言えば5環境分登録できます。ゲームのタイトル毎にゴリゴリ設定をカスタマイズするのであれば、5つまで同時に記録できるということになります。それ以上の場合は設定ファイルに残しておけば切り替えられますが、そんなに細かく設定するのは好みでないので十分ですが、人によってはもう少しできたほうがいいという人もいるかも。
・イルミネーションの設定はかなり細かく設定できる。
Ryos TKLのイルミネーション設定については、専用のアプリ「KEYBOARD SETTINGS」を使用しなければなりません。全体の輝度などはFn key+F11 で本体単体でも変更可能です。
すべてのキーを独立して設定できるのはすごい。
イルミネーションはすべてのキーに対して独立設定を行うことができます。
また通常時、Easy−Shift時、Fnキー時のレイヤー毎に異なる設定ができます。
各キーへのイルミのオンはActivateにチェックを入れます。フェードを設定したい場合はFadeFXのラジオボタンにチェックを入れます。
RIPPLE FXは押したキーを中心に波紋状にイルミを点灯させます。(個別キーは無効になります。)
・EASY-SHIFT[+]™ (一つのキーに二つの機能を付加することが可能)
みなさんは、CapsLockって使用していますか?筆者は正直あまり使用していないキーです。世界的にもこのキーは定義のあいまいなキーの一つですが、RyosTKLではCapslockの機能の代わりにセカンドShiftキーのように使える機能です。かなり攻めた設定と思います。実際にはCapslock(英数キー)とキーを同時押したときに割り当てられます。
筆者の場合はこの機能を使うと漢字変換に影響が出るので、あえてEASY-SHIFT[+]のキーを割り当てずに使っています。のちに紹介するThumbsterキーのセンターボタンに割り当てることをしています。
・プログラム可能なマクロキーを搭載
マクロ設定は、ライブレコーディングマクロ機能があり、アプリの使用中によく使う操作をマクロ化できます。
Fn+F12を押して、マクロを組みたいボタンを押します。その後、もう一度Fn+F12を押すまでの操作をマクロとして学習します。
・N キーロールオーバー対応(アンチゴースト機能)
キーボードで複数のキーが同時に押されても、その複数キーが押された順序をすべて認識する機能のことだそうです。(Wikipedia調べ)
入力に対して正確に入力内容を処理できると言う意味です。具体的な説明はなく、数十個のキーを同時に入力した場合にその詳細な順序を認識できるということだと思います。
・チェリー軸のメカニカルキースイッチ
チェリー軸のキーボードは今回初めて使いましたが、思った以上にキーが軽く、素直なタッチです。軸の種類によって傾向が異なるのですが、今回のREDはクリック感がなく、打鍵抵抗が低いので、長時間のタイピングに向くと思います。
現在レビューを書いているMacbookAirでは、アイソレーションタイプのキーボードを使用していますが、キーボードの隙間が大きいので、打ち損じが少ないというメリットがあります。ラバーカバーもかかっているため、打鍵抵抗がかなり大きい為、長時間のタイピングには向かないです。音が小さいのはファミレスなどで使うのにいいと思います。
REDチェリー軸は想像以上に打鍵音が硬質で、音量も大きいです。私のように8ビットPC時代から利用していると、スプリングを使用したメカニカルキーボードの打鍵音に安心感をもつユーザは、「これだよ」と思うのです。一般的にはかなり大きい打鍵音ですので、好みは分かれますね。
・Thumbsterキーはプロファイルの変更や機能キーの割り当て可能。
RyosTKLで唯一意図的に追加されているスイッチですが、このキーのみ打鍵圧が高い(硬い)のです。おそらく、パームレスト側に配置するので、誤打を防止する狙いがあったものと思われます。
私の場合はT1をプロファイル戻り、T2をEasyShift、T3をプロファイル送りとしました。
打鍵音等を普段の環境で比較してみました。動画でご参照ください。
オンラインゲームで発揮される多彩なマクロとイルミネーション
今回は例として、ドラゴンクエストオンラインで頻繁に使うメッセージをEASY-SHIFT[+]のキーに割り振って、簡単にメッセージを送信できるように設定してみます。サンプルとして適切かはわかりませんが、マクロの設定方法を知っていただくにはよいかと思います。
評価環境について:
パッチコの評価環境は以下を使用しています。
私のレビューによく出てきます、赤パッチコ号ですが、それぞれのレビューは持ち物リンクを参照していただければと思います。また、ロジクールのキーボードは廉価で入門機に良いと思いますが、自家塗装など行っておりますので、市販品と全く同じではありません。
DQXのマクロ適用につきましては、ゲームバランス等を崩す場合がありますので、自己責任でお願いします。
設定手順等:
おおよその手順は以下。
・設定するプロファイルを決定
・マクロのグループを登録
・マクロを登録
・EASY-SHIFT[+]のレイヤーにマクロキーを割り当て
・EASY-SHIFT[+]のレイヤーにイルミを設定。
まず、マクログループを登録する作業がありましたが、事前に海外のオンラインゲームなどのマクロがデフォルトで相当数登録されており、メニューから選択するのがすこし面倒でした。
保存しておいて消してしまうのもありかと思いましたが、とりあえずそのまま進めています。
また、グループ名及びマクロ名は漢字を入力すると、キー選択時に表示されない不具合がありました。ヘルプは日本語を選べるようになっていますが、少々残念。
動画の中で設定しているマクロは2つ。chatの宛先を選択するマクロ、「こんにちわ」とメッセージを送るマクロです。
マクロ名に漢字を使えないので、「Chatto」「konnitiwa」と呼称します。
マクロを割り当てる際は、Macro Managerを起動して設定を行います。
MacroManagerでは、キーの押した、離したという単位で行いますので、「konnnitiwa」では次のように押すことになります。
「k」 pressed
「k」 released
「o」 pressed
「o」 released
「n」 pressed
「n」 released
「n」 pressed
「n」 released
「n」 pressed
「n」 released
「i」 pressed
「i」 released
「t」 pressed
「t」 released
「i」 pressed
「i」 released
「w」 pressed
「w」 released
「a」 pressed
「a」 released
「Enter」 pressed
「Enter」 released
「Enter」 pressed
「Enter」 released
最後の「Enter」が2つあるのは、漢字変換の確定と、送信です。
少々分かりにくいかもしれません。テキストデータを送信する機能があればもう少しスマートに設定できるかもしれませんが、キーボードの仕組み上難しいかもしれないです。
また、前提として、漢字変換がオンになっている前提となります。
イルミの設定ではキーレイヤーごとに行うことを忘れないようにしてください。
マクロを設定したキーのみ光るようにしておけば、分かりやすいです。
具体的な操作を動画に撮ってみました。ご参照ください。
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・おすすめ! Roccat-TALKでマウスとキーボードを相互連携
Roccat-TALKはRoccatのマウスを使用している場合に、マクロキーやEasyShiftキーなどをマウス側のキーに割り当てたりする機能です。今回は同社のKone-Pure Hellfire REDを用意しました。
Roccat製品同士の機能を連携して、例えばMouseのボタンをEASY−SHIFTに割り当てたりできます。私が知る限りではこのような連携は初めてです。OS上でAPIが標準化されているわけではないので、他社の製品とは連携できませんが、EASY-SHIFT[+]対応製品であれば利用できます。
今回使用したのは同社のKone Pure Colors。 TAITOというのはマウスパッドの名前です。
実はEASY−SHIFT[+]の表現は少々分かりにくい面があり、マウス自身にもEASY−SHIFT[+]の機能があります。よって、それぞれの機能を把握していないと設定を割り振る時に理解をしにくいかもしれません。
今回はこのボタンのキーをRyosTKLのEASY-SHIFTボタンに割り当てました。
前提として、KoneのドライバーとRoccat TALKのインストールが必要です。
Koneのデフォルトはこういう設定です。
画面右のEASY−SHIFTはKone上のEASY-SHIFT割り当てです。(少しわかりにくい)
対象のボタンの割り当てにROCATT TALKのRyosTKLのEASY−SHIFTを割り当てます。
設定完了。 EASY-ShiftでRyosTKLが出てこない場合はドライバーか
ROCCAT TALKが正常に導入され、起動していることを確認してください。
マウスでもEasyShiftできるのがいいですね。本体のThumbster もいいのですが、キーボードの設定を極力変えたくない人はこれがおすすめ。
これからマウスとキーボードをセットで買う人は、合わせて買ってみて欲しい!
ROCCATのゲーミングヘッドセットもよろしく!
改善要望:
・マニュアルが少ない
Roccat社の製品はいずれの製品も日本語のマニュアルがいささか弱い傾向にあります。
今回のRyosTKLの場合も同じで、マニュアルの日本語化された部分はドライバーを導入する部分のみ。その他のマクロキーの説明など、英語で読まなければなりません。
せっかく高機能なので、代理店さんで用意してあげるのもアリだと思います。
まとめ:
Ryos TKL Pro はシンプルな外見に関わらずかなり多彩な機能が組み込まれていることがわかりました。
攻めの設定のEasy-Shiftやライブレコーディングマクロなど。シンプルさ故に慣れてしまうと他を移れなくなる程です。筆者の場合はあまり極端にカスタマイズすることを好みません。(複数環境を使う関係)ただし、機能を持っていて使わないのと、機能がなくて使えないは全く違います。
ほしいところに手が届くカスタマイズができる。そんなキーボードです。
全ての機能を無理して使うのではなく自分の必要な機能をうまく組み込むことが長く付き合うコツかもしれませんね。
個人的にはこのキータッチとイルミの設定だけでもとっても満足でした。
キータッチ、打鍵音は最高。あとはカラーバリエーションかな
キーボードとしてほしい機能はすべて持っている。
あとはカラーバリエーションも増やしてほしいですね。
赤いボディに赤LEDとかも用意してほしいなあ。
0.1点の減点はマニュアルの日本語化です。
ゴンタさん
2015/03/10
ちょっと気になったのがキーボードレストの部分が
マットな感じ?(つや消し塗装だからかかも)
なので固めのラバーなのかなと思ったのですがね。
裏面もラバー付いてるみたいだし。
斜めになってると汗でツルっといきそうな気もするので、
ラバーだとグリップが効いてヨサゲですね。
パッチコさん
2015/03/10
ありがとうございます!
残念ながら、パームレストはプラ筐体です。
マット仕上げなので張り付き感はありません。さらりとした肌触りですね。
ラバーレストのオプションがあってもいいかなと思います。
タコシーさん
2015/03/10
ムービーで判りやすかったです
打鍵音はムービーが判りやすいですね
日本語マニュアルを強化して欲しいところですね
でも高機能で立派なキーボードですよ
パッチコさん
2015/03/10
ありがとうございます!
本当に高機能で、それでいて基本は押さえる感じが高評価です。
マクロは少し難しいですね。調べるともっといっぱい機能がありそうです。
vuronさん
2015/03/10
Ryos MK Proをプレミアムレビューで使わせていただいてますが、
キーマクロ機能に至ってはキーのタイミングをms単位で変更できるので
MMOなど同時押しに近い感覚の操作なども設定できます。
ただ、そこまでやってしまうとプレイヤースキルなんて必要のいないものになってしまいますがw
それとほかの方のレビューにあると思いますが
Talkという独自機能がすんばらしいです!
パッチコさん
2015/03/11
ありがとうございます♪
MKProもいいですよね。あちらは全部入りの魅力みたいなものもありますねー。
三色LEDのも出そうで気になります。
マクロをわかりやすく作るのは結構難しいですね。
TALKはいっそマウス買って試そうか悩んでいます。MADCATSのでできるといいのだけど。
vuronさん
2015/03/11
いっそROCCATERのナカーマになりませんか?w
パッチコさん
2015/03/11
今日、勢いでマウスを買いに行きたかったのですが、子供の迎えで無理でした。明日はいけるかなあ?
意外にも取扱店が限られるので、しっかり下調べが必要ですね。
パッチコさん
2015/03/12
後ほど。
パッチコさん
2015/03/14
個人的にはRyosTKLにもカラバリを追加して欲しいのですが、採算面もありますから、シール作ろうかな。。
vuronさん
2015/03/15
出来れば赤とかに変えてみたいです・・・
パッチコさん
2015/03/15
私も考えていたところですw
青色のLEDは派手でいいですが、視覚的に刺さるので、嫌いな人も多いはず!
私の場合個人の趣味的なものですけどねw