Haswell RefreshことDevil's Canyonとして登場したi7 4790Kのレビューです。
Haswellからの改良点としてはIvyBridgeから導入され、ダブルグリスバーガーと批判されていたグリスの改良とキャパシタ(コンデンサ)の増量による電流供給の安定化などが行われているらしいです。
グリスが新型になったということで、実際どんな具合なのか。
RefreshされてOC時の電圧などはどう変わったのか。
以上の二点について、CPU以外全く同一の環境で、殻割りリキプロ封入済みの4770Kと素の4790Kを比較してみました。
リキプロ(LIQUID Pro)とは液体金属のことで、グリスとして使う事で非常に高い熱伝導率を発揮するという代物です。リキプロと4770Kの処理についてはこちらを参照してください。
★新型TIMってどうなの?
・測定環境について
マザーボード:ASUS Z87 pro (4790K対応の最新BIOS導入済み)
CPUクーラー:ENERMAX ETS-T40-TA
CPUグリス:AS05
OS:Windows 8.1
上記の構成で、ファン回転速度を常時高速にし、OCCTで温度変化を計測しました。
OCCTの設定は1分待機→10分負荷→2分待機です。
室温は26~29℃と多少誤差がありますが、4770Kが68℃に対して4790Kは80℃と10℃程度差がありました。新型TIMといえどリキプロには及ばないということですね。4770Kでもリキプロに変更した際の温度低下は10℃程度だったので、あまり大きな変化は無さそう?
負荷終了後の温度の下がりも4790Kの方がやや時間がかかっているようにも見えますが…誤差程度でしょうか。思ったほど下がりは遅くなかったです。どちらにしても10℃程度の差なので、誤差が大きく、参考程度ですが…。
★OC時の電圧について
4770Kの場合は4.5GHz(100x45)にするのに1.202V必要でしたが、4790Kの場合は1.190Vで安定しました。一応下がってはいますが、微妙なところです。
定格電圧については4770Kが1.032V、4770Kが1.056Vになっていました。4770Kでも1.032Vのままで4GHzまではいけましたので、0.024Vの微増はマージンを取ってあるということでしょう。
★性能について
4.5GHZ時のベンチマークスコアを測定しました。微妙な差ではありますが、スコアが上がっています。これも誤差…でしょうか。処理的な部分には手を加えてないようなので、周波数が同じなら性能も同じということですね。
Passmark(CPU Mark) CINEBENCH R15
4770K 11406 849
4790K 11614 882
★まとめ
改良された効果については、あまり大きな変化は感じられませんでした。ただ、裏面の部品点数からして、細かいところに手が加えられているというのは間違いないので、安定性の向上のような数字に出にくい部分での改善は期待出来そうです。気のせいかもしれませんが、電圧を探っている段階でも4770Kより粘るというか…落ちにくかったように感じました。4770Kと4790Kは実売価格で2千円ちょっとの差なので、これから買うなら4790Kの方がお薦めです。
暫く様子を見ましたが、4790Kでは空冷でも4.5GHzなら常用も可能そうです。殻割りなしの4770Kでは4.3GHzくらいが妥当だと感じましたが、もう少し上げても大丈夫そうです。TBで(2コアまでとはいえ)4.4GHzまで上がる事、定格電圧が4770Kよりも上げられているため、そこから更に上げる電圧は少なくて済む事から、4770Kより高い電圧・周波数でも安心感はあります。
また、OCしなくても4GHzなので、定格でも良いと思います。もとより、このくらいの周波数になってくると少しOCしたくらいでは体感で変わるような物でもないですし、ライトOCは気分的な物ですから、最初からキリの良い数字ならそれはそれでいいのかもしれません。
4770Kの場合はOCしないならKなしでも周波数は大して変わりませんでしたが、4790Kの場合はKなしだと定格3.6GHzと大分落ちてしまいます。OCも見据えて作られたZ系マザーボードではなく、定格前提のHまたはB系マザーボードでの利用を考えているためかもしれませんが、3.6GHzはちょっと寂しいです。その点、4790Kは最初から4GHzですから、OCしなくい人でもK付きを買うメリットはありそうです。
★おまけ
K付きを使う人にとってはあまり利用する機会はないと思いますが、一応リテールクーラーも付属しています。リテールクーラーなんてどれも同じかと思っていましたが、よく見ると少し変わっていたようです。
見た目はそっくりですが、4770Kの方はNIDEC製(12V、0.28A)で4970Kの方はFoxconn製(12V、0.17A)でした。ただ、パーツナンバー?はどれもE97378-001になっていますので、複数あるリテールCPUメーカーのファンが適当に入っているだけなのかもしれません。どれが入っていても最低限保証された性能はあるはずですが、音とか冷え方とかは多少違うかもしれません。並べてみるとFoxconnの方が配線とか丁寧に作られていますね。
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