『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1。CPU に AMD Ryzen™ 7 5700U モバイル・プロセッサー を搭載した、15インチのノートPCです。
CPU ブランドとしての格付けでは、例の「入ってる」の CM でお馴染みの企業ブランドを性能では凌駕しているとの巷の噂ですが、まだ信頼という面で評価を得ていない雰囲気です。
今まで全く使ったことないブランドなので、異世界並みに分からないことだらけですが、チート級な活躍に期待したいところ。
識者いわく、「Ryzen ブランドの強みはマルチスレッド性能」だそうで、マルチタスクの処理能力は業界随一、世界最高峰。他の追従を許さないレベルなんだそう。つまり、単純作業をゴリ押しで終わらせるような脳筋な仕事の仕方ではなく、複雑で多岐にわたる工数の作業をスマートに終わらせるクールな仕事の仕方ということですね。
人間だったらめちゃくちゃモテそうで、個人的に嫉妬とイラ立ちを覚えてしまう処理能力なのですが、高性能かつ消費電力も抑えられており、どこからどう見ても死角のないイケメン CPU みたい。
こんな努力家の天才みたいなエリートが目の前にいると思うと心なしかキーを叩く指に力が籠るのですが、なんかよくわかんないけど AMD Ryzen™ 7 5700U さんは絶対性格が悪いと思うよ(願望)。
むしろどっかに弱点があってほしいと思わずにはいられない。
家具として、向き合う。
以下に、一発撮りのパフォーマンスを鮮明に切り取るレビューをお送りします。
箱を開けて最初に製品を見た The First Impression は、「天板が綺麗」でした。
ビジネス用途の(タフな) PC ばかり利用していた自分としては初めてのツルピカ天板。ピアノのように輝くマテリアル感は、電子機器というより「家具」としての存在感がありますね。
光沢のある素材の PC を避けてきた理由としては、やはり鞄に入れて持ち運んだりした時に傷がつきそう、というのが理由です。実際に所有したこともないしだから傷が付いたこともないのですが、そんなイメージがありますね。個人的にはあまり好きではなかったですが、手に取って眺めているとなんだか愛着? なのか何なのか、キズが付かないように大切にしようというという気持ちがわいてきますね。
15インチという大きさは使い慣れた大きさなので13インチと比較してどうという感想は無いですが、やはり「大画面」で腰を据えた使用ができるのが大きな魅力だと思います。小さい画面だと文字も小さくカーソル操作も繊細になってくるのですが、リビングやベッドルームで楽な姿勢で気兼ねなく扱えるサイズ&軽量なのは、わくわくするポイントです。
カラーはブラックだと思うのですが、明るいところでブルーグレーのような光り方をします。写真でもそのような映り方をしているはず。光沢があってもシックで落ち着いた深い色なので高級感があります。
取扱説明書、保証書、Office 2019 Personal が付属していました。
PowerPoint が入っていないライセンスですが、Office は付いてないと思っていたので何気に嬉しい!
取扱説明書は84ページほどのボリュームで、初期設定の仕方からリカバリの仕方まで掲載されており、パソコン初心者にも安心です。
機動性のあるオールインワンという、正統進化系
PCの右側。手前からマイク&ヘッドホン端子、ダイレクト・メモリースロット、USB2.0、そして光学ドライブ。特徴はなんといっても DVD が見られるドライブが付いていることだと思います。
イマドキの薄型軽量モバイルパソコンには搭載されていないことが普通の光学ドライブですが、時々急に必要になって、慌てて外付けのドライブを購入したりすることありますね。
ビジネス用途だとクライアントにデータを渡すのに DVD に焼いたり、保存用に焼いたりするのですが、USB メモリやクラウドでの動画配信サービスが普及した今では正直あまり使いません。
レガシーな機能を欲する層は家電や PC の外付け機器を大量に持っているようなマニアだと思うのですが、切り捨てることなく過去の財産を利用できるのは嬉しいです。
このモデルはスーパーマルチドライブ(DVD±R DL(2層)書き込み対応)搭載型。購入時のカスタマイズ書き込み不可だが Blu-ray Disc が再生できるように選ぶことができるので、リビング以外で映画視聴などしたい人は、そちらを選ぶのも良いですね。
左側側面は、有線LAN端子(RJ45)、USB各種、HDMI端子。各種各世代の規格端子が勢ぞろいです。この中では、USB端子のひとつに電源プラグのようなマークが描かれているのですが、これだけ電源オフUSB充電機能に対応した端子のようです。
有線LAN端子は、搭載されないモバイルパソコンが多いのですが、NAS からのファイルコピーを高速に行い時とか、じれったいバージョンアップだとか、ネット会議を安定した通信で行いたい時とか、心を穏やかにして使いたい時に大活躍してくれそう。
一通りの端子が揃っていて足りないものがないため、あれがない・これがない、が無いのが安心です。
軽快な打ち心地と、独特の打鍵感
いろんな意見があると思うのですが、僕は過剰なプリインストールソフトウェアが嫌い。
この『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 にもたくさんのソフトがインストールされていて、起動時に画面のあちこちにウィンドウが立ち上がり、よく分からないアイコンがデスクトップ上にあるという状態です。
上級者は初心者にできないことが可能なので、アンインストールすれば済む話なのですが、ここだけははっきりいって嫌悪感があります。
と、言っておきながら日本語入力ソフトに ATOK が使えるのだけは万歳です。
IME に慣れてしまった今、ATOK が必要最低限ではないのですが、Mac のような操作感とぬるぬるした使いやすさは価値ありです。
ちょっと使ってみた感想ですが、立ち上がりは我慢できる範囲の 3 秒以内で起動。テレビを見つつ急に「あ、あの作業やるの忘れてた」と思いついてパソコンを触る時など、フットワークが軽くて使いやすいです。これがデスクトップ PC だと、デスクまで移動しないといけなかったりで何かを制限・我慢する必要が出てくるのですが、自分の自由を尊重しつつダラダラゆったり快適ライフになるので、劇的にライフスタイルが変わるように思います。
今までリビングやベッドルームでは iPad を利用していたのですが、文字入力にはどうしてもキーボードが必要になり、タッチ画面では快適とはなりませんでした。カジュアルな使い時ではタブレットを、少しヘビーな情報量の際には、この PC を使うことで、僕自身が幸せになりそうです。
キーストロークは約2.5mm、僕が触った中でもトップレベルに深い。普通の2倍くらいある深さです。この深さがあることで、安定しない膝の上でも充分な入力した感が分かり、入力の快適さに繋がっています。このキーは『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 の特徴のひとつといえるのですが、キートップの下に透明なパーツが組んであることで、見た目キーが浮いているような錯覚がします。この「プリズムクリア」という仕様の浮遊感、そして軽いがしっかりと打てる深さが独特の心地よいタイピング感になっています。
また、購買時のカスタマイズではバックライトも付けられるようです。このモデルには付いてませんでしたが、このプリズムクリア部分に光が灯っていたら、すごく綺麗な上に手元が暗くても使いやすかったんだろうな、と思います。
型番から読み解く AMD Ryzen 5800 シリーズとは
AMD の ラインナップは、型番表記からある程度の性能が読み取れるようになっています。
プロセッサー番号の前の数字「 7 」は、シリーズ名を表しています。
この数字は競合メーカーのシリーズにも対応しているようになっていて、「7」であれば「i7」のライバルとなるような関係になっています。
次の「5700」はコード番号ですが、最初の1桁「 5 」の部分は世代名。「5」なら第3世代、「4」なら第2世代となっています。第3世代の5000シリーズは「Zen 3」という最新アーキテクチャーを採用しており、世界最速クラスの性能で業界を騒然とさせた革新的な CPU です。
センセーショナルを起こした理由は性能に対する価格、コストパフォーマンスです。高性能 CPU としては不動の人気の競合製品があった市場において価格破壊をおこし、一気にシェアを奪ってしまいました。低価格を実現するだけの技術基盤と大量生産能力は工業メーカーとして超新星のような光輝く爆発的な活躍といってもいいです。
最後の「 U 」はカテゴリで、Uシリーズはバッテリーの長時間稼働のための省電力と性能のバランスを意識したモバイル向けモデルになっています。基本クロック数が抑え気味なモデルが多いです。
その他のカテゴリにはオーバークロックでのブースト稼働を前提に調整されたハイスペック機用の「HX」、ゲーミング用の高処理モデル「H」、Hを省電力にした「HS]、Chromebook 搭載 Chrome OS 向けにチューニングされた「C」などがあります。
これは……そうだったのか。だからあいつはあの時……
搭載されている CPU「AMD Ryzen™ 7 5700U」はメーカーの公式サイトを見ると、現世代2位の実力を持つハイエンドのようです。
https://www.amd.com/ja/processors/ryzen-processors-laptop-business
動かす前に有志が公開したスペックシートを見ると、僕がン十万で購入したデスクトップ機に搭載された CPU、i9-9900K と同等のスコアになっており軽い絶望感に襲われてしまったのですが…。
実際に CPU 負荷を 100% にしたスコア測定を行ってみました。
結果、デスクトップ機に猛追する素晴らしいスコア…なのですが、実力を考えると、もうちょいスコアがでも良さげだけど。
おそらく消費電力との兼ね合いだと思うのですが、基本クロック数が 1.8GHz と低く抑えられている理由もあるかもしれませんが、正直言えばマルチでのスコアは想像より下でした。それでも普通にデスクトップ機なみの性能ですが。
かなり厳しめの目線になってしまっていますが、ノートPC のレベルでいえば、ハイエンドの中のハイエンド、王様の貫録を持つ凄いスコアです。ゲーム用の高性能機でも5千くらいなのに激しく良いスコアです。
特筆すべきは、純粋なシングルスレッドでのスコア。マルチの場合、単純にコア数が増えればスコアが上がるのですが、ここでは純粋なコアのみでの処理能力の高さがスコアにでます。シングルでの数値はマルチと逆に想像のはるか上、次元を超えるレベルでの数値でした(高性能機で900くらいなのでレベルすら違う高得点)。この数値は若干異常値にも思えるけど、それぐらいコア自体の処理能力の異常な高さを示しています。
なんだかこの CPU、明日壊れて無くなるフラグにも思えるのですが、大丈夫かな……。
ちょっと数字が小さくて見にくいと思うのですが、総合ベンチマーク「PCMark 10」のテスト結果が上記の図。総合値5,467 はハイエンドを語るに恥ずかしくない値です。
- PCの基本性能 …… 9,270
アプリの起動速度やWEBブラウジング速度など。 - 事務系ソフト使用性能 …… 8,173
Word や Excel など事務系ソフトを使用する能力。 - 画像&動画編集、3D処理などクリエイティブ系使用性能 …… 5,854
レビューの規約に「他PCとの比較はしない」が明記されており、それに抵触しそうなので具体的にどのレベルなのか書けないのが残念ですが、どれも高得点で世界トップレベルです。比較的高級ではないノートパソコンでこの結果を出しているわけなので、明日あたりから市場に在庫が1つもなくなってもおかしくないレベルに思います。
熱のデザイン(サーモグラフィ)
応募時に実施予定レビューとしていた内容ですが、ソファに座りながら、地面に胡坐をかきながら、など「ながら」の部分で使いやすいサイズ感とスペックだと思ったので、ラップトップとしてのスタイルで膝上に置いた時に感じる体感温度、というところに注目しました。
ビデオ通話の項目でも書いているのですが、高機能といっても熱を持ちすぎて膝上で「熱っ」となったら「据え置き機として」しか使えないですからね。まぁそんな実機はリアルで見たこと無いですが。ラップトップ(ノートPC)としての責務と役割を見せてもらいたいところです。
CPU を100%使用状態での正面からのサーモグラフィ(物体から放射される赤外線を分析し、熱分布を図として表した画像)です。『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 は本体左側(キーボード左側)側面に排気孔があるため、左側面に熱を持っています。一番赤くなっているところが排気孔。置いている机の上にも熱伝達で温度が上がっており、35度に温められているのが分かります。
一番熱くなるのが対流の当たる机の部分なので、目玉焼きを作るなら本体のどの部分でもなく机の上をおすすめします。
赤くなっている範囲を見て分かる通り、左下地面に向かって熱気が抜けていくようになっており、胡坐をかいた状態で膝上に置いた場合は熱気が直撃します。逆に言えばソファに座って脚を揃えている状態なら熱風は当たりません。
また、一部の熱気は本体下に流れ、中央の天板と本体の間の隙間から流れ出ているため、画面中央の下部分が赤くなっています。
左側面手前のパームレストも赤く熱くなっていますが、ここにはメモリと SSD が格納されて熱を持っているようです。
膝上に置いた場合、天板部分がリフトアップされスタンドのような形になるのですが、膝の上に当たるのはスタンド部分のため設置面積も少なく、「熱ッ」にはならないですね。
いずれにせよ、お風呂よりも低い温度で全く気になりませんね。
ひっくり返して本体裏面から内部の様子も確認してみました。
画像上部が手前のトラックパッドがある部分、画像下部が液晶画面がある奥側になります。
『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 には嬉しいメンテナンスハッチがあるため簡単に蓋を開けることができるのですが、開けてみたところ画面上部の四角い赤い部分はメモリ、下の斜めの部分が AMD Ryzen™ 7 5700U モバイル・プロセッサー がある場所なのだと思います、たぶん。たぶんなのはハッチからではここが解放されず、分解してみないと分からなそうでした。レビュー規則には「分解禁止」の文字はないのですが、良い大人としてやめておきます。
そういえば、メモリの隣には SSD が設置されており、ここが全く熱を持っていないように見えますが、この時は読み書きしていないので熱を持っていないのだと思います。また、ここにはシールドが取り付けてあり完璧なる熱対策がされていました。大手メーカーはさすがに手厚いですね。
全体的に熱を持つパーツが本体左側に追いやられるように設計されており、なかなか参考になりますね。バッテリーの位置も奥側が一般的だと思うのですが中央に大胆にレイアウトされており、既存の設計には無い先進的な発想を感じます。
熱に関するデザインはさすがの富士通様で、文句のつけようが無く綺麗です。
リモートワークしてみた
もうひとつの応募時に実施予定レビューとしていた内容、リモートワークでの利用レビューです。
PN接続で自宅と遠隔地のオフィス内ワークステーションを繋げて様子を見てみました。
接続イメージは下図。
ヤマハVPNルーター同士によるネットワークを構築、RDP を使用しているだけです。
リモートワークの場合、基本的には接続先端末の処理能力に依存します。
手元の PC の方では比較的負荷がかからないのですが、搭載された AMD Ryzen™ 7 5700U モバイル・プロセッサー にはグラフィック処理チップが内蔵されており、気持ち快適に操作できるように感じます。
スペック的にはリモートワークには充分で、リモートワークでガチャガチャ操作しながら別ウインドウでゴニョゴニョしたりしても余裕です。
プレミアムな利用シーン
15インチの大画面は作業がしやすい反面、外への持ち運びに難があるサイズ感と重量感だと思います。どちらかというとオールインワン型の配線要らず&外付け機器無しの据え置き機というイメージですね。
モバイルサイズのノートパソコンと隔てる強みとして、やはり RJ45、有線LANポートの存在が大きいです。有線で接続することによって通信が安定するため、リモートアクセスツールを利用した仮想化ハードウェアの操作とも相性が良いです。
サーバラック内仮想ハードウェアに Windows11 の評価機を構築し、アクセスしてみました。
Windows 11 の必要性は全く無かったのですが、とりあえずすぐに遠隔操作できる端末が無かったので……。
元々クライアント側には高性能が必要でない RDP ですが、通信速度とセキュリティ層、描画速度には大きく影響を受けます。Wi-Fi などでは電子レンジの影響を受けることもあるのですが、ヌルヌルさくさくと動いて気持ちが良い。
自宅内で構築されたネットワーク内に限れば、有線LAN という強力な相棒を持った『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 に隙は無いですね。
レビューの規格に「比較禁止」がある以上、独自のベンチマークテストによる独自のポイント数をあげていっても伝わらないと思うので、ここからはみんな大好き「タスクマネージャー」の画面を使って、馴染みの数値とグラフ曲線で、感覚的に(PC と CPU)の処理能力が把握できるようにしていきます。
タブを100個開いて、ウェブブラウジングしてみた。
いや、普通そんなに開かないでしょ、っていうところまでタブを開いてブラウジングしたり別の作業をしてみたりしました。パワー不足のマシンだと、結構これで動きが悪くなったりもしますよね。ZIGSOW のページを開きまくりましたが、favicon が小人が並んでるみたいで面白いですね。
ステータスウインドウ(タスクマネージャーでの負荷)は、下図のような感じ。
天井に張り付くようなこともなく、CPU の使用率は全く上がらないです。
さすがにメモリの方をたくさん使うので使用率も 50% を超えるのですが、『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 の場合、16GBのメモリを積んでいるため、まだまだ余力があります。
ノートPCだと、もたもたするものが多い中、さくさくとブラウジングできて素敵。普通にネットを見るだけなんて、スライムと戦うだけみたいなもので、全然余裕ですね。
ビデオ通話して、画面共有もしてみた。
Teams と迷った結果、試験運用しやすい Skype で妥協して通話してみました。(Windows11 で統合されるから Teams が良かったのですが、Teams ってビジネス用途でしか連絡先を交換してないから、個人の用事での連絡がしにくいんですよ……)
ノート PC のメリットといえば、マイクもカメラもスピーカーも付いているため、特に準備なくアプリをインストールして立ち上げるだけで、すぐにビデオ通話ができます。
デスクトップだとそんな簡単にはいかず、マイクとして使うデバイスはどれ、とか設定を細かくしなくてはいけないことがあるので、オールインワンとしてのノートがデスクトップより使いやすいといえるべき最もな部分は、まずこの「ビデオ通話のしやすさ」ですね。
いや、全然使用率が上がらないですね。
もっと CPU がガンガン上がって冷却ファンがぶぉんぶぉんうるさくて膝上が熱っってなるレビューを書きたかったぐらいですが、何もおきません。
普段は僕は、タブレット等を使って「音声だけで」会議をすることが多いのですが、タブレット本体が熱を持って調子が悪くなるので、ここまで『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 が負荷がかからないのであれば、こっちを使いたいですね。
ちなみに「音声だけで」の理由は、映像付きだと調子が悪くなりやすいからです。
映像の方が情報量が多いため回線帯域を使うからみたいに考えていたのですが、CPU 内蔵の GPU の処理能力の方に関係しているのかな、と最近は思うようになりました。搭載CPU である AMD Ryzen™ 7 5700U にはグラフィックス・アクセラレーターが内蔵されているため、グラフィックの処理能力も高くなっています。カメラからのリアルタイム動画映像、画面共有なども問題なく行うことができ、何のストレスも感じませんでした。
また、『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 には有線LANポートが搭載されているため、電波に影響を受けない安定した通信を行うことができ、ビデオ通話にも向いています。ワンルームなどの狭い部屋ならあまり実感は感じないかもですが、ウチのように 3階建て戸建ての場合などではどうしても各部屋への電波が充分に供給できないため、有線のありがたみが実感できます。
バーチャル背景を使ってビデオ通話してみた
リモートワークが増えた昨今では、ビデオ会議に付属する機能「バーチャル背景」を使って背後の部屋の様子をぼかしたりカスタマイズする人も多いと思います。性能の低い CPU だと機能を ON にする選択肢すら表示されないらしいですが。
バーチャル背景では、自分の姿を動きに合わせて映像から切り抜くという処理をリアルタイムで行うため、CPU負荷がかかります。この時のパフォーマンスは以下のような感じ。
使用率は約 11% から約 18% に上がりましたが、まだまだ全然余裕ですね。
CPU に AMD Ryzen™ 7 5700U モバイル・プロセッサー を搭載したパソコンでは、バーチャル背景を利用したビデオ会議(ネット会議)も余裕です。
3Dレンダリング(物理シミュレーション)してみた。
流体シミュレーション、剛体シミュレーションを行う 3D モデルによる物理アニメーションを作成し、それを 3Dレンダリングしてみました。この作業がお気軽に膝上のノートPCでやるものなのかは、謎ですが。
まぁ、結果は分かりきっていましたが、使用率100%、天井に張り付いたまま、冷却ファンがうるさく響くという順当な結果になりました。
GPU の使用率があまり上がらなかったので、レンダリング処理はグラフィックチップで行っていないんですかね? 温度だけはしっかり上がっていますが。
劣化をさけるために 100% まで使い切らないで制限されるパターンもあるのかなと思っていたので、それでも性能をフルに使い切ろうという姿勢は評価されても良いですね。
カタログスペックでは、最大ブースト・クロック 4.3GHz となっているので、もっと高みがあるかもしれないですが。
正直、デスクトップの高級機と同等の処理を普通に行ったことに驚きでした。
いいじゃん、AMD Ryzen™ 7 5700U。
これからこの PC で作業しようかな。
写真編集してみた(Photoshop)
適当な写真画像に普段やっているような補正・加工やフィルタを多めにかけて、CPU の負荷状況を確認してみました。使用ソフトは定番の Adobe Photoshop。
グラフィック処理に関しては高性能機とそこまで差異はでないはずなのは、Adobe 系のグラフィックアプリは4コア8スレッドで性能が頭打ちになり、それ以上の投資をして PC の性能を上げてもパフォーマンスに影響しないのはデザイン業界では周知の事実。
実際、いろいろ触ってみた感じ速い遅いは感じられませんでした。
唯一、負荷が山になっている部分があるのですが、これは重いフィルタ処理をした時です。
Photoshop の機能の中で高負荷なものはブラー系フィルタや 3D 加工なのですが、それでも最高 70% ぐらいにしかならず作業は余裕でした。
僕はもっと性能の低い10万円以下のノート PC で仕事もしていたこともあるので(Mac なんてもっと性能低い)、特にこれといって問題なく作業もできました。
グラフィックデザインしてみた(Illustrator)
Adobe Illustrator を使って、カタログ等のデザイン作業をしてみました。
A42つ折りのデータを4冊分開いて、それぞれ同時並行でデザインを変更していくという作業をしてみました。こちらは Photoshop の時と比較するともたつくことが少ないので得意分野かもしれないですね。
負荷が山になっている部分は、細かく複雑なパスを移動したときのものです。
この作業は業務用の高機能機でも最高クラスの負荷がかかり、1ピクセル移動するのに数秒かかる場合もあるような重くて遅い処理なのですが、AMD Ryzen™ 7 5700U モバイル・プロセッサー を搭載した『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1 は遅延することなくすらすらと移動することができました。遅延するのが当たり前のようになっていたので、この快適さは嬉しいです。効率よく作業ができそう。
細かく複雑なパスを扱う作業ではもたつくことなく快適なのですが、作業中の冷却ファンが高速回転するのがうるさく、ここはマイナスポイントでした。
4K動画編集してみた(Premire Pro)
Adobe Premire Pro を使用して動画編集してみました。5分ほどの動画をテロップを追加したりエフェクトを追加したりしました。
テロップやクロップ処理など通常の編集では CPU は安定しており、プレビューももたついたりコマ落ちすることなく表示され、かなり快適です。確認しながら作業していくうえでプレビューが正確&高速に表示されないのはストレスになるのですが、そんなこと全くなく、ノートPCだとは思えない快適さでした。
ただし、ブラー系のエフェクト処理をかけたプレビューはやはり CPU 負荷は高めで、50%を超えていました。プロではない方にはあまりピンとこないかもですが、エフェクト処理の中にも「重い」「軽い」があるのです。
負荷が100% のところがエフェクト処理を追加した瞬間、それ以外の 50% になっているところが処理をかけたプレビューを表示しているところになります。
でも 50% で済んでいるところは逆に凄いといえますね。
ちなみに、高負荷になるエフェクト処理はタイムラインの上の黄色いラインが赤いラインになるのですぐに把握できます。これを参考に、高負荷になる処理を避けていけば一般の方でも上手に快適に編集できるかもですね。
4K動画エンコードしてみた(Premire Pro)
5分~10分程度の 4K動画を最高画質で書き出してみました。
今までやってきたテストでも良い結果ばかりで、今回もそんなに体感速度が変わらないだろうな、と思っていたのですが、この作業だけ思わず「遅っ」という声が思わず出ました。
はっきりと遅いです。
設定で高速化できないか、探してみました。
レンダリングの設定で GPU が選択されているか確認しました。
「Mercury Playback Engine – GPU高速処理(Open CL)」となっています。
エンコード設定も「ハードウェアエンコーディング」となっています。
何回か設定を変えて試しましたが、あまり効果はでませんでした。
4K動画の書き出しですが、CPU 負荷は 100% になります。
しかし、GPU は5%~7%ぐらいしか使用しません。温度は 75 度前後に跳ね上がるのですが……。
GPU を使用できるエフェクト処理が限られているのかもしれないですが、今までほとんどのアプリで快適に使用できていたのに、動画の書き出しはそこまで得意じゃないと分かりました。
とはいっても、やっぱりデスクトップ機で作業する内容がノート PC でできてしまうってチート能力みたいに凄いとしか言いようがないです。
負荷 100% の時は全てを使い切っているのですが、論理プロセッサーに分割して観察してみると見事に並列処理ができており、どのタスクが重くなっているか見ているだけでも楽しいですね。
最新のドライバにアップデートする
AMD の公式サイト内サポートページには最新版のソフトウェアとドライバがダウンロードできるようになっているので、アップデートしておいた方が良いです。
■AMD Ryzen™ 7 5800U Drivers & Support | AMD
今回、最新版にすることで上記の動画書き出しで GPU が使われていないことが改善されるかなと考えたのですが、効果なしでした。
AMD のソフトウェアには、各処理を最適化させるプロファイルが用意されていたので、インストールしておくにこしたことはないです。
そして、異世界への扉を開ける。
まとめると、3Dレンダリング(+物理シミュレーション)、4K動画の書き出しの 2 つ以外では既存のパソコンの性能を上回る処理速度を出しており、まさに PC の常識をぶち壊すバランスブレーカーともいえます。オフィスの生産性が向上するに決まってます。
今まで当たり前のようにデスクトップ(ワークステーション)で行っていた作業が、机の上から飛び出してノート PC を片手に新しい場所へ、新しい世界で活躍できるというのは、まさに異世界級の大冒険。しかもチート級の能力を持っているわけなので、まさに勇者降臨。
今までオフィスの定位置でしか作業できなかったことが、その概念を覆えしてオープンな場所・自由な席で作業できるということが分かったわけですが、それは働き方が変わり、ライフスタイルも変わるということ。好きな時に好きな場所で思いっきり高度な作業ができるため、時間や空間に左右されることなく自由な働き方を手に入れたことになります。
また、高い処理能力で時短できるということは残業時間を減らすことになり、結果、プライベートを充実させることにもつながり、会社どころか個人のメリットにもなりうる可能性を持っています。
きっと、Ryzen という救世主による世界の救済が目の前で行われることになるのは、予言でもなんでもなく、やがてすぐそばにある現実でしょう。
AMD Ryzen™ 7 5700U モバイル・プロセッサーを搭載した『富士通』LIFEBOOK AHシリーズ WAB/F1は、業務や人生に転換期をもたらす、最適なマシンです。
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