今回レビューを行う「ダッシュビート」は、速く走るために必要な「足をコンパクトに前に引き付ける」技術を習得するためのトレーニンググッズになります。
商品ページに書いてある対象年齢は小学生以上となっており、ダッシュビートを膝下に巻いて使うため膝下周囲 21~39cmまでが適応サイズです。
※ミズノ|ダッシュビート[ジュニア]|フィットネス|トレーニンググッズ
まずレビューを行う前に、「ダッシュビート」を実際に使用する息子の事を軽く紹介させていただきます。
息子は現在中学二年生で、小学校三年生から野球を始め現在も地域の中学生野球チーム(軟式)に所属しています。
最近は登場していませんが今までの私のレビューや日記で時々登場してもらっていた頃はぽっちゃりしており、どちらかというとどんくさいタイプでした。
それが小学校六年生になる頃に自主的にランニングを始め、夏頃から身長が一気に伸び今では身長 167cmでスッキリした体型になりました。
またチーム内では身体が大きい方で、重い球が投げられ左利きと言う事で控えですが六年生になってからピッチャーを任されるようになりました。
ランニングを続け足腰がしっかりしてきたおかげか秋頃には制球が定まり始め、バッティングの方もよく当たるようになりました。
しかし短距離走に関しては私や野球のコーチがアドバイスしても小学・中学を通して一向に速くなる事がありませんでした。
息子は何をやるにしてもまず頭で考え理解してからでないと動けないタイプで、出来るようになるまで少し時間がかかります。加えて複数人から違う事をアドバイスされると一つ出来ると他を忘れて結局完成しないというループに陥ってしまいます。
現在の息子の短距離走の課題は私から見て、三つあります。
・腕が振れていない
・腿が上がらない(膝が前に出ない)
・膝が開いている(がに股走り)
これらをどの様にすれば良いと指示を出しても今まで直りませんでしたが、「ダッシュビート」の様なグッズを使う事で頭で考えずに身体で覚えさせる事が出来るのではないかと考えました。
「ダッシュビート」により後ろの二つの事を意識せずに出来るようになれば、後は腕をしっかり振る事だけに専念出来ます。
ただ素人の私が教えてもコツを身につけられるのか、実際に今までより速く走れるようになるのかはなはだ不安な所はありますが、まずは膝が開かず見た目で遅いと思われない様な走りが出来るように目指したいと思います。
そして出来れば、野球のコーチから「速くなった?」と言われたら最高ですね。
【外 観】
外箱の裏には「かけっこコーチンググッズ」との記載があり、小学生以上とありますが小学校低・中学年がメインターゲットの様に感じます。
使い方の記載もあるので、店頭で初めて本品を見た時でも「ダッシュビート」の効果をイメージし易いでしょう。
中には「ダッシュビート」本体の他 A4用紙サイズ一枚のトレーニングガイドが入っていました。
トレーニングガイドは商品ページからも見る事が出来ます。
※ダッシュビート トレーニングガイド(pdfファイルへの直リンクになっています)
各部位の名称は下記の通りです。
ターゲットはウレタン(EVA)製でとても軽く、片側で実測 42gでした。
【装 着】
まず息子の膝下回りですが、38cmで一応適応範囲内です。
装着してみたところ、ターゲットの出っ張り具合がかなり少ないです。
トレーニングガイドにある画だと、脚を肩幅に開いた時にターゲットの先端は反対側の脚に着きそうなくらいになっています。
適応範囲内ギリギリなので仕方ないですが、今後のトレーニングにかなり影響が出てしまいます(理由などは後述します)。
またベルトの長さがギリギリなため巻く位置が極力細い膝下すぐ(左足の状態)にしたいところ、これだと膝を曲げた時に膝の後ろがひっかかって痛いとの事。
後ろ側は少し下の位置(右足の状態)で痛みも無く丁度良いとの事でしたが、長さがギリギリで何度か巻き直して落ち着きました。
適応範囲が 39cmとなっていますが、キツさなどを考えると適応範囲は後 2cmは短めにした方が良い気がします。
【初回練習】ファーストインプレッション
色々と練習法などを調べた時に、ただ教えられた動作をやるだけではなくそれをやる意味を理解しているかどうかで効果の出方が違うというのがありました。
「ダッシュビート」が目指すところは、素早く太ももを前に出す足の運びを習得する事だというのをトレーニングガイドを見せつつ教え、練習に臨みました。
ただ息子は先に書いた通り中学生野球チームに所属しているので土・日・祝日は練習や試合に行っており、平日は塾と学校の部活(※)でなかなか時間が合わず、空いていた平日の夜に近くの都立公園に行ってきました。
※学校の部活は当初野球部を希望したのですが、学外のチームに入っている者は入部できないと
言われ、土日の練習や試合に参加できなくても大丈夫と言われたソフトテニス部に入り平日に
週3日練習を行っています。
練習の様子の前に、現状の息子の走っているところを前方と後方から撮影したので見ていただきます。
撮影するとの事で本人が少し意識したようですが、やはり太ももがあまり上がっておらず膝が少し開いているのが分かります。
「ダッシュビート」だけで出来るのは太ももを上げさせることだけです。
まずは息子にトレーニングガイドをよく読ませて、第一ステップである「ダッシュビート」を装着し歩かせてみました。
「足を上げる時に、足の甲が反対側の足に装着したターゲットに当たるように意識して歩きます。」
説明に「足の甲を当てる」とあり忠実に守ろうとしてしまったために、足の甲が内側に入り過ぎ余計に膝が開いて(ガニ股になって)しまいました。
これが装着時に指摘したターゲットの短い事による問題です。
足が細くないとターゲートが十分に飛び出ず、足の甲を当てようとすると息子と同じように足が内側に入り過ぎてしまうでしょう。
そこで息子には、無理に足の甲を当てようとせず靴の内側の縁をターゲットに当てるように意識させ、併せて前方中央に膝蹴りをするような感じで膝を出すよう指示しました。
ちょっとやそっとではなかなか指示通りには出来ませんが、少し進歩しました。
普段太ももを上げろと言っても本人は上げたつもりで全然上がっていなかったのが、「ダッシュビート」がある事で足を上げるべき高さが明確なので、息子には理解し易いようです。
ただし歩く時にも肘を曲げて腕を振るように指示していたのですが、案の定そちらまで気が回らなかったようです。
正しく歩けるようになったら、次のステップではターゲットに当てながら軽く走るのですが、息子はもう少し歩くフォームがしっかり出来てから次に進みたいと思います。
そしてその次のステップでは全速力で走ってみて、それでフォームが崩れないようなら「ダッシュビート」を外して走ります。
「ダッシュビート」を外してもしっかりフォームが出来ていればしっかり身に着いたと言えるでしょう。
なかなか息子が練習できる時間と合いませんが、時々進捗状況を見てやりつつ導いてやれればと思います。
11月4日のレビュー完成期限までにどこまでの成果が出せるか分かりませんが、もうしばらくのお付き合いをお願いします。
【しばらく使ってみて】
息子の学校の運動会は春開催の為ファーストインプレッション後に成果を計るのは野球での走塁状況になります。
ところが息子のサインミスや打撃不振によりレギュラーを外されておりしばらく試合には出られておりませんでしたが、レビュー期限前日の試合に途中出場ですが出る事が出来 2打席チャンスがありました。そして 2打席とも出塁し 1回は盗塁を決めました。
また先日行われた練習試合でも一度盗塁を決めたそうですが、息子の場合足が遅いのを知られておりマークされていない中で意外性を狙った作戦で成功したものでした。
実際に今回試合の応援に行っていた奥さんに聞くと、足の速さは変わっておらず相変わらず膝も開いたままのフォームだったそうです。
ただしフォームが身に付いていないのは、あくまで息子の反復練習が足りない事が一番の原因です。
ファーストインプレッション後に練習しているところを見てあげられたのは家の前で 2,3回しかなく、本人も他の事で忙しいのと出来ている気になっていて、ちょっと時間が空いた時に練習はしていなかったようです。
もっとも一人で練習していてダッシュビートを蹴る(当てる)ように走れていても、フォームがしっかりなっているかの確認が出来ません。
練習を見てあげていた時も、最初は元の膝が開いた走りに戻ってしまっていました。その点を指摘してその時はそれなりのフォームで走れるようになっても、次には元に戻っているのです。
あくまで自身の経験則ですが、これがもっと小さい子だと少ない練習で出来るようになると思うのですが、それはフォームが固まっていないから出来る事であって、中学生だと自分なりのフォームが固まってしまっておりそれを直すのは容易ではありません。
それこそ毎日の反復練習とチェックする目が無いと難しいでしょう。
それでは中学生くらいになるとダッシュビートは意味が無いかというとそうとも言えません。
初めて息子にダッシュビートを装着し走らせた時に、本人はしっかり腿を上げていたつもりでもダッシュビートのターゲットに当たる高さまで足の甲が上がっておらず、本人に気づかせる事が出来ました。
それまで何度腿が上がっていないと口で言っても、本人は上げていると言って直せません(腿が上がりません)でしたが、ターゲットに足の甲をぶつける事でここまで上げなくてはならないという事が明確なので本人も納得です。
特にうちの息子の様に納得しないと動けない(出来ない)タイプにはフォーム(腿上げの高さ)の確認用として教える時に便利です。
そして今回ダッシュビートを使ってみて感じたのは、製品ページでは対象が小学生以上となっていますが、ベルトの長さや効果(少ない練習で出来るようになるかどうか)を考えるとあくまでメインターゲットは小学校低学年生かと思われます。
しかしそれよりも大きい子達でも使うメリットはありますし低学年でも太めの子もいるので、出来ればベルトとターゲットがもう少し長いダッシュビートもあると良いと思いました。
またトレーニングガイドが付属してきましたが、ダッシュビートの使い方の域を出ておらず速く走るためのトレーニングガイドとしては不十分です。
折角スポーツメーカーが作っているのですから、出来れば腕の振り方や全体のフォームなど指導する側が注意して見てあげる点、どの様に教えたら良いかなどまで書いてあると助かります。
今回息子に速く走るコツを教えるに当たって私もどの様に指導すれば良いか調べ、実際に息子に伝えてイメージが湧き易かったというものに「缶を潰すように足を振り下ろせ」というのがあります。
これはいくつものサイトで取り上げられており、ミズノさんのところでも見つけました。
走り方 フォームについて│アドバイスコーナー│陸上競技│ミズノ
「Q.「後ろに蹴るように走れ」と言われます。」に対する回答
せっかくこの様な HPを作っているのですから、トレーニングガイドで紹介したりダッシュビートを使ってのトレーニングの様子で注意する点などが含まれている動画とリンクなどがあれば良いと思いました。
今回のレビュー期間内では思うような成果は出せませんでしたが、引き続きダッシュビートを使いフォームの確認などしていきたいと思います。
プレミアムレビューはここまでとさせていただきますが、今後息子の走りに変化があり報告が出来たらと思います。
kensanさん
2018/10/19
atsuo@tokyoさん
2018/10/19
私のやる事に興味津々でまだまだ付き合ってくれますね。
さすがに高校生になったら無理だろうなぁ。
makihibikiさん
2018/10/21
装着できるかどうか、、、ここが一つのポイントですよね。
atsuo@tokyoさん
2018/10/21
ありがとうございます(^^
適用範囲のサイズの際に該当する人たちは、通常想定されている
感覚が結構違うような気がします。
うちの場合は、長さがギリギリだったのでターゲットの飛び出しが
短くなりすぎたけど、逆に足がめちゃくちゃ細い子だとターゲットが
長くなり過ぎちゃうんじゃないかと思われます。
そういう意味でも適応範囲はもっと狭めた方が良いかなと思います。