レビューメディア「ジグソー」

Intel次世代メモリOptaneでRAIDブート:地上最強ストレージの歴史の証人となる

今回のプレミアム・レビューのテーマは、インテル(R) Optane(TM)メモリー・シリーズ(32 GB M.2 80 mm)3台によるRAIDブートドライブの構築だ。

 

IntelとMicronが共同開発した次世代メモリ3D XPointは、Phase Change Memory (相変化メモリ)というモノの一種で、NAND以来数十年ぶり(?)に開発に成功したメモリチップらしい。3D XPointの技術仕様は非公開で、Micronの場合はチップをIBMやSeagateに提供して製品化してるという話や、Intelの場合はSMI (Silicon Motion)を介してKingstonやCorsairやPatriotなど中小メーカーから製品が出る可能性があるという話も、ある。3D XPointのSSDであるデータセンター向けのDC P4800Xが受注生産で素人の手には入らないことから、現在、3D XPointの実力を垣間見ることが出来るのはOptane (TM) メモリー・シリーズ一択だ。

 

tom's hardware, anandtech, tweaktownなど海外サイトのレビューによると、リアルワールドで発生するQDに於けるランダム性能は史上最強と言われている。QD32で最速を誇るNVMe SSDであっても、RAIDアレイによって全てがリニアに改善する訳ではなく、Optane RAIDに後塵を拝する。今回のレビュータイトルはちょっと大袈裟に聞こえるかもしれないけど、”32GBキャッシュ”という何とも中途半端な製品ですらこの性能だ。Optaneが歴史的な記憶デバイスであることは間違いない。

 

システム構成

  • ASUS PRIME Z270-A (zigsow提供)
  • Intel Skylake Core i5-7400
  • Corsair Vengeance DDR4 4GB x2
  • Intel Optaneメモリー・シリーズ(32 GB M.2 80 mm) x3 (1枚はzigsow提供)
  • 玄人志向 M.2-PCIe[M.2] 
  • Seagate HDD Constellation ES 1TB (Dell OEM)

 

全体はこんな感じ。マザーが入ってた箱の仕切りが土台に。

 

 

Optaneが見えるように横からも。3枚見えるかな。M.2に2枚。一番手前のクロシコM.2-PCIe変換カードにささった3枚目のOptaneも最下段のPCIex16ソケットからチップセットに接続する。上のPCIex16ソケット2本は空いている。

 

Optaneメモリは普通にSSDとして認識されて、BIOS RAID設定も問題なく進められるんだけど、キャッシュとして使おうとするとM.2_1ソケットじゃないとRSTドライバ入れたとたんBSODを食らう。基盤をよく見るとOptaneいいよ印がプリントされてるし。

更新: 2017/08/16
使用方法

Optane RAIDアレイ vs. HDDキャッシュのベンチ競争

 

1. SSDとしてのOptane RAIDボリュームの構築(こっちのが簡単)


 

 

1.1 ASUS PRME Z270-AのBIOS設定

 

このマザーは、2台のM.2ソケットに加え、3番目のPCIex16ソケットもPCHを経由するため、最大3台のPCIeドライブを使ってブート可能なBIOS RAIDを構築することが出来る。

 

まず、BIOSアップデート。0906から正式にOptane対応になってる。

 

 

BIOSのAdvanced mode (F7)に入る。

 

▼Advancedタブを開く

 

・PCH Storage Configuration > SATA Mode Selection > Intel RST Premium (RAID)

・PCIeストレージが表示されるので、それぞれRAID設定をEnabled

 

▼Bootタブを開く

 

・CSM (Compatibility Support Module) > Disabled

 

一旦、再起動する。

 

▼Advancedタブを開く

 

・Intel (R) Rapid Storage Technology > Create RAID volume

 

・下図のようにRAID level > RAID0(stripe)、各ドライブにxチェック、Strip Size > 64KB

 

▼M.2ソケットの設定

 

・AdvancedタブのOn Board Devices ConfiguratiionからM.2_1をPCIeモード、M.2_2をx4モードに

 

 

※オプション設定

  • BIOSのC stateとSpeed Stepping > Disabled
  • Windowsの電源プラン >  High-Performance
  • Windowsのライト・キャッシュ > Enabled
  • Windowsのバッファー・フラッシュ > Disabled

 

1.2 Intel RSTドライバ・インジェクションとWin10のインスコ

 

・Intel RSTドライバの最新バージョン(15.7.0.1014)はここからf6flpy-x64.zipファイルをDL。解凍してUSBメモリにコピーしておく。

 

・Windows 10のUSBインスコメディアから再起動。この時点でRAIDボリュームは見えていないので、インスコするドライブが何もないはず。ドライバ検索からRSTドライバ(f6flpy-x64.zipの中身)を入れたUSBを指定して[次へ]。

 

・RAIDボリュームが表示されるのでWin10をインスコ。ASUSのホームページからチップセット、VGA、MEドライバをDL。LANドライバは、7/18の時点でもASUSのバージョンは21.1と古すぎてWindows 10にはインスコ出来ないの(Creators updateには21.3以降が必須)で、インテルのサイトからPROWinx64.exeをDL、これもまた実行するとインテル・デバイスないじゃんって怒られる。。。orz  WinRARでexeファイルを解凍、デバイスマネージャから手動でドライバアップデートして解凍したドライバを読み込ませるとやっとインスコしてくれた。

 

1.3 Intel RST管理ツールのインスコ

 

IntelのRST管理ツールはSetupOptaneMemory.exeとSetupRST.exeの2種類があって、排他的だ。Optane単体で入れないと、SetupOptaneMemory.exeは門前払いだ。

 

 

ってことで、SetupRST.exe(DL)をインスコ。

 

▼管理タブから詳細設定を開く。

 

・書き込みキャッシュバッファのフラッシュ > 無効

・キャッシュモード:ライトバック(※)

 

※ライトバックでIOMeterのシーケンシャル負荷テストやると高率にハングアップするので、ライトスルー(キャッシュとドライブ両方に書き込み)でやらざるを得なかった(調査中)。

 

 

▼パフォーマンスタブを開く。

 

・リンク電源管理 > 無効

 

1.4 ベンチマーク

 

1.4.1 Crystal Disk Mark 5.2.1

 

 

シーケンシャルは良さげ(リードはDMI3.0の帯域幅に達してる)だけど、ランダムが思ったより伸びない。tweaktownがやると、こんなスピードが出るのに。

http://www.tweaktown.com/reviews/8234/intel-optane-raid-worlds-fastest-system-disk/index7.html

 

 

ただし、これには2つのからくりが。彼らのスコアは、Core i7-7700K @5GHzとWindows Server 2012 R2で出した数字。CDMは1スレッドしか走らないから、i5-7400 @3GHzでは命令が追いつかないってことか?それにしても、ライトの方がリードより倍も速い(4K QD1)ってのは、ちょっと変だ。

 

1.4.2 ATTO

 

Queue Depthを2, 4, 8と変えてみる(QD1は設定できない)。

※ライト・バック・モードだとライトが不安定なのでライト・スルーモードにしてある。

 

リードは、QD2だとDMI3.0の帯域幅3,600 MB/secに達するのに256KBのデータサイズが必要。QD4だと32KBのデータサイズで天井を打つ。

 

ライトは、QD2だと大きなデータサイズが必要になるけど、QD4では128KBのデータサイズで最大値890 MB/secのスピードに達する。CDMベンチで使う4KBデータサイズだとQD2でも120 MB/sec程度で、どう逆立ちしても680とかにはならない。

 

 1.4.3 IOMeter

 

まず、128KBのデータサイズでシーケンシャルのリード/ライトの最大速度を見る。横軸は時間で60秒毎にQueue Depthが1, 2, 4, 8, 16, 32と上がっていく。

128KBだとQD2−4でほぼスループットの最大値に達する。この深さまでなら、レイテンシ(Average Response Time)もμ秒オーダーで収まるが、QD8以上ではレイテンシがミリ秒オーダーに長くなる。このスキャンからOptanex3のRAIDの最大リード速度は3,600 MB/secの帯域上限、最大ライト速度は900 MB/sec弱で、ATTOベンチと矛盾しない。

 

 次、4Kbのランダム・リード/ライト。

4Kbデータサイズだと、リードもライトもQD8-16でやっと最大スループットに達する。リードは700 MB/sec、ライトは650 MB/secがOptanex3 RAIDのベスト・ランダム・パフォーマンスということになる。ランダム・アクセスのレイテンシは、RAIDにしても単体と変わらず、リード20μsec 、ライト30μsec前後。

 

2. OptaneをHDDキャッシュとして使う


 

2.1 Optaneをキャッシュとして使うための条件

 

OptaneをHDD (またはSSD)のキャッシュとして使うには、かなり厳格な条件が課せられている。

https://www.intel.com/content/dam/support/us/en/documents/memory-and-storage/optane-memory/intel-optane-memory-user-installation.pdf

  • 200系チップセット
  • 第7世代 (Kabylake) Core i3, i5, i7またはXeon E3 v6
  • OSはWindows 10 64ビットのみ
  • Optaneメモリに対応したM.2ソケット(Z270-Aの場合はM.2_1)
  • GPTフォーマットでWindows 10 64bitをインスコしたHDDまたはSSD

つまり、Optaneメモリは予めWindowsが走っているシステムに後からOptaneメモリを追加する形でセットアップする。まっさらのOptaneとHDDをマザーにつないで、そこへOptaneドライバを組み込んだOSをインスコするという、恐らくOEMにとっては都合の良い方法が可能かどうかは知らない。

 

M.2_1以外のOptaneメモリ、例えばRAID構成はドライバ・インストールで認識されないので、OptaneアレイをHDDのキャッシュにしようとかいう魂胆は通用しない。

 

※従来のSmart Response Technology(SRT)ではSSDであれば何でもいいはずなので、OptaneドライバではなくSRT(IRSTの機能の一部)を使って、或いはサードパーティーのSSDキャッシュツールが動かないか検討してみる余地はあると思う(探した限りでは報告は無かった)。

 

2.2 BIOS設定とWindowsのインスコ

 

ASUS PRIME Z270-AのBIOS設定は1.1節と同じ。

  • Advancedタブ:PCH Storage Configuration > SATA Mode Selection > Intel RST Premium (RAID)
  • Advancedタブ:PCH Storage Configuration > M.2_1 ソケットのRAID > Enabled
  • Bootタブ:CSM (Compatibility Support Module) > Disabled

Windows 10 64ビットのインスコUSBドライブはRufusなどで作成。今回は、2012年頃のサーバ仕様のHDD、SeagateのConstellation ES 1TBを使用、BPTパーティションにWindowsをインスコ。

 

2.3 Optane-RSTドライバのインスコ

 

SetupOptaneMemory.exeはここからDL。SetupRST.exeとの違いは、恐らく後者はOptaneではなく通常のSSDをHDDキャッシュに使うSmart Response Technology (SRT)環境がセットアップされることじゃないかと思う。ただし、確信なし。インスコ手順は特に問題ないので、1枚の図にまとめた。

 

Optaneツールをインスコすると1回再起動して、Optaneツールからキャッシュを有効にするともう一度再起動。

こんなメッセージが表示されて、メモリ最適化をやってますよと。Optaneキャッシュ有効化の設定には数分単位かかる。逆にOptaneキャッシュを無効化するには、恐らくキャッシュの中身をぜんぶ書き出すんだろう、10分以上かかる(しかも再起動後にBSODに襲われた・・・やや不安定な印象)。

 

2.4 ベンチマーク

 

2.4.1 CDM5.2.1

Optane単体性能と比べ、Optane-HDDのシーケンシャルは、リード・ライトとも、ほぼ同じスコアを出している。一方、4KランダムはOptane-HDDがOptane単体よりやや低い傾向で、最大17%(ランダム・リード)落ちる。

 

 

2.4.2 ATTO

 

 

 

2.4.3 IOMeter

 

まず、シーケンシャルの最大速度はリードが1,400 MB/sec、ライトが300 MB/sec。128KBのデータサイズだと、Queue Depth 2で飽和してしまう。QD2だとレイテンシ(Average Response Time)も数十μ秒の単位だ。

次に、ランダムの最大速度はリードが600 MB/sec、ライトが300 MB/sec。4KBデータの読み書きはQueue Depthが4−8で飽和する。QD8でもレイテンシはμ秒のオーダーで動いているので、悪くない。

当然と言えば当然かも知れないけど、キャッシュにしてもOptane-HDDのレイテンシは非常に安定して低かった。QDが深くなるにつれてレイテンシが指数関数的に長くなり、その結果スループットが伸びなくなっていることがグラフから読める。逆に、Optaneの素のレイテンシが極端に短いこと=低QDに於けるOptaneの優位性を意味している。

 

2.4.4 BootRacer 6.51.0.460

 

まず、Optane-HDD構成のブート時間。結構速いか?

 

次に、期待のOptane x3 RAID0アレイのブート時間。

全然変わらん!

なんてこった。

更新: 2017/08/16
美味しさ

検討課題リスト

 1.Intel(R) Smart Response Technologyを使ってOptaneメモリを古いPCのキャッシュにするぞ


 

 

Optaneのキャッシュ機能って、Smart Response Technology (SRT)そのものじゃね?まったく同じに見えるんだけど。SRTはIntel Rapid Storage Technology (RST)の機能の一部とされていて(SRTとRST、間違えやすい!)、RSTをインスコしたらSRTも自動的に入ってるはずだ。RSTのDLページには、ちゃんと

  • SetupOptaneMemory.exe
  • SetupRST.exe

って2つのインストーラが用意されてて、Optane用のキャッシュドライバと普通のSSDをキャッシュにするSRTドライバは区別されている。OptaneキャッシュはSRTとは違うよという扱いだけど、何が違うのかに関してIntel FAQの説明は歯切れが悪い

 

実際は、OptaneのRAIDアレイに対してSetupOptaneMemory.exeを実行しようとするとOptaneメモリが無いと言って怒られる。それでSetupRST.exeを使ってRST管理ツールをインスコするんだけど、もともと”Acceleration(高速)”というタブでSRT設定できるはずなのに、そのタブが強制的に”インテル Optaneメモリー”というタブに書き換えられている。

SRTの影も形もない。怪しい。Windows 10がSRTをサポートしてないかというと、そんなことはない。可能性としては、ドライバがKabylake環境を認識し、Optaneが使える状況ではSRTをオフにしてしまう、とか?じゃ、そもそもKabylakeではない(Optaneキャッシュできない)環境ならちゃんとSRTのAccelerationメニューが出て来るかどうか試してみれば分かるかも。また、SRTに拘る必要はぜんぜんないので、サードパーティーのキャッシュツールがOptaneをキャッシュに出来るかどうか、これも試してみれば分かる。

 

1.1 ASUS PRIME Z270-A/Windows 10 64bitにRST version 14.8.14.1063をぶっ込む

 

Intel Community Forumに、KabylakeでOptaneを通常SSDとしてRSTが走るかどうか質問投げたところ、速攻でIntelの中の人から返事がきた。推奨はしないが出来そうだ。バージョン14.8.14.1063のRSTを試せと。一番単純なアプローチは、現在最新バージョン15.7.0.1014のRSTが走っているZ270からRSTをアンインストールし、代わりにコレをインスコする。やってみた結果がこちら。

ま、半分予想してました・・・BSOD、起動ドライブが見えないよと。

 

原因はRSTの環境要件システム要件から探る。

  • Intel® Z68, Z87, Q87, H87, Z77, Q77, or H77 Express Chipset-based desktop board
  • Intel® Core™ Processor in the LGA 1155 or LGA 1150 package
  • System BIOS with SATA mode set to RAID
  • Intel RST software 10.5 version release or later
  • Single hard disk drive or multiple drives in one RAID volume
  • Solid state drive (SSD) with a minimum capacity of 18.6 GB
  • Operating system: Windows 8* or Windows* 7 (32-bit and 64-bit editions)

この中、可能性としてはチップセット、CPU、Windowsバージョンの3つが考えられる。次にこれらを検証して行く。

 

 

1.2 OptaneをSSDとしてSRT下でHDDキャッシュにする方法

 

これが出来れば、要するにIntelがKabylakeでしか動かないように制限を掛けているOptaneキャッシュが、古いPCでも(SRTが動いてれば)使えるようになるということだ。

 

まず、PRIME Z270-AのWindowsを8に落として、SRT 14.8.14.1063を入れてみると再起動に失敗する。状況は少し複雑で、Windowsインスコ時にツッコむRAIDドライバのバージョンが、SRT 14.8.14.1063と互換性のある(つまり1世代前の)RAIDドライバではそもそもZ270チップセットに対応していないという。従って、Z270ではSRT 14.8.14.1063をインスコ出来ないという結論に。

 

次、GA-Z170MX-Gaming 5にWindows 8入れてSRT 14.8.14.1063をインスコしてみる。

  • BIOSでSATAコントロールをRAIDモードに設定
  • Windows 8インストーラをのUSBメディアから立ち上げ
  • ドライバの検索でSRT 14.8.14.1063と互換性のあるRAIDドライバをツッコむ
  • Windows 8をインスコ
  • SRT 14.8.14.1063のRAID管理ツールをインスコ

これでどうだ!

おぉっ、Smart Response Technologyのメニューがやっと出てきた。OptaneもPCIe SSD (27 GB)として認識されてる。

 

CDMベンチ結果はHDDではなくOptaneのスピードになってる。やったね。

 

IOMeterのデータが面白い。1回目と2回目でぜんぜん違う。1回目のリードはHDDから読み出す必要があるので、①スループット(図の左半分がQD1-32を表す)も②レイテンシ(図の左半分がQD1-32)もHDDの値になってる。ライトに関しては、ライトバック・モードでデータは一旦Optaneに書き込まれ、後からHDDにライトバックされるため、1回目からOptaneのスピードだ。一方、2回目になるとリードもライトも、③スループット、④レイテンシともにOptaneの数値になる。

 ※上図の見方

横軸は時間(秒)で、60秒毎にQueue Depthが1, 2, 4, 8, 16, 32と上がっていく。

 ①1回目のスループット(MB/sec):左半分がランダム・リード、右半分がランダム・ライト、それぞれQD1-32の変化を表す。

 ②1回目のレイテンシ:①と同様

 ③2回目のスループット:左からランダム・リード、ランダム・ライト、シーケンシャル・リード、シーケンシャル・ライトの順に、QD1-32までの変化を表す。

 ④2回目のレイテンシ:③と同様

 

上のセクション2.4のOptaneキャッシュモードのベンチと比べると、遜色ない。ってことは、IntelはOptaneキャッシュモードはKabylake, 200系チップセット、Windows 10 64bitでのみ最適化されたドライバが走ると言ってるけど、そんなことはない、これまでのWindows 8とか(当然Windows 7も)Smart Response Technologyが動いてればOptaneをSSDドライブとしてキャッシュ動作させても変わらん性能が得られるということだ。しかし、何でIntelはOptaneの動作環境に無茶苦茶な条件を課したんだろう?

 

ついでに、調べてみるとSRTでOptaneをキャッシュ化できることは既にascii.jpの北川達也氏が紹介されていた。しかも、SRTなら起動ドライブである必要はないらしい。HDDのデータドライブをOptaneキャッシュで爆速化出来るという、これはアリだな。

 

 

2.Optane周辺のバグ


 

 

  • Optaneメモリをキャッシュ有効化した後に、無効化をすると、必ず再起動に失敗しBSOD:INACCESSIBLE_BOOT_DEVICEを食らう。素晴らしい再現性だ。セーフ・モードで起動しても、修復しても、逃れられない。OS再インスコしかなくなる。
  • ASUS PRIME Z270-Aの3番目のPCIeX16ソケットからM.2-PCIe変換カードに載せたOptaneメモリをHDDのキャッシュに設定すると、起動時にBSODを食らう。M.2_1とM.2_2をRAIDに組んで、PCIeソケットからOptane-HDDキャッシュを作りたかったんだけど、M.2_1かM.2_2からじゃないと動かないようだ。
  • Optaneメモリのキャッシュモード(RST管理ツール)をライトバックにしてシーケンシャル・ライトで負荷を掛けると高率にハングアップする。これも再現性は素晴らしい。キャッシュモードをライトスルーにすると起こらない。もともとOptaneはリードに対してライト性能が控えめに作ってあるし、何故か?書き込み速度を落として製品寿命を長くする戦略、という説がある。ホントかよ。何でも、Optaneに許容限界以上の書き込みをするとリード命令にしか反応しなくなるという。IOMeterが容易にストレージデバイスに高負荷を掛けられるということもあるし、確かOptaneのスペックシートのどこかに高負荷かけすぎるとクラッシュすると書いてあった。
更新: 2017/09/25
実用性

BF4入れたった

Optane32GBのx3 RAID0アレイにBF4入れたった。エキストラ・コンテンツ7つ入れたところでOrigin Gamesフォルダが57GBになり、残り2.33GBで限界。あとグラボのドライバ(0.43GB)も入れなきゃだし。実用的と言えるかどうかはさておき、BF4の起動はSSDと比べて実際速さが体感できる。素直にDドライブ(HDD)にOptane (RAID0)キャッシュつけたいところだけど、Optane RAID + Z270 + Windows 10 64bitの組み合わせでは、どうやってもSmart Response Technologyをインスコできない orz

 

 (8/15追記)BF4ローディング時間の計測 〜Optane RAIDによる短縮効果〜

 

Ping 14の国内サーバでTeam Deathmatchの各ラウンドのローディング時間をきちんと計測してみた。比較したのは、

  • ASUS PRIME Z270-A/Core i5-7400@3.0GHz/Optanex3 RAID0
  • iiyamaゲーミングノート13X7000-i7-VGB/Core i7-4700MQ@2.4GHz/HGST 1TB HDD

CPUスペック的には、PassMarkスコアで

  Core i5-7400@3.0GHz  7451

  Core i7-4700MQ@2.4GHz  7710

  (Core i7-7700K@4.2GHz  12162)

と、Core i7-4700MQはCore i5-7400の1.03倍でほぼ同一性能。

 

ストレージ・スペック的には、CDMのシーケンシャル・リードのスコアで

  Optanex3 RAID0  1329

  HGST 1TB HDD  93.12

と、約14倍の差がある。実際の読み込み性能は、シーケンシャルと4Kランダムの中間的な値になるとは思うけど、一応BF4ファイルがシーケンシャルに読み込まれると仮定して計算する。

※Optane RAIDとHDDの速さの違いを見やすくするため、1GBのデータを読むのに要する時間(秒)を縦軸に対数スケールで示してある。対数表示しないと見れない。

さて、このような条件でBF4を立ち上げ、Team Deathmatchをプレイしてみると

※縦軸は、Originの画面からBF4スタートボタンをクリックしてからBF4のホーム画面が表示されるまでの時間(秒)、各バトルフィールド毎にカウントダウンが0になってから出撃ボタンが表示されるまでの時間(秒)を手動ストップウォッチで計測してある。

 

大雑把に言って、Optane RAIDの方がHDDより3−4倍速いことが分かる。しかし、たったそれだけ?

答えは、この読み込み時間には、データをロードしている時間とCPUが他の計算処理をしている時間が含まれることにある。例えばOrigin画面からBF4ホーム画面に遷移するまでの時間はOptane RAIDで39.5秒、HGST HDDで124.4秒掛かっているが、HDDでの処理時間をx、ローディング時間をyとすると、

  • 124.4 = x + y (HDDで掛かる時間)
  • 39.5 = 0.07x + 1.03y (Optane RAIDで掛かる時間)

この連立方程式を解いて、x = 92.3, y = 32.1, 0.07x = 6.4, 1.03y = 33.1、これをグラフ化すると

※青色の部分がCPUが処理している時間(秒)、赤色の部分がデータを読み込んでいる時間(秒)になる。

 

こうすると、Optane効果が非常に分かりやすいと思う。HDDで1分半かかる読み込みが6秒で終わる。シングル・スレッド、QD1で動いてる可能性が高いと思うので、SSDではここまでの差は出ないだろう。

 

因みに、Core i5-7400などとケチらずにCore i7-7700KにしとけばCPU処理時間は20秒に短縮され、BF4を立ち上げる時間は26秒前後になると予想される。CPUに金を掛けるのも十分に正当化されると言っていいかな。

 

 (9/25追記)BF4オープニング・シーケンス 〜一番乗り〜

 

ゲームへの参加に要する時間はゲームデータをロードする時間で決まる(ネットワーク速度にはあまり関係ない)ようなので、ADSL回線でも一番乗りしてしまう。

 

まず、チーム・デスマッチ。準備完了ボタンを表示するサーバでは参加人数が1つずつ増えて行くので分かりやすい。最初メンバー数が0/0表示になってるってことは、一番乗りしてることを意味する。毎回、そうだ。ま、今どき、BF4をプレーしてる人たちが平均的にどれくらいのスペックのマシンを使っているかということにも依るとは思うけど。割りとどのサーバでも同じ印象なので、やっぱりローディングは速いと思う。

 

 

次、コンクエスト・ラージ。こちらは、カウントダウンが始まる時点で周りに誰も居ないようなので、やっぱり一番乗りしてると思う。

 

 

もう2ヶ月ほどBF4動かしてるけど、超安定してる。一度も落ちない。

 

コメント (6)

  • harmankardonさん

    2017/07/19

    お疲れ様です.
    相変わらずのチャレンジャーですね.
    帯域ではなく,CPUの処理速度がネックになるとは知りませんでした.
  • sorrowさん

    2017/07/20

    harmankardonさん、有難うございます。
    K番じゃないので確認がとれません。CPU使用率も30%とかだし。でも、CPUが足引っ張ってる印象はあります。
  • hidechanさん

    2017/07/29

    レビューお疲れ様です。
    kabylake以外でもキャッシュ化出来るかは後日にでもやってみようかと思っていたら、既にやられていたのですね^^
    これwin10では出来ないのでしょうか?
    何度もwin7をレビューで入れ直し過ぎて、もうwin7のインストールはダメだからね~が出てしまった身としてはZ97マシーンで運用が出来無さそうな雰囲気がします。
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