我が家には飲むためのお酢がいつもあり、今までも色々なフルーツビネガーを飲んできました。リンゴ酢や黒酢はもちろん、ブルーベリー酢、アサイー酢、ザクロ酢などちょっと変わったお酢まで飲んだことがあります。
そんなお酢のある毎日を過ごしていたところで始まった、ツインバード工業株式会社さんの『OLALA フルーツビネガーメーカー』のプレミアムレビューの募集。これを見て最初に思ったのが、「飲んだことのないフルーツビネガーを飲んでみたい」というものでした。
そもそもフルーツビネガーを自分で作るという発想すらありませんでした。自分で作れるんですね!というわけで、お借りした『OLALA フルーツビネガーメーカー EH-4686W』を使って、レビューをしていきたいと思います。
その前に『フルーツビネガーとはそもそも何なのか』というのを説明しておこうと思うのですが、通常お酢を作るには、発酵という工程が必要になります。例えば、リンゴを水に入れて数カ月置いて発酵させることでリンゴ酢ができあがります。
しかし、最近はやりのフルーツビネガーとはこのリンゴ酢のことを言っているわけではないのです!フルーツビネガーはこのリンゴ酢などにフルーツを1~3週間ほど付け込むことで作るお酢のことなのです。
OLALA フルーツビネガーメーカーはこの通常なら1~3週間ほどかかるフルーツビネガーをたった1日、24時間で作ってしまうマシンなのです。
製品サイズ : 縦×横×高さ 約130 × 130 × 305 mm
消費電力 : 約15W
内容器容量 : 約700ml
箱を空けると、二重構造になったちょっと変わった機械が入っています。中央にボタンが1つだけある不思議な装置の中に、ゴム蓋のついたガラスの瓶。非常にシンプルな構造になっています。
このガラスの瓶は、コーヒードリッパーなどで有名な『ハリオ』の瓶です。ハリオは日本の会社で、瓶も日本製。 中身の瓶は食品やお酢が直接入る場所ですからね、漏れても困りますし、保護のためとかで変な薬品が使われていたりすると不安ですが、ハリオの日本製の瓶なら安心です。
蓋はゴム製です。密封用の蓋ではなく、針で突いたような穴があり、蓋を閉めて上から押すとプシュッと空気が抜けます。というのも、密閉容器にしてしまうとフルーツビネガーを作るときは空気穴がないと瓶の中の圧力が増し過ぎてしまうので、ちゃんとビネガー作りに配慮した構造になっているようです。
そして説明書とレシピブック。OLALA フルーツビネガーメーカーに同梱されているレシピブックは、全ページカラー写真付きでどれもとてもおいしそうです。フルーツビネガーのレシピだけでなく、 梅酒やピクルスの作り方まで載っています。
さらにはそれらを利用した、料理家・平井一代さんの監修の料理のレシピまで掲載されていて、OLALA フルーツビネガーメーカーを200%楽しめる内容となっています。
事前準備として煮沸消毒をしないといけません。このOLALAフルーツビネガーメーカーで唯一メンドウなところですね。必ず水から沸騰させて、沸騰したら5分そのまま茹で続けます。ゴムの蓋も一緒に茹でます。使うならこのとき菜箸や計量スプーン、できたビネガーを保存するための容器なんかも一緒に消毒しちゃいましょう。
煮沸が終わったらきっちり乾燥させます。ビネガーは長期保存するためには雑菌はしっかりと取り除いておかないといけないので、メンドウですがこの工程はちゃんとしてください。
これで準備完了。いよいよフルーツビネガー作りにかかりたいと思います。
さっそくレシピブックを参考にして、まずはキウイビネガーを作ってみました。用意したものは3つ、キウイとリンゴ酢と氷砂糖。レシピブックにあるとおりの作り方をしてみます。
- キウイ 3コ(約250g)
- 氷砂糖 200g
- リンゴ酢 150ml
キウイは5mm幅で薄切りにしておきます。そしてこれらを全部ガラスボトルに投入。……なんだか氷砂糖が多すぎてキウイが全く漬かってない……!まあ氷砂糖がそのうち溶けてキウイも漬かるっしょ、と考えてそのまま装置にセット。ってか氷砂糖とキウイを交互にいれればよかったですね。
材料を投入したガラスボトルを装置にセットして、電源ケーブルをつないで中央のボタンをポンと押して準備は終わり!するとボタンの少し上のところが青色に光るので、あとは24時間経ち、ランプがオレンジ色に点灯すれば完成です。
OLALA フルーツビネガーメーカーはスイッチを押すと24時間50度をキープして、24時間経つと自動で保温機能がとまる製品です。なので、もし24時間以上50度をキープしたいときなどは再度ボタンを押しなおす必要があります。
上の中央の写真は、スイッチを押してから約12時間経過したときのもの。氷砂糖が溶けたせいか、キウイが全体的にリンゴ酢に漬かっています。これなら大丈夫そう。
そして24時間経ち、ランプがオレンジに点灯したので、完成!うーん、底の方に氷砂糖がまだ残っていますね……。次からは氷砂糖の分量を減らしてもいいかも。
早速できたキウイ酢を飲んでみました。確かにキウイの味がします。……が、リンゴ酢の方が匂いも風味も完全に勝っていて、どちらかというと「リンゴ酢の中からキウイを探し出す」必要がある感じ。
氷砂糖も溜まったままですし、考えたら氷砂糖が溶けるまでキウイはお酢に全く触れていなかったので、もしかするとキウイ成分がうまくリンゴ酢の中に溶けきれなかったのかもしれません。
そこで少し軽くかき混ぜてみましたら、キウイの果肉がほろほろと崩れて程よく混ざったので、今度はそれを使ってキウイサワー(炭酸割り)を作ってみました。するとこっちはキウイの味がしっかり感じられて、炭酸ともいい具合にキウイ味もリンゴ味もマッチしていておいしかったです。
続いてバナナビネガーも作ってみました。バナナビネガーは発酵が進むと実が黒くドロドロになってしまうため、見栄えが非常に悪くなってしまうそうです。ですが、ダメと言われるとやってみたくなっちゃう!
バナナビネガーは10年ほど前にはダイエット法として流行ったこともあるらしいので、黒くなるならなるでどんな感じに黒くなるのか見てみようと思い、半ば実験的に作ってみました。
- バナナ 1本と少し(約100g)
- 氷砂糖 100g
- リンゴ酢 200ml
キウイビネガーの失敗を生かし、今度は氷砂糖を少なめにします。今度はいい感じに全体が漬かりました。早速スイッチポン&24時間待機!
で、完成!確かにバナナが少し黒ずんでます。でも思ったほどは黒くならなかった。ドロドロにもなってませんね。さっそく炭酸で割って飲んでみます。
……ぐぬぬ、これは……おいしくない!うーん、なんでだろう。おそらくなんですが、バナナって元々酸味のない果物なので、それに酸味を与えてしまうと痛んだようなイメージが沸いてきてしまうのかもしれません。考えたらバナナソーダって見たことないですし、やっぱりそうなのかも。
実を食べてみてもやっぱりきつい……個人差あるんだろうとは思いますが、ちょっと自分には辛い。念のため10年前に流行った時の作り方を調べてみましたら、どうもバナナ酢は黒酢&黒糖で作るのがいいんだとか!残念ですがこのバナナ酢は炭酸割りでは飲めませんね。
しかしベースはお酢なので牛乳に混ぜると程よく固まってヨーグルトドリンクになります。ってことで牛乳で割ってみると……これはおいしい!完全にバナナヨーグルトになりました。リンゴ酢の風味も抑えられていてGOOD!若干お酢の匂いは残っていましたが、大変飲みやすくなりました。
さらにバナナ酢・果実・牛乳・氷を一緒にミキサーにかければスムージーができあがるそうなので、今後はバナナ酢は牛乳割りかスムージーにして飲んでいくことにします。
ちなみに、今回のビネガー作りでできたバナナとキウイの実の方は、ヨーグルトにハチミツをかけていただきました。リンゴ酢の酸味がヨーグルトの酸味でかき消されていたので、バナナもおいしかったです。
さて、ここからはオリジナルレシピということで、まずはカッテージチーズを作ってみました。普通カッテージチーズは穀物酢とかレモン汁とかで作るのですが……リンゴ酢でも作るのかな?とりあえず今回は珍しいお酢でということで、キウイ酢でチャレンジ。変わった風味のカッテージチーズができるんではないかと思います。
ちなみに分量は適当です!!まあ、お酢が足りなかったら牛乳成分が多く残ってカッテージチーズの量が減るだけですし、お酢が多すぎてもカッテージチーズにならなかったところと一緒に濾過されるので、てきとーてきとー。
まずは牛乳を60度に温めて(写真左)、そこに素早くキウイ酢を投入。少しかき混ぜて3分ほど置きます。すると牛乳成分が固まってきます(写真右)。
次に、キッチンペーパーを使ってその液体を濾過します(写真左)。するとこんな感じでカッテージチーズ成分が残るわけです。ちなみに下に落ちた液体(写真右)は『ホエイ』で栄養たっぷりな部分なのでそのまま飲んでもOKです。
ワンコがいるご家庭なら、酸味がきつく残ってなければ、ワンコの飲む水に混ぜてみてもいいかも。乳糖でおなかを壊す子もいますが、多くは残ってないのでたぶん大丈夫です。(与えるときはワンコの体調には気を付けてください。あと自己責任で!)
キウイ酢を使ったカッテージチーズ完成!ってことで今度はこれを利用したオリジナルレシピとして、命名しました。
『キウイのカッテージチーズとメープルジャムのサンド』
オサレ感漂うネーミング!ですが作り方は簡単です。サンドイッチ用のパンか耳を切落した食パンを用意して、メープルジャムとキウイカッテージチーズを塗ってサンドするだけ!メープルの甘さにキウイのほんのりとした酸味と風味、そしてカッテージチーズのふわふわ感が合わさって大変おいしゅうございました。
さて、ここで最後の『実験』へと移りたいと思います。このOLALA フルーツビネガーメーカーを見たときからずっと思っておりました。
「50度をキープできるなら、ヨーグルトも作れるんじゃね?」
実は昔、ヨーグルトを作っていました。作るといっても、市販の砂糖の入っていないヨーグルトを買ってきて、牛乳とそのヨーグルトを少し混ぜて一晩おいておくだけです。一晩置いておくと、市販のヨーグルトの菌が牛乳をヨーグルトに変えてしまうのです!なので作るというより『増殖させる』の方が表現としては正しいのかもしれません。
ただし、一晩置いておくにしても室温が30度近くないと発酵がうまく進まないため、ぶっちゃけ夏しか使えない技でした。ですが、このOLALA フルーツビネガーメーカーを使えば一晩50度をキープできるので、ヨーグルトも作れるんじゃなかろうか、というのが今回の実験の趣旨でございます。
さっそく実験スタート!まずは牛乳を300mlにヨーグルトをスプーン2杯ほど入れました。分量はこれも適当です。大体牛乳7に対してヨーグルト1くらいでいいそうです。少なすぎると発酵が一晩では間に合わないかもしれませんが、多すぎる分には構わないので、まあテキトーテキトー。
ただし、使うヨーグルトはゼラチンとか固める成分が入ってない無糖のものを使ってください。ゼラチンとかが入ってるとダマができて良くない気がします。今回は淡路島ヨーグルトを使いました。そしてスイッチを入れ、一晩(約8時間)ほどたった結果がこちら!
見事にヨーグルトになりました。やはりヨーグルト、作れますね!これで季節に関係なく、一年中ヨーグルトも作れます。素敵。もちろん味も市販品と変わらないおいしさです。最後はこのヨーグルトにマンゴーピュレをかけていただきました。
ビネガーは健康に良いというのはわかっていながらも、『摂取のしにくさ』から敬遠されることもあります。とくに子供は酸っぱいのが苦手な子も多いので、なかなか普段の料理にも使いづらいもの。
ですが、このOLALA フルーツビネガーメーカーで、お子さんと一緒にフルーツを切って楽しくフルーツビネガーを作れば、お酢が嫌いな子供もちょっとだけ飲んでみようという気になるかもしれません。牛乳に混ぜればほぼヨーグルトドリンクにもなり、酸味も抑えられて大変飲みやすくなります。子供のお酢嫌い克服に使ってみるのもいいかもしれません。
また、このOLALA フルーツビネガーメーカーは驚くほどのポテンシャルを秘めていました。ヨーグルトまで作れるとは!24時間でタイマーが切れてしまうので、チーズ作りは難しいかもしれませんが、この『50度を24時間キープする機能』を使って何ができるか、色々と妄想してしまいます。
(ピクルスいけるなら漬物もいけるのかな……あ、発酵ってことなら納豆とか甘酒ももしかしていけるんじゃね?)みたいなことを考えています。ガジェット好きとしては、妄想の捗る楽しいオモチャでもありますね……!
最後になりましたが、この度はプレミアムレビューにご選出いただきありがとうございました。ご選出くださいましたツインバード工業株式会社様、および関係者各位にあらためて感謝申し上げます。
hachiさん
2016/11/11
これ、とても気になって居ましたので、クマさんのレビューも楽しみにしていました。
「お酢その物が趣味」と言っても良いほど酢が好きです。
特にサラダドレッシングにも好きな柑橘類を入れて作ると面白そうですね。
「買っても良いな」と思いました。
くろぱんださん
2016/11/11
ステキなレビューで、良さが伝わりますね。
ヨーグルトはやられちゃった感じですが、締め切りまで頑張ります。
宇佐木クマさん
2016/11/11
hachiさん
そんなにお酢が大好きなんですね!このビネガーメーカーはお酢そのものを作るわけではないのですが、そこまでお好きならリンゴ酢とか水から作ってみてもいいかもしれませんね。自家製のお酢を使ったフルーツビネガーとかのレビューとか凄そうw
くろぱんださん
お褒めの言葉、ありがとうございます!日曜日締切なのでまだ時間の余裕ありますが、くろぱんださんも頑張って素敵なレビューにしてくださいね!
atsuo@tokyoさん
2016/11/11
端的にまとめられて、大変分かり易いレビューでした(^^
一部被りがありますが、やりたい事で書いちゃったので気にせず推し進めねば(--;;;
宇佐木クマさん
2016/11/11
ありがとうございます。まあなんとなくヨーグルトとかわりと思いつきそうなネタだなーとか思いながらやってましたが、これでしょうかw 何はともあれ、atsuoさんのレビューならきっとクオリティも素晴らしいものができると思いますので、楽しみに待っていますʕ•ᴥ•ʔ
hubbleさん
2016/11/13
フルーツビネガーのドリンクは好きですけど、常飲しているわけでもなく・・・
でもヨーグルトは結構食べますので、いつでも自家製が食べられるのはいいですね。
家では豆乳でヨーグルトを作ります。
それか、濃いのが好きなので、ジャージー乳や特濃牛乳で作ったりしてますが
専用の機器を使っている訳じゃないので、温度が面倒なんですよね。
ヨーグルトだけでも、これは買う価値ありそうですね。
宇佐木クマさん
2016/11/13
ヨーグルトの『複製』ですが、できましたよ!種になるヨーグルトは買っておく必要がありますが、あとは増殖させ放題ですから、自分好みのヨーグルトを手軽に作れて、いいと思います!というか豆乳でもヨーグルトってできるんですね……やったことなかったので、機会があったらチャレンジしてみたいと思いますʕ→ᴥ←ʔ
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2016/11/13
もしも興味があればお試しください。
塩麹(しおこうじ 塩こうじ )
材料
乾燥米麹又は生米麹 1000g 塩 300g 水1L(5カップ) 塩分濃度はおよそ15%
作り方
1.米麹(以下麹と表示)は使う分だけ良くもみほぐし、ざるに入れてさっと水洗い。こうすると麹臭さが消える。ポイント!
2.タッパーなど蓋付き容器を熱湯で消毒しておく。
3.麹10に対して塩3の割合で入れ、お水を3カップ入れて常温で一晩置き、翌日麹が水を吸っているのでさらに水を2カップ入れて混ぜて、あとは軽く蓋をして毎日軽く混ぜて発酵するまで常温で10日から2週間置くだけ。発酵するので蓋はぴったりと閉めない。ポイント!
4.麹の酵素は15℃以下では働かないそうです。好きな温度は20度だそうですが、15℃以上であれば働きます。逆に麹に60℃以上の温度を加えると酵素が変性を起こして作用しなくなってしまいます。あまりに寒い部屋の時は速成塩麹の作り方で
5.できた目安としては、麹の粒が柔らかくなって指でつぶれるようになり、単にしょっぱかったものが甘みが出てくる。
6.つぶつぶのままでも使えますが、つぶつぶが焦げやすいのでミキサーにかけてペースト状にすると焼くときも均一に焼け、調味料として使うときも便利です。
7.麹の酵素は生きていますが、塩分が15%なので冷蔵庫保存で衛生的に扱えば半年くらい持ちます。酵素により味は多少変化しますが、甘みが増して美味しくなります。酸っぱくなってしまったら風味もなくなります。
できた塩麹の中に乾燥昆布や干し椎茸を入れておくと出汁が出て更に美味しいくなる。
甘酒
材料
米麹、ご飯、お水
米麹とご飯の量は1:1~2:1です。米麹の量が多いほうが甘くなります。お水は米と米麹を足した量と同量~1.5倍です。
作り方
スーパーによく売っている米麹1パック分(200g)と白米のご飯で作る作り方をご紹介します。
材料:米麹200g、ご飯100~150g、水450ml(お米から炊く場合は、1合の米を3合の目盛りの水で炊き、後から入れる水は300mlにします。)
1. 鍋にご飯とお水を入れて火にかけ60度まで加熱して火を止めます。
2. ほぐしておいた米麹を入れてよく混ぜたら温度を測り、50度よりも下がっていたら60度まで加熱します。
3. 50度~60度に6~12時間保って発酵させます。甘くなったら出来上がりです。
60度よりも高めになっていると酸味が出やすくなります。
甘酒がほどよく甘くなったらすぐに冷蔵庫に入れて、1週間で飲み切るようにしましょう。発酵が進むと乳酸菌の活動で酸味が強くなってきます。1週間で飲みきれない量を作ったら冷凍すれば1ヶ月ほど保存できます。製氷皿で凍らせてから密封袋などに入れて冷凍保存しておくと使いやすいです。
宇佐木クマさん
2016/11/13
甘酒に米麹まで!このビネガーメーカーは容量が1リットルないので、大量には作れないのですが、甘酒ならちょうどいい量ができそうですねー。機会があったら試してみたいと思います。