Fractal Design製 Mini ITX対応のDefine Nano Sをレビューします。
内容としては
①ケースの徹底レビュー!!
②簡易水冷のH110(140×280)が入るのか?
フルタワーケースより勝る点は?
※メーカ推奨サイズを超えています。
☆③小型PCにて本格水冷を組む
ケースに合う水冷パーツは?!実際に試してみた!!
の三部構成でお楽しみ頂きたいと思います。w
①ケースの徹底レビュー!!
まずは基本スペック
メーカーHPより抜粋しています。
対応マザー :Mini ITX
拡張スロット:2スロット
内臓ドライブ:ケース(見える側)に2.5-3.5インチサイズを1個
ケース背面(向かって右側)に2.5-3.5を1個
ケース背面(マザー後)に2.5インチ(高さ13mm)を2個
ケース寸法 :W203mm×H344mm×L412mm
重量 :5Kg
それでは詳しくケーススを見ていきます。
①外箱とケース概観(斜めとウインドウパネル)
・ケースはスチール製で、フレームががっしりしており重いもの(?)を
搭載しても歪まないようになっています。
・ケース正面の樹脂カバーはヘアライン風のシボ入りで厚みも有りしっかりしています。
②ケース背面と電源ボタン・各種コネクタとケース上面&上蓋
・背面には12cmのファンを搭載
・拡張スロットカバーは珍しい白色で、白が好きな私は
このスロットカバーは外したくないなーと渋々外すのであった。
・電源ボタンは大きくて押しやすく、USBは黒いですが3.0対応です。
・上面は普段は消音材付きのカバーを取り付けておりケースファンをつけると
カバーが付けれなくなります。(機密性が高くなるのでケースファンを無理につけても...)
③サイドパネルRH/LHと消音材
・サイドパネルの止めネジですが全部は取れません。なので無くさなくて良いですね!
・サイドパネルの消音材貼れる面いっぱいに張ってあり厚みもそこそこあります!
④フロントカバーなし と ケース内側(表側と裏側)
・フロントケースカバーを外すとケースフィルターが出てきます。
片方を爪で引っ掛けて、もう一方は磁石で止めます!フィルターなのにカッケ~!
⑤ケース内部(表)とケース内部(裏側)と2.5-3.5インチベイと2.5×2インチベイ
・マザーボードが乗る隣のスペースには縦の穴がたくさん開いており、水冷パーツを
付けれるようになっています。
・ケープル類を纏める為のマジックバンドが着いているのが素晴らしい。
・2×2.5インチベイはマザーボードの裏側に付けるようになっている。
⑥裏配線用のスペースと底面と底面用のフィルタと電源スペース
・裏配線スペースはかなり厚みがあり電源から伸びる余分な線を裏にまとめておいて
ケース内のエアフローを快適に保つことが出来る。
・ケース裏側のにはフィルターが付いておりスライドで取り外し可能です。
・メーカー推奨の160サイズの電源を載せました。裏配線に回す穴が小さくなってしまいました
これを考えるとサイズが150までの電源を選択したほうが良さそうですね!
※まとめ※
ケースは水冷が組みやすいようなレイアウトになっており、細かい点に気を配った
作りになっています。1つ有ったら良いなと思うのは水冷パーツを付ける部分に穴を
あけてもらえるともっと拡張性が上がるかなと思いました。
②簡易水冷のH110(140×280)が入るのか?
フルタワーケースより勝る点は?
前面に140×280サイズのラジエーターを搭載可能なケースですが
メーカーサイトの最大サイズは147mm×312mmです。
今回搭載しようと思っていいるのは現在メーカ終息のH110です。
サイズは29×140×314mmと長さが2mm大きいです。
入るの?どうなの?
ということでケースに付けてみました。
黒いケースに黒いラジエータなので分かりにくいですが
入りました!!しかもネジまで止まりました!
ただし電源ボタンのケーブルとギチギチに干渉しており、
注意が必要です!!(メーカ推奨外の事をしていますので自己責任にて行ってください。)
そしてなぜH110を付けたかというと
グラボのR9-290に取り付けるためです!
R9-290は今までコルセア製の750DにゲームPC用として載せていました!
このケースもドライブベイ(右下)を外せばH110が取り付くのですが
750Dではホースの長さが足りない為、H90等のシングルファンしか取り付け
出来ませんでした。泣
なので今回はH110にして取り付けれるかを検証しました!!
結果は本格水冷PCのほうで!!
☆③小型PCにて本格水冷を組む
ケースに合う水冷パーツは?!実際に試してみた!!
メーカーサイトには乗っていない
水冷部品の対応寸法やこんな部品を組むときに困ってしまう点などを取り上げて
このケースで本格水冷を組む又は組みたい方に分かりやすいマニュアルのような
物を作成したいと思います。
1、水冷パーツとは
通常PCは金属製のフィンが折り重なって出来たCPUクーラーに風を当てて冷やす
空冷式が良くある冷却方法です。
水冷は書いた字の如く水で冷やします。
水冷部品の基本構成は
・リザーバー(水を貯めとくもの*配管から空気を抜くのにも必要)
・ポンプ(水を配管の中に押し出す為のもの*人で言うなら心臓部です)
・水枕(CPUやGPUなどの熱を奪いたい者に取り付ける金属で中を水が通ります)
・ラジエーター(熱のこもった水を細かい金属フィン熱を移してに空気を当てて冷やします)
・その他(配管用のホースやアクリルパイプ 配管を繋げる為のフィッティングが有ります)
右からリザーバー → ポンプ → ブロック → ラジエーターです
ラジエーターの説明であったように結局は空気で冷やしますので
ほぼ間違いなく室温以下には下がりません。
・なら水冷のメリットとは?
空気よりも熱伝導率の高い冷却水によってPCの熱源を冷却しやすい場所に
熱を移動させることができ、ファンの向きによってケース外の新鮮な空気で
冷却する事が出来る点です。
2、組み込みながら各部品の隙を見ていきましょう!
↑のPCで取り付けます。
グラフィックボードは約280mmサイズのものを乗せています。
・リザーバー
リザーバーはBitspower Water Tank Zシリーズを用意しました。
長さは120mm用意しました。
Define Nano Sには筒型リザーバーをケースに取り付けるステイが着いています
これがかなり便利で、今までは穴あけを行って取り付けていたのが
ドライバーだけで環単位取り付けることが出来ます。
どのように置けるか検証します。
ケースとグラフィックボードの隙は190mmあります。
120mmサイズのリザーバーをグラフィックボードギリギリに付けると65mmです。
フィッティングをつける事を考えると...ラジエータが入らないw
無しですね!!
なら横に取り付けると...フィッティングを付ける隙間が無いですね。
ならば100のパイプを40mmのパイプに変えます。
だいぶ小さくなりました。
それでも立て向きにつけた場合はポンプに向かうフィッティングを着けれないな~
なので横向きにして取り付けました!!
これならだいぶ経路の取り回しも含めてばっちりですね!
使用リザーバータンク
・ポンプ
水冷ポンプで良く使われているのは(日本で売ってる物)、2種類あります。
ひとつはDDC型ポンプ 小型ポンプで流量は少ないが揚程が多きい
(揚程はポンプが水をあげれる高さ)
もうひとつは、D5ポンプはそこそこ大きいポンプで揚程はDDC型に劣るが流量が約2倍あります。
今回はD5ポンプを使用しました!!
Define Nano Sには元々ポンプを取り付ける為のプレートがついています!
ケースに追加の穴などを開ける事無く簡単に取り付けが可能。
スペース的にはキツキツで長めのグラフィックカードだとポンプハウジングと
グラフィックカードが干渉する可能性が高いです。
*今後DDCポンプを揃えて音なども含めて追加検証を行います。
・ラジエーター
ラジエーターは2種類用意しました。
右の白いのがXSPCのAX240 サイズはW128×H286×D40mm
左の黒いのがBlack IceのGTXtreme240 サイズはW133×H277×D54mm
取り付けを行いました、上部にラジエータを取り付けます。
黒のラジエータではメモリと干渉しました。
メモリはマザーボードから35mm高さなのでメーカー推奨サイズです。
干渉は大体2mmくらいの干渉でしたので適正サイズは横幅(W)は130mmまでです!
長さはケースの内側の幅が355mmありますので大体のラジエーターが入りますね!
ただ、ケースの背面ファンを付けると一般的な厚みは25mmなので330mmとなり
たとえばフロントにラジエータ&ファンをつけると120×240サイズのラジエータ
では殆どの製品が干渉して入らないと思われます。
二つラジエーターを付ける場合はフロントに薄めなラジエータを取り付けて
フロントカバーの内側にファンを取り付ければ2個乗せもかのです。
この状態でもカバーは付けれます。フィルターはもちろん付けれません
ケーブルは140×280mmのラジエータだと内側に入れれない為、裏配線側に続く
穴にコネクタを外して通してやれば問題ないですね!!
##ラジエータ用ファン取り付け時の注意##
その部分を除いてファンが取り付きます。
ですのでもしもケース背面ギリギリにラジエータを取り付けるならば背面ファンとの
隙を考えて配置する必要があります。
・CPUブロック
今回しようするのはaquacomputerのcuplex kryos XTというブロックを使用します。
厚さ40mmのラジエータに25mmのファンをつけた状態の写真です。
今回のCPUブロックはインレットが中心でアウトレットが上下のどちらか
(本来なら上)に付くタイプです。
写真で分かるとおりファンとの隙が殆どありませんCPUブロックによってはイン・アウトが
上下に付いている物もあります。水冷を組む場合はブロックの形状とラジエータの厚みに
注意が必要です。
・フィッティング
水冷パーツを付けたら
パーツ同士を繋ぐ為にフィッティングを取り付けまうす
今回は経路をチューブでつなぐ為のフィッティングを使います。
ストレートや45°・60°・90° 延長タイプなどさまざまなパーツがあります。
仕事柄、圧損について毎日あれこれしていますので基本的には90°のフィッティングは
使用しない方が良く、曲がりがある場合は軸R=2φが圧力損失的に許される範囲だと思っています。
しかしこれだけ小型のケースに綺麗に入れ込もう思うと経路を長くするよりも圧力損失覚悟で
90°フィッティングを使用した方が効率的だと思います。
見た目もカッコよくなるので!!
・全ての部品をつなげてみました。
先ず②簡易水冷H110をつけれるのかの検証ですが、
写真の通りグラフィックカードに無事取り付けできました!
コンパクトケースのほうが大きな水冷にすることが可能だと分かりました!!
組み込んだ結果ですがホースの取り回しの際、グラフィックカードが大きければ多きほど
ラジエータの数リザーバーの大きさが決めれれてしまい
もちろん無事に動きますが見た目的に満足できませんでした。
なのでグラフィックカードをショートタイプ(160mm)の者に変更して組み直します。
変更内容
・グラフィックカード:R9-290+H110からGTX750 Tiに変更
・上部のラジエータの水通り穴の位置を反転
・リザーバーを40mmのチューブから50mmのチューブに変更(蓋も含めて全長70mm)
・ファンを白くて光るファンに変更
・LEDを着けてみた!!
↓↓↓↓↓↓↓↓↓結果↓↓↓↓↓↓↓↓↓
やっぱり光った方が良いですね!
3、水冷パーツのまとめ
・上部に取り付けるラジエーターは幅が130以下の物をチョイスする
・リザーバーは極力短いものを選択する全長が120mm以上は選ばない方が良いと思われる。
100mmでもポンプ一体型を選ぶと良いと思うその際はラジエータとの干渉に注意!
・CPU水冷ブロックはインとアウトの位置を考えて、ラジエーターとの干渉に注意!
・本格水冷を組むならグラフィックカードは短いものをチョイス!見た目もよくなります。
・グラボとCPUの2系統はケースの大きさを考えるとお勧めしません。
・フィッティングは色々な角度の物を用意するか経路をホースからアクリルパイプに
変更すると良いでしょう。
④総評
Define Nano Sには水冷を組むことを前提とした 細かいギミックが織り込まれいます。
ケースの丈夫さも重い水冷パーツを積んでも歪まない堅牢な作りでGOODです。
最近はハイスペックなグラボもショートサイズの物が出たりしていますので
小さいけれども超スペックでなおかつカッコイイそんなPCを作ることの出来るケースだと思っていまうす。
vuronさん
2016/05/09
玄人向けでしょうか、ドライブレスケースなあたりが。
そしてドライブレスだからこその240ラジエーター搭載可というのも。
ケースMODがしやすいように設計されてるのでしょうか。
それともそういう風にしか理解できない私は変態!
退会したユーザーさん
2016/05/09
ケースよりも技量の方に目がいきますw
hidechanさん
2016/05/09
D5ポンプだと大きくて、長尺VGAだとかなり厳しいですね。
思いがけずVGAまで水冷にするハメになってしまったので、
ラジエーターの追加を検討していましたが、
ラジエーターを2枚入れると流石にキッツキツですね~
参考になります。
カーリーさん
2016/05/09
グラフィックボードもnanoにすればクリアランス取れますね^^
cybercatさん
2016/05/09
本格水冷組むほどの技量はありませんが、簡易水冷どまりの自分にとってもクリアランスの考察などとても参考になりました。
SNOWパンダさん
2016/05/09
相当変態ですねd(>_< )Good!!
ケースは水冷MOD向けですかねw
アクリルウインドウも大きいですし
グラボも2スロット分ギリギリしかないので
水冷化しなさいと言われてる気持ちになっちゃいます。
SNOWパンダさん
2016/05/09
コメントありがとうございます!!
美しいと言っていただけると、とても嬉しく思います。
ただ、ケースレビューなのでケースをみて~!!
SNOWパンダさん
2016/05/09
参考になります言っていただけるととても嬉しいです。
D5ポンプと長物VGAの相性の悪さにビックリしました!!
初めはヤバイレビューできないと思うほどに(;´∀`)・・・うわぁて
急遽海外から短いリザーバーを取り寄せたりとてんてこ舞でした 笑
SNOWパンダさん
2016/05/09
正真正銘MINI-ITXケースですよ!
通常のATXと同じ搭載方法なのでぱっと見違和感がありますが。
SNOWパンダさん
2016/05/09
1回本格水冷を組み込むと
パーツを選んだり組んでる間がとても楽しいです!
Takahiroさん
2016/05/09
水冷考えてる方のために、使った水冷パーツの一覧を載せるのはどうでしょうか?
あれば、このケースだけで無く、M-ITXマザー+コンパクトケースで一式って人に参考になると思いますし
SNOWパンダさん
2016/05/09
ナイスアドバイスです!!
のせてみま~す!
kensanさん
2017/05/29
中国工場建設の時に向こうの業者(田舎でしたが)、圧損のことを全く理解せず最後にはチラー等の設備配置や配管の図面を書いたことを、何故か思い出しました♪