まとめ
結論から言えば、キーボード、トラックパッド、ディスプレイという消耗する部分が約3万円という安価で揃っており、デザイン、剛性、性能において十分満足いく機体である。また、一般的な使い方であれば、レスポンス、バッテリのもちなども十分で自宅外での作業がはかどる。
非常に安価ななのにシンプルかつしっかりとした作りはとても好感が持てる。キーボードの使い勝手やディスプレイのサイズなど巧妙にデザインされた大変良いマシンだ。いつも使っている英語配列キーボードがチョイスできるのも評価が高い。
ブラウザでできることも多様であり、自宅外での作業がとても楽になった印象がある。一般的な利用においては全く問題ないレスポンスで作業できる。しかし、C300MAに不向きなヘビーな使い方をすればレスポンスが悪くなることもあり、その点については注意も必要である。
外に持ちだして傷をつけようが、寒さをしのぐためにベッドで作業してそのまま寝てしまうなど、多少の無理をしても「いいんじゃない?」と思わせる約3万円という価格は「使い倒し」によい機体であると思う。Ultrabookではこうはいかない。
はじめに
今回はこのような貴重な機会をいただきましてありがとうございます。 コンピュータを使い始め、三十年以上経過していますが、クラウド時代の本格到来を予感させるエポックなマシンとの出会いには、一種の感動すら感じます。 これまでの知見に基づき、いままさに買おうとしている人、活用を始め たばかりの人に役立つ内容はもとより、今後どう発展していくかも含めてレビューさせていただきます。
シンプルなデザインはスタバドヤも大丈夫
デザイン・同梱物はシンプルでありACアダプタはコンパクトで持ち運びしやすい。 丸みを帯びた突起がほぼないなめらかなデザインは正直かっこいいと思う。剛性は正直足りないのという印象だが、キーボードのところでも触れるが三万円程度の消耗品と考えれば十分なものだ。スタバドヤ(某コーヒーショップで、自分は出来る子アピールするには十分だ。 何よりも良いのはACアダプタがコンパクトなこと。プラグ部分が折り畳み機構が欲しかった、カバンの中の他のものを傷つけないで済むという安心感があったかと思う。
キーボード作業が多い時には威力を発揮
大きさ、重さ
大きさ比較(奥から、fujitsu Ultrabook TH90/p、左: hp slate 7、中央: ASUS C300MA(レビュー対象)、右: Apple New iPad(3rd gen.)、下: リュード社折りたたみ型Bluetoothキーボード)
適度な大きさと重さで満足度は高い。 使っている時、持ち運んでいる時には全く気にならないのだが、こうやって写真で比較すると意外にでかいのでびっくりする。Ultrabookとほぼ同等のサイズには驚いたのだが、持ち運びを考えれば断然こちらを選ぶ。 外装、特にディスプレイ側はたわみには正直弱い。底面はそこそこの強度が期待できる。たわみがちなディスプレイ側を平らで硬いモノで保護すれば、通勤電車も耐えられそうだ。
このキーボードとディスプレイに惚れた
キーボード、トラックパッド
キーボード比較(左からApple純正US配列Bluetoothキーボード、ASUS C300MA(レビュー対象)、Happy Hacking Keyboard Professional<初代>)
キータッチと配列に惚れ惚れする。 配列、キータッチ、トラックパッドのサイズと位置は、その何れも申し分はない。 配列とキータッチについては、Apple Mac用の純正のキーボードに近い。 キーを押しても本体がたわまないのか良い。 また、タッチパッドの二本指スクロールは、最近のMacと同じ方向に変更可能である。 シチュエーションによって端末を使い分ける場合にもまごつかない。
トラックパッドに意図せずに触れてしまうという人はマウスを購入するのが良さそう。 しかし、トラックパッドを明示的にオフにする設定は見当たらなかった。
レビュー要項では、日本語キーボード版がレビュー機種となっていたが、Zigsowの担当者さんにおねだりしたところ、快くこちらの機種に変えて貰った。 これは大正解であった。
ディスプレイ
ディスプレイ比較(左から、hp slate 7、ASUS C300MA(レビュー対象)、Apple New iPad(3rd gen.)、リュード社折りたたみ型Bluetoothキーボード)
ひと言で言えば目に優しい。サイズも絶妙で良い。 私は目は良い方なのだが、流石にピントを合わせるためにかかる時間は正直若い頃よりもかかる。有り体に言えば老眼なのだが、このサイズは大変目に優しい。次のレポートでは画面キャプチャを用いて分かりやすくソフト面を書く予定であるが、先に言っておくとフォントが太めで視認性が高い。
結局のところ、大抵のWebサイトはこの解像度に最適化されて作ってあると言っても過言ではなく、デザイナの意図の通りに表示されていることも寄与しているのだろう。
電源コンセントなんて気にしない
バッテリのもち
充電は思いのほか早く、外に持ちだしても充電無しで十分使えるほどバッテリがもつ。
自宅に届いた次の日にバッテリのもちの実験を行った。結局のところ、10:00〜18:00の間かなりの作業をしながら使うことができた。
カタログスペックである、10時間より短いと思う人もいるだろう。この8時間にマルチ・プラットフォーム対応エディタ"simplenote"を使って作業メモをとり、たまったメールとSNSのタイムライン読み、面白そうなページをGoogle Chrome機能拡張"Taberareloo"経由でソーシャル・ブックマークしていた。 かなりのCPUおよびネットワーク使用量の高負荷試験であった。 そういう意味では実際の利用で8時間の電池のもちは脅威とも言える。
ブラウザを使った使いこなし例
使いこなし
ブラウザだけでたいていのことがこなせることを確かめることができた。 また、Chrome リモート デスクトップの反応速度はかなりよい。家の外から自宅のデスクトップを操作することで大抵のことはこなせることが分かった。
表計算
まずは、「Google スプレッドシート」である。 後述する「ベンチマークのまとめ表」もC300MAで編集したのだが、デスクトップアプリと遜色はなかった。
リモート・デスクトップ
Chrome リモート デスクトップ(Mac miniのフルHD画面を縮小表示)
リモート・デスクトップもさくさくと使える。自宅のデスクトップPC/Macも外から自由自在である。Chrome リモートホスト サービスをMac miniに入れてインストールし、C300MAでリモート・デスクトップを試してみた。 流石に直接操作する時に比べれば一瞬遅れるものの作業自体にそれほど影響が出るものではない。 マウスを使って絵の編集をするなどの細かい操作をしなければこれで十分にこなせることは多いと思われる。
ペイント
ペイント・アプリ(SumoPaint)
ブラウザ上でペイント・アプリが使えた。後述する表の画像切り出しをやってみた。ペイント・アプリとして"Sumo Paint"をお試しサービスを使ってみたが簡単な画像編集であれば十分にこなせることが分かった。
オフィス・スイート(Microsoft Office)
Excel オンライン
オフィス・スイートもブラウザで十分使うことができる。表計算としてExcelオンラインを使ってみたが、これもそこそこの機能がサクサクと使えることが分かった。 見た目はそっくりであるが、主要機能以外はバッサリと無くなっているということ(例えばVBAを使ったマクロ機能)には注意したい。
Microsoft OneNote
OneNote Online
マルチ・プラットフォーム対応究極アプリMicrosoft OneNoteも十分使える。 このレビューの下書きでも活躍している。画像の編集と貼り付け以外は、C300MAでOneNoteを使って行った。
OneNoteは、Microsoft Windowsはもとより、Webブラウザで使えるOneNote Online、Android用のアプリ、果てはMac用のアプリ、iPhone/iPadなどのiOS用のアプリまである。
今回写真や画像の編集は、Mac miniで行った。 理由としては、Exifの削除、プライバシを守るためのモザイク処理、画質維持のサイズ縮小などについては、Macで作業した方が正直早いからである。 このあたりは今後便利なアプリが出てくることを期待したい。
JavaScriptベンチマークで性能比較
パフォーマンス
一般的な使用には全く問題はないが、メモリ使用量に配慮した利用が必要な場合がある。 ブラウザのタブを開き過ぎない、SNSのタイムラインをずっとスクロールしない、URLで開くのではなくウェブストアの公式アプリを使う、で対処できそうだ。
「電池のもち」の高負荷試験を通じて気になったのが、無反応になることがたびたびあった。 そもそも私は世に言うところのヘビーユーザである。 あとで読むサービスである"Pocket"では、6,000以上のエントリがあった。 さらに、複数のタブを開いたところ突然反応が悪くなった。こういう使われ方はそもそもこのマシンの想定外なのだろう。
ベンチマーク
こうなるとレビューの定番「ベンチマーク」に登場願わねばならない。 結論から言えば、価格の割に強力な処理能力を持っているマシンであることが分かった。 今回は、Chromebookというところもあり、ブラウザ上のJavaScriptについて比較した。一般的にベンチマークは、同等のプラットフォームに対して行うが、Chromebookならではの比較となっている。
ベンチマークとしては、Webkit SunSpider、Google Octaneの二種類で行った。 前者は数値が小さいほど性能がよく、後者は数字が大きいほど性能が良いことを示す。 hp slate 7、Nexus 7 2012にOCTANEの数値がないのは最終結果が出るところでエラーになったからである。
日本語キーボードモデルのメモリ4GBytesと違い、カラーバリエーションありの英語キーボードモデルのメモリは2GBytesであるという点には注意が必要である。 Facebookのタイムラインを過去に無かってどんどんスクロールしていたところ、それだけで1.7GBytesのメモリを消費したりすることがあった。 また、あとで読むサービスの"Pocket"の、ブラウザで開けただけで1GBytes超えなどの状況になってしまう。 ただし、これは公式のウェブアプリストアの"Pocket"を使うことで解消できるようだ。
想像するに、メインメモリの代わりにHTML5のローカルストレージ機能を使うためだと想像する。
使い倒せる初代と次バージョンへの高い期待
とにかく、「使い倒せる」と思わせる機体、そして全体のバランスの良さが特徴である。シンプルで洗練されたデザイン、操作していても変にたわむことのない剛性、そして価格に見合った性能とうまくまとめられている。
道具であれば多少なりとも乱暴に扱われてしまう場合がある。Appleの場合、剛性の高い金属で作ってしまう。それはそれで良いのだが重たいし、落としたら危ないし、そもそも、傷が目立ってしょうがない。一方この機種は、プラスティック製でありつつも、そこそこの剛性を持っている。価格が価格なので最悪は買い替えれば良いという割り切りもできる。こう考えられるのも安心の一つである。
しかしながら、この機体やChromebookには改善すべき点も多々ある。一つはやはり、メモリの拡大である。今後アプリも増えるだろうが、メモリをたくさん使うものはどんどん増えていくはずである。そうなった時に、今回のレビューでも問題になっている急なダンマリはあまり好ましくはない。
あと、ソフト(Google)、ハード(ASUS等)の更なる連携と洗練が求められる。例えば、CPUの使用率とメモリ使用量については、Shift + ESCでタスク・マネージャを起動すれば確認することは可能である。できれば、画面下部、右側のタスク・トレイ領域にこれら2つのリアルタイム値の表示ができる設定があっても良いと思う。
例えば、ファンがある機体の場合、CPUがある一定以上稼働した場合ファンが動き出す。HDDが内蔵されている場合もそのモーターが動作し、例えばメモリが不足しスワップしたことに気づくこともある。しかしながら、この機体にはその両方がない。コストを下げるために端折っているのはわかるのだが、アフォーダンスがないので反応が無くなった場合に思いっきりキーやトラックパッドを押し込んしまうことになる。何らかのフィードバックを利用者にするべきではなかろうか。
とはいえ、英語配列のモデルを用意してくれた点は非常に評価したい。いつもの慣れたキーボードが使えるのは本当に気が楽である。日本語キーボードの多くは、配列が微妙に違うという病を抱えており、さまざまな機体の使い分けをする際にストレスが生じることが多い。ブラインドタッチで、すべてのキーを使いこなそうとするならば英語配列は非常に良い選択肢である。Apple iPhone/iPadの外付けキーボードも英語配列が基本ということも付け加えておく。
KAOさん
2014/12/17
IT Legacyさん
2014/12/17
パッチコさん
2014/12/21
英語キーボードですが、このカラバリシリーズは欲しいなあ。
IT Legacyさん
2014/12/21