レビューメディア「ジグソー」

手軽にOCが可能な多機能マザーボード

「MSI X99S GAMING 7」は一つ一つの機能はとても拘りがあるようで、品質も高く安定した製品なようです。

主観ですが下記の様な感じに特長をまとめてみました。

  • メモリはDDR4-3333(OC)に対応
  • 付属のGUIのアプリケーションからCPUやGPUのOCが手軽に出来る
  • グラフィックボードは3way(x16,x16,x8)に対応、2way(x16,x16)のデュアルGPU(Quad SLI / CrossFireX)に対応し、2wayのグラフィックボードの場合は性能をフルに発揮することが可能(4-wayはサポート対象に含まれていないので注意)
  • 条件を満たす場合に、PCI-Express 3.0接続としての恩恵が受けられてTurbo M.2は最大32Gb/sの速度で利用可能。
  • Qualcomm Atherosのゲーム用LANコントローラ「Killer E2200」を搭載しており、付属のアプリケーションにてネットワークの優先帯域コントロールが可能
  • USB DACなどの安定動作を実現する「USBオーディオパワー」に2ポート分対応。

あくまで他のマザーボードとは違うという特徴なので、もちろんLGA2011-3 SocketのIntel® Core™ i7 Processorに対応しています。

 

 

 

製品外観


 

GAMING系マザーボードはドラゴンをモチーフとされたパッケージとなっています。

 

黒を主体とした基板にヒートシンク赤い部分が控えめに見える感じになっています。

 

付属品としてSATAケーブル x6、I/Oシールド x1、SLIケーブル x2、M-Connector x2、オーディオ用別電源コネクタ x1

 

各種マニュアル群



ドライバーCD、PCケース用バッジ、サインボード、ケーブル整理用ラベル

 

  

 

ここからは製品の詳細についてみていきます。

 

 

PCI-Expressについて


 

PCI-Express 3.0は4スロットあります。

 

CPUが40レーン対応の場合はPCI_E1、PCI_E3、PCI_E5、PCI_E6

CPUが28レーン対応の場合はPCI_E1、PCI_E3、PCI_E5が使用できる箇所です。

 

"PCI_E6"を利用した場合は、M.2は32Gbps/s動作が10Gbps/s動作になるので注意が必要です。


また、3-way利用時や2-wayのQuad SLI / CrossFireX利用時の場合は、PCI-Express 2.0 x1スロットは埋め尽くされてしまい全く使用出来なくなります。

 

動作レーンを見てみましょう。

マニュアルに書かれている内容そのままですが、グラフィックボードを1枚~3枚使用した際の動作レーンです。

複数のグラフィックボードを所持していないので確認出来ていませんが、このように動作するのかと思います。

 

実際のところ、グラフィックボードを複数利用するユーザーよりもシングル構成のユーザーの方が多いと思われます。

シングル構成だけど他の拡張ボードを使用して4スロット全てを埋め尽くす…なんてユーザーも居るかも知れません。(私のことです)

 

マニュアル上では3枚構成分しか記載されていないので認識しないものだと思っていました。

しかし実際に試してみたところ4枚分しっかりと認識してしまいます。

 

UEFI上で"Board Explorer"というマザーボードの接続状態が見れる機能があります。

その機能を利用し調査してみたところ、"PCI_E1"と"PCI_E5"を同時に使用する場合には本来 x16 動作となる"PCI_E1"は x8 動作に変わるみたいでした。

 

ということで、全パターンを試してはいないですが下記にまとめてみました。(28レーンCPUは所持していないので40レーンCPUのみです)

※あくまで推測結果であり、公式情報でもありません。

ひとまずこの表があれば、拡張ボードをどこに挿せば良いか検討出来そうです。

 

 

 

USB 3.0について


 

USB DACなどの安定動作を実現する「USB Audio Power」がLAN端子下の2ポートが対応しております。

 

また、マザーボード上のUSB 3.0コネクタの1つは「MSI Super Charger」に対応しています。

携帯電話やタブレットなどを接続し1.5Aでの充電が可能となります。

 

 

このマザーボードのUSB 3.0では複数のチップを利用し形成されています。

  • VIA VL805 (チップセット経由) リアI/O:4ポート
  • ASMedia ASM1042AE(チップセット経由) リアI/O:2ポート
  • Intel X99 Chipset経由 フロントI/O:2コネクタ(4ポート)、リアI/O:2ポート

 

そこで、どのチップが高速なのかとても気になってしまったので測定を行ってみました。

使用したのはFreecom mSSD USB3.0(256GB)です。

ということで、Intel X99 Chipsetがダントツでした。

そもそもVIAやASMediaの場合はUSBデバイス認識していましたが、X99だけはSCSIデバイス認識していたのが大きいのかと思います。


高速USBデバイスをご利用の際には有線LANポートに連なるUSBの2ポート、もしくはマザーボード上のUSB 3.0コネクタを利用しましょう。

 

 

 

M.2について


 

”PCI-Expressについて”の項で少し触れましたが、"PCI_E6"を使用しない場合はPCI-Express 3.0 x4で認識され最大32Gb/sの速度で利用することが出来ます。


また、"PCI_E6"を利用した場合はX99チップセット経由のPCI-Express 2.0 x2として認識されてしまうため、最大10Gb/sの速度となってしまいます。
チップセットのPCI-Express 2.0レーンは1レーンあたり双方向で5Gb/sの制限となっていますので、2レーン分の10Gb/sとなります。

 

もしPCI-Express 2.0 x2として認識させたい場合には、UEFI上で設定変更する必要があり、M.2 PCH Strapの項目を"M.2 SATA"から"M.2 PCIE"へ変更することで認識されるようになります。

 

実際にM.2を使用する際は、差し込み方が甘い場合は認識しない場合がありましたので、しっかり差し込むようにしましょう。

UEFI起動後のM.2認識方法としては、"Board Explorer"から簡単に確認できます。

M.2を挿しており"PCI_E6"が未使用の場合には"PCI_E6"の箇所が赤くなり、マウスカーソルを合わせると下部にM.2の接続情報が表示されます。

 

 

M.2を起動ドライブとしたい場合ですが、UEFI上の設定としてはデフォルト設定で問題なさそうです。

Boot mode Selectは"LEGACY+UEFI"となっていますが、特に問題なくOSインストール時に認識+起動ドライブとして設定が可能でした。

"LEGACY+UEFI"から"UEFI"に変更したり、SATA Modeを"AHCI Mode"から”RAID Mode”に変更したりしても問題なく認識+起動ドライブとして設定が可能です。

特にトラブルもなく、とても安定してM.2を利用することが出来るようでした。

 

今回検証に使用したM.2は下記製品となります。

PCI-ExpressタイプですのでSATAタイプでは未検証です。

 

※検証に利用したBIOSバージョンはH43で普及バージョンとは異なるため、認識しないケースがある可能性があります。

※BIOSバージョンH40ではM.2に対する改善が行われているため、初期バージョンの場合は、事前にBIOSアップデートを行うことを推奨します。

 

 

 

OCについて


 

OCはUEFI上でCPUクロックの向上やメモリクロックの向上を行うことが出来る。

もちろんMSI製の付属ソフトがインストールされていれば、OS起動後でもそこから設定変更することも可能だ。(場合によっては再起動が必要)

 

手軽にOCを行うならば付属ソフトのMSI Gaming APPが有効です。
3種類のモードにてクロック制御を行うが可能で、利用シーンに応じて手軽に切り換えられます。

 

MSI Gaming APPではクロックの上限値調整が出来ません。

より詳細にOC設定を行いたい場合は、MSI Command Centerを利用することになります。

ここではCPUやメモリのクロック調整、ファン速度の調整、RAMDiskの管理などが出来ます。

RAMDiskを使用する場合は、ブラウザキャッシュなどを設定が可能です。

ちなみにRAMDiskの速度はこんな感じです。

流石DDR4という感じで、もの凄い速度です。

 

続いてさらにもう一段階、詳細にOC設定を行いたい場合はMSI(R) Intel(R) Extreme Tuning Utilityになります。

ここではUEFIのOC設定項目並みに細かい設定が可能になります。

設定変更後、ストレステストを行ったりベンチマークを行って世界ランキングと比較出来たりします。

 

 

 

ゲーム用LANコントローラ「Killer E2200」


 

基本的に"Killer Network Manager"というアプリケーション上から設定及び管理を行っていきます。

最初に行うのはネットワーク設定で帯域の上限値を設定します。

ここで”ネットワーク速度のテスト"ボタンを押すと自動的にテスト結果の速度を反映してくれます。

ただ…実際にオンラインゲームを行うサーバーが日本にあるのであれば、こちらの機能は利用せず外部サイトのインターネット通信回線速度測定の結果を手動で入れたほうが正確な結果となるかと思います。

 

次にアプリケーションの設定です。

先ほど設定した帯域幅の中で、どのアプリケーションの帯域使用優先度を高くするかを設定します。

ここで目的のオンラインゲームなどを指定することで、安定した通信を行うことが可能となります。

 

 

 

サウンド機能について


Realtek® ALC1150 Codecを搭載しており、基本的な設定は"Realtek HDオーディオマネージャ"から行います。

 

また、サウンド補正として”Sound Blaster Cinema 2”を使用できます。

サラウンド設定などが可能となり、より臨場感のあるサウンドとして補正してくれます。

この辺りは好みの問題もありますので、実際に使用するかしないかは取捨選択すべきかと思います。

 

 

■ XSplit Gamecaster


 

ゲームのレコーディングやストリーミングを行うことが出来て、6ヶ月無料のプレミアムライセンスで使用できるようです。

ゲームとしては ブレイドアンドソウル をプレイしているのですが、このソフトは対応していないようで無反応でした。

また、MSI製グラフィックボードを利用している場合にソフトのMSI Afterburnerが競合するようでXSplit Gamecasterで警告が表示されていました。

ちなみに同系統のソフト、XSplit Broadcasterでは問題なくレコーディング出来ました。

こっちのライセンスの方が良かったな…。

 

 

 

ゲーミング環境について


 

レビューに使用したCPUは Intel Core i7-5930K 3.5 GHz を使用しており、実は既にOC済みで 4.1 GHzになっております。

 

5分のストレステストを行い 4.2 GHzで動作することを確認していますが、3DMarkを行っている最中にフリーズしたりなど不安定だったため、4.1 GHzに落としています。

 

AMDの旧環境と 3.5 GHzの通常時と4.1 GHzのOC時で3DMarkでの結果を見てみたいと思います。

 

★計測環境(旧環境)★
【OS】 Windows 8.1 Enterprise x64
【CPU】AMD FX-8300 (3.3GHz)
【M/B】ASRock 990FX Extreme9
【メモリ】G.Skill F3-1600C7D-16GTX 8GB×2

【グラフィック】MSI R9 280X GAMING 6G

 

★計測環境(新環境)★
【OS】 Windows 8.1 Enterprise x64
【CPU】Intel Core i7-5930K 3.5 GHz(OC 4.1GHz)
【M/B】MSI X99S GAMING 7
【メモリ】CORSAIR DOMINATOR PLATINUM

【グラフィック】MSI R9 280X GAMING 6G 4GB×8

 

新と旧ではOSとグラフィックボードが一緒で、他は異なる構成です。


棒グラフにして見てみると、大幅にスペックアップしているのがわかります!!

 

実際にブレイドアンドソウルをプレイすると、旧環境では20~40fpsだったのに対して新環境(4.1GHz)では80~120fpsで安定するようになり、とても快適になりました。

これはOCによる効果だけではなく、DDR4メモリやM.2を使用した恩恵も大きいと思う。

 

 

 

まとめ


 

ゲーミングに必要なソフトウェアやハードウェアが揃っており、OCも手軽に出来る。

 

高速なストレージとしてM.2があり、拡張ボードで利用したかのような速度が出るUSB 3.0 ポートがあったり、ゲーム以外の用途でも高速に利用できるバランスの良いマザーボードだと思います。

 

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