やってみよう!オーバークロック

CPUの潜在能力を引き出して力強いPCに変身させよう!

zigsow cup オーバークロックコンテスト オーバークロック・ラボ オーバークロックパーツのレビューや情報を凝縮

PCをライトチューンする時のノウハウ

それでは実際に、PCをライトチューンする際に気をつけないといけないノウハウを紹介したい。ここで紹介した以外にもジグソーの中にはPCをライトチューンしているレビューアーさん達がたくさんいるので、それらのページを参考に自分ならではのベストチューニングを見つけよう!

1 CPUの交換

オーバークロックで高速化を図るならCPUはぜひ交換したいパーツ。部品としても小さい上に、ショックなどを与えないように取り扱おう。マザーボードへの装着にはCPUを接続するためのソケットがあり、無数のピンが出ている。CPUに塗布したグリスを付けてしまったり、ピンを欠損すると使用できなくなるので作業は慎重に行うこと。また、静電防止リストバンドや静電気防止手袋を着用するなど、静電気対策は万全に行うこと。

2 ストレージの換装

PCの高速化を図るならストレージにはSSDを使いたい。容量やデータアクセスの速度など特性もあるので、PCの使い勝手や目的も加味した上でチョイスしたい。SSDは放熱量が少なく、オーバークロック時の熱対策にも貢献する。また消費電力も低いことなどの特長も備えている。SSDの特徴詳細な交換方法や必要になるものなどは「やってみよう!SSD」を参照しよう。

3 CPUクーラーの取り付け

   

CPUに直接グリスを塗布し密着率を上げることで、CPUクーラーへの熱伝導が良くなり放熱に貢献する。はみ出すほど多量に塗ると熱伝導率の低下を招くので、少なめから始める。目安にする量は、CPUクーラーを密着させた時に端からはみ出さないぐらいが適量。

表面にグリスを適量取ったら均一になるよう平らなヘラなどを使って丁寧に塗り広げて端々に行き渡るのが理想。多く塗ってしまった時には必ず拭き取る。ソケットのピンや固定金具の裏側などに付着するとトラブルを引き起こすので慎重に作業しよう。

CPUとCPUクーラーの接触面は目で見る限るは平滑だが、ミクロ単位で見ると隙間ができてしまうのだそう。グリスを塗布することで熱を逃さず伝えることができるので、大切な作業なのだ。使わないCPUなどがある場合には練習用に使って適量を覚えるのもいい。

※CPUにグリスを塗布する際にはマザーボードにセットした状態で行いましょう(写真では説明のためにCPU単体で作業をしています)。

グリスを塗布する際に注意したいこと

CPUを取り替える際、一番気を使うのはグリスが垂れてマザーボード側のピンにグリスが付着することだ。通電不良はもちろんのこと無理に拭くとピン折れの原因にもなる。ベストな方法としてCPUを取り外す時には、まずCPUソケットのレバーを外してカバーを上げた状態のまま、ソケットのカバー側に付着しているグリスを入念にふき取る。この段階ではピンの上にCPUは乗せたままの状態に。ふき取り作業中にグリスがピンに垂れるのを防ぐ為だ。カバー側をふき取ったら、CPUを取り外して安全な場所でCPUに付着したグリスをふき取ろう。

4 電源の取り付け

電源は目的にあったものを選ぶのが一番だが、PCケースに収まる大きさであるかを寸法で確かめておきたい。装着する際にも他のパーツと干渉しないことも確認しておこう。ほかのパーツを選ぶ時にも同様だが、パーツ同士が適合することの確認していてもPCケースの内寸で装着するのが物理的に不可能にならないために気をつけたい。また、ケース内のケーブルの取り回しが内部の熱の循環効率に影響するので、できるだけ吸気と排気がしやすいようにケーブルをまとめたい。

世界的なオーバークロック記録を保持するduck氏からのアドバイスに耳を傾けてみよう!

パーツの選択

初めから他人と違う路線を狙ったり、個性を追求する為にマニアックな機種を選んでしまいたくなることもあるが、オーバークロック初心者なら最初は人気機種で情報も多いパーツを選択したほうがベスト。私も初心者の頃経験があるが、何かトラブルが起きた場合希少なパーツや機種は情報も少ない上、初心者の頃は有用な情報が豊富に紹介されているサイトを見つけることができずに苦労した記憶がある。『最初は王道から』が無難。特にマザーボードはBIOSの更新頻度や情報が最重要だ。

オーバークロック用ストレージ

オーバークロックでライトチューニングをするにしても、ハードにやるにしてもメインの常用機とサブマシン(オーバークロック用のマシン)と2台用意できるのが理想だが、コストやスペース的に難しい場合も多い。そんな時には常用とは別にオーバークロック用のストレージ(HDDやSSD)を用意しておきたい。以前に比べてオーバークロック時のパーツの耐久性は格段に上がったし、無茶をしない限りオーバークロックによってPCとして機能しなくなるようなことも減ったと思う。しかし、ストレージに関しては安全を確保しておくのに越したことはない。特にメモリ系などの極端なオーバークロックをする際などにOSやデータが飛んでしまうということも少なくない。バックアップを取ってれば安全という考え方もあるが、ストレージの電源が入らなくなってしまうようなことも多々考えられる。機能が不能になっても困らないよう予備のストレージを用意して起動ごとにBIOSで切り替えて使うという方法もある。こうすることで万が一の時の不要なコストを抑えることにも繋がるのである。PCショップを探せば安価な中古品に出会えるかもしれない。

パーツの買い替え

オーバークロックに慣れてくるとCPUを交換する機会も増えるだろう。使用済みのCPUを中古市場などに売却して新しいCPUを購入する際の資金にする場合もあるかもしれない。しかし、できるだけ古いCPUは手元に置いておきたいものだ。なぜなら、新リビジョンのCPUを購入してもM/BのBIOSを更新しなければ起動すら出来ないことがある。(ASUSなどの一部のマザーではCPU無しでもBIOS更新が出来るようだが)

また、オーバークロックによる起動不良を起こした際にCPUが機能しているかの確認用として緊急交換して確かめることも出来る。これはCPUに限らず、全部のパーツに当てはまることなので、可能な限り手元に古いパーツは所有しておくことをおすすめしたい。

無水エタノール

エタノール、または各種アルコール類だが、オーバークロックを行うのなら必ず用意したい。ある程度オーバークロックに慣れてくると頻繁にパーツを取り替えることも多くなる。メモリやCPUの端子部分は、基本的に一度でも抜き差ししたら目で見えなくても物理的には錆などが発生し抵抗の源が発生してしまうのだ。実際に原因が不明な起動不良などはコレが原因となってることが多かった。特に雨季や湿度の高い時期などは要注意。パーツを差し替える際は必ず端子部分をアルコールで拭くことを心掛けよう。

重量級グラフィックボードへの注意

昨今はハイエンドモデルを中心にグラフィックボードが巨大化している。当然、重量も増えてきているのでケース内で長期使う場合は振動によるネジの緩みに注意したい。取り付けネジが緩むと自重によってカードが下に傾き、マザーボードのPCI-Eスロットへの負担が増えるのだ。ボード側の端子にも良いハズがない。これが原因の起動不良が起こることもよく耳にするようになった。ハイエンドボードをケース内で使用する際は定期的にチェックをしたい。

電源のメンテナンス(プラグイン)

長期的にオーバークロックしていると、どうしても+12Vや3.3Vラインの電圧が低下したり振れたりしてくる。基本的にパーツの老化や寿命が一番の原因なのだが、プラグイン方式の電源の場合他の要因も含まれていることがあった。プラグイン方式の電源は便利だが、長期に使用すると接続部分に微量の埃や端子の錆で抵抗が増し、その結果ロスが増えてしまう。無水エタノールを使い麺棒などで入念に接続部分のクリーニングを行うと見違えるほど電圧が復活することがある。

オーバークロックによるトラブル復旧(CPU)

不幸にしてCPUが原因で起動不可になる場合、以下の症状が現れる。

  1. 1まったく電源が入らない。
  2. 2電源は入るがBIOS起動すら出来ない。
  3. 3BIOSは起動はするがOS起動までは至らない。

(1)の場合、復旧する見込みは薄いが、(2)や(3)なら復旧の見込みはある。

インテル® Core™ i7以降のCPUによく見られる『定格病』の可能性もあるからだ。 『定格病』とは、オーバークロック時に起動不良となった際、CMOSクリアや電池抜きなどをして、一度デフォルト状態に戻す作業をするのだが、デフォルト設定つまり定格設定に戻したことで逆に起動出来なくケースがあるのだ。原因としてCPUの一部が破損か故障していることが想定されるのだが、次の方法で回避出来ることがある。 まず、一度問題のあるCPUを取り外し正常動作の出来る、別の同型番のCPUに差し替える。システムを起動させたらBIOSに入り次の2つのパターンを試してみる。

  • A定格の電圧が例えば1.2vだった場合、少し持ち上げて1.35Vくらいに設定する。
  • BBIOSのCPUのcore数設定で4core-CPUなら2coreか、または1coreに設定する。

設定を終えたら一度『F10キー』で設定を保存し、そのままシャットダウンする。 その後、起動しなかったCPUに乗せかえれば、すんなり起動してくることがある。

(A)で駄目なら(B)、または(A)+(B)の合わせ技も試してみよう。

これは定格の電圧では足りずに少し昇圧しなければ起動出来なくなってるか、特定のcoreだけ痛んでしまっていて、そのcoreを除外すれば起動出来るということのようだ。多少電圧が高かったりcoreが減ったりで常用には不利にはなるものの、クロック的なオーバークロック耐性は変わっておらずベンチマークでは使えるケースがほとんどである。 症状が(3)の場合なら、わざわざ別のCPUを乗せ換えなくても試せるので、多少性能はダウンしても常用で使用出来るだろう。

紹介しているパーツは2012年1月現在の情報です。その後変更となる場合がありますのでご了承ください。オーバークロックによりパーツを破損してもzigsow株式会社一切の責任を負いません。
オーバークロックを実施した場合、該当する製品に対する保証を受けられなくなりますので予めご了承ください。