それでは実際に、PCをライトチューンする際に気をつけないといけないノウハウを紹介したい。ここで紹介した以外にもジグソーの中にはPCをライトチューンしているレビューアーさん達がたくさんいるので、それらのページを参考に自分ならではのベストチューニングを見つけよう!
CPUを取り替える際、一番気を使うのはグリスが垂れてマザーボード側のピンにグリスが付着することだ。通電不良はもちろんのこと無理に拭くとピン折れの原因にもなる。ベストな方法としてCPUを取り外す時には、まずCPUソケットのレバーを外してカバーを上げた状態のまま、ソケットのカバー側に付着しているグリスを入念にふき取る。この段階ではピンの上にCPUは乗せたままの状態に。ふき取り作業中にグリスがピンに垂れるのを防ぐ為だ。カバー側をふき取ったら、CPUを取り外して安全な場所でCPUに付着したグリスをふき取ろう。
初めから他人と違う路線を狙ったり、個性を追求する為にマニアックな機種を選んでしまいたくなることもあるが、オーバークロック初心者なら最初は人気機種で情報も多いパーツを選択したほうがベスト。私も初心者の頃経験があるが、何かトラブルが起きた場合希少なパーツや機種は情報も少ない上、初心者の頃は有用な情報が豊富に紹介されているサイトを見つけることができずに苦労した記憶がある。『最初は王道から』が無難。特にマザーボードはBIOSの更新頻度や情報が最重要だ。
オーバークロックでライトチューニングをするにしても、ハードにやるにしてもメインの常用機とサブマシン(オーバークロック用のマシン)と2台用意できるのが理想だが、コストやスペース的に難しい場合も多い。そんな時には常用とは別にオーバークロック用のストレージ(HDDやSSD)を用意しておきたい。以前に比べてオーバークロック時のパーツの耐久性は格段に上がったし、無茶をしない限りオーバークロックによってPCとして機能しなくなるようなことも減ったと思う。しかし、ストレージに関しては安全を確保しておくのに越したことはない。特にメモリ系などの極端なオーバークロックをする際などにOSやデータが飛んでしまうということも少なくない。バックアップを取ってれば安全という考え方もあるが、ストレージの電源が入らなくなってしまうようなことも多々考えられる。機能が不能になっても困らないよう予備のストレージを用意して起動ごとにBIOSで切り替えて使うという方法もある。こうすることで万が一の時の不要なコストを抑えることにも繋がるのである。PCショップを探せば安価な中古品に出会えるかもしれない。
オーバークロックに慣れてくるとCPUを交換する機会も増えるだろう。使用済みのCPUを中古市場などに売却して新しいCPUを購入する際の資金にする場合もあるかもしれない。しかし、できるだけ古いCPUは手元に置いておきたいものだ。なぜなら、新リビジョンのCPUを購入してもM/BのBIOSを更新しなければ起動すら出来ないことがある。(ASUSなどの一部のマザーではCPU無しでもBIOS更新が出来るようだが)
また、オーバークロックによる起動不良を起こした際にCPUが機能しているかの確認用として緊急交換して確かめることも出来る。これはCPUに限らず、全部のパーツに当てはまることなので、可能な限り手元に古いパーツは所有しておくことをおすすめしたい。
エタノール、または各種アルコール類だが、オーバークロックを行うのなら必ず用意したい。ある程度オーバークロックに慣れてくると頻繁にパーツを取り替えることも多くなる。メモリやCPUの端子部分は、基本的に一度でも抜き差ししたら目で見えなくても物理的には錆などが発生し抵抗の源が発生してしまうのだ。実際に原因が不明な起動不良などはコレが原因となってることが多かった。特に雨季や湿度の高い時期などは要注意。パーツを差し替える際は必ず端子部分をアルコールで拭くことを心掛けよう。
昨今はハイエンドモデルを中心にグラフィックボードが巨大化している。当然、重量も増えてきているのでケース内で長期使う場合は振動によるネジの緩みに注意したい。取り付けネジが緩むと自重によってカードが下に傾き、マザーボードのPCI-Eスロットへの負担が増えるのだ。ボード側の端子にも良いハズがない。これが原因の起動不良が起こることもよく耳にするようになった。ハイエンドボードをケース内で使用する際は定期的にチェックをしたい。
長期的にオーバークロックしていると、どうしても+12Vや3.3Vラインの電圧が低下したり振れたりしてくる。基本的にパーツの老化や寿命が一番の原因なのだが、プラグイン方式の電源の場合他の要因も含まれていることがあった。プラグイン方式の電源は便利だが、長期に使用すると接続部分に微量の埃や端子の錆で抵抗が増し、その結果ロスが増えてしまう。無水エタノールを使い麺棒などで入念に接続部分のクリーニングを行うと見違えるほど電圧が復活することがある。
不幸にしてCPUが原因で起動不可になる場合、以下の症状が現れる。
(1)の場合、復旧する見込みは薄いが、(2)や(3)なら復旧の見込みはある。
インテル® Core™ i7以降のCPUによく見られる『定格病』の可能性もあるからだ。 『定格病』とは、オーバークロック時に起動不良となった際、CMOSクリアや電池抜きなどをして、一度デフォルト状態に戻す作業をするのだが、デフォルト設定つまり定格設定に戻したことで逆に起動出来なくケースがあるのだ。原因としてCPUの一部が破損か故障していることが想定されるのだが、次の方法で回避出来ることがある。 まず、一度問題のあるCPUを取り外し正常動作の出来る、別の同型番のCPUに差し替える。システムを起動させたらBIOSに入り次の2つのパターンを試してみる。
設定を終えたら一度『F10キー』で設定を保存し、そのままシャットダウンする。 その後、起動しなかったCPUに乗せかえれば、すんなり起動してくることがある。
(A)で駄目なら(B)、または(A)+(B)の合わせ技も試してみよう。
これは定格の電圧では足りずに少し昇圧しなければ起動出来なくなってるか、特定のcoreだけ痛んでしまっていて、そのcoreを除外すれば起動出来るということのようだ。多少電圧が高かったりcoreが減ったりで常用には不利にはなるものの、クロック的なオーバークロック耐性は変わっておらずベンチマークでは使えるケースがほとんどである。 症状が(3)の場合なら、わざわざ別のCPUを乗せ換えなくても試せるので、多少性能はダウンしても常用で使用出来るだろう。
紹介しているパーツは2012年1月現在の情報です。その後変更となる場合がありますのでご了承ください。オーバークロックによりパーツを破損してもzigsow株式会社一切の責任を負いません。
オーバークロックを実施した場合、該当する製品に対する保証を受けられなくなりますので予めご了承ください。