今回レビューするのはELSAのコンパクトサイズ静音ミドルレンジグラフィックスボード「GeForce(R) GTX 750 Ti 2GB S.A.C」です。
ELSA GeForce® GTX 750 Ti 2GB S.A.C - 株式会社 エルザ ジャパン
更新履歴
2015/12/20 新エディタの仕様にあわせてレビューを更新
2015/12/21 「総評と使用履歴」を追記
パッケージと製品の外観
まずはパッケージを見ていきます。
ファンや全体的な作りは比較的しっかりしている印象です。
玄人志向 GF-GTX560TI-E1GHWと大きさを比較
ボードが短めで補助電源が必要ないので、省スペースや省電力のPCに使いやすそうです。厚さは2スロットなので普通ですが、1スロットのものはヒートシンクやファンが薄く、熱に弱くなりがちで、良い印象はないし、1スロットでないと入らないという場合以外は2スロットの方が無難ですね。
右からデュアルリンクDVI-I(デジタル・アナログ出力対応)、デュアルリンクDVI-D(デジタル出力のみ)、MiniHDMI(HDMI1.4準拠)で3つの出力端子、最大で3画面の同時出力が可能らしいです。
ドライバユーティリティCD-ROM、DVI-VGA変換アダプタ、日本語インストールガイド、日本語ユーザーマニュアル、日本語保証書。CD-ROMにはNVIDIAのドライバとマニュアルが入っています。ビデオカードのドライバは更新頻度が早いので最新版が入ってる事は少ないですね。最新版はELSA JapanまたはNVIDIAでダウンロードできます。またELSA JapanではGPU管理ソフトELSA GPU Optimizerをダウンロードする事ができます。
GeForce GTX 560 Tiと比較しながら機能や特長を検証する
ここでは私が今までメインで使っていたグラフィックボード玄人志向 GF-GTX560TI-E1GHWと比較しながら、ELSA GeForce® GTX 750 Ti 2GB S.A.Cの機能や特長を検証します。
PCの構成
OS: Windows 7 Home Premium SP1 64bit
CPU: Intel Core i7-3770K
マザーボード: ASUSTeK P8Z68-V
メモリー: Kingston KVR1333D3N9/4G x2 8GB
ビデオカード: ELSA GeForce® GTX 750 Ti 2GB S.A.C/玄人志向 GF-GTX560TI-E1GHW
HDD: HGST HDS723020BLA642 2TB
※以後ELSA GeForce® GTX 750 Ti 2GB S.A.CをGTX 750 Ti、玄人志向 GF-GTX560TI-E1GHWをGTX 560 Tiと表記します。
それぞれのグラフィックボードで消費電力の計測、ベンチマークテスト等を行いました。
OCCT 4.4.0
POWER SUPPLYで負荷をかけて消費電力を計測。
GTX 750 Ti
アイドル83W 負荷213W
GTX 560 Ti
アイドル106W 負荷358W
負荷をかけた時の消費電力が大幅に減っています。
ファンタシースターオンライン2 キャラクタークリエイト体験版 ver. 2.0
動作検証を録画しながら消費電力を録画しました。録画にはHD PVR Rocketを使用しました。詳細はHD PVR Rocketの「2.3. レビューで活用」に書きました。
※各動画の始点は動作検証(ベンチマークテスト)のボタンを押した音にあわせました。
※設定は初期設定から「ウィンドウモード」の「ウィンドウモード表示」を「フルスクリーン表示」に変更しました。
編集前の動画GTX 750 Ti/GTX 560 Ti
SCOREが58913から76461に上がりました。SCOREが3割近く上がったのに対して、消費電力は100Wほど減っているのでワットパフォーマンスが大幅に上がっています。おそらくグラフィックカード以外の消費電力が100Wくらいあるので、グラフィックカードの消費電力は半分以下、1/3近くまで下がっている事になります。また比較動画を作って気づきましたが、暗転(ローディング)の長さに大きな差があります。ずれが大きいので暗転の度に頭を揃える事も考えましたが、暗転の長さはグラフィック性能の影響のような感じなのでそのままにしました。
3DMark Basic Edition
すべてのSCOREが上がりました。負荷の大きなテストになるにつれて差が大きくなっています。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
少し下がりましたが、ほぼ同じくらいです。
Windows エクスペリエンス インデックス
グラフィックスとゲーム用グラフィックスが0.1下がりました。
Windows エクスペリエンス インデックスで0.1下がったのが少し気になりますが、パフォーマンスは同じか少し上くらいのようです。消費電力はかなり下がったのでワットパフォーマンスは大幅によくなりました。
ゲームプレイ動画
いろいろなゲームを試しながらプレイ動画を録画しました。
動画の録画はHD PVR Rocketを使用しました。詳細はHD PVR Rocketの「2.3. レビューで活用」に書きました。
1. Dota 2
2. Warframe
3. PlanetSide 2
堅実なミドルレンジ
ミドルレンジでコストパフォーマンスが良く、消費電力がかなり低いのでワットパフォーマンスがかなり良いです。また補助電源がいらないのとボードが短いという特徴が、省スペース型PCで使うのに都合がよさそうです。
ミドルレンジ以下のグラフィックスボードでありがちなちゃちな感じはなく、全体的な作りやファンはしっかりしている印象です。静音ファンは高負荷時でも比較的静かなのでゲームなどで音がしてる時に気になる事はなさそうです。
3画面同時出力を試す
このビデオカードは単体で3画面同時出力が可能という事なので実際に試してみました。
1. 3画面でデスクトップを拡張
使用したディスプレイは左から
です。
接続はDVI-IにL367-R、DVI-DにW2363V-WF、MiniHDMIにRDT231WM-Sを接続しました。
初期設定だと拡張になるようなので、接続するだけで表示はされるようですが、位置が実際の配置と違ったりすると思うので、設定を行います。デスクトップを右クリックして出るメニューの「画面の解像度」または「NVIDIA コントロール パネル」で位置とメインディスプレイの設定を行います。
3画面だとデスクトップが広いのでいろいろと便利ですね。
2. NVIDIA Surroundを試す
次はNVIDIAのSurround設定で3画面を1つの画面にしてゲームを試します。「Surroundを使用してディスプレイをスパンする」をチェックして設定を押して設定を行います。
今回は左のディスプレイが小さい上に1024x768までなので細かい設定を行ってもどうしようもなさそうなので、設定は行ないませんでした。ちゃんとした感じにしたい場合はパネルのサイズ、高さなどをしっかり合わせる必要があるので、同じディスプレイまたは近いディスプレイを3つ用意する必要があります。設定を行うと画面の解像度がこのようになります。
ゲーム(Warframe)を起動してみました。
3つディスプレイを揃えてSurroundで遊んだら、良い感じなんでしょうね。もう1つディスプレイが欲しくなりました。
総評と使用履歴
ミドルレンジとして十分な性能がありながら、消費電力がかなり低く抑えられているので、いろいろな用途で扱いやすく、使い勝手が良いです。ファンは高負荷時でも比較的静かなのでゲームをしている時に気になる事はほとんどなさそうです。
2014/05/21
半月ほど使用しましたが、正常に動作しています。性能が大きく向上したわけではないので、ゲームではそれほど体感できませんが、省電力になった分、発熱が減ったみたいで暖房としての性能が落ちました。夏場はPCの発熱が減ると、冷房の消費電力も減るので、そちらでも少し省電力になりそうです。
2014/07/09
2ヶ月ほど使用しましたが、正常に動作しています。7月になりましたが、省電力で発熱が少ないので今のところ冷房なしで過ごしています。
2015/12/21
8ヶ月ほど使用しましたが、正常に動作しています。Windows 10で使ってみましたが、今のところ問題はないようです。
CLWさん
2014/05/08
n-eさん
2014/05/08
はにゃさん
2014/05/08
ワットパフォーマンスからGTX560無印からGTX750Tiへの更新を考えてたのですが、
560Tiに比べてこれぐらいの性能なら満足できそうです。
n-eさん
2014/05/08
基本的なグラフィック性能は560 Tiとそれほど大きくは変わらないみたいですが、ワットパフォーマンスはかなり違いますね。
そういえば750 TiはDirectX11.2に対応しているので、メインPCのOSを更新する理由ができたけど、11.2の恩恵を受けられるゲームってどれくらいあるんだろうか。
のんさん
2014/05/09
Maxwellアーキテクチャなんでしたっけ?これは。
消費電力の下がり具合が半端ないですね。
3画面同時出力良いですねー。
私も一時期やってましたが、視線移動が辛くてやめてしまいました。
n-eさん
2014/05/09