格ゲーではかかせないデバイスのひとつが、アーケードコントローラ。
通称「アケコン」。
アケコンの種類もさまざまで、値段もピンキリ。しかも、コンシューマー機ごとに互換性がないものがほとんどなので、複数のゲーム機を持っていると、アケコンの台数も自ずと増えてしまう。
お金にもスペースにも限りがあるので、できうる限りひとつのアケコンを使い回したい……
今回は、そんな悩みを解決するちょっとマニアックな製品「UFB」の中から、PS4(PS5での起動含む)、PS3、Switch、PCの4機種に対応した「PS4+ Audio Fighting Board」をレビューします。
■UFBとは
そもそもUFBとはなんなのか。UFBとは「Universal Fighting Board」の略で、Brook社が販売している低遅延がウリのコントローラ基板。
またひとことにUFBといっても種類はさまざまで、最新のPS5に対応しているモデルだったり、XBOX SERIES X|SからWii Uといったさまざまな機種に対応しているモデルだったり、ワイヤレス対応だったりと機能や性能も豊富です。
今回は、PS4(PS5での起動含む)PS3、Switch、PC、の4機種Pに対応し、かつPS4ではヘッドセットも使える「PS4+ Audio Fighting Board」を試してみました。
「PS4+ Audio Fighting Board」のメリット
「PS4+ Audio Fighting Board」のメリットは、なんといってもPS4とswitchに互換性があるというもの。
PS5が発売されたとはいえ、まだまだPS4は現役。しかも市販されている多くのアケコンは、PS4とswitchの互換性はないため、お気に入りのアケコンがあったとしても、どちらかの機種では使うことができません。
筆者は古くからMad Catz製の「Arcade FightStick Tournament Edition 2」通称「TE2」を愛用しているため、switchでもTE2を使いたいという希望がありました。さらに、TE2は古いアケコンでもあるため、音声出力がついていません。
せっかくならばPS4で使用する時はアケコンから音声を出力。友人とボイスチャットで会話できるようにしたいというのも狙いです。
▲なんといっても内部にアクセスしやすいのがTE2の魅力。ボタンやレバーの換装はとっても簡単
■別売りのケーブルで楽々接続!
UFBの接続方法は簡単といえば簡単だが、結構労力のいる作業。
アケコンのボタンやレバーに付いている配線をばらし、UFB基板にある青いユニットに差し込むといった行程が非常に面倒です。
▲青いユニットには合計20個の差し込み口があり、□ボタンや◯ボタン、上下左右キーそれぞれに対応した差し込み口に線を挿入し、ネジ止めする必要があります。
アケコンによっては、もともとついている配線が特殊形状なものもあり、勇気を出して配線を切断。電光ペンチで皮膜を取り去り、青いユニットに挿入。文字にしただけでもうんざりする作業。
そんな作業を省くことができるのがこちらの便利ハーネス!
▲その名も「Fighting Board Cable」
「Fighting Board Cable」があれば、UFB本体のコネクタに接続するだけで、先述した行程をスキップ! あとはレバー部分とボタン部分に配線するだけで完成してしまう優れものです。
▲こんな感じで、黒いコネクタをUFBの基板部分に差し込む。向きが決まっているので、配線の色を確認して写真のように差し込みます
▲5ピン端子はアケコンのレバー部分に接続する。ツメがあり、こちらも向きが決まっているのでレバー側のツメに合わせて接続する
▲残りのファストン端子は各種ボタンに接続していく。カラー+黒の組み合わせでひとつひとつ接続していく。
どの色がどのボタンなのかは、説明書とにらめっこをして確認するのだが、これもまたちょっと大変……。
(参考:https://www.brookaccessory.com/library/dl_file.php?catname=User%20Guide&id=175&type=1&dir=download)
手っ取り早くPS4接続時におけるボタンと色の関係を下記にまとめたので参考にしてみてください。
▲このように数珠つなぎになっている黒い線はGND配線で、カラーの線と対で接続する。GNDはざっくりいうと通電するための配線
◯/黄
△/赤
□/青
×/橙
R1/灰(青、赤、紫と結ばれている方)
R2/緑
L1/紫
L2/黒(橙、緑、黄と結ばれている方))
PS/灰(赤、白と結ばれている方)
OPTION/白
SHARE/赤(灰、白と結ばれている方)
■いざ! 取り付け!
配線さえわかってしまえば、あとは取り付けるだけ。TE2の既存のケーブルを引っこ抜き、余計な配線は極力排除。レバーとボタン部分の配線を完成させようと思います。
▲なかなか綺麗に配線できたのではないだろうか。結束バンドを使えば、ケーブルの見た目もスッキリ!
ちなみに、UFB基板はアケコン本体に穴を開けたり、アケコン本体のネジ穴を再利用してネジ止めするのがベターだが、TE2にはそんな都合のいいネジ穴がなかったのと、穴開けは最終手段にしたいので、ひとまず耐震マットでくっつけてみました。
▲困ったときのダイソー。100円で耐震マットが買えるのはうれしい
▲本体とピタッと吸着。よほど力を入れない限り動くことはないだろう
しかし、ここで思わぬアクシデント!!!
察しのいい人ならば気づいているかも知れないが、TE2の背面ボタンは、OPTIONボタンとSHAREボタンだけ。PSボタンは本体天板部分にあるため、ボタンがひとつ足りない。
また、「Fighting Board Cable」のケーブルが短いため、なかなか取り回しがシビアな状況に……。応急処置でケーブル穴からボタンを増設。見た目は不格好だが、早く動かしたい衝動が勝り、ひとまずこれで対応することにしました。
▲とりあえずどうにかなりそう
ちなみに「Fighting Board Cable」にはもうひとつ4ピン接続するケーブルも付属しているが、今回は使用しなかったため割愛。肝心のUSB接続部分も背面のケーブル穴から取り出していざ動作確認へ!
▲背面部分は今後の課題となりそうだ
低遅延で操作感はバッチリ!
UFBは低遅延をうたっているだけあって、操作感はピカイチ★
今回はもともと性能のいいTE2での換装だが、例えばPS2版やセガサターン版といったかつてのアケコンに換装することで、倉庫の肥やしとなっていたアケコンが現役バリバリのアケコンに様変わりできるポテンシャルを持っているのが魅力です。
PS4で使用中はイヤホンジャックにヘッドセットを差し込めば、即座に音声デバイスが変更される。まるで純正のコントローラのような挙動をしてくれるのはありがたい。
なお、基本的には接続した機器を自動で認識してくれるが、手動でも認識させることが可能。もし操作ができない場合は下記のボタンを押しながらアケコンを接続してみるといいでしょう。
PS3→□ボタン
PS4→△ボタン
PC→R1ボタン
Switch→×ボタン
▲TE2でSwitchの『ウルトラストリートファイター II』をプレイ。操作感も問題なし!
1台4役というマルチなアケコンが誕生しました!
今回は紹介していませんが、自分が1P、2PなのかがわかるLED機能や、右スティック、左スティック、方向キー切り替えや、連射機能。
R3やL3といった押し込みボタンにも対応と、まさに至れり尽くせりです。慣れ親しんだアケコンをパワーアップさせるもよし、自作アケコンでたったひとつのアケコンを作るのもよしと、楽しみ方もさまざま。
しかし、気になった点もいくつか。ひとつはコネクタの形状。PS4オーディオに対応しているイヤホンジャックは、本体に接続するためのUSBコネクタと同じ位置にあるため、背面につければヘッドセットが、前面に付ければUSBケーブルのクリアランスが悪くなります。
▲「PS4+ Audio Fighting Board」にはイヤホンジャック付きのコネクタが付属。ここにヘッドセットをつなげば、PS4のボイスチャットが利用できます。
基本的にヘッドセットはアケコンの前面で接続したいが、そうすると本体と接続するUSBケーブルが邪魔になってしまう形状。
解決策としてはUSBケーブルは基板側のコネクタから取り、音声は上記のコネクタから取るというやり方があるが、やはり個人的にはコネクタは別々にしてほしかったです。
▲本体側にもUSBコネクタがある。こちらから接続しても問題なく認識するので、イヤホンジャックと分けたい人はこちらを使うといいと思います
また、既存のアケコンに換装する場合、やはりボタン配置がネックに。
足りないボタンをどうやって補うのかは難しいポイントだと思います。直接穴を開けることができる機材や技術があれば問題ないが、この辺は敷居が高くなるポイントだといえるでしょう。
まああとは、最初から分かっていたことですが、どうせならPCやSwitchでも音声出力できたらと欲がでてしまいました(笑)。
今後は背面をもう少し美しくするために、穴を開けてボタンを増設したり、シューティング用に連射機能を使ってみたりと、より完成度の高いTE2改へと進化させたいと思っています。
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