● はじめに
今回は、Technogel(R)Sleeping Contour Pillow II の徹底レビューです。
最近、枕を買い替える機会があり、その際、値段は少々高くても、機能性が高く、よく眠れる枕にしたいと思って探しましたが、不明にしてTechnogel(R)Sleeping については全く知りませんでした。
検討したのは、楽天のランキングでトップだったスージーAS快眠枕や、クッションを使って調子が良かったエアウィーヴシリーズの枕などでしたが、前者は形が特殊で、自分に合わなかったときが心配だったため、結局、シンプルな形のエアウィーヴ・ピロー・スタンダード にしました。
この枕も悪くはないのですが、さりとて寝心地が特に良くなったわけでもなく、なんとなく物足りない気分になっていたところ、今回のレビューの企画があり、応募した次第です。
● フィッティングサービス体験レビュー
枕については、どんなに評判が良くても、自分に合わなければ意味がありません。そういう意味で、専門のアドバイザーの説明や検査を受けながら自分に合った枕を選べるフィッティングサービスは、高級枕を選ぶ際の決め手の一つとなりえます。
Technogel(R)Sleeping については、2017年6月19日に東京の日本橋にショールームがオープンし、Technogel(R)SleepingやそのほかのTechnogel商品を実際に使って体験することができるとともに、スタッフから、どのような枕を選んだらよいかについてのアドバイスを受けることもできます。
ショールームの場所は、地番こそ日本橋ですが、最寄りの駅は、都営新宿線の馬喰横山駅(徒歩5分)、都営浅草線の東日本橋駅(徒歩5分)またはJR総武本線の馬喰町駅(徒歩7分)となっており、いずれもメジャーな駅ではありません。また、近くに大きな商業施設はなく、目立つような看板もないので、最初は少し分かりにくいかもしれません。私も訪問したのが夕方遅くで周りが暗かったこともあって、見つけるまでに少々迷いましたが、スマホの地図アプリの道案内で無事到着することができました。
ただ、残念だったのは、営業日が平日のみである反面、営業時間は12:00~20:00と比較的夜遅くまでやっているものの(そのおかげで私も仕事帰りに寄ることができました。)、常に人がつめている訳ではないことです。今回も、予約をしていた19:00の約40分前に到着したところ、写真のようにドアが閉まっており、入ることができませんでした。しかも、電話受付時間が 18:00までとなっているため、連絡をとることすらできませんでした。この辺りは、改善を望みたいと思います。
さて、予定の19:00前にはスタッフも戻ってきており、フィッティングサービスが始まりました。まずは、パンフレットや見本を見せてもらいながら、Technogel についての説明を受けます。既に、商品のことをよく知っている人であれば省略できるかもしれませんが、今回は、モニターとしてこの商品のことをよく知りたいという気持ちもあり、しっかり聞いてきました。
まず、このTechnogel(R)Sleeping の最大の特徴であるテクノジェルの特徴を、枕の素材として人気のある低反発ウレタンや高反発ウレタンと比較しつつ、実際に触って確かめていきます。
テクノジェルとは、要するに、水のように自在に変形する柔軟性があるという点では、低反発のやわらかさを備え、沈み過ぎない弾力性があるという点では、高反発の寝返り性を備え、両者のいいとこどりを実現しているとのことです。
また、中央がくぼんで後頭部がすっと収まるとともに、辺が湾曲して肩にフィットするエルゴノミー設計は、他の枕でも見かけますが、ウレタン枕でありながら湿気がこもらないように空気を逃がす通気システムを採用しているのは素晴らしいと思いました。
最後に、どんなに素晴らしい機能性枕でも、数年でダメになるなら意味がないとのことで、10年分の寝返りを想定して圧縮試験でも復元率99.2パーセントを達成したというのは心強いです。
説明後は、いよいよ実際にモニターする枕選びです。ショールームには、Technogel(R)Sleeping として、今回モニターする Contour Pillow II のほかに、形の違うAnatomic PillowII と Deluxe PillowII も扱っており、また、それぞれ高さが違うモデルが3種類(7cm 9cm 11cm)あるため、9通りのパターンを試すことができます。
まずは高さについてですが、実際に寝た状態で枕を当ててフィット状態を見ていきます。実は、このショールームには、Technogelを贅沢に使った新型マットレスArmoniaとPiacere も展示してあり、その上に寝て枕を合わせていきます。Armoniaはしっかりした弾力性を備えたモデル、Piacereはやわらかい柔軟性を備えたモデルということで、今回は、自宅の布団に近いArmoniaの方で試すことにしました。
高さについては、低い方から試していきましたが、どのモデルでも包み込まれるようなフィット感と弾力性のバランスが素晴らしく、しかもマットレスまで同様の気持ちよさのため、横たわっているだけで眠くなったのには参りました。今回のモニターとは関係ありませんが、このマットレスも只者ではありません。ただし、値段もシングルで約25万円となかなかのものです。
ところで、今回、フィッティングをやっていただいたスタッフの方は、名刺によると「睡眠環境・寝具指導士」の肩書を持っておられました。これは、睡眠及び寝室環境と寝具寝装品の正しい知識を有し、アドバイスのできる人材を、一般社団法人日本寝具寝装品協会と一般財団法人日本ふとん協会が、日本睡眠環境学会の協力を得て認定する資格で、現在全国で、650名ほどの認定資格者がいるようです。
今回の説明もきちんとした知識に基づいていることが随所に感じられるもので、寝た時の首の傾きの把握の仕方、枕と接する首や肩の状態の把握の仕方、寝返りをした際の姿勢の確認ポイントなど、具体的で分かりやすい説明をいただき、納得の上、高さ9cmのモデルを選択しました。
また、せっかくですので、同じ高さ9cmで形の違うものも試してみました。下の写真の左の青色のタグのものが Anatomic PillowIIで、中央がくぼんでいるものの左右の高さは同じで、肩口もまっすぐなタイプで、首が長めで横向け寝が多い人向き用とのことです。
また、真ん中の黄色のタグのものが Deluxe PillowIIで、全てがフラットなタイプで、首がストレートに近く後頭部が丸みのない人向きとのことです。
そして、右のえんじ色のタグのものが Contour Pillow IIで、これが今回のモニター商品となります。
最後に、商品の手入れの方法などについても説明を受けました。特殊なジェルを使っているが素材としてはウレタンフォームなので、洗濯や天日干しはできず、日陰であっても干すのはやめた方がいいといったことなどです。
また、そのため、枕を保護するカバーが大切だとのことで、本体に付属するベーシックカバーに加え、プラチナコットンカバーの使用も勧められました。今回は、モニターということで、ショールームに展示してあったものの中からシルバーのものをつけていただきました。
これで準備が整いましたので、後は自宅で実際に使用してみるだけです。ショールームを去る前に、ほかにも面白そうなものがあったので、撮影してみました。右の列、真ん中の棚にあるのはTravel Suppotrs といって旅行時に携帯して使用するもの、右の列、下の棚にあるのはForty Winks Pillow といって机の上に突っ伏して寝る際に使うもので、日本限定モデルとのことです。また、左の列、真ん中の棚にあるものはクッションで、下の棚がランバーサポートになります。
こうしてみると、ラインナップはなんだか airweave に似ていますね。
●Technogel(R)Sleeping Contour Pillow II 徹底レビュー
Technogel(R)Sleeping Contour Pillow IIを箱から出してまず感じるのは、そのずっしりとした重さで、約3kgあります。
他のモデルとの違いは、肩に接する辺が湾曲して高くなり、首が接する部分が低くなって頭を包み込むような形となることによって、肩に隙間を作らず首や肩の負担を和らげ、仰向けでも横向きでも合いやすくなっているところです。下の写真のように斜め上から見てみると、その複雑な形がよく分かります。日本人の体形に合いやすいということで、いま一番の売れ筋となっているとのことです。
カバーを取ってみると、下の写真のように薄い布に包まれた本体が入っています。宣伝用には、青いテクノジェルが露出した写真が用いられていますが、実際にはテクノジェルを保護するためもあって、この布ははずれないようになっており、ユーザーがテクノジェルを直接目にすることはありません。
これまで使っていたエアウィーヴ・ピロー・スタンダードと並べてみると、大きさ自体は、それよりも一回り小さく、形は複雑であることが分かります。
一番の違いは素材の質感で、エアウィーヴ・ピローがとても軽く、片手で持っても形が崩れないのに対し、Technogel(R)Sleeping Contour Pillow IIは、ずっしりとした重みがあり、自らの重みと柔らかさによってくにゃっと曲がってしまうことです。布団に置いたときの安定感が高く、ペトッと吸い付くような感じで固定されるのは悪くはないのですが、片づけたりするときは、片手でひょいと動かすようなことはできず、両手で持って移動させる必要があります。
プラチナコットンカバーを付けると下の写真のようになりますが、枕の形が分からなくなるので、モニターは通常のカバーのみをつけた状態で行います。
さて、実際に頭を当ててみると、枕全体が、肩、首、頭全体を包み込むようになじみ、自然とリラックスした気分になります。枕自体はとても安定しており、ガサガサ動くようなことはありません。そして、テクノジェルの効果なのか、少しだけひんやりとした感触がありながら、適度な反発力で頭を支えてくれます。
横から見ると頸椎が自然な感じで伸び、肩や首に余計な力が加わっていないのがよく分かると思います。
また、寝返りをしても、安定感は変わらず、左右の縁が高くなっているため、腕が窮屈になることもありません。
エアウィーヴ・ピローのときもそうでしたが、枕を変えると、大抵、最初のうちは違和感があって慣れないものですが、Technogel(R)Sleeping Contour Pillow IIの場合は、そうしたことが全くなく、初日から熟睡することができました。
現在、使い始めて10日ほどが経ちましたが、ずっと昔から使っているようになじんでいます。そして、最近では、枕を使っていることすら意識しないようになってきましたが、これも、体が枕に合わせるのではなく、枕の方が体に合わせてくれるというこの枕の特性によるものと思われます。
Technogel(R)Sleepingは、もともと車椅子のシートや手術台といった医療用のために開発されたようですが、確かに、これまでの枕とは質的に違うことを実感します。日本での販売開始から10年、ネット等での認知度もあがってきているようで、そろそろブレイクする予感がします。
プレミアムレビューとしては一旦、ここで終了しますが、長期間使った結果については、いずれまた報告したいと思います。
● 追記(2019年6月)
レビューをアップしたのが2018年の8月でしたから、約1年使用してきましたので、長期使用の結果をお伝えします。
結論からいうと、すっかり体になじみ、毎日気持ちよく安眠できています。適度な硬さで頭や肩を支えてくれるので、本当に枕をしていることを意識させません。当初は、エアウィーブと交替で使ったりしていましたが、ここ半年は、もうこの枕一本です。
心配なのは耐久性だけですが、1年経ったところではへたりなどは全くありません。洗ったり、天日干しができないので、まめにカバーを変えるなど気を使っているおかげか、匂いがついたりすることもありません。
今後のできるだけ長く使っていきたいと思います。
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