レビューメディア「ジグソー」

価格以上の高級感と音質で間違いなくお薦めの一品です

  はじめに           


 

 

 

 

この度、Klipsch社製のネックバンド型Bluetoothイヤホン R5 Neckbandのチャレンジレビューに選出されました。久しぶりのプレミアムレビューなので色々と試してみました。

 

僕自身はあまり高級なイヤホンは持っていなくて、どこかにしまい込んだままになっているER-4Sが手持ちのイヤホンでは最高価格だったと思います。ER-4Sは耳に押し込むのが耐えられずにお蔵入りになってしまっています...。

 

そういう意味では比較的カジュアルな使い方がメインのレビューになるかと思います。よろしくお願いいたします。 

 

 

  仕様             


 

僕はKlipsch社の経歴やR5 Neckband誕生の背景について特に詳しく知っているわけではないのですが、簡単に R5 Neckbandの仕様などを紹介します。

 

ドライバーはΦ5mmのダイナミック型ドライバーです。aptXやAACに対応しているので、それなりに高音質で聞くことができそうです。

 

 

接続はBluetoothのみで、有線接続はできません。機内でのBT接続が許可されていない飛行機も結構あるので、海外出張などが多い方にはつらいシーンもあるかもしれません。

 

防水はIPX4相当。水滴がかかっても大丈夫というレベルです(水につけてはダメです。きっと壊れます)。

 

 


  R5 Neckbandの本体と付属品  


 

 

R5 Neckbandは、Klipsch社のBluetoothネックバンドイヤホンシリーズのエントリーモデルです。上位機種には、シングル BAながら同社オリジナルのBAドライバーを使用したX12 Neckband や ダイナミック型のR6 Neckbandがあります。本体のデザイン的にも、上位2機種はネックバンド部分が太く、この中にバッテリーが入っているのに対し、R5 Neckbandはネックバンド部分がとても細く、バッテリーは鎖骨部分にあたる両端のパーツの片方に内蔵されています。

 

高級感という観点では上位機種よりも劣る面もありますが、細身のネックバンドというのも捨てたものではなく、目立ちすぎずに良いというシーンもあるのではないかと思います。あとは上位機よりも収納時にかさばらなそうなのもポイントかもしれません。

 

 

付属品は、各サイズのイヤーピースと充電用のUSBケーブル、取扱説明書です。上位モデルに付属しているコンプライ製のイヤーチップは残念ながら付属していません。

 

僕がレビューしたのはネックバンドがブラウンのタイプで、もう1色ブラックタイプもあります。 

 

  手に取った時の質感        


 

  ハウジング部  



箱を開けてR5 Neckbandを手に取った時に、ハウジング部小ささと軽さに驚きました。茶と黒の落ち着いた2トーンの配色で、耳に装着していても悪目立ちせず使用するシーンを選ばないと思います。

 

 

 

LRの表記は ハウジングの下面にあります。 暗い所だと見えにくいように思うかもしれませんが、コントローラーを普通に操作できるように装着するとLRは自動的に決まってしまうので迷うことはないと思います。下面には空気抜きの穴(バスレフポート?)もあります。

 

 

 

 

  ネックバンド部  



ネックバンド部にはバッテリーやコントローラー部があるので、手に持ってみると多少の重さは感じます。首にかける部分は細身で、色むらもない上質な本革仕上げになっています。

 

こういったところの仕上げがR5 Neckbandの大きなポイントになっていると思います。市場の同価格帯の製品でも本革製というのは見たことがないので、大きなポイントになっていると思います。

 

 

 

 

  コントローラー部  


 

 

上位機種がネックバンド部にバッテリーを内蔵しているのに対し、R5 Neckbandはコントローラー部にバッテリーを内蔵しているせいか、ネックバンド部から急に大きなコントローラーにつながっている感じがしました。

 

バッテリーを内蔵しているため難しい面もあるかもしれませんが、デザイン的にはコントローラー部をもう少し小さくできればなお良かったのでは?と思いました。

 



 

  装着感                 


 

  ハウジング部  


 

下の写真は、左からSONY MDR-NWBT10N、QCY QY8、そしてKlipsch R5 Neckbandのハウジング部分です。R5 NeckBandはひときわハウジングが小さいのがわかると思います。

 

ハウジング部の重量は、軽い順に R5 NeckBand ⇒ MDR-NWBT10N(4g,全体で27g) ⇒ QY8(8g, 全体で18g)となっています。

 

R5 Neckbandは全体的な重量は一番重いのですが、そのほとんどはネックバンド部とコントローラー部の重量であり、耳につけるハウジングは本当に軽く小さいので着けている感じを忘れるくらいです。

 

 

実際にR5 Neckbandを4時間ほどつけっぱなしにしていましたが特に痛みや気になるところもなく、快適に装着できました。

 

これがMDR-NWBT10Nでは横を向いたときにケーブルが引っかかったりして気になることがありました。またQY8はステムが一番太く、僕の耳では圧迫感を感じることが多かったです。

 

またR5 Neckbandはステムがとても細いので、耳の小さな人でも気にならずに使用できるのではないかと思います。(その反面、100均などで売っているイヤーピースは緩すぎて使えなかったりしますが)

 

 

 

イヤーピースは、通常のカナルタイプのサイズ違いS,M,L 3種類に加えて、2段キノコタイプが付属しています。傘の広がっている部分はかなり薄くて光が透けて見えます。

 

僕の耳は今までのイヤホンでも通常Mサイズくらいで使用しています。個人差は当然あると思いますが、僕が使用した感じではR5 NeckbandのイヤーピースもMサイズが最も合っていたと感じました。

 

Sサイズ
僕の耳には少し小さかったようで、軽く差し込んだ状態ではMサイズよりズレやすい感じでした。

 

Mサイズ
一番相性が良かったです。僕はあまりしないのですが、耳を引っ張って奥に差し込んでみても、圧迫感はあるものの付属のイヤーピースでは最も違和感は少なかったです。

 

Lサイズ
普通に軽く差し込んでカジュアルに聞く分にはMサイズよりも抜けにくくて良いかもしれません。傘部分の肉厚が薄いので少し大きめでも意外とよくフィットしていました。ただし耳の奥まで差し込むとやはりサイズ差がでるのか、耳が痛くなりました。

 

2段キノコ

僕の耳との相性問題なのか?先端部が細くて全長が長い形状のためか?フィットしている感じは少なかったです。きちんと差し込めば良いのですが、差し込む位置と方向に結構気を遣う感じだったので、使いやすさの点ではMとかLのほうが良かったです。

 

  ネックバンド部  


 

ネックバンドの装着感は、主に僕の身体的特徴により思いがけない結果となりました。

 

R5 Neckbandを使用している時の写真撮影を家族に頼んでいたのですが、撮影された写真を確認すると、どうも当初イメージしていた首からぶら下げるというイメージよりは首に巻きついている?貼りついている?感じでした。

 

 

『ネックバンドが意外と短いのか?』と思いながらも試しに家族がつけてみると、これはまさに首からぶら下げている感じでした。女性なので首は細いのですが、それにしてもこの差は...?

 

 

首の太さに関する調査結果は考察としてレビューの最後にまとめていますが、結論から言うと僕の首は統計的には日本人の数%しかいないほどの首の太さ(笑)ということでした。

 

こんな困った状況になる方はあまりいないでしょうが、首の太い自覚のある方は実際に試してみてから購入を検討されたほうが良いかもしれません。

 

 

  音質                   



R5 Neckbandの音質を確認してみました。使用機材は最後の方に記載しています。

イヤーチップはMサイズを使用して、いちおう軽く差しただけの状態と、押し込んだ状態で聞いています。

 

ただし、個人的な問題ですがイヤホンを耳奥に差したままで長時間音楽を聴くのはなんとも耐え難いため、視聴時間の大半は軽く差した状態でのです。音質的には耳を引っ張ってイヤーチップを奥まで挿し込んだほうが良いのはわかるのですが、耳が痛くなってしまうので何とも..。

 

  aptX接続  


 

R5 Neckbandはやや低音よりのバランスかなと思いましたが、良い意味で楽しく聞ける感じでした。

低音よりとはいっても、QY8よりも低音の解像度は高く低音が邪魔だと感じるシーンはほとんどありませんでした。

 

ボーカルも解像感重視というわけではないですが、きれいに聞こえていました。女性ボーカルでもサ行が突き刺さることもないですし、Rock,JazzからJ-POPまでボーカルの再生で不満を感じることはありませんでした。

 

最初の頃は弦をはじいた時のエコー感が少し硬い?感じもしましたが、レビュー中に100時間(連続動作時間の測定で音楽を鳴らしたまま放置していた時間を含みます)程度鳴らした後では、多少エージングが進んだのか僕の耳が慣れたのか、初期に感じたちょっとした違和感はなくなっていました。

 

Classicでも意外と頑張っており、FIGURE CLASSICのリベルタンゴでは、もの悲し気に始まるバイオリンソロから、躍動感あふれるメインパートまで、クラシックの再生でもまともに聞こえていたので嬉しかったです。

 

 

手持ちのイヤホンが安物ばかりで音質的にはあまり比較にならなかったので、オープンエアのヘッドホンとの比較も一応してみました。

 

AKGのK701です。オープンエアなので音量を上げないと鼓膜を圧迫するような音圧にはならないのですが、その分繊細で軽やかな音が印象的です。高音はとても解像度が高い印象で、ボーカルや弦楽器の生々しさはやはり違うなと感じさせられます。低音も帯域的にはかなり出てはいると思うのですが、なんとなく軽い印象で、解像度はともかく音圧感という意味では(R5 Neckbandがやや低音よりということもあると思いますが)R5 Neckbandのほうが迫力はあったかな思います。

 

原音主義ならばK701かと思いますが、出先で好きな音楽をよい感じに聞きたいというならば、R5 Neckbandは上手くバランスを取っているなと思いました。(そもそもK701を外出先で使う度胸は持っていませんが..)

 

 

  SBC接続  


 

 

レビューの一環として、短時間ですがSBCで聞いてもみました。

僕は騒がしい場所でもあまりイヤホンの音量を上げないので、電車の中など騒がしい場所で聞いている限りではSBCでも思ったよりはaptXとの差は少なかったです。というか外部の騒音を遮断したいと思いました...。

 

比較的静かな場所で聞いているとやはりaptXとの差は感じます。どの程度のビットレートで接続されているか確認はできなかったのですが、艶っぽさがなくなるというかボーカルもバイオリンもやや平坦な感じに聞こえてしまいます。PCで作業をしながら聞いていても、aptXはつい聞き入ってしまう曲が、なんだかBGM的に流して聞いてしまっているというような状況がありました。

 

aptXができる環境では積極的にSBCを選ぶ意味はありませんが、BTの標準コーデックなので、どの機器でも使えるというのが最大のメリットですね。

 

 

  ケーブルのタッチノイズ      


 

R5 Neckbandはネックバンドタイプなので、僕が持っている普通?のMDR-NWBT10NやQY8とのタッチノイズの差について測定してみました。測定方法はこのレビューの最後の方にまとめています。

 

直接ケーブルを振ってみたりはじいてみたりすると3機種ともあまり差はないのですが、実際に装着して首を振ったりするとR5 Neckbandもタッチノイズは発生するものの、他の2機種よりも少なかったです。これはR5 Neckbandの大きな利点だと思います。

 

ケーブルを振ったり指で弾いたりしたとき

 

ケーブルをつまんで故意に振ったりこすったりしているので構造的な差は出にくいのですが、100Hz以下ではR5 Neckbandが最もタッチノイズが少なく、QY8との比較では10~20dB程度の差があります。ただし100Hz以上では3機種とも大差ない感じです。

QY8のケーブルが一番太くて硬いので、ケーブルの柔らかさが影響しているのかもしれません。

 

 

 

首を振った時

 

首を振った場合は、ケーブルと肌や衣類との接触具合の影響が出てきます。一般的にはもちろん接触面積の少ないほうがケーブルのタッチノイズが少ないと考えられます。

R5 Neckbandは、3機種の中では首を振った時のタッチノイズが最も小さいです。しかもケーブルを振った時よりも他機種との差が広がっており、ネックバンドタイプのタッチノイズの少なさが表れています。

 

 

 

  充電時間と動作時間         


 

R5 Neckbandの仕様上は、『充電時間1時間、連続使用時間8時間』と記載されています。

 

そこで充電時間と連続使用時間を調べてみました。測定方法は簡単で、PCのWebカメラでR5 NeckbandのLED部のビデオを撮るだけです。

 

  充電時間  


 

『充電表示LEDが消えるまで』という意味での充電時間は1時間37分でした。ただし1時間充電で電池容量の80%程度まで充電できます。

 

 

『製品仕様よりも充電時間が長いじゃないか?』と思われる方も多いと思いますが、連続使用時間も意外と長いのでトータルとしては問題ないのではないかと思います。 

 

  連続使用時間  


 

フル充電後の連続使用時間は14.5時間でした。フル充電後からPCでspitzのアルバムをループ再生させてPCのWebカメラで動画撮影してLEDが消灯するまでの時間を測定しました。

 

『12時間もあれば余裕だろう..』と思って、夕食後に測定開始。寝ている間に測定は終わるだろうと思って翌朝確認してみたところ未だ再生中..。

12.5時間まで連続再生させましたが、いよいよ出勤時間となったため一旦電源を切って夜に続きを測定し、トータルで14.5時間でした。

 

BT親機との距離は1m程度、屋内で移動なしなので電波状態が良く、音量も通常+α程度なので最悪条件ではないですが、それにしても持ちました...。

 

充電時間も長かったですが、再生時間も長かったのでおそらく1時間充電すれば余裕で8時間再生はできるのではないかと思います。そういった意味では間違っていないのかもしれません。

 

 

  防水性                    


 

Klipsch R5 Neckbandは、ハウジング部がIPX4相当の防水性があると書かれています。

IPX3は『上の方から水滴がかかっても大丈夫』という、いわゆる防滴性なので、水につけることはできません。

 

水洗いはできませんが、夏場に使用して汗に濡れるくらいなら大丈夫という想定でしょう。

僕が気になったのは、『ハウジング部が防水だったとしてもネックバンド部の皮革部分に汗が染みこんで汚れてしまうのでは?』ということでした。

  

そこで関西地方が連日35℃を超えていた時期にR5 Neckbandをつけたままで屋外BBQとかをしてみましたが、ハウジング部はもちろん、ネックバンド部も汗に濡れてしまったのですが、特に汗が染み込むこともなく、汗染みのようなものもできませんでした。長年使用していると経年劣化というものもあると思いますが、少なくとも新品状態では結構大丈夫そうでした。

 

また、これも霧吹きで結構濡らした状態で乾くまでの間Webカメラで撮影してみました。
再生できるのはもちろんのこと、本革製のネックバンド部分に水がしみ込んだりしないか確認したのですが、全く問題はありませんでした。

 

 

  携帯性                     


 

携帯性は、R5 Neckband最大の問題点かもしれません。

 

MDR-NWBT10Nも、QY8も100均などで売っている小さなケースにも余裕で入ります。ポケットにも入りますが、R5 Neckbandはさすがにポケットには入りません。

 

一応、できるだけコンパクトに収納できないかを考えてみたのでその紹介だけ。
R5 Neckbandのネックバンド部分の弾性(復元力)が思ったよりも強く、不本意ですが劇的にコンパクトな収納方法は見つかりませんでした。 

 

①B5くらいの書類が入りそうなソフトケースに収納

 

 問題なく入りますが、あまりスマートとは言い難い感じです。

 

 

 

②100均で購入した小さなバッグ(21cm × 16cm)に収納

 

このバッグならば軽く押し込むだけで問題なく入ります。実用的にはこの程度が限界でしょうか?

 

 

③ ②より一回り小さめなバッグ(16cm × 12cm)に無理やり収納

 

一回り小さく収納しようとするだけでここまで大変になるのか?という例です。

 

そのままでは入りそうな気がしません..。

 

 

仕方がないので無理やりマジックテープで止めてみます。復元力が強いので、止める途中で力が抜けるとあっというまに元に戻ってしまいます。

 

なんとか収納できましたが、バッグが上下に膨らんでいます..。

 

 

一回り小さいバッグとは言っても、②のバッグよりほんの少ししか小さくなっていません。

 

 

  ヘッドセットの使用感            


 

ほぼBluetoothイヤホンとしか見ていないR5 Neckbandですが、CVC6.0(クリアボイスキャプチャー)というマイクのノイズキャンセル?機能を持った、れっきとしたヘッドセットです。

 

一応LINE通話で使ってみたのですが、首にかけたままの通話では、マイクの性能云々というより恥ずかしさが先に立って『勘弁してくれ..』と思いました。

何もない空中に向かって大きな独り言を話している様は、妙な気恥しさがあり精神的に話しやすい感じではなかったです。

 

それよりも、マイクの内蔵されている右側のコントローラー部を少し持ち上げて話すほうが、マイクに向かって話している感じがでて話しやすかったです。またマイクとの距離も多少近くなるので相手も聞きやすいとのことでした。

 

肝心のCVC6.0の効果は、ON/OFFの比較ができないので何とも言えませんが、劇的に話しやすいという印象ではありませんでした。結局マイクを口に近づけるのが一番だと思いました。

 

 

  まとめと感想                 


 

R5 Neckbandはダイナミックドライバーのみの構成なのでKlipsch社のオリジナルBAドライバーを使用したX12などとは音質や音のバランス的にも違いはあるとは思いますが、その価格からは意外なほどまともな再生音が出てきて驚きました。

低音が良く出ている割には適度な解像感があり、うまいところでバランスを取っているように感じました。

 

ネックバンド型BTイヤホンは、下を見れば数千円で買えるものもありますが、R5 Neckbandは(コントローラー部がもう少し洗練されるとおいなとは思いますが)本革製ネックバンドやスリムで高級感のあるハウジングなど、持つ喜びを与えてくれるものではないかと思います。音質も期待以上のものでした。

 

手持ち機器との関係で低価格ネックバンド型BTイヤホンとの比較はできませんでしたが、QY8のような低価格BTイヤホンとの比較では(QY8も圧倒的な低価格で頑張ってはいますが)R5 Neckbandの音質にアドバンテージがあったと思います。

 

 

話は変わりますが、実は今回のレビュー期間中に中国に出張に行く予定がありました。

BT機器使用禁止の飛行機だったので機内では使用できませんが、空港やフェリーの中で使ってみたり、中国の取引先の方々の感想などもレビューできればと思っていました。

 

しかしその中国出張の前日、9/4に台風21号が関空を直撃してしまい、我が町の停電&家屋損壊多数というおまけ付きで出張も延期となってしまいました。

 

さすがに市内のあちこちで停電している中ではレビューよりも食事の確保のほうが優先なのでレビューは進むわけがなく、『いつまで停電が続くんだろう...。』と頭を抱えた時もありました。

 

レビュー期間中に被災してしまうというある意味貴重な体験をしたこのR5 Neckbandは、僕にとっても忘れられない製品となりそうです。

 

 

 

 

 

 

(これ以後は補足情報です。 本文よりも難解な部分があるので興味のある方のみご覧ください)

更新: 2018/12/12

使用機器

  比較に使用したBluetoothイヤホン      


 

R5 NeckbandはBluetoothイヤホンですが、タッチノイズなどの比較に使用したBluetoothイヤホンを簡単に紹介します。(音質比較もしてはいるのですが、古いイヤホンを貶めるだけになってしまうのでこのレビューでは記載しませんでした。)

 

SONY MDR-NWBT10N(SBCのみ対応、ノイズキャンセリング付き)

 

 

当時としては当たり前なんですが、SBCのみの対応でした。ただし劇的とは言わないまでもそれなりに効くノイズキャンセリングのおかげで、新幹線の中で音楽を聴いたりするのには十分役立ちました。もちろんMDR-BT10Nよりも高性能なイヤホン、ヘッドホンは多数ありますが、僕の使用状況では満足度は高かったです。

 

QCY QY8(aptX対応、ノイズキャンセリングなし)

 

 

aptX対応ということで購入していました。コントローラー部がないので取り回しが楽かと思って購入したのですが、ところが落とし穴はそのメリットと思っていた部分にありました。MDR-BT10Nでは時に煩わしいと思っていたコントロール部ですが、コントロール部が独立していることにより、イヤホン本体はとても軽かったのです。

それに対してQY8のイヤホン本体は、(MDR-BT10N比ですが)大きく、重く、音質はよくなったのですが微妙な不満を抱きつつ使用していました。

音質的には結構低音よりです。R5 Neckbandよりも低音の量自体は出ていますが、ややブーミーな感じです。

 

 

  音楽再生用のPC,スマホ            


  

音楽の再生には、aptX対応のものとして、Jumper EZBook Airとzenfone goを使用しました。

 

それからHi-res音源の再生には、DACとしてELECOMのEHP-AHR192とRatocのRAL-DSDHA2を使用しました。EHP-AHR192は外出先で、RAL-DSDHA2は自宅での視聴に使用しました。

 

DACの先のBluetooth トランスミッターは、inatecのBR1006(aptX、aptX HD、aptX LL対応)を使用しました。aptX自体はmax48kHz、18bitまでということは知っているのですが、一応チャレンジということで試してみました。

 

再生ソフトは、あまり一般的ではないかもしれないですが、PCはSONYのMusic Center、スマホはELECOMのHi-res Playerを使用しました。基本的にはイコライジングは無しで聞いています。

 

また、波形の解析には efuさん作のWaveSpectraを使用しました。 

 

  測定機器                           


 

ICレコーダー兼USBステレオマイクとして、OlympusのLS-7を使用しました。今回初めて気が付いたのですが、LS-7はUSBステレオマイク(外付けマイクを接続した場合はUSBステレオマイクアンプ)として動作させることができるようです。

 

AverMediaさんのSonicBlastシリーズのレビューの際にはUSBオーディオインターフェースを使用していましたが、それも不要だったんですね...。

 

 

そしてタッチノイズの測定の際、マイクをイヤホンのイヤーピースの穴に押し込む必要があるので、手持ちのマイクカプセルの中では最小のものを使用しました。マイクカプセル単体で、しかもイヤーピースの形状も各社違うので、周波数特性は正直どうなっているのかわかりません。あくまでも全体的な傾向の比較だと思っていただければと思います。

 

↓の右側の丸いのがマイクカプセルです。直径約4mmです。イヤーチップの穴を通して先端部分に顔をのぞかせる程度にセットします。QY8はステムが太いので簡単に通りますが、R5 Neckbandはステムが細いのでイヤーチップの穴を通すのも大変でした。

 

 

マイクカプセルのセット例です。写真はMDR-NWBT10Nです。これは少し出すぎかもしれません。イヤーピースは意外と耳穴にはぴったりと密着しているようで、マイクカプセルが飛び出していると耳にあたって気になって仕方がありませんでした。

 

 

 

マイクカプセルむき出しの割には比較的低誘導ノイズに仕上がっていて満足していたのですが、レビュー期間中に紛失してしまうというアクシデントが発生しました。

 

一応2台目も作成してみたのですが、こちらはなぜか盛大に誘導ノイズが発生してしまったので現在お蔵行きとなっています。暇を見て作り直しかな..。

 

更新: 2018/09/17

視聴した楽曲について

約1か月間のレビュー期間があったので、本当に色々な音楽を聴きました。全てを紹介するのはむつかしいですが、その中でも同じ曲を聴きやすいものを紹介します。

 

  macaroom                


 

 

公式ページに著作権的に関して比較的縛りが緩いことが書かれているのでレビューでも紹介しやすいです。曲も好みはあるでしょうが、好きな人もいるのではないかと思います。

 

楽曲も1曲だけですがmoraで無料でDLできるものがあり、あとはストリーミング()で聞くことができる曲も結構あります。

 

you (mora のCM曲に使われたそうです)

you (mora ver.)は、moraで会員登録をするとハイレゾ音源が無料でDLできます。

 

tombi 

macaroomさんの曲を何曲か聞いて、比較的低音が出ているものとして選びました。

 

 

著作権に関してのポリシー

 

  PrimeSeat                 


 

Hi-res音源を含む主にクラシック音楽のストリーミング再生ができるサイト&専用アプリです。

期間限定ですが、DSDまたはPCMのHi-res音源も無料でストリーミングできます。

 

今回は、サンプル音源として現在再生可能な次の二つのアルバムのうち、Jazz系のものを紹介します。aptXは最高48kHz、16bitのフォーマットなのでDSDのハイレゾ音源は無駄のような気もしますが無料で視聴できることと、結構気に入っている曲があるので視聴用の音源に使用しました。

 

8 ENSEMBLES IN 1 BIT - NativeDSD Recording -

 

 

ProimeSeatで無料視聴可能なDSD音源です。平均的な音量はほかのアルバムよりも低めなので音圧でごまかすようなことはしてなさそうです。静かな曲が多いので、他のアルバムではあまり気にならなかったR5 Neckbandのバックグラウンドノイズが聞こえるシーンもありました。

 

よく聞いていた曲は次の4曲です。

 

03 : Pingarilho e Vasconcellos : "Samba de Rei"

11 : M. Tavares : "Quinteto Para Instrumentos de Sopro" - I. Allegro

大阪日本橋なら河口無線の2Fとかで流れていそうな、ゆったりした感じのJazzです。

 

05 : R. Burns/ W. Herman/ J. Mercer : "Early Autumn"

12 : F. van der Holst : "Jellyfish"

比較的シンプルな編成の女性ボーカルのJazz曲です。"Early Autumn"はピアノ、ギター、ボーカルといった編成です。

 

  石川綾子 - FIGURE CLASSIC     


 

 

基本クラシック曲なのですが、フィギュアスケートの日本選手が使用した曲を使用しており、また1曲4分程度で結構盛り上がるようにアレンジしているので、正統派クラシックは敷居が高いという方にも聞きやすいのではないかと思います。

 

例えば ヴァイオリン協奏曲 四季より『冬』 は、オリジナルでは10分くらいあると思うのですが、このアルバムでは うまくアレンジされていて3:25で終わります。

 

無料で全曲聞けるというわけではありませんが、試聴ならばamazon でできます。youtubeにもダイジェスト版があります。 e-onkyoのHi-res音源も\2000強で購入できるので買ってしまうのも良いかもしれません。

 

どの曲も聞き覚えがあり聞いていて楽しい曲なので、ほぼ全曲を試聴に使用しました。

バイオリンの艶やかな響きがポイントかと思いますが、結構低音も出ているので、全体的なバランスも重要です。ボーカルはないのでボーカルのチェックは他のアルバムで行いました。

 

1.トゥーランドットより「誰も寝てはならぬ」プッチーニ/ 宇野昌磨選手 / 本田真凛選手
2.「オペラ座の怪人」ウェバー /無良崇人選手
3.「バラード第1番ト短調Op.23」ショパン/羽生結弦選手
4.「リベルタンゴ」 ピアソラ/三原舞依選手
5.ヴァイオリン協奏曲 四季より『冬』 ヴィヴァルディ/宇野昌磨選手
6.『YOU RAISE ME UP』 /ラヴランド/荒川静香選手・エキシビジョン曲
7.『BELIEVE』 石川綾子・オリジナル曲

 

  昔から聞いている曲           


 

昔からよく聞いている曲も聞いています。

 

spitz

妻が大好きでよく聴いているので..。

 

Michael Jackson

最近のイコライジングに慣れてしまうと録音も古いように感じる部分もありますが、本当にずっと昔から聞いているので、『R5 Neckbandはこんな風に聞こえるんだ..』と思いながら聞いていたりしました。ただずっと聞いてきたせいか『こんな風に鳴ってほしい』という心理的な欲求が過剰に増大してる可能性もあります。

 

 Bruce Springsteen

言わずと知れたRock界の大御所。80年代~90年代の曲を中心に聞いています。

 

その他多数..

 

更新: 2018/09/13

タッチノイズの比較(生データ)

 

手持ちのBluetooth対応イヤホン2機種と、R5 Neckbandのタッチノイズを比較してみました。

聴感ではケーブルが太くて固めのQY8のタッチノイズが明らかに大きいのですが、イヤーチップに小型マイクカプセルを押し込んだ状態で装着し、タッチノイズを比較してみました。

 

レビュー本文ではわかりやすくするために、ピークやディップを思い切り丸めたf特カーブをトレースしていますが、こちらは測定した生データを掲載しています。

 

3機種それぞれで、3種類の状態でのノイズを測定しました。音楽は再生していないので純粋にノイズだけの比較です。

 

①バックグラウンドノイズ(電源ON状態で、静止時の暗騒音)

マイクカプセルむき出しなのでマイクがノイズを発生している可能性も結構高いと思います

②首を振った時のタッチノイズ

③ケーブルを触った時のタッチノイズ

 

①バックグラウンドノイズ(電源ON状態で、静止時の暗騒音)

MDR-NWBT10N (NC OFF)

 

 

MDR-NWBT10N (NC ON)

かなり静かな環境で測定したのでNCの効果はあまりありませんでした。タッチノイズの測定は、NC OFF状態で行っています。

 

QY8 (NC OFF : QY8にはNC機能はないので常にOFFです。)

イヤーチップの関係か心臓の鼓動が聞こえており、60Hzあたりにピークが出ているのかもしれません

 

R5 Neckband (NC OFF : R5 Neckband にはNC機能はないので常にOFFです。)

 

 

② (比較的激しく)首を振った場合

MDR-NWBT10N

結構広い範囲にタッチノイズが出ています。100Hz以下で約-30dB程度。ただしだいぶ古いものなので、ケーブルが固くなって初期状態よりもタッチノイズが大きくなっている可能性もあります。

 

QY8

ケーブルが太くて固いせいか、タッチノイズが最も大きかったです。ただし50Hz以下は-20dB程度ですが、100Hz~1kHzはMDR-NWBT10Nよりもノイズが少ないです。聴感的にはゴソゴソとしたタッチノイズなので比較的一致していると思います。

 

 

R5 Neckband

ケーブルが最も細く、柔らかい上にネックバンドタイプでケーブルが首に触れる部分が少ないためか、タッチノイズは最も少ないです(70Hz以下で約-40dB)。ただしマイクをセットしていない側のタッチノイズはより少なく聞こえるので多少なりともマイクケーブルのタッチノイズも含まれていると思います。

 

③ケーブルを指で振ったり弾いたりしたときのタッチノイズ

 R5 Neckbandだけは首振り時よりもタッチノイズが増えています(それでも十分タッチノイズは低いですが)。

 

MDR-NWBT10N

首を振った時と同じような感じです

 

QY8

こちらも首振り時とあまり変わらない印象です。

 

R5 Neckband

R5 Neckbandだけは首振り時よりもタッチノイズが増えています。首振り時はネックバンドタイプの構造的な利点でケーブルがほとんど肌に触れていない効果が出ているのかもしれません。

 

更新: 2018/12/12

首の太さの考察

 

僕の首は昔から太いという自覚はありました。シャツのサイズも首回りは43cmです。しかも腕とかの

寸法は標準サイズかやや短めなので、両方のサイズに合うシャツがなかなか売っていない状況でした。そのあたりの個人的な身体事情も踏まえて、R5 Neckbandのネックバンド部分のサイズについて

検証してみました。

 

20年以上前の本でかなり古いですが、『日本人の人体計測データ』をいう本を確認してみました。

 


今回は、この本の頚囲(首回りの寸法)を調べてみました。

 

 


30~39歳男性の頚囲の平均寸法は、373.5mm、標準偏差は20.5mmです。さらに、95%パーセンタイル(全体の95%の人がこの寸法以下)は、410.0mm(ほぼCDの円周と同じ)でした。

 

 

R5 Neckbandは、CDの直径よりも一回り大きく作られているので、日本人の97.5%(女性50%+男性47.5%)の人はスマートな感じで装着できるのだと思います。

 

 

ところが僕の頚囲は420mmほどあるので、上位5%以内(3%程度?)に入ってしまっています..。偏差値でいうなら72程度でしょうか?

 

というわけで、僕がR5 Neckbandを付けるとR5 Neckbandが首に張り付いているように見えるのは僕の首のほうが特殊だという結論に至りました。通常の方はあまり気にするようなポイントではないですが、首が太い自覚のある方はイヤーチップのほうの装着感も大事ですが、首回りに余裕があるかどうかも確認されたほうが良いと思います。

 

更新: 2018/12/12

各種コーデックの対応状況(おまけ)

 

 

 

Bluetooth接続時のログから、aptX、AAC, SBCの各種フォーマットの対応状況を確認してみました。

 

SBC

音が悪いといわれ続けてきたSBCですが、最近はそうでもないそうです。

BluetoothデバイスのbitpoolというSBCのビットレートの設定値が最大値の53(規格上は80くらいまである?)に設定されていれば、最近のバージョンのBluetoothだと通信速度も高速になっているので最大値付近で接続されるようです。こうなるとAACとの差はほとんどないという人もいて、遅延の多さを除けば意外にSBCもすごいんだなと認識を改めました。

 

そこで、R5 Neckbandのbitpool値をWireSharkというツールを使って調べてみました。

 

 

 

最後の2行がbitpoolの設定値ですが、2~53という範囲になっており、最大53(ビットレートが328kbps)での接続も可能なようです。

 

これで一安心..と思ったのですが、実はQCYのQC8も、SONYのMDR-BT10Nもbitpool値は2~53になっていました..。意外と昔から対応はしていたんですね。MDR-BT10NはBTのバージョンが古くて、規格上の通信速度も遅いので現実問題としてbitpool 53で接続できていたのかはわかりませんが...。

 

ちなみに、aptXの対応状況はこちら.. あまり特別な情報はないです。

 

 

 

AACの対応状況はこちらです。サンプリング周波数は48kHzまでの対応です。

 

更新: 2018/12/19

3か月ほど使用して..

R5 Neckbandのレビューをアップしてから3か月ほど経過しました。

 

その後、ONKYOのHi-res DAP DP-S1を入手したり、イヤーチップをDIYしたりと多少の変更がありましたので、その概要と感想を追記したいと思います。

 

 

 1.  ONKYO DP-S1 

 

昨年のzigsowのプレミアムレビュー機、Pioneer XDP-30Rの兄弟機です。

今年に入ってもファームウェアの更新が行われ、最新ファームではaptX HDにも対応してしまったという変身ぶりです。

 

ヤフオクでジャンク品を入手しましたが、バランスイヤホン端子が少し心もとない感じなのを除けば全く問題なく動作しています。

 

 

SBC接続では、サー..というノイズが若干聞こえますが、これはDIYイヤーチップで遮音性が上がったために聞こえてしまったのかもしれません。音質自体はSBCでもなかなか頑張っている感じです。

DP-S1は、再生画面にBluetoothの接続状態が表示されるのがレビュー向きで気に入りました。

 

 

 

次はDP-S1のファームウェアを最新の1.30に更新して、aptX接続してみました。

 

 

 

ヒスノイズのようなサーノイズも聞こえなくなり、臨場感がさらにアップしました。
DP-S1も設定をいろいろ追い込んでゆくことが可能なのですが、標準設定でも比較試聴とかせずに普通に聞いている分にはもうBluetooth接続を意識させられることも無い感じです。

 

 

 2.  DIYイヤーピース 

 

DP-S1+DIYイヤーピースの音質傾向は、けっこう低音盛り盛りな感じなのですが、低音の傾向はイヤーピースの方が支配的なのかもしれません。

DIYといっても僕のオリジナルのアイデアではなくて、どなたかのブログを読んで何年か前にほかのイヤホンで試してみた方法です。

やっていることは単純で、100均のスポンジ系の耳栓を2つに切って、これまた100均の穴あけポンチでセンターに穴をあけてイヤーピースの軸部分に押し込むだけです。

 

 

 

今回は、一番使わないであろうSサイズのイヤーピースの傘の部分を切り離して、ゴムのパイプ状の軸部分に耳栓を押し込みました。

結構柔らかい素材なので簡単に耳に密着して遮音性も十分です。密着するためか低音が結構増大するのですが、この辺りは変化を楽しむくらいの気持ちのほうが良いかもしれません。

スポンジ部分の劣化も早いのですがすぐに交換できますしね。3セット6個入りの100均耳栓なら2倍の6セット分作成できます。

 

17人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (5)

  • jive9821さん

    2018/09/17

    レビューお疲れ様でした。

    ただ、Klipschのスペルが違っているので、早めに直された方が良いかと…。
  • aPieceOfSomethingさん

    2018/09/17

    jive9821さん

    ご指摘ありがとうございます。

    タイプミスが無いか気を付けていたのですが、まさかそんな基本的なところから勘違いしていたとは..。お恥ずかしい限りです。

    すぐに修正しました。ありがとうございました。
  • タコシーさん

    2018/09/17

    レビューお疲れ様です
    首回りの調査まででましたね
    私はかろうじて95%に入っていました
    とは言っても最近のシャツなどは体型が合いません...泣
     
    ネックバンド方式でも耳に被せるのではないので開放感は
    有りそうですね これはこれでありでしょうね
    使用時間も長そうですし良いと思います
    私のは4年目ですが充電しても3時間くらいで
    パソコンの前に居られないときブルートゥースで使うくらいです
    レコード洗うときとか耳が寂しいのでテレビの音声聴いています。
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