ギターを弾く私が、jamstik+に対して興味・期待を持ったポイントは、「本物ネックの代用性」と「iPadやMAC、各種アプリとの接続」の2点です。
まず1点目「本物ネックの代用性」について。
ギターリストがjamstik+を購入検討する際、「オモチャのような代物だったら、買っても直ぐに使わなくなるだろう」と思ってしまうはず。
移動中や移動先でフレーズや伴奏のアイデアを思いつくことは、誰しも経験あること。むしろギターを抱えていない時に「降りてくる」ような気もしますよね。jamstik+は5フレット分しかないので、多くを期待するには無理がありますが、外出先で「フレーズの運指」や「伴奏アイデア」を確認するツールとしてならば価値があります。
そのためには、ネックのグリップ感や指ストレッチの感覚など、実際のギターネックに近いかどうかは気になるところです。
2点目「iPadやMAC、各種アプリとの接続」について。
ギターを弾きながら、思いついたフレーズやコンピングをメモしたいときに、自動で書き取ってくれたら便利です。方法としては「音録音」「五線譜やTAB譜での採譜」などが考えられます。jamstik+はギター型のmidi入力端末なので、五線譜の採譜は勿論のこと、TAB譜の自動採譜を期待してしまいます。
ネットで検索したところ、TAB譜入力・再生の最強アプリであるGuitarProと連携できるようです。Youtubeにもjamstik+の公式紹介映像が上がっていました。
私がプロモーション担当だったら「GuitarProアプリと連携できます!!」と、もっと大々的にアピールするかも(笑)。GuitarProとの共同プロモーションや日本語解説フォローWEBページの解説なども有効かもしれませんねー
(1)本物ネックの代用性
(紹介の前に)生音で弾くツールではない
写真では分かりづらいのですが、jamstik+のフレット部分とピッキングする部分の途中にブリッジがかまされています(写真参照:ロゴjamstik+がプリントされているカバーの下)。故に、ピッキングした時に聞こえてくる生音は、何フレットを押さえても音程が変わりません(弦ごとの生音の音程は異なるが、それ自体に意味はない)。
jamstik+は「ピッキング」と「フレット押弦」の入力を、別々に拾う端末です。ギター弾きにとっては違和感ある部分かもしれません。無音の端末を弾いて、iRigを通して、iPhoneやiPadから音出ししている感じです。
用途を考えれば「生音が出ない」ということが、さほどデメリットとは思えませんし、出先の環境では、むしろ大きな音が出ても困る場面も多いことでしょう。あくまでもギターが使えない隙間をうめてくれるツールという割り切りが前提になります。
① グリップ感について
こうした端末にありがちな、オモチャ的な作りでないことを先にお伝えしておきたいと思います。グリップ感は本物のギターそのものです。グリップの形状は人それぞれ好みがあると思いますが、「C」「V」「U」の何れかに分類するとしたら「U」に部類でしょうか(写真参照)。プラスティック素材でありながら木材のネックと比較して、さほど違和感がない。グリップ感に関してはjamstik+の大きな売りのポイントだと思います。
② フレット幅について
比較対象が所有のものに限られてしまい申し訳ありませんが、
0フレットと5フレットの2箇所で、フレット幅を測ってみました。
・jamstik+
・BambooInn-K(ESP製、エレキ仕様のガットギター)※トラベルギター
・GB15(Ibanes製、フルアコ)
・duncan(優美音響製、ストラト)
・Orpheus Valley(Orpheus Valley製、クラシックギター)
0フレットと5フレットの両方を比較してみると、jamstik+はエレキギター(ストラト、フルアコ)とクラシックギターの中間くらいの仕様であることが分かります。
・jamstik+(0フレット)45mm(5フレット)50mm
・BambooInn-K(0フレット)39mm(5フレット)42mm
・GB15(0フレット)42mm(5フレット)45mm
・duncan(0フレット)41mm(5フレット)45mm
・Orpheus Valley(0フレット)50mm(5フレット)55mm
数mmの差でありながらフレット幅は、ギターの演奏感に大きく関わります。41-45mm(ストラトやフルアコ)と39-42mm(トラベルギター)の比較で言うと、狭い方(39-42mm)が弾きやすいように思うかもしれませんが、実際には弦の間が詰まっているためクローズドボイシングコードがマトモに弾けず、フレーズの運指にも支障が出ます。またエレキギター(41-45mm)からクラシックギター(50-55mm)に持ち替えると弾きにくいと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、慣れれば全く問題ありません。ピックでなく指弾きをされる方はむしろ広い方(クラシックギター)が弾きやすいと感じるかもしれません。
と言うことで、実用性を考慮するとストラト・フルアコ以上のフレット幅が必要です。jamstik+は合格圏内でしょう。実際に弾いてみても弾き心地良かったです。
③ スケール(フレットとフレットの間隔)について
スケール(フレットとフレットの間隔)について確認をおこないました。実際のギターでは、スケールの長さ((フレットとフレットの間隔)は演奏性にあまり影響しません。スケールよりもむしろ「ハイポジションの弾きやすさ」といったことが気になると思います。あえてショートスケールを選ぶプロのミュージシャンもいらっしゃいます。比較対象は下記の通り。
・BambooInn-K(609mmショートスケール)
・GB15(628mmミディアムスケール)
・ストラト(648mmレギュラースケール)
参考写真はショートスケールギターとの比較ですが、1~5フレットを並べると、少し広めであることが分かります。
またjamstik+は、全24フレットの中から5フレット分を切り取ることが可能で、ボタン操作によって、フレットポジションを変更することができます。つまり「ハイポジションを弾いているのに、とても弾きやすい」といった実際のギターでは難しいことが可能になります。
jamstik+を実際に弾いてみて、スケール(フレットとフレットの間隔)上の不自由はありませんでした。
④ 弦高について
弦高は好みの分かれるところなので、詳細は省きます。ピックアップと弦の距離を機にする必要がないので、指板上の操作性のみで判断が可能です。
写真は横からの撮影。
指板から3mm、フレット上で1-1.5mmくらいでしょうか。
私には弾きやすい弦高でした。
「本物ネックの代用性」まとめ
本物ネックの代用性については完成度の高さを感じました。用途を明確に持てば、使えるツールだと思います。購入ご検討されている方の参考になれば幸いです。
本物ネックの代用性でクリアできているので、私としては「隙間時間を楽しくサポートしてくれるツール」として活用してゆきたいと思います。
今、想定しているのは、外出先の隙間時間に、アプリiRealProでコード伴奏を鳴らし、頻繁・ランダムな転調に対応するトレーニング。ゲーム的に楽しむ感じ。
あとはGuitarProとの連携による入力デバイスとしての活用。コチラはしばらく使ってみて、またリポートしたいと思います。
(2)iPadやMAC、各種アプリとの接続
さて久しぶりに続編です。
今回はiPadやMACとの接続、
また各種アプリと接続してのレビューです。
ついギター弾きとしての期待が大きすぎて
辛口な部分もありますが、盛ってない分、素直なコメントです。
接続を試みたのは(1)iPadと(2)MacBookAirの2種。
下記に使用機材のスペックを記載しておきます。
機材によって、反応も全く変わってくるかと思いますので
お含みおきください。
使用機材(1)iPad
・第5世代
・iOS11.4.1
使用機材(2)MacBook Air
・11inch,Earlu2015
・OS10.13.5(High Siera)
・プロセッサ 1.6GHz intel Corei5
・メモリ 8GB 1600Hz
試したアプリは下記の通り。
使用機材(1)iPad
1-1)iPadとの接続
■JamStik+
1-2)iPad各種アプリとの接続
■ IRealPro
■ Guitar Pro
■ AudioMemos
■ YouTube
使用機材(2)MacBook Air
2−1)MacBook Airとの接続
■JamStik+
2−2)MacBook Air各種アプリとの接続
■ GuitarPro7
全て私感によるレビューです。
①−1 iPadとの接続
■ アプリ「JamStik+」
(接続について)
iPadとJamstikの接続はあっけないほど簡単でした。
JamStikの電源をオン。
「設定」でBluetoothをオンにし、
アプリ「Jamstik+」を立ち上げ、
MIDIデバイス「JS******」を選び、ペアリングします。
(各種設定)
人それぞれの好みで良いのですが
私は下記のような設定としました。
・音色:Classical Acoustic
・チューニング:ノーマル
・フレット位置:5フレット
・エフェクター:クリーントーン
・バックグラウンドで再生:オン(忘れないように!)
(フレットポジションについて)
器用な方は、演奏途中に
Jamstik本体の左右矢印スイッチで
カポポジションを上下することができます。
(ギター テクニックへの反応)
・ハンマリング・オン、スライド
「ハンマリング・オン」のオンオフができます。
「ハンマリング・オン」「スライド」は無事に使えました。
予想以上に反応が良い。
・ベンド(チョーキング)
予想より電子音的。
どのようなセンサーが組み込まれているか分かりませんが
ベンドの練習機として捉えるには厳しいです。
(演奏スタイルとの相性)
ザックリと各演奏スタイルとの相性は下記の通り。
・ジャス的な演奏:
少し早めに弾くと発音がついてこないため
早弾きに逃げず、モチーフ重視のトレーニングに。
スライドやハンマリング・オンを使って
雰囲気を出す練習。
実際に使えるのが5フレット分なので
(写真で見ると6フレット分あるように見えますが)
演奏の制約あり。
敢えてカポ設定を変えることによって
不慣れなポジションの克服になるかも?
演奏中にカポをスイッチを押しながら演奏するには
ゲーム感覚のテク習得が必要か。
・ロック的な演奏:
ゆっくりとしたブルースとか、
歪ませてジャーンとパワーコードとかには◯。
チョーキングが意外に厳しいので
行き詰まって、チョーキングに逃げてしまいがちな方には
メロディを大切にするトレーニングになるかも?
残念ながら、スワイプなどの早弾きは厳しい。
・クラシック的な演奏:
弦間が狭く、指弾きが厳しいため
ピックで弾きながら、音色を近づけて楽しむ感じか。
ボサノバも同様。
①−2 iPad各種アプリとの接続
■ アプリ「IRealPro」
「iRealPro」はJazzスタンダードを自動伴奏してくれる、
Jazzを学習している方で知らない方はいないくらいの
有名なアプリです。
5から9フレットの間で弾きやすそうなキーとして
C、F、Bb 辺りのキーから
「Bye Bye Blackbird」(Fキー)を選び試しました。
伴奏を鳴らしながら弾いてみましたが、
♩=100の速さで、8分音符で弾くと、発音がコボれるところがあり
16分音符だと発音がついてこれず、フレーズとして成立しない。
モチーフを大切にしたフレージングを、
目下の課題としてる身としては
早弾きや手グセに逃げないトレーニングとして、
活用するのはアリかと思いました。
(本物ギター だと我慢できず、早く弾いてしまう。ソレを避けることが出来る)
難点としては、例えば5フレットを左端に設定した時に
4フレット(半音下)から5フレットにアプローチしたり、
5フレットから4フレット(半音下)に下げたりしたいときに
4フレットが使えないので、
1弦下の9フレットを押さえなくてはいけないところ。
弦のチューニングとスケールのことを考えたら、
もう1フレットあったら良かったのに。
あと、この構造上の特性から
コンピング(コード伴奏で自由に弾く)は、かなり厳しい。
コンピング練習機として、Jamstikに少し期待をしていたのですが、
やはり5フレットしかないので
Drop2やDrop3などのストレッチタイプには向かない。
出先で遊べたら良かったのだけれど。
6フレットある進化版の登場を期待したいなあ。
あくまでもmidi入力ツールであって、
midi楽器としての過剰な期待は禁物ということでしょう。
■ アプリ「Guitar Pro」
「Guitar Pro」iPad版は、
TAB譜の表示と、伴奏のみの機能をもったアプリです。
Mac版(後述)は入力・編集ができますが、
iPad版は入力・編集ができません。
iRealPro同様に伴奏アプリに乗せての演奏が可能です。
WEBにアップしているTAB譜データを引っ張ってくれば、
伴奏とTAB譜に合わせてフレーズ練習が可能です。
ただし早弾きは発音がついてこないのと
楽譜を選ばないとポジションが変わって弾けなくなってしまいます。
TAB譜として期待するなら、理想はMAC版のGuitarProで、
JamStik用のデータとして自らフレットポジションを限定したTABを作成し
iPadに取り込む方法か?
(試してみましたが、ちょっと面倒。わざわざヤル必然性に乏しい)
■ アプリ「AudioMemos」
私が長い間、愛用している多機能な録音アプリです。
おー録音できる。周りの音も拾っているので
スピーカーから出ている音をマイクが録っているだけっぽい。
でもまあ、思いついたフレーズを
チョコッとメモ録音できるということは素晴らしい。
操作がとても簡単なので、フレーズメモ機能として、これは有効。
■ アプリ「YouTube」
YouTubeを鳴らしながらギターを弾く、なんてことを
本物ギター では、よくやります。
YouTube+jamstikも、期待を裏切らず、動画流しながら演奏が可能。
お好きなアーティストとの共演も思いのまま。
この使い方がもっとも需要あるかも。
流石にユニゾンしたりするのは処理が追っつかず、早いフレーズは難しい。
ストレス溜まりそうだから
コードじゃらーんとか、オブリガード的なフレーズ重ねたりとか。
ちょっと遊ぶなら、ありかな。
②−1 MacBook Airとの接続
■ アプリ「JamStik+」
iPadではスンナリ繋がったのに
何故かMacBookでは、Bluetooth端末として認識されませんでした。
iPadとのペアリングが解除されていないのか?
とも疑いましたが違う原因の模様。
結局、Bluetoothでの接続を断念し、USB接続したら、
音は出ないが、midi入力は認識してくれました。
その後、ここ1ケ月ほど合間をみて
音出しを試みているのですが、解決方法がわからず。
そろそろタイムリミットのようなので、
音が出ないままですが、アプリ「GuitarPro」との接続を
ありのままレビューすることにします。
②−2 MacBook Airアプリとの接続
■ GuitarPro7
「GuitarPro7」は、ギターのTAB譜と五線譜を同時に記載してくれる
画期的なアプリです。
MAC版では入力することができるのですが
これまで私は手入力で楽譜を作成していました。
さて、今回は音を出す方法が分からないまま
midi入力を確認してみます。
GuitarPro7を立ち上げ、新規ファイルを作成し、
「サウンド」メニューから「midi入力を使用」を選択。
そしてギターを弾いてみると。。おおっ! 音符が出現!
音符入力がサクサクできます。
これは便利。感動です。
音が出せていないので、
「リズム(伴奏)に乗せて入力」「出音を確認しながら入力」ということが出来ず
「この弦の、このフレットを押さえると、この音程が出る」と分かっていないと、
厳しかったかもしれません(発音させる設定はあるはず)。
音符の長さは後で調整が出来るので、
TAB譜と五線譜が一度にサクサク出来てしまう。
手入力と比較したら、楽チンさは革新的です。
ギターは弾けるけど
五線譜に落とすの面倒!!という方、
midi入力で五線譜&TAB譜起こしがサクサクですよ!!!
これはオススメです。
「iPadやMAC、各種アプリとの接続」まとめ
iPadとの接続を基本に設計されているのかもしれませんね。
ギター弾きで、かつiPad持ちの多くは
私に負けず劣らず、玉石混淆のアプリをたくさん落としているはず。
それら、ほとんどのアプリとの共演が可能です。
本物ギターじゃない分、1つのアプリだと飽きてしまうと思うのですが
「ゲーム感覚で色々なアプリで遊ぶ」というのが
もっとも、この商品のコンセプトにあっているのかな、と思いました。
そして、MacBook「Guitar Pro」との接続。
midi入力端末として、サクサクと実行が可能です。
手入力の経験者なら感動するはずです。
しかしながら、音出しの設定方法が分からず
実感を伴ったレポートが出来ていないのが心残り。
一旦レビューはこれにて完結にさせていただきますが、
音出しが出来たら、「追記」の形で
その原因と対策方法も含めて、コメントさせていただきます。
最後までお付き合い、ありがとうございましたー
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