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F2-220、高コスパで高音質なシンプルNAS

更新: 2017/10/14

セットアップ

今回はF2-220をミュージックサーバおよびビデオサーバに仕立てた際の使い勝手をメインにレビューしたいと考えていますので、セットアップについては、詳しい方にお任せしてしまおうと思います。

 

以下、備忘のためのメモです。

・説明書は付属しておらずWebからダウンロードします。

・HDDはブラケットのレバーを引くだけで簡単に取り付け可能です。(synology ds216はケースを外してコネクタを差し込んでからネジ止め)

・HDDはプラスチックのブラケットにネジ止めします。3.5インチはネジ4本で止めますが、2.5インチは3本しか刺さらないようです。軽量なので問題はないのかもしれませんが気になりました。

 

3.5インチ(今回使用)
3.5インチ(今回使用)

2.5インチ。
2.5インチ。

・ログイン画面に大きく「3」と表示されるので何かと思ったら、TOSがver3というアピールですね。着々とバージョンアップを重ねているようです。

・コントロールパネルで各種サービスを設定。初期設定でtelnet(23)が空いているので念のため止めておきます。

・LANの初期設定では、DHCP=Noになっていますが、DHCPでIPを取得してくれました。いったん触らず行きます。(後々設定を変えている中で、DHCPは止まっていて、パソコンと同じサブネットで固定IPで設定されていたことがわかりました。変わった仕様ですね。)

・意味不明なハードウェア設定の項目がいくつか。何が起きるかわかりませんが暇ができたら試してみるかも。「ブザーは設置します 閉じるブザーを鳴らします。」「再起動・シャットダウン管理の設定で、自動スタートアップ 電源オンになると自動的にスタートアップします」※おまけにその他日本語について記載

・起動して、追加サービスを起動していない状態の空きメモリ1.7GB。本機に一番期待しているスペックですが頼もしい数値です(今まで使っていたds216playはメモリ1GBなので空きは0.3GB程度)。ファイルキャッシュが大量に割り当てられそうです。

更新: 2017/10/14
満足度

ミュージックサーバとしては高音質で大満足

■■まずは、準備です

■ファイル共有サービス(afp:Macファイルサービス、やSAMBA)は標準で起動しています。

■音楽データ用(music)とビデオデータ用(video)の共有フォルダを作成しようと思ったのですが、共有フォルダはマウントポイントの追加でなく、共有URLを作ることしかできませんでした。ひとまずは個人フォルダのマウントポイントの直下に、musicとvideoフォルダを作成しました。

■次に音楽ファイルをコピー。これは驚くほど速かった。ハイレゾアルバム3枚分3.6GBを既存のNASからコピーしたのですが、1分5秒で完了。

意外だったのは、CPU負荷はかなり上がり(平均30%くらいで瞬間75%越え)、一方でメモリは定常の12%から一時的に5%ほど上がった程度。もっと連続的にアクセスがないとキャッシュ割当は変更されないのかもしれません。

 

■■いよいよ視聴です

■視聴環境

 

 <接続図>

  NAS(f-220, ds216) --- SW --- mac mini --- オーディオインターフェース(tc electronic社 studio konnekt 48 : 以下sk48) --- プリアンプ代わりのミキサー(allen&heath社 xone:42) --- パワードスピーカー(tannoy社 Reveal 402)

 

 ヘッドフォン視聴時は、sk48のヘッドフォン出力にsony mdr-1rを接続

 

 <パソコンやオーディオインターフェースの設定>

  再生ソフトは、korgのAudioGateを使用

  NASとはafpで接続

  sk48は192kHz/24bitまで対応していますが、96kHzで使用。ソースクロックは内部

 

 <視聴に使用したアルバム>

  Romance with me / SHANTI / 96kHz 24bit、より、love matters

  Saxophone Colossus / Sonny Rollins / 44.1kHz 24bit (モノラル録音)、より、you don't know what love is

  Memories of Bill Evans / compilation / 96kHz 24bit、 より、Walts for Debby / 山下洋輔 with 斎藤ネコ

 

  それぞれ、e-onkyoから購入したものでフォーマットはflac。普段聴いている曲が気持ちよく聞けるかどうかが重要ということで偏ったセレクトかもしれませんがご容赦を。

 

■ds216play

 まずはいつものNASで。

NASの負荷はllove mattersではcpuが最大で23%。メモリは51%。you don't know what love isではcpuは最大16%、メモリは変わらず。Waltz for Debbyはcpuは最大30%、メモリは変わらず。数字はリソースモニタの値です。

 

 視聴はいつもの感じでそれぞれ気持ちよく聞けました。

 love mattersはイントロのギターアルペジオやAメロの歌声は艶やかで、サビにかけては透明感のある力強いvocalが聞けます。終盤、珍しく日本語詞で歌う場面ではドラム、ベース、コーラスと音数が増える中、控えめなギターやドラムの金物も分離よく聞こえます。

 1曲目がフェードアウトしてしばしの静寂ののち、you don't know what love isのテナーサックスに驚かされます。イントロの駆け上がるテナーもいいですが、ピアノソロの後のやや抑えめの絡みもいいですね。

 最後はWalts for Debby。本家ではなくトリュビュートアルバムの山下洋輔です。イントロは本家のカバーっぽく始まり、徐々にストリングスが絡んできます。音数が多い中それぞれがしっかりと分離して聞こえます。

後半に小さく口笛が聞こえるのはアレンジなのか誰かがノリで入れたのでしょうか。

 

 なお、ds216は昨日まで平常でメモリ使用率60%程でしたが、視聴前にアップデート(dsm 6.1.3-15152 update3からupdate6へ)をしたところ、50%で安定しています。

 

■F-220

 やはり余裕のスペック。メモリは12%から終始変化なく、cpuも余裕でした。

 

 ここからは若干ブラシーボ感満点ですが、全般的にf2-220はスッキリとして、聴き疲れしない音でした。

 

 love mattersは イントロのギターがよりメロウで、何よりもshantiのvocalが一段と生々しく聞こえます。

 you don't know what love is ではソニーロリンズのテナーがグイグイと前に出てきますが、よいかげんにうるさくなく、バックのドラムの金物もよく聞こえます。

 最後、walts for debbyですが、イントロのピアノとストリングのピチカートがしっかりと分離して聞こえます。このアルバムは何度も聞いているのですが、イントロからストリングスが入ってたんだ、と改めて気づいた感じです。これまでも聞こえていたのに意識していなかったものが、しっかりと伝わってくる感じです。

 

■ヘッドフォンでの視聴

 ds216は、定位がハッキリして解像感の高い演奏が聞けます。

love mattersはshantiの歌声が中心に、ギターソロやエレピ、ドラムのそれぞれの音がスピーカー以上に聞き取りやすいです。you don't know what love isも同様で、ピアノソロの裏でベースの弦のウネリやフレットに当たってブリッと鳴る感じなどが生々しいです。walts for debbyでは、イントロのピアノとピチカートの分離感はF-220ほどではないですが、全般通じて、ドラムのキックがしっかりと聞こえます。

 f2-220は、傾向はds216に近いですが、Aメロのリムショットや終盤のオルガンなど、一段聴きやすい感じです。you don't know what love isは特に違いは感じられませんでした。walts for debbyでは、イントロのピチカートは単に分離がいいだけでなく、はじいた後のタッチが聴こえ、後半のピアノソロなどで打鍵して音が小さくなり消える直前の消え際の音がギリギリまで聴こえます。

 

 解像感が高いのは今回使ったヘッドフォンの特色でもあります。音が正確にわかるという点ではヘッドフォンが良いですが、リラックスして気持ちよく聞けるのはどちらかと言われるとf-220とスピーカーの組み合わせですね。

 

 ■スマホからの利用

 iphone7にオーディオインターフェース兼ヘッドフォンアンプとして、korg plugkeyを接続。ヘッドフォンはmdr-1r。

 

 ds216では、ds audioのアプリで曲を選択して聴きます。

 設定値はデフォルト。(コード変換=mp3、再生品質=自動、常にコード変換する=なし)

 なお、リアルタイムにビットレートを変換しているのかcpu負荷はかなり高いようで56%から76%。メモリは52%と微増。

 

  f2-220は、tnas mobileというアプリはあるようですが、synologyのアプリのようなビデオ用や音楽用というものは無いようです。ここで終わっても面白くないですので、アプリ側でなんとかならないか調べて見ました。

普段使っているoplayerというアプリでsambaサーバへ接続できますので、afpに加え、sambaも有効にして(標準で有効になっています)、アクセスしてみました。アルバムから曲を検索して再生可能です。ただ、曲の頭がプチプチとノイズが入るため実用的ではありません。また、読み込みが終わった後もファイルサイズが大きいと途中でノイズが入ります。love matters (111MB)はNGで、you don't know what love is(43MB)は曲頭だけNGで再生が始まれば問題なく聞けました。

曲頭については、aacで1曲数MBのファイルでも試してみましたがノイズはないものの頭数秒が再生されませんので、曲をある程度読み込む間、うまく再生できないoplayerアプリ側の問題のようです。

 

■■結論

f2-220はスペックが高いとか、起動できるサービスが少なくシンプルなのがいい方向に働くのか、高音質なNASだと感じました。原因はわからないですし、何か環境を変えると、音も変わるような話かもしれませんが。

音質以外で地味に便利なのはファイルのコピーが早い点。ハイレゾのアルバムは1枚数GBとサイズが大きくなります。アルバムを購入して、コピーが一瞬で終わってすぐ聴けるというのは快適ですね。

一方で、スマホ対応のアプリなど、起動できるサービスの充実は今後の課題だと思います。

更新: 2017/10/14
使用感

ビデオサーバとしては課題あり。

■■準備です。

撮影した動画をvideoフォルダへコピー。これも一瞬。

サイズ1.4GB、コンテナはmp4。panasonic lumix g7で、4k/100Mbpsの設定で撮ったものです。

QuickTime Playerで表示されるインスペクタは次の通り。
h.264、3840x2160、aac 48k、29.97fps、94.06Mbps

 

■■視聴環境

パソコン:macmini2012、スマホ:iphone7plus、タブレット:kindle fire hd8

 

■ds216

パソコンでの視聴は滑らかで途切れもなく再生されます。

NASのcpuは4から13%。メモリは51%で変化なし。cpuは瞬間的に48%まで上がった。

 

次にスマホ。

ds videoアプリにログインして視聴。音はかろうじて聞こえるものの、画像はカクカクで全くダメ。

 

最後にタブレット。

esファイルマネジャーでsamba接続し、ファイルをMX Playerで視聴。

途中までスローモーションで再生されるが、一定時間経ったところで固まる。

 

■f2-220

パソコンでの視聴はこちらも滑らかで途切れもなく再生されます。

NASのcpuは10%をベースに、25%、最大で50%まで瞬間的に高くなる。メモリは12%で変化なし。

 

次にスマホで視聴。

 

oplayerでsamba接続。画像は途切れ途切れで音声聞こえず。

NASのcpuは10%から25%未満で推移。

 

タブレット

ds216と同様。

 

ここで終わってはせっかくに性能が無駄になるので、Plex Media Serverをセットアップして試して見たいと思います。(続く)

 

■■追加検証。

■PLEX Media Serverをセットアップ

Plex Media Serverではストリーミングするビットレートを変更できる機能があるらしい。そこで、f2-220のアプリケーションからPlex Media Serverをインストール。

インストールして、musicとvideoフォルダを登録。

サーバー → 設定 → トランスコーダーは、transcoder quality = 自動、Maximum simultaneous video transcode = Unlimited、で設定。

Web→設定→品質は、Automatically adjust quality (Beta) - Video quality = 2Mbps、720p、で設定。この設定は、for streaming video over the internet、となっているが、インターネット越しであることをサーバとデバイス間の通信速度で判断するのか、ルーティングの段数で判断するのか、Plex Media Server(以下、Plex)への接続(ローカルかremoteか)で判断するのか不明。一番最後のやつかな?

 

■iphoneとkindle fire HDにPlexアプリをインストールして、再生。

iphoneから再生。再生できず。cpu使用率は一瞬で100%に。Plexはトランスコード用のハードを使わず、cpuでトランスコードするそうです。f2-220のcpu (Celeron J1800) は、ビデオトランスコード用のquick sync videoという機能が搭載されているのですが、Plexからは使われないのかもしれません。

 

■full HDなどビットレートを落としたらどうなる?

full HD、1280x720まで条件を落としてもうまく再生できません。ただ、1280x720では、cpu使用率は下がりました。Plexのトランスコードの問題かもしれません。

■ハイレゾ再生は?

Plexは音楽ファイルの再生もできますので、先のハイレゾファイルを再生して見ました。cpu使用率は高くなりますが、問題なく再生できました。スマホやタブレットで気楽に聴きたい時はPlexアプリを使うといいですね。

 

更新: 2017/10/14
総評

ミュージックサーバにオススメ。動画対応やサービスの充実が今後の課題。

ミュージックサーバとしては、パソコンに接続したオーディオインターフェースでの高音質再生やスマホタブレットからのお気楽再生(要Plex)など、快適に使える、コスパの高いNASと言えます。

まだまだ新しい製品のため、追加サービスが少ないですが、これからの伸びしろが大きく、長く楽しめるとも考えられます。

動画については、高性能なcpu、メモリを活用できる専用のストリーミングサービスがあるといいですね。

更新: 2017/10/09

おまけ 日本語について

代理店の方にご覧いただけているかわかりませんが、自動翻訳感満々の表現が多々あります。大半は推測可能なので大きな問題はないものの、購入する方が安心して使えるためには、こなれた日本語ドキュメントを用意いただけると、現状よりもブランド力があがると思います。以下一例です。

 

<起動前>

・第一歩:マニュアルのダウンロード → ステップ1:マニュアルのダウンロード

 訳もあっていますし、意味もわかりますが、ステップは訳さなくて良いかと思います。

・第二歩: 03は LANケーブルと電源ケーブルを接続してください

 電源を入れるのは、04で電源ボタンを押すとありますので、ここではケーブルを接続までですね。

・第三歩:TNASデスクトップクライアントはWindows向けとMac向けがあります。

     → TNASデスクトップクライアントはWindows用とMac用があります。

・インストールするとあったので、パソコンに管理ソフトをインストールするのかと思ったのですが、NASを検出するアプリがダウンロードされて、実行すると、Webのコンソールの中でNASのセットアップが始まりました。

 歓迎します → ようこそ、でしょうか

「初期化をすぐ開始します。初期化中、TNASのLANポートを一つだけ使ってください。また、当該ポートがインターネットへの接続を確認してください。!」

 → F-220はLANポートが1つしかありませんので、他のモデル用の表記でしょうか。

 

<起動後>

・コントロールパネルでタイムゾーンを変更した際のメッセージ「時間帯は既に変更された!」→「タイムゾーンの変更が完了しました!」。また、項目は時間帯設定で、プルダウンはタイムゾーンになっています。「時間帯」はタイムゾーン以外の意味で使われることもありますのでタイムゾーンで揃えた方が自然です。

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