この度はジグソープレミアムレビュー「ENERMAX Fulmo.Q PLUS ~最大399mmのビデオカード搭載可能!ミドルタワーPCケース~」に御選出を頂き有難う御座います。
今回、この様な機会を下さったzigsow様他関係各社様に感謝申し上げます。
ゲーミングPC構成としてのレビューが主となりますが、ケース概要や組立て含めたレビューとなります。
では、梱包状態から
ケース本体を取り出してまずはフロント・サイド・リアの各パネル
両サイドのサイドパネルを取り外した状態
全体の印象としてはイマドキのケースらしく内部も黒に塗装されており余り安っぽさは感じさせません、フロントメッシュや上部のダストフィルタ含めた排気部等から静音よりは冷却性を重視している事が見た目からも感じさせます。
寸法等の詳細は省きますが各部を細かく見ていくとドライブベイが
5.25インチ x2
3.5又は2.5インチの排他的利用 x4
となっており、5.25インチはワンタッチで固定が出来るツールレス仕様です。
後、3.5又は2.5インチはHDDやSSDをトレイにはめ込むタイプでトレイが2つ収まるHDDケージを二つ組み合わせる仕様です。
このケージ位置は上下に分離して組み付けが可能となっています。
FANはフロントとリアに120mmFANが各一つ標準搭載されています。
フロントFAN(青色LED発光)
リアFAN
フロントトップのSW類とアクセスポートは右からPowerSW・ResetSW、音声入出力端子(ヘッドホン・マイク)、USB3.0x1、USB2.0x2
インシュレーターは防振ゴム付
ボトム側には電源ユニットのFAN吸気部に取り外し可能なダストフィルタ付
トップにはマグネットで固定するダストフィルタ付の排気部(FANの増設可能)
付属する部品類
組み込みに関してはいろいろと問題(後述)がありましたが、シングルGPU及びSLI構成で組み込んだ状態。
ミドルレンジのシングルGPUではケース標準で使えるがSLIはFAN増設必須
PC構成としては
CPU : Intel Core i7 2600K 4.5GHz
CPU Cooler : Zalman CNPS9900-MAXB
M/B : GIGABYTE GA-Z68XP-UD5
VGA:GIGABYTE GV-N970G1-GAMING-4GD x2
Memory : G.Skill F3-14900CL9D-8GBXL x2
SSD : Crucial CT064M4SSD2 x2 RAID0
HDD:TOSHIBA MD04ACA300 3TB(GAME)
Case : SilverStone SST-RV02B
PSU : Seasonic SS-1250XM
とハイエンドと言う程でもなく、ミドルよりは上?のPC構成でケースの冷却性能をシングルGPUとSLIでベンチした結果ですが
①シングル構成
3DMark FireStrike
FFⅩⅣベンチ
温度が70℃半ばをキープ出来ており、実際のゲームプレイ時も同様の温度で推移していました。
シングルGPU構成ではミドルレンジであればケース標準搭載FANでゲーミングPCとしても使える冷却能力ですが、ハイエンドのシングルGPU(特に現行のラデ)ではFAN増設した方が性能が発揮出来ると思われます。
②SLI構成※冷却性能を考慮してCPUは定格動作としています
3DMark FireStrike
FFⅩⅣベンチも行いましたが上手くキャプが残せず3DMark分のみキャプ画をアップしましたが、Afterburnerのログで確認するとプライマリ側で最高84℃、セカンダリで74℃迄上昇しました。
(室温 25℃時)
温度的には問題無い様に感じますが上と下のキャプ画のGPU Clockを確認するとClockが下がって来ているのが読み取れます。
又、実際に最高設定で高負荷のゲームを1時間程度行っていると更に下がって1,100~1,200MHz台となりBoost Clockの効果が持続しない結果となります。
更に実ゲーム時はVGA FANもかなり五月蝿く、ヘッドセット越しでもFAN音が聞こえてくる位になり、ケース全体が熱を持つ状態となっていました。
予想される事ではありましたがSLI構成時、ケース標準では冷却性能は厳しいと判断せざる得ない結果となりましたのでFAN増設は必須でしょう。
蛇足ではありますが、元々ケースはRAVEN2を使用しており、冷却性能に優れているケースなのは理解していましたが同じ構成でCPUをOCしてもプライマリが70℃半ば(あのFurMarkを回してもプライマリが80℃迄しか上がらない)で安定しており、RAVEN2のケース性能の高さを再認識する結果となってしまいました。
詰めが甘く、初心者に優しくない設計と取説
組み込み時に確認された問題点が多く、以下の問題点が挙げられます。
①VGA長さ399mm迄対応可能とあるがHDDケージ一つ分は取り付け出来ない
メーカーHPではHDDケージを上下に分けて399mm迄対応可能な様な写真が載っていますが、実際は出来ません。今回使ったM/Bは一番上のSlotがPCI-E x1でPCI-E x16は上から2番目ですが、それでもHDDケージを上に固定するとVGAは接触して取り付け出来ません。
(SSD2枚はRAVEN2で使用している5.25変換アダプタをそのまま流用)
おそらく、現行のATXやMicroATXのM/Bでは267mm以上の長さのVGAを一番上のPCI-E x16Slotへ取り付けする場合はHDDケージは1つしか取り付け出来ないでしょう。
②ケーブル取り回しを考えられていない背面配線スペース
サイドパネルは膨らんでいますが、ケース本体の背面は写真を見て分かる様に殆ど背面配線する為のスペースがありません。又、ケース強度を上げる為に内部ベイとM/Bスペースの間を上下渡って曲げ加工の出っ張りがあり、電源やSATAケーブルがサイドパネルに接触して膨らんでしまい閉め難い。
特に電源ケーブルの24PINは太いので確実にサイドパネルの膨らみ部分を考慮してもスペースが足りません。
後、ATX又はEPS 8pin用12Vケーブルを背面から取り回す穴が開いていますが、M/Bとの隙間が非常に狭くM/B取り付け後に背面から8pin部分を取り出す事が出来ず、先にケーブルを背面から取り回してからM/Bを取り付けしないと配線が出来ません。
背面配線を行う場合、フラットケーブルの電源ならある程度は回避出来るかもしれませんが、フラットケーブルではない電源を使用する人には背面配線は非常に難しいでしょう。
③HDDのSATA及び電源コネクタが取り付け難い
ケース強度上、HDDケージ固定部分はコネクタ接続部分だけ穴が開いている構造ですが、この穴の開口部分が狭くコネクタ関係が取り付け難くなっています。
特にSATAのL型コネクタはケースに接触してHDDまで届かず、取り付けが出来ません。
④HDDの冷却
VGAの冷却は前面ケースFANで冷えますが、HDDを実は冷やしてくれない位置になってます。
HDDの温度を確認すると40℃以上になっているのを確認しましたので、FANを増設しないと寿命面で不安が残ります。
⑤付属部品の説明不足
取扱説明書に付属部品の種類・数量の記載が無く、特にネジ関係が3種類ありますが未経験者にはどのネジを何処に組み付けるのかが分からないでしょうし、ネジも一つの袋に一緒に梱包されて区別がし難くなっています。
メインケースとして使うには工夫が必要
価格面を考えれば良く出来ている部分(ダストフィルタ等)もありますが、個人的には詰めの甘さが目立つケースとの結果になります。
シングルGPUでのゲーミングPC用ケースとして考えるなら、ミドルレンジならばケース標準でも十分な冷却性能を持っていますが、ハイエンドで使用する場合はFAN増設した方が性能が発揮出来ると思われます。
無論、SLI等のマルチGPUを行う場合はFAN増設必須の結論です。
後、初心者向けに薦めたくなる価格帯なのですが、組み込む上で問題点も多く薦めるのに躊躇してしまうのが正直な所です。
厳しい目線のレビューとなりましたが購入検討されてる方の参考になれば幸いです。
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。