実は昨年ファン付ジャケットデビュー済みだったりします。
私の私物の方のファン付ジャケットです。
それは昨年、異常にクソ暑かった夏…
セントレア空港近くのホテルに作業しに行ったのですが、請元からの情報では「空調工事が終わってない」と記載があり、つまり蒸し風呂状態での作業が示唆されていたと。余りに作業員が集まらなかった為か、なんと請元負担でファン付ジャケット買っていいよのお達しが!
おかげ様で生き延びました。
その経験から、まずファン付ジャケット選びで大切な2〜3の事を書いておきます。
1. サイズは大きめを
どうしても身体にフィットした上着買いたくなりますが、ファン付ジャケットというのは「空気を流して」涼を取るものなので、若干大きめサイズがオススメです。ぴったりサイズだと身体曲げた時や座って作業する時に背中側が突っ張ってファンが抜け落ちます。何度も抜けました(昨年)
上の写真は何度も抜け落ちた私の私物で、ミズノさんのじゃありません(笑)
ファンは上着洗濯する関係上取り外し可能になっているのですが、外側から内側に向けて差し込んでプラのリングで挟んで留める形になります。しかしこのリングの取り付けが緩いと簡単にカポっと外れてしまうのです…
2. 風量や利用可能時間は余り重要では無い
これ、使ってから気付きましたが…そも「フルパワーで利用する必要性が余り無い」んですね。空気を取り込んで外に出す、風で冷やすというより「風を通して」汗を乾かし、気化熱で冷やす…そんな感じです。大体私は4段階調整の2か3のミドルパワーで使ってました。一応8時間フルパワー利用を想定してバッテリーは買い求めましたが、通常サイズで良かったかも。
写真はやはり私の私物の方ですが、空気が首筋抜ける様にバンド状の布が縫い付けられています。この構造により空気が首筋に流れる様になっています。
実は20年ぐらい前、ファンで空気を入れてバルーン状に膨れるヌイグルミに入ってゆるキャラみたいな真似したことあるんですが、空気抜けないとファンがなんぼ強力で実際風が当たってても汗ダラダラになるんですね。空気の抜け重要!
3. 洗濯を考えよう
適切に使えてればかなり涼を感じられて快適ですが、汗はかいているので皮脂汚れは避けられません。洗いやすく乾きやすい、そして洗濯石鹸でゴシゴシ洗ってもヘタレないものがいいですね。
実務は想定してないかも…
先に言うと「格好は良いです」
まぁ、外観写真載せる必要はなさげですが、実用上の問題として「大手の現場では腕章や作業員章を左腕や左胸に付ける」ので、左胸の縦開きポケットはちょっと頂けない。格好いいけれど。腕章もボールペン刺すポケットあたりに安全ピン刺せばいいけど、蓋つきポケットの方が刺しやすかったかなぁ、と。
内側のファンケーブルはボタン式のケーブル固定リボンがあり固定できます。ボタン式なのはいいですな! 機能的。
ファン固定リングもメイン1箇所が大変保持力が高い上に、上下左右4箇所固定でガッチリガード! 作業中の抜け落ちを気にしないで済みます!
機能面では良く考えられてたり、先行商品の穴は埋められてますね。ただ、現場実務がどんな感じかとかその辺の知見をデザインに落とし込めて無い感じはします。
例えば、前面チャック。
剥き出しですよね、チャックを隠す布地がない。これだと大型テレビ設置の時に作業者の前面が画面に接触した時、容易に傷が付きます(実は一台ダメにした経験があります)
作業者はこういった些細な問題を経験として蓄積して、次のウェアを選びます。私と似た作業している人はこの些細な点を見て「選択肢から外す」事もあるのです…
低評価せざるを得ない。
ちょっと厳しい事書きます。
製品企画段階で他社製品試したり、試作品着てのチェックの想定が甘かったのだと思う。
実はこの項、最初評価2で凄い酷評が延々と続く地獄の様な話に成りかけてました。
「試しにこれ着てIngressで遊んでみたものの…あっという間に汗が吹き出ました。脱いだ方が涼しいのはちょっと擁護出来ない」
上記鉤括弧部分は初期評価の一部で、こんなのが延々と続くインプレだったんですね。一応正確性を維持する為に去年のとエアリージャケットTOUGHを交互に着て色々試した結果、以下のことが分かりました。Ingressで遊ぶ奴やウォーキングでこれ試すのは「製品仕様に合わない」のです。
このエアリージャケットTOUGHは、恐らくですが「座ってデスクワークする姿勢」でテストされているのではありますまいか…もっと言うと「腕を曲げた状態での使用」を前提にしてると推察されます。
実際ミズノの製品企画の方も試して欲しいのですが、これ直立姿勢でジャケットの下端を下げると身体周りの空間が狭くなり、首筋方向の風が弱まるんですわ。試しに直立や歩行状態から腕あげてバンザイポーズすると首回りの風量が劇的に上がる。
例えば私はホテルでの配線工事とかテレビの壁面取り付け、監視カメラ設置やエアコンクリーニングなんかの作業をしますが、座り続けて作業する事は稀で、日に1万歩以上歩き、20階分に近い階段の昇り降りや脚立の昇り降りをします…実際作業時も良く歩くんです。恐らく実作業時間より歩いている時間の方が長い。業種や作業内容にも寄りますが、腕を90度未満に畳んでる時間は僅かだし、上着の左右ポケットにはネジやちょっとした小物工具が入っていて割とジャケットは下に下がり気味です。このジャケットが上手く機能しない条件が整ってしまっているんですなぁ…
腕側に風が流れてしまうのが元凶なので、袖まくって風の逃げる量を減らし、ジャケット下端をウェストまで上げて「ジャケットを膨らませ、首筋に風が抜ける様少し首を下げれば」かなり快適です。まぁ、建築大手さんの現場で袖まくりは許されん様な気もしないではないですが…
上手く使おう!
実用性項目で記載した様に、割と「使い方」にクセがある製品です。私、レビュー応募時に「耐久Ingressやる」と書いているので実際Ingressしたんですけど…正直、1日目は30分持たなかった。風の大半が袖口に抜けてしまい、体幹…特に首筋周りの風量が全然足りないのです。脱いでポロシャツ状態で歩いた方が全然マシ。
これでは酷評せざるを得ない…と冷や汗までかく始末でした。いやほんとマジで。プレミアムレビューで星一個付けて酷評したらもう二度とプレミアムレビューの機会は無いだろうなと。
例えば夏の最中に交通量計測の仕事をする。そう言う状況なら向きます。或いは町の盆踊りでテキ屋使えなくなったから有志で屋台を出す…そんな環境でも腕組んだりしてる時には効くでしょう。上手く使えば、換言したら「効率が最適化される様に工夫したら」使用感は良いです。ただ、それらの提示もなくただのファン付ジャケットとして提示されたら、他社製品との比較で「腕ばかり冷える」みたいな評価になるかもしれません。特に最近はファン付ジャケットを夏場の制服として採用している会社もあります。建築現場では割と採用が進んでおり、エアコンクリーニングの業者のミーティング(一応登録作業者数は800人ぐらい居る大手)でも「ファン付ジャケットを制服にして欲しい!」という要望が出ています。
その際にきちんと「作業内容や作業実態にマッチした」服を選ばないといけませんなぁ…恐らく「使用感」はここのマッチング次第で如何様にも変わります。今のところ私の評価としては「使用感はきわめて2に近い3」と言った所です。
デザインは良い
端的に見てくれとしてはかなり良いです。近年作業着もかなりファッショナブルになってきて居ますが、その中でも割と「格好いい」作業着っぽくない外観で、一般層にも受けそうな…但し作業従事者視点だと若干ツボ外された…そんな感じです。
ただし、ファン付ジャケットの仕様としてやはりパンパンにはなりますな。これは仕方ない。
一般層への販売考えた場合は直立や歩行姿勢での風の通りを再考する必要があるかと考えます。この服が想定しているであろう作業姿勢が限定的なのが問題ですね。
上級者向け?
いろいろ「ただ着れば良い商品」ではないポイントが散見されており、問題や課題に対してある程度の解決力がある上級者向け製品であると思います。
今回、商品到着直前に
Ingressのトレッカーメダルがブラックになってます。木曜日と金曜日で大体10kmちょい歩いた感じでしょうか。1日目は本商品の着こなし方が悪くて閉口しましたが(雨降ったりで散々だ!)2日目は使い方理解して割と快適です。
iPhoneのヘルスケアだとこれぐらい。誤差は多分仕事時はIngress起動させてないからです(当たり前だ)
更に今朝、愛犬との散歩兼Ingressで1時間程度歩き回ってみました。(袖まくりした状態)
ファン動作音に「今日のにいちゃん、なんかうるさいンゴ…」で尻込みするジンくんさん。
ポータルキーを複数取得する為に、休憩兼ねて時間つぶし。ビーフ味キューブと冷水を与えてやるとファン回転音にめげず寄って来ます。
胃袋掴めばこんなもんです。
夏なのにあまり日差しが強くないから助かりましたが、基本ファン付ジャケットは風の少ない/無い状況での使用が前提なので、風があるなら速乾素材のポロシャツなどの方が快適ではあるでしょう。歩き出して30分ぐらいで汗はどうしても出てきますし、1時間も歩くとやはり汗がかなり出ます。にもかかわらずこの様なファン付ジャケットが必要なのは、現場関係ではゼネコンさんの決まりで長袖作業服、安全靴が必須だからなんですね…
さあ、今朝の目標ポータル到着!
音世観音地蔵?
よく見てみる。
馬頭観世音(馬頭観音)の表記を逆から読んで、更に適当に地蔵扱いしたと…字も読めないとは致命的だな…大丈夫か当地のIngressエージェント…(もう一体は庚申講の記念碑でよく見る青面金剛像でした。六臂の地蔵とは斬新だなおい!w
…全くの別物です…)
今朝の成果はこんな感じ。6000Muぐらい新規獲得ですかねぇ…
ここから先は各種作業従事者向け
さて、徹底レビューに移りましょう。ここから先は現場で働く作業者や清掃その他に従事する人向け情報です。
まず、耐薬品性能ですが、手元にあったカビキラーかけた程度では染色落ちなどは発生してません。ポリエステル100%なのでこの辺は強いですな。
こんな感じで綿の布巾と比較しましたが、以下のように色落ち確認できず。
布巾の青色の変色分かるかな? 恐らくグリラーやエアコンのアルミフィン用洗剤(のうち、ガチガチのアルカリ性のもの)でも十分に耐えるかと。また、液剤浸透性も低いので「前面は」それらの薬液防御性が十分に保たれてますね。背面はファン経由で薬剤噴霧したら吸い込んでしまうでしょうが…ちょっとその可能性はあまり無いかなと。
ただし、タバコの火などにはポリエステル100%故の弱さがあります。
某速乾素材程ではありませんが、やはり溶けます。タバコ休憩の際には脱いだ方が良いですな。(ポリエステル100%素材の速乾布地はめちゃくちゃ良く溶けてしまいます)
作業中のファン外れはあまり気にしないで良いかと。
矢印方向上にして、上下左右に抜け落ち防止機構が詰め込まれており、洗濯時に外すのが困難なレベルでガッチリはまります。
サイドの内側の多段の刻みが効いてますな。
バッテリーパックは取り出しと風量調整のしやすさから左ポケット裏を使いたいところですが、たまにポケットの裏地側に入れてしまうミスが結構出がち。いっそ左ポケットは外してしまった方が良かったかもですね。
首裏メッシュ部は膨らみが足りないのでプラ板などでトンネル構造を無理やり作った方が多分快適さ増します。
実験してみましょう。
自作なのでとりあえずトイレットペーパーの芯をハサミで切って…
首筋のとこまで伸ばすと首回り苦しいので襟のラインまでが良いようですな。
丸の所を膨らまして空気の通り道を確保してやると。これやると首回りへの空気の流れが阻害されず、トイレットペーパーの芯程度でも「空気の道が潰れない」ので、袖まくらなくても、ジャケット下に引っ張っても首回りに風が来ます。
左右のポケットは深さもあり、何か雑物突っ込んでも落ちにくくなってます。外したネジとか突っ込んでも落ちないでしょうね。ただ、蓋の部分がオシャレ?な感じでボタン式のフリップみたいに中にしまい込むことが出来ないため、グリップグローブなどを付けていると若干イラつくかもしれません。
要ブラッシュアップ
製品的には完全な外構さんとかA工事(躯体工事)従事者向けだと推測されますが、そうだとしたらやはり首回りのデザインは一考を要するでしょう。彼らは下ばかり見ているわけではなく、割と視線上に向けた姿勢をしています。その様な作業者の姿勢や動きを見て空気の流れをデザインしないと厳しいと思います。
一般的な作業着デザインから逸脱しているのも「オシャレ」としては、いい。しかし作業着のデザインというのは機能を突き詰めた結果として出来上がった物なので、この「機能を突き詰めた」部分を無視してデザインすると「機能性が低下してしまう」
また、もし一般販売(庭木の手入れや夏場の雑草むしりする用途)を考えているならば、製品ラインを別に用意するべきです。動きが違えば服の中の空気の流れも変わります。素材的にも綿とポリエステル混ぜた布地の方が肌触りが良いし、ここまで頑丈な生地を使用する意味がない。また、この場合の競合となるのは空調服ではなく他の機能性素材を用いた作業着になるでしょう。
どんな人が着るのか、どんな作業をするのか…ミズノさんであればアスリート向け製品開発の経験は豊富でしょうから、先の前提はご理解頂けていると思うのですが…C工事にたまーにちょろちょろ潜り込むセミプロが見ても「このままでは、どうかなぁ?」と思うわけで…A工事従事者向けなら今だとフルハーネス(いわゆる安全帯。今後ベルト式ではなくフルハーネス式に法制が変わって行きます)対応とか必須じゃないかなぁ?
エアコンクリーニングで使用してみた
エアコンクリーニング。
夏に流行る魔のサービス。毎年夏の始まりに各種メディアが煽りに煽り、なんでもっと早くに頼まなかったんだ! と業者が頭を抱える地獄の一丁目…
所謂ハウスクリーニング業者が必要になるレベルの汚れとは、2年ぐらい掃除してないんじゃないかと推察されるフィルター部に堆積した埃の層と、フィルター部から空気が取り込めない為にエアコンカバーのあらゆる所から侵入した埃の芸術品であり、扇風機の風や窓からの換気により埃が舞い散る恐れがあるため、ほぼ密閉された室内での作業となる。つまり、ファン付ジャケットの出番だ。
で、仕事で使ってみたんですが、袖捲り上げて袖口からの排気を止め、首筋だけから排気するといい感じですな。風呂場でカバー類洗う時はうるささマキシマムではありますが、汗だくになり帽子のツバから汗が滴り落ちる惨状とは無縁になりました(下請けとして行っているので作業写真はありません)
私ぐらいだとお掃除機能無しのノーマルエアコンは機材搬入から退出まで最速40分程度。これぐらいなら勢いで乗り切れますが、一件でエアコン3台とかになると流石に今の時期身体中汗でぐちゃぐちゃになる…今日はそこまでは行かなかったし、大量の汗による水分補給休憩も省けた。ちょっとお客様から奇異の目では見られたけど、気温30度超えだと威力発揮しますね。
エアコン用のアルミフィン(熱交換器部分)用の洗剤はかなり強烈なアルカリ性で、木綿や綿の混じった素材だと付着により退色しちゃうんだけど、これなら大丈夫そう。常時使うのは考えものだけど、必要に応じて使うというのはアリでしょうな。気温高い日は持ち歩くようにしようかと思います。
Vesselさん
2019/07/20
Vesselさん
2019/07/20