まず最初に、今回は商品紹介という趣旨ではないので、開封の様子などは全て省略します。
パッケージングの状態などは、画像だけ載せておきますので判断して下さい。
付属品や詳細スペック等も、オフィシャルサイトや各販売サイトに掲載されておりますので、そちらを参照してください。
まずは今回のレポートに際して使用した機材の紹介をしておきます。
UMPC(GPD pocket)と、VOD(amazon FIRE TV STICK)、ゲーム機(PS VITA TV)、スマートフォン(Honor8)。
撮影機材はSONY NEX-5R レンズSELP1650。
比較対象としたプロジェクターはSANYO LP-Z2000、スクリーンはシアターハウスのオーダーメイドで約90インチ。
実際の使用感に対するアプローチをメインとしてレビューしていきますので、パッケージの内容物について細かくは触れません。前出の画像と、各通販サイトやオフィシャルサイトをご確認下さい。
外観と機能性と設置性
まず手にして感じたのが、質感の高さです。
各部品の組み付け精度も高いようで、変な隙間が開いていたり、歪んでいたりすることもありません。
ピント調整部分など切削加工がされていて、かなり高級感のある見た目になっています。
今回は専用の台座と上方投影用のミラーをセットでレビューさせて頂いていますが、裏面にあるネジ穴は一般的なカメラ等のものと同じ規格ですので、カメラ用の三脚等はそのまま使えます。
上方投射用のミラーは、文字通り天井等に向けて写し出す他にも使用出来る場面があり、それは投影距離を稼ぐ、というものです。
本機は倍率固定のプロジェクターですので、映像を大きく映そうと思うと、その分だけ投影面との距離を取る必要がありますが、部屋の中ではそれも限界があります。
その場合もカメラ用の三脚等、安定感のある台座を用意した状態で、ミラーを取り付けて垂直に向けて設置すると、若干ですが水平方向への投影距離を稼ぐことが出来ます。
実際にテストした結果ですが、
設置した三脚の中心から、投影面となる壁までの距離2.9m
水平投射の場合75インチ/ミラー使用の場合78.6インチ という違いが出ました。
多少の違いに見えますが、これは当然のように投影面との距離が延びるほど、その差は大きくなっていきますので、より大きく映そうとすればする程、意味が表れてくるのです。
こういった使い方は、所謂据え置きのプロジェクターでも昔から使われてきた手法で、他にもワイドレンズと取り付ける等、色々な方法で投影距離を稼ごうとしたものです。
本来の用途とは異なるかもしれませんが、こういった使い方もある、という参考になればと思います。
各機器との相性
UMPC、VOD、ゲームコンソール、スマートフォン。色々と試してみた中で、やはり相性が最も良いのはスマートフォンでした。
無線で接続できる上に、どちらもバッテリーを内蔵していますので、モバイル性が最も高い組み合わせとなります。
一部のアプリ等では、外部出力していると映像を映せないものもありますが、ゲームを含む多くのアプリで問題無く使えました。
次に相性が良かったのはUMPCです。
本機をセカンドモニターとして使用することによって、簡易なシアターだけではなくビジネス用途でも、プレゼンテーション等で力を発揮しそうです。
本機とUMPCとの組み合わせですと、ほぼほぼ1kgに収まってしまいますので、持ち運ぶ時の負担がかなり軽減されます。
VOD、ゲームコンソールとも相性は悪くありませんでした。
どれもスクリーンではなく、敢えて普通の壁紙に投影してみました。
距離は約2.5m程で、サイズは65~70インチになると思います。
実際にスマートフォンでゲームしているところを映し出してみました。
壁紙に映しているとは思えないくらい綺麗です。
amazonのFIRE TV STICKからも、「君の名は。」を映してみましたが、かなり綺麗です。
やはりDLP機はアニメやCGに向いているのかな、という印象でした。
しかしスクリーンに映し出すと更に綺麗で、体感1.5倍ぐらいには精細になります。
なので簡易な物で構わないので、スクリーンを用意して使ってみて欲しいですね。
モバイル性
まずは本機の製品カテゴリーでもある、モバイルプロジェクターとしての機能性を見ていきます。
プロジェクターということで、明るい場所での使用はかなり制限され、実際に持ち運んで使うとなると、旅先や訪問先での夕方以降か、もしくはカーテンを閉めて暗所を作れる環境での使用になるかと思います。
旅先ということですと、スマートフォンやタブレットとワイヤレスで接続が可能ですので、昼間に撮った画像を皆で見る、といった使い方が考えられます。
同様に訪問先(友人・知人宅等)でも、同じような使い方が出来ますし、wi-fi環境下でしたらスマートフォン経由で動画を再生する等、パーティーなどを盛り上げる為にも使えそうです。
他に考えられるのはキャンプでしょうか。ロープを張って白いシーツでも垂らせば、簡易な屋外スクリーンの完成です。注意点は虫も大量に集めてしまう、ぐらいですね。
上記のようなシチュエーションは、なかなか用意するのが難しいのですが、停車中の車中での使用ということを考え、実際に試してみました。
車のラゲッジスペースに、UMPCであるGPD pocketと一緒に持ち込んでみました。
そのままミラーを使用して、車の天井部分に映し出してみた画像になります。
これは思っていた以上に綺麗で驚きました。
後部座席をリクライニングさせて上を向くと、車内がちょっとしたシアターに!
日中は地下駐車場ぐらいでないと明るさ的に難しいですが、
夜間であれば駐車スペースで、こういった使い方も出来ます。
映画を見せてもよし、ゲーム機を繋いでもよしで、子供を退屈させずに済みそうです。
個人的に最も気に入っている組み合わせは、やはりこれです。
ここにスマートフォンがあれば、テザリングによるインターネットへの接続も含めて、ほぼどんなコンテンツでも、場所を選ばずに大画面で出力することが可能です。
もちろんスマートフォンだけでも十分ですが、無線での接続は周囲の環境に影響され易く、安定して使用しようと思うと、やはりHDMIでの優先接続に分があります。
今年の秋はこの組み合わせで旅先へと持ち歩き、色々と楽しめそうだと思っています。
据え置き性能
最後は据え置き器として使った場合の評価です。
モバイルプロジェクターにカテゴライズされる本機ですが、720Pという性能は一昔であれば据え置き型のプロジェクターとしても、普通に主流だった性能です。
そこで実際に私が現在使っている据え置き型のプロジェクター(FHD)に対して、置き換えることが可能かどうかの実証テストをしてみました。
投影距離に限界がある為、どうしても画像サイズは小さくなってしまいますが、その分だけ高精細に感じられます。
比較対象が液晶型であったこともあり、DLPらしい色乗りの良さなど、本気の利点もかなり感じ取ることが出来ます。
内部にセンサーがあるらしく、自動的に本機の傾きを検知して、台形補正してくれるという点からも、設置性は良い機種になりますので、家庭内での据え置きという使い方も、十分に可能なのではないでしょうか。
尚、内部センサーがしっかりと感知してくれますので、上下を反転させても設置も可能です。所謂、天吊というやつですね。
打ち込み角度の無い本機ですが、スクリーンの位置によっては反転させて、下向きに投影した方が邪魔にならないケースもあるかと思います。
投影距離によっては、解像度としては低いはずの本機の方が、より高精細に見えるのが不思議です。
やはり液晶とDLPとの差ということでしょうか。
動画で見てしまうと分かるのですが、肉眼だとブレーキングノイズもほぼ感じられないので、DLPが苦手だという方にも、安心して勧められそうです。
気になった点
モバイルプロジェクターとして十分な性能を持っている本機ですが、いくつか気になった点もありましたので、メーカーへの要望という形で記しておきます。
①収納用具
モバイルするということを考えた時に、精密機器を裸で持ち歩くのは怖いです。
これはオプションのミラーも同様で、台座も含めて持ち運べるような、専用のキャリングポーチのようなものがあればと思いました。
現状では大きさ的に最も近い、外付け光学ドライブ用のポーチを流用しております。
②音声出力端子
スピーカーを内蔵している本機ですが、家庭内で据え置き状態で使った場合など、やはり外部に音声を出力したい場面があります。
3.5mmのミニジャック、或いはいっそBluetooth接続が出来るようになれば、より使用方法の幅が広がるのではないでしょうか。
③上辺の歪みが少し気になりました。これは個体差ということもありますので、不具合とは捉えておりませんが、下辺と比べるとやはり湾曲しているのが気になります。
内部のレンズが若干ですが下方に位置しているので、その影響ではないかとも思っています。
ただ、画質に大きく影響が出るものでもありませんので、それほど気にする必要も無いのかなと。
所有することへの満足度
こういったガジェットは完成度が高いものですと、所有するだけでも満足度を得られる面がありますし、本機はかなり実用性の高いモデルだと思います。
本製品はその点において、十分に所有欲を満たしてくれる品質と性能を持ち合わせているのではないでしょうか。
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