電子タバコっていうと、どうも喫煙具の代用的なイメージで語られるものなんだけど、海外だとVapeと呼ばれて、一種の嗜好品として扱われてたりする。
今回、レビューすることになったAINOHAはその”Vape”の括りに入る製品。
使い勝手というか、誰でも気軽にVapeを体験出来る。
商品自体は、単なる棒にしか見えないんだけども、右側の先端部がLEDになっており、作動中に点灯する仕組み。
作動自体は単純で、吸い口から吸えば作動する。
つまり、スイッチ等は一切ないので、ほぼ誤動作の危険はない。
・・・とはいえ、説明書とか一切入ってないので、使い方どうすんだろうと迷う人は絶対出るはず。
箱の裏にシール一枚貼るだけでもいいので、対策は必要だと思う。
こちらが外箱の写真だけども、このように一切「説明書き」とか「使用法」に関する日本語の記述がない。
配布用ではく販売されているものには何かしら貼ってあるのかもしれないが、これだと箱だけ渡されたら「中身がなんだかわからん」し、子供が使ったら色々まずい。
ニコチンも入っていないし、リキッド自体は自然派ってことで「吸っても害は無い」けども、知らずに分解したら下手すると火災の原因になる。(リチウム電池入ってるので)
吸い口側は穴が開いているだけ。
ここを咥えて吸い込むと、中からベリー風味の蒸気が発生するようになっている。
風味については、普段タバコを吸いなれている人ほど「薄い」と感じるかもしれない。
というのも、電子タバコを吸い慣れていない人で、かつタバコを吸っている人ほどやりがちなのだが、俗に口吸いと言う咥えタバコでよくやる「一秒吸うかどうかの短さ」で口に貯め、それから肺に吸い込むという吸い方をすると、刺激の弱さと相まってかなり味が薄めに出てしまう。
そのため、本製品の真価を発揮するためには、比較的長めに吸って「即座に肺に送って、鼻で吐く」という、香りを楽しむ方向での吸い方をするほうがいい。
吸ったら吸っただけ気化する仕様なので、濃いめに出したければ吸い込む時間を長めにすると、その分ちゃんと味が出る仕様になっている。(つーても、あんまり長く吸うと咽ますが)
ただ、そうした使い方が「やりづらい」のが、AINOHA最大の問題だったりする。
これについては後述するが、この製品・・・・要は「ドローが重い」んです。
本格的な電子タバコとの比較は厳しい。
今回、比較の対象としたのは、電子タバコでも「BoxMod系のド定番」たるiStick Picoに、これまたトップフィル・タイプのクリアロじゃド定番たるTopTank Miniの組み合わせ。
比較対象の詳細はこっちのレビューを参照頂くとして、結論を言うと「比べちゃ駄目」としか(汗)
いや、このサイズとしては普通の煙量で、フレーバーの風味もそこそこ出ているのですけど、それでもやはり「決定的にドロー(吸った感じ)が重い」せいで、長めに吸い込んでフレーバーを多めに楽しむとか、そういう動作がし辛い。
また、フレーバー自体がやっぱり自然派過ぎるというか、ズドンと来るものがないので、刺激を求める人には決定的に向いてないです。
特に、後述する構造的な問題から強いメンソール系統は作れないと思われるので、刺激が必要となるタバコの代用とは考えない方がいいと思われます。
むしろ、これ【普段タバコを吸っていない人向け】の製品という印象を受けました。
なお、結構長めに吸っても普通に四日以上持った上に、リキッドの味がしなくなっても電池は動作し続けたので、思ったよりもずっと長寿命。
ただ、iStick Picoのレビューを読んで頂ければ判るように、一般的な電子タバコはフレーバーが尽きたらリキッドを補充すりゃ良いだけで、BOXMOD系なら普通に二日三日は電池が持つことを考えると「再利用が困難」なAINOHAは比較するとどうしても不利。
ただ、構造的に「吸えばいいだけ」「一般的な電子タバコと比べて軽量」「同サイズの電子タバコと比較した場合、圧倒的に長寿命」「同じく同サイズの電子タバコと同程度のミスト量」と、サイズと重量に関してはかなり優秀です。
咥えタバコが出来る電子タバコって余り無い(比較的小型のモデルでも、スイッチ式が多い)ので、そうした使い方をしたい場合は、現状唯一無二かもしれません。
再充填可能、ただし電池は使い切り。
とりあえず、結構長めに吸い続けてリキッドが尽きても、電池はまだ持ってました。
なら、再充填出来ればもっと使えるんじゃないかなぁ・・・・ということで、さっくり分解を実施。
分解した結果がこちら。
本体自体はステンレスの筒で、そこに「LED、電池、仕切り蓋二つ、リキッドをしみ込ませたコットンを巻いたヒーター」が順に並ぶ構造になっています。
仕切りの蓋が二つあるのは、リキッドと電池を完全に分離して短絡を防ぐためですね。
この蓋、筒から抜き出すだけでも相当に苦戦したので、構造的には単純ですが漏れによる短絡はしないでしょう。
んで、結論から言うと「吸い口部分を外す」だけで、リキッドの再充填は可能です。
吸い口を外すだけでヒーター周囲のコットン部分を露出出来るので、そこにリキッドを垂らしてやれば再充填して好きなフレーバーを吸う事は出来ます・・・・が、正直お勧めはしません。
特に仕切り蓋が樹脂、かつ本体がステンレスなので、メントール系の利用はNGです。
リキッドに対する耐性がどの程度か不明なので、リキッドによっては樹脂を劣化させて電池の短絡事故に直結する危険があります。
構造的な興味から分解してみましたが、再充填は出来るけど危険です。
やめたほうが賢明。
電子タバコがどんなものか試すにはいいかも。
やはり、使い切り構造の限界というか、本格的な電子タバコとの比較はちょっと無理です。
ここ最近の電子タバコは安価なものでも作りが良くなっており、セット品の初心者向けキットでもかなりの煙量があります。
リキッドもニコチンが入っていないものなら、国産品も含めて安全性の高いものがAmazon等で手軽に入手できるため、正直AINOHAを「常用」するには少々厳しいです。
ただ、買って蓋取るだけで即Vape出来るというお手軽さは他の追随を許さないので、電子タバコってどんなのだろうと試す、出先でちょいと吸いたい用として鞄に忍ばせてくとか、そういう使い方にはいいかもしれません。
なにしろ、封を切らなければ保管しておけるってのは、電子タバコとしては珍しい特性ですし。
味の方も、私がもらった奴は「ちょいと長めにドロー」すると結構しっかり味が出ます。
煙量も、このサイズとしては十分以上なので、電子タバコそのものとしての性能も悪くはないです。
なお、ドローがどうしても重いと感じる人は、吸い口の穴をカッター等で広げると改善します。
煙量も増えるので、そこらへん不満な人は吸い口を弄るといいかもです。
・・・・というか、これ吸い口の穴を倍にするだけで、かなり評価変わると思うんだ。
私は吸い口弄って評価変わったんで。
ちょいと改良してくれると、良い感じなんだけどなー・・・・って思いました。
hidechanさん
2017/07/03
普通は吸い口の改造なんてしないんじゃないかな~><
でも、電子タバコを使用している人が、ちょっと弄るだけで満足できるレベルがお手軽に楽しめるってのはポイントが高いですけど、やっぱりコストが高いですね~w
Vossさん
2017/07/03
電タバでドロー重い時は、調整機構がない場合は吸い口弄るというか交換(だいたい交換出来る)してみるのが基本なので、多分「穴を広げりゃ良くなるんじゃねーのコレ」って発想です。
なお、穴を広げない状態だと「足りない」って感じる事の方が多いですね・・・・ノンニコチンのリキッドとしても刺激が薄すぎるので、喫煙者向けの製品じゃないなーって印象。