今回レビューさせていただくのは、Eyefi Mobiカードだ。
このEyefi Mobiカードは、撮った写真をスマホやタブレットにWiFi転送するだけでなく、その写真データをEyefiクラウドにアップロードし、他のデバイスからも閲覧できるようにする。
■ テーマは『Eyefiクラウド の活用術』・・・
レビューテーマは『Eyefiクラウド の活用術』
カメラに Eyefi Mobi 16GB を使って様々な場所で写真を撮影、Eyefiクラウド を活用し、実際の利用シーンを交えながらサービス・製品の魅力や利便性をレビューするというもの。
使用するカメラは、DSC-RX100M2、PEN-Light E-PL5と、EOS KISS X5を予定。
RX100M2では内蔵WiFiとの比較(特にクラウド連携の点)。E-PL5/X5はWiFiを内蔵しないため、Eyefiカードを使った場合の使い勝手をレビューする。
また、PQI AirCardを所有するため、元祖WiFiカードであるEyefiとの比較をしてみたい。
■ レビュー品について・・・
本品は、ブリスターパッケージで包装されている。SDHCクラス10だから、RAWデータでの保存や、連写、動画も問題ないと思われる。
転送されるのはJpg画像だけだが、後からホワイトバランスや露出などの補正が必要な場合を考えるとRAWデータが必要になるので、保存型式はJpg+RAWが望ましい。
そう考えると、16GBの容量的も、丁度良いサイズと言える。
パッケージの裏面には『90日間のEyefiクラウドつき』ハサミマークが記載されている。
ブリスターパッケージの中には、SDHCカードと共にメンバーシップカードが入っているのだが、このメンバーシップカードがちょっと取り出し難かった・・・
メンバーシップカードの裏面には、セットアップ方法が記載されており、iPhoneやiPadのiOS端末の場合App Storeから、Andorid端末の場合はGoogle Play、そしてKindle Fireの場合はAmazon Appsから、専用アプリをインストールする必用があることがわかる。
WiFiカードの先駆けだけあって、Kidle Fireでも使えるのは流石ですね。
そして、連携させるアプリとの間で必要となるアクティベーションコードが記載されている。
このアクティベーションコードは、再インストール時などに必要となるので、無くさないように気を付けなければならない。
■ 連携デバイスへのアプリインストール・・・
今回、連携デバイスとして選んだのは、Nexus7(2013)だ。
Nexus7を選んだ理由は、画面の大きさからだ。
iPhoneの方が良いかとも考えたが、7インチ画面の方が写真鑑賞に適していると考えた。
Eyefi Mobiは、Google Playで "eyefi" で検索すればすぐに見つかるので、インストールしアプリを起動する。
カードからの転送機能を使うために『Mobiカードを使う』をタップし、同梱されていたメンバーシップカード裏面に記載されたアクティベーションコードを入力する。
再度『Mobiカードを使う』をタップすると、Eyefiカードを探しに行く。
カメラにEyefi Mobiがセットされて、カードのWiFi機能がONされていると接続される。
Eyefiクラウドを使うためのアカウントは、このアプリから作成が可能できる。
アカウントの作成が完了すると、メールが送られてくる。
ここまで進めたら、準備は完了だ。
■ PEN E-PL5で使ってみた・・・
まずはじめに、E-PL5で使ってみた。
E-PL5はWiFi機能は内蔵していないが、Eyefiカードに対応しており、Eyfeiカードを挿入すると、設定メニュー内で転送機能のON/OFFができる。
この設定はデフォルトでONなので、実際には何もしなくても使えてしまう。
撮影してみると、撮影時の液晶画面左上に、無線通信中のアイコンが表示された。
撮影が完了すると、暫くの間、このアイコン表示が点滅をする。
そして、Eyefi Mobiアプリに写真が転送されてくる。
カメラ側でも、転送済みの写真にはマークが表示される。
■ EOS KISS X5で使ってみた・・・
次に、KISS X5にセットしてみた。
すると、見慣れないアイコンが表示された・・・
MENUを辿ると、Eye-Fi設定と表示されている。
(この表示は、Eyefiカードが入っていないと表示されないので、今まで知らなかった。)
この設定が、デフォルトでは『しない』になっている。
設定を『する』に変更すると、更に通信情報一覧が表示されるようになり、Macアドレスや、ファームウェアバージョンの確認ができる。
設定を終了すると、Eyefi通信が有効になったことがアイコンでもわかる。
こちらも、E-PL5同様に、ファイルごとに転送完了が表示されてる。
■ Eyefiクラウド連携を試す・・・
今回、出張の機会があったので、E-PL5にEyefi Mobiをセットして連れて行った。
Nexus7はWiFiモデルなので、クラウド保存ができるよう、WiFiルータも一緒に持ち出した。
Nexus7にインストールしたEyefi Mobiアプリは常駐しているようで、E-PL5で撮影すると、程なくWiFi接続先がEyefiカードに切り替わり、アプリに転送されてくる。
切り替えを早くしたい場合は、Eyefi Mobiアプリを立ち上げれば、直ぐに探しに行ってくれる。
撮影後しばらくすると、Eyefi MobiのWiFiがOFFになると、Nexus7の接続先はPocket WiFiに切り替わり、Eyefiクラウドへの転送が始まる。
転送が完了すると、iPhone/iPadやPCなどのデバイスからも閲覧が可能となる。
アプリで作成したアカウントでログインする。
撮影 ⇒ Eyefi Mobi アプリ ⇒ Eyefi クラウドへの連携が、自動で行われる。
撮影後の画像確認が、タブレット(Nexus7)の画面で確認できるため、カメラの3インチ程度の画面と比較して、画像確認がしやすい。
クラウド保存されたあとは、より簡単に、iPhoneで見ることもできるし、タブレットやPCで周囲の人に見せることもできる。
これはとても便利だ。
ただ、ひとつ気になったのが転送される写真データのサイズだ。
最近のデジカメは高画素化が進み、1枚の写真データが数MBになる。
E-PL5が1600万画素、X5が1800万画素、RX100M2は2000万画素あり、Jpg型式でも最大サイズ、最高画質だと、1枚のデータサイズは5MB~10MB位になる。100枚撮ったら500MB~1GBになるってことで、これではNexus7のストレージを圧迫するし、クラウドにアップロードする際のパケット量も、あっと言う間に上限だ・・・
※ 2014/9/8迫記
Androidアプリでは、設定メニューの『ストレージ管理』から、元データを端末に残すかどうかを指定できることが判明した。
キャッシュサイズと共に設定することで、ストレージの圧迫を抑えることができる。
ただし、残念ながら、iOSアプリに同項目の設定は無かった。
そこで、Jpgの画像サイズ/圧縮率を変更することで、データサイズを抑えてみた。
撮影時の記録は、前述したとおりJpg+RAWにしているので、RAWデータを残しておけば高画質のファイルを作成することは可能だ。
Nexus7やPCでの閲覧を考えても、画像サイズはフルHD(1920×1080)程度あれば充分だし、Webにアップする際のリサイズを考えても、この程度のサイズならばそのまま使用できる。
E-PL5ではJpg+RAW保存の際でもJpgサイズ/画質を選択できるため、Mサイズを1920×1280 pixelに、画質をNormalにしたところ600KB程度/枚になったので、これで使うことにしたが、画面で見る限り特に差は感じらず、転送にかかる時間は短縮されたので使い勝手は上がった。
X5は残念ながら、Jpg+RAWに保存時のJpg画質はLサイズFine固定となってしまう。
この辺りは、カメラ造りにおける基本コンセプトの違いなのか・・・
どうやら、E-PL5で使う方が良さそうだ。
■ iPhone5と連携させてみた・・・
ここまで進めてきて、ふと気になることが・・・
Nexus7だと、クラウドへのアップロードのために、WiFi接続先の切り替えが必要だが、転送先をiPhoneにすれば、WiFi経由でカメラ→iPhoneと転送され、そのままG3/G4回線経由でiPhone→クラウドへのアップロードと、接続先の切り替え無しに済むのではないか?
iPhoneにはEyeFi Mobiアプリはインストール済みだが、Nexusでアクティベーションしちゃったから、iPhoneへの転送はできるのか?
アプリの設定メニューには、カードの追加はあるが、登録解除は見当たらない・・・
ならば、試してみるしかあるまい・・・
iPhone5でEyefi Mobiを起動し、設定メニューから『カードのアクティベートと確認』を選ぶと、Mobiカードを追加するためのアクティベーションコードの入力画面になる。
すでに登録済みのEyefiカードが下段に表示されているのだが、かまわず入力してみると、端末とカードを接続すると言ってきたが、『はい』を選択する他に選択は無い。
結局、プロファイルをインストールすることで、スンナリ接続でき、iPhone5、Nexus7の両方から接続し、転送することが可能となった。
Nexus7のWiFiをOFFにしてみて確認すると、結果は予想通りだった。
撮影した写真データは、WiFi経由でiPhone5に転送された後、すぐさまG4回線経由でクラウドにアップロードされた。
この動作はWiFiの切り替えが不要なので、とてもスムーズにクラウドにアップされる。
撮ったその場で、できるだけ大きな画面で確認したい場合はタブレットと連携させるのが良いが、通常はスマホと連携させておき、後からタブレットやPCでクラウドに保存されたデータを閲覧するのが良さそうだ。
■ RX100M2の内蔵WiFiと比較してみた・・・
所有するカメラのうち、RX100M2だけがWiFi内蔵だ。
RX100M2では、撮影した写真は自動では転送されず、カメラ側での操作が必要だ。
事前に専用アプリ(PlayMemories Mobile と、PlayMemories Online)をインストールしておく。
※ 各アプリの機能は以下の通り
PlayMemories Mobileは、写真の転送だけでなく、リモート撮影(静止画/動画)もできる。
PlayMemories Onlineは、クラウドへの自動アップロードとクラウド上の写真閲覧を行う。
RX100M2から写真を転送する場合は、RX100M2側で「スマートホン転送」を設定する。
次に、転送する写真をカメラ側/接続デバイス(スマホやタブレット)側の、どちらで選ぶかを選択すると、RX100M2のWiFiがONになる(以下は、カメラ側で指定する場合)。
ここでデバイス側のWiFi接続先をRX100M2に切り替え、アプリ(PlayMemories Mobile)を立ち上げるの必要があるのだが、Nexus7の場合はNFC内蔵しているので、RX100M2をNexus7の背面にタッチするだけで接続先の切り替えとアプリ起動が行われ、写真が転送されて来る。
また、この時の写真サイズをリサイズする(2Mpixel相当)こともできる。
転送が完了するとクラウド(PlayMemories Online)にアップロードされる。
アップロードされた写真は、専用アプリを使って閲覧可能だ。
閲覧可能なデバイスは、iOS/Android/Windows/Macの他、BRAVIA(2011年以降発売モデル)やPlayStation3からも可能だし、ブラウザからも閲覧可能だ。
※ IE11は問題なかったが、Chrome(CoolNovo)では写真が表示されなかった・・・
EyeFi Mobiとの比較
- Eyefi Mobiが優れている点 (あくまでも主観ですが・・・)
- 専用アプリが1つで済むこと
- 特別操作しなくても、撮影した写真がデバイスに自動転送されること
- PlayMemories Mobile/Onlineが優れている点 (同じく主観ですが・・・)
- リモート撮影ができること
- 転送時/クラウドアップロード時にオートリサイズする機能があること
- 対応デバイスが多い
リサイズについては、前述のようにJpg画質と合わせてカメラ側で設定することで対応できる。
兎に角、撮影した写真を早く確認したい場合はEyeFi Mobiの自動転送は有難い。
■ PQI AirCard と比較してみた・・・
以前、写真データ転送を楽にしようと、PQI AirCardを購入した。
詳細は上記レビューを参照いただきたいが、大まかな操作は以下の通りだ。
- カメラを再生モードにする
- WiFi機能を有効にするため、該当の画像を削除する
- デバイス側のWiFi接続先を切り替える
- アプリ(PQI AirCard+)を立ち上げる
- 写真が表示されたら、転送したい写真と、転送先を指定する
EyeFi Mobiとの比較
- Eyefi Mobiが優れている点 (あくまでも主観ですが・・・)
- 自動転送なので、基本的に操作不要
- アプリの安定性に優れる
- PQI AirCardが優れている点 (同じく主観ですが・・・)
- 転送する写真を選択可能
- 直接接続/アクセスポイント経由の使い分けが容易にできる
■ まとめ・・・
基本的に天邪鬼なわたしは、今までEyefiカードを意識的に避けていた。
ただ、意味もなく避けてきたわけでもなく、撮影した写真を全て転送する仕様もEyfiカードを避けていた一因でもあった。
しかしながら、今回元祖WiFiカードであるEyefiを使用したことで、安定した動作からくる安心感と、操作の要らない自動転送の便利さを実感した。
PQI AirCard や RX100M2 の内蔵WiFi機能と比較しても、自動転送の優位性が光る!
使用形態を選ぶのも確かだ。
今回使用したカメラの中でも、EOS KISS X5はJpg画像のサイズが大きくストレージを圧迫したり、クラウドへのアップロードする際のパケットデータ量の増大という問題がある。
X5で撮影を行う際は、一度の撮影で500枚以上撮ることもあり、データ量も数GBになるので、モバイル回線で使用するのは現実的じゃない。
そもそも、数百枚の写真データを転送しても、見るだけでも大変なのが事実。
これだけの量になると、後からPCでジックリと選別していく必要がある。
一方、ミラーレスのE-PL5では、気軽に撮影できる代わりに、一度に数百枚もの撮影をすることも無いだろうし、E-PL5の画質設定の柔軟さも、活用しやすい環境を提供してくれる。
気軽に撮影した写真を、家族や周囲の友人たちとタブレットの大きな画面で確認できるのは、コミュニケーションとしても有効だろう。
RAWデータの転送には対応していないが、RAWデータはサイズが大きい(20MB前後)上、専用ソフトでの現像が必要なので、カードリーダーを使ってPCに取り込むのが現実的であり問題ない。
一つ気になったのは、自作デスクトップにおいては、USB2.0接続の内蔵R/Wではカードを認識してくれなかったことだ。
USB3.0接続の外付けR/Wでは問題なかったので、レビューに影響は無かったが、カードの消費電力によるものや、PC環境、R/Wとの相性など、原因が気になるところだ・・・
■ おまけ
その1
最後に、レビューテーマには無いが、SDHCカードとしての性能を確認してみた。
比較したのは、公称45MB/sを謳うしておく。定番のSanDisk Extreme(16GB)だ。
ほぼ公称値通りの性能だ。
Eyefi Mobi(16GB)もSDHCクラスはClass10ながら、UHSには非対応だが・・・
性能的には、Class10として考えれば立派な性能だと思う。
そもそも20MB/sであれば、PCでの転送においては、USB2.0(カードリーダーの対応含む)環境での使用であれば、より高速なカードとの差も、ほとんど無いだろう。
実際の使用においても、撮影時にストレスを感じることはなかった。
その2
より大きな画面ならどうかと、iPadでも使用してみた。
結果的には、使用にあたっての準備はiPhoneと同じ。使い勝手はNexus7とほぼ同じだった。
このiPadにはSIMが入っていない(回線非契約な)ので、WiFiのみの動作となり、レビュー内のNexusと同様の動作となった。
画面は大きくなったものの、第3世代iPadは重く、取り回しの良さはNexus7に敵わない。
回線契約のあるiPad Airならば、違う評価になったかもしれない・・・
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