まず感心したことは、この製品は加湿機能、マイナスイオン発生器などがないことである。
機能が少ないと損をしたような気持ちになる方も少ないと思うが、私はこれを大変好意的に見ている。
というのも、私の花粉症は花粉症カレンダーで、年に2週間しか空白期間がない。杉、檜、ヨモギ、イネ科の植物、ススキ、ブタクサなどほぼオールシーズンでである。
そのため、加湿機能は必要ないが空気清浄機の機能はほしいという時期には、加湿器部分は邪魔になってしまう。加湿機能がいらない時期もあるし、水を用いるのでメンテナンスの手間がある。
マイナスイオン発生器は、効果のほど如何は置いておいても、他社の搭載機種は本体が結構大型化している。
そんなわけでコンパクトで簡単な構造をしている本製品、その特徴をレビューできればと考えている。
というわけで開封。
まずは箱から
この2面X2なので「日本製」の文字が4面にすべてに。そして性能アピール。単純でわかりやすい。いかにも家電という味がする。
そして開封。
軽量なので簡単に取り出せた。
そしてドン。
一般にイメージする空気清浄機と比べてかなりコンパクト。
フロントビュー
リアビュー
スイッチと排気口
これを見てわかるとおり、スイッチは弱→強→OFFを順繰りに切り替えるだけ。タイマーすらない潔い設計。説明書の「ご使用方法」が1ページないのである。
フィルター部分。手前の青いのが殺菌をうたうフィルター、準HEPAフィルター(洗えるフィルター)はカバーの奥に、そしてその奥にファンがあるだけの、単純な構造。
吸引した空気から粒子をこしとるのだから、考えれば納得の構造で、これなら故障も少ないし、複雑なだけが機械じゃないことを教えてくれる。今どきの扇風機がリモコン操作なことを考えると扇風機より単純な機械ではないだろうか?
フィルターをセット
準HEPAフィルターを取り出してビニールを破り、青いフィルターもビニールをとってその上に重ねる。そしてプラスチックのフィルターでふたをして固定するのだが、何も考えず、本体を立てたままつけようとすると、青いフィルターがなかなかうまく置けない。
10分格闘し、本体を一度寝かせればよいことに気付いた。そしてその旨は説明書にちゃんとある。単純な機械であっても説明書はしっかり読もう。
そして設置である。軽いしコンパクトなので、少々高い場所でも安心しておくことができるし、前面横方向から吸気し、上に排気するので、床のほこりを巻き上げないし、部屋の隅に置くこともできる。取り回しもよい。
ここで、動作音が気になる方も多いと思うが、音量としては、弱ならば気にする程度ではない。テレビの音でかき消されるレベルであるし、クリップ固定タイプの小型扇風機の弱よりも音は小さい。コンプレッサー式除湿器やエアコンの動作音と比較しても十分に静かだといえると思う。
一方、強ではなかなかに音がするが、あまり出番はないのではないかと考えている。というのも、私が使った感想では、6畳程度なら弱で十分だと感じたからだ。
効果はある。ー追記20140502
まずは一週間程度使ってみたところ、一つ改善した症状がある。
それは、朝起きた時の不快感が大幅に軽減されたことである。
これは、花粉症でない方には想像しにくいかもしれないが、花粉症の発病のタイミングは家の外に出て花粉を浴びた時だけではない。服などに付着した花粉が、家の中に持ち込まれ、それが寝ている間に、布団などに積もって、朝一番で花粉症を発病させるのである。
ちなみに、できる限り家の中に花粉を持ち込まないように心掛け、家に帰ってきたときはアイボンで洗眼などもし、花粉対策を行っているが、それでも例年はそろそろつらい時期である。
これが寝ている間に本製品を弱で動作させていたら、大きく改善し、ほとんど不快感を感じない程度になった。
例年、朝起きるとこの時期は目がいきなりかゆくなるし、くしゃみも出る。しかし、それがほとんどなかった。今年は花粉が少ないというが、ぼちぼち家の中にたまってきたかなと思っていたが、これはよい結果である。
空気清浄機の設置場所は、部屋の角でベッドと同じ高さ、ベッドの足の方から数十センチのところで睡眠時に弱でつけっぱなしにした。
説明書には、落下すると危ないので、高いところに置かないようにと書かれているが、軽量なので、この程度の台の上でも安定感はある。
大きさを比較するためにXPERIA AcroHDを置いたが非常に小さく薄いのがわかる。
なお、右手の衣類は洗濯物である。除湿器の音が空気清浄機の音をかき消している。
ところで本当にこれが空気清浄機の威力なのか、プラシーボ効果なのか気になるところであるが、残念ながら、ほこりを測る装置を私は有してはいない。
そこで、とりあえず、フィルターをチェックしてみると、
これが初日のフィルターである。
そして下の写真が現在の様子である。
ほこりが見て取れるので、弱でも吸引力があることがわかる。
なるほど、そういえば、ほこりっぽさは軽減された気がする。微妙に口が渇いたときに感じる口の中の繊維っぽい感じ、あれは感じなくなった。
しかし、本当に花粉をとっているかはよくわからない。
というわけで、電源を切って対照実験をしてみた。
結果?
「目がかゆい」
ですよ。
起きた直後は何ともなかったけれどすぐに目がかゆくなり、鼻ぐずついた。
目のかゆみは洗眼したらすぐに収まったので、ずっと睡眠中に炎症しっぱなしだったのではないのだろう。
というわけで、花粉も花粉症予防に有効な程度に除去している可能性は非常に高いと考える。
そして、私は本機種を弱でしか使っていない。10畳程度なら強で使ってもいいかもしれないが、一人暮らしで比較的メジャーな6畳程度という広さなら弱で十分効果がある。
睡眠時でも動作音を気にすることなく使えるのではないかと考えてられる。
そうそう、実は本製品の「洗えるフィルター」は「洗える集塵&脱臭フィルター」と書かれていることと見落としてはならない。私は最初PM2.5対応の文字に目をとられて見落としていたが。
こちらも客観的に測る方法がないの使用実感になってしまうのだが、いつもは豚肉を焼くと次の日に帰宅してもにおいが残っているときもあるくらいなのだが、本製品を使っていると、豚肉のにおいは早々になくなったと感ぜられた。
というのも、一人暮らしで部屋が狭く、さらに今は花粉対策で換気もあまりできないのでにおいが残りやすい。
ところが、非常ににおいが消えるのが早い。チーズなどのにおいの強いものを食べても、同様に部屋の残り香は次の日にはちゃんとなくなっている(その日のうちは匂いに慣れて消えたのかわからない。)。
追記
さらに継続して使用したところ、非常に快適な空間を維持することができた。
今年は天候の関係で例年よりも花粉の飛散量は少ないのだが、それでも発症していた。
マスクは手放せないし、メガネで目を保護したとしても家の外に出ればくしゃみは出るし、目もかゆくなる。
日がたてば室内にも花粉を持ち込んでしまうので部屋の中でも発症するのが常だった。
しかし今年は非常に家の中では快適に過ごすことができた。
いつもであれば持ち込んだ花粉によって部屋でもマスクを手放せないものだが、マスクがなくてもくしゃみはもとより目のかゆみもなかった。
朝起きた際に花がぐずって目がかゆくなるのは常であったが、これが皆無であったのがうれしい。
前述の検証と合わせても本製品の効果であることは明らかだろう。
そして、忘れられがちなのが、においについてである。本製品は消臭も謳っている。
とはいえセンサーもないので実感になるのだが、魚や肉はもとより、部屋干しのにおいが部屋に充満するのを防いでくれた、
花粉症対策として部屋干し+除湿器だったのだが、やはりにおいは結構するもので、洗濯物それ自体のにおいは軽減できないが、部屋に充満する匂いは軽減できる。
これは生活するうえでなかなかありがたい。
効果があるんだなぁと感心とともに、やっと人並みの春を過ごせたというありがたさは、なるほど空気清浄機様様である。
しかも操作はスイッチを一度押すだけでよいので、全く手間ということもない。
何とも気持ちの良い春が過ごせた。
追記2-20140615
花粉症の季節は終わりつげ、梅雨の季節に入りましたね。
ここでひと段落した空気清浄機の中身を確認してみました。エアコンのフィルターと一緒に洗おうと思いまして。
文句なく汚れている。
汚いし、なんだが、これだけで目がしょぼしょぼする。
しかし、これだけでは終わりません、3枚のフィルターがあるのだから。
思ったより汚れていないように見える。隅に横から吸い込んだと思われるほこりがついていた。
最初と全く変わっていないように思われる。
麺棒でこすってみても何もつかなかった。
ここで油断した私は下にティシューを置いて、はじいてみました。
目がなんかしょぼしょぼするし、喉がイガイガする・・・
どうにも花粉等をこの層がしっかりキャッチしていた模様。
花粉は目に見えないけど、フィルターはちゃんと働いていたようです。
一人暮らしの花粉症の人に薦めたい
というのも、本製品は他社製品に比べると非常に軽量でコンパクトである。女性でも片手で余裕でもてるだろう。
そのため、一人暮らしで何かと部屋が狭くなりがちな場合でも十分に置く場所を確保できる。
この点、加湿機能などを付加していないので水タンクなどを出し入れするスペースを確保する必要がないこともよい。某S社の製品は、加湿機能を使うためには、向かって右側にタンク交換用のスペースが必要だし、水で重たい。背面も吸気口があるので設置場所が限られてくる。
製品は違うが、私も除湿器で水タンクの出し入れがあるのだが、設置場所とタンクの出し入れに難儀した。こういった苦労がないのは、単純機能の本製品ならでは。
そしてスイッチもセンサーやタイマーと連動しないということは、ファンが回らないときは故障しているか、プラグの差し忘れかのいずれかである。そういうわけで、悩むところが少ない。これは知識のない人や、老人でも非常にわかりやすいメリットである。スイッチを入れてもつかなかったら故障しているとして、電気屋さんで修理を頼めばよいだけだからで、時間の何かと少ない一人暮らしの人にもありがたい。
私は寝ているときにつけっぱなしにしているのでタイマーも不要であった。
また、インテリアにこだわる人にも、本製品の柔軟に設置場所を選べる点は魅力的だろう。その上、表パネルは容易にほかの色に交換できる。気が向いたら、自分で塗装してもよいだろう。
私は、このアメジストブラックは非常に締まって見えるので気に入っている。光沢なので写真を撮る際の映り込みが気になったが。
やはり、小型軽量で、単純な構造というのは、一人暮らしや知識の少ない人にはありがたいと実感した。しかも、弱では黄色、強では青のランプで今の動作状況を表示してくれるので、単純でありながら、かゆいところに手が届いている。
20141017追記
花粉症が春だけではなく秋から冬にかけても発症する場合があることをご存知の方は少ないかもしれませんが、実はあります。
私は、秋からの花粉症もあります。最近花がムズムズするので、久しぶりに再起動した次第です。
やることはといえば、スイッチを入れるだけ。
加湿器がないのでタンクの手入れも必要ないし、スイッチは一つだけなので操作の確認も必要ない。スイッチを入れて風が出てくるかを確認するだけでよいというのは非常に簡単でありがたいというのがよくわかりました。
おかげで部屋の中では今期も快適に過ごせそうです。
「君はスイッチを入れてもよいし、切ってもよい」
私が本製品で感じたのは、機能を絞っているからこその取り回しの良さである。
他社製品に比べると機能が少なく少々心配になるものであるが、そうした「便利機能」はたいていの場合使われないものである。
というのも、私は除湿器おいて、タイマー機能を7年くらいのうちで数回使った程度であるという体験がある。おそらく空気清浄機についていても使わないことが容易に予想できる。そして実際にタイマーがないことに不便を感じていない。
これは、加湿機能などでも同じことで、確かに一体型なら便利かもしれないが、結局取り回しが不便になり、メンテナンスも大変になることから次第に使われなくなることが少なくない。
というわけで、空気清浄機能をちゃんと搭載し、ON/OFFのみという簡単な操作系かつコンパクトにまとめあげた本製品はまさにシンプル イズ ベストを体現してくれた。
「君はスイッチを入れてもよいし、切ってもよい」
この機械を使うのに、それ以外することはないのだがら(フィルターの掃除と交換は必要)。
nicknameさん
2014/04/06
やっぱりというか、花粉症の症状に対して効果ありましたか。
プラシーボ効果っぽくて、レビューをどうするか悩んだ時もありましたが・・・
それと脱臭かぁ。追記レビューでやってみようかな。
新司受験性カッコカリさん
2014/04/06
やっぱり、体感だと本当に効果があるのか思い込みなのか難しいですよね。花粉症の症状自体が思い込みで発症している方もいるそうですし。
本日ちょっと友人の家に泊まってきたのですが、部屋の中にいても目のかゆみが起こったので、空気清浄機の効果は確かにあるのだなと感じました。
匂いは慣れてしまうので比較がもっと難しいですよね。追記期待しております。