KLIMAX DS徹底攻略 第五話

NASキットを探しにいく

NASを購入するために下調べをしたところ、残念なことにSSDを組み込んだNASは今のところ市場にないらしい。本来NASはデータを貯め込んでおくものなので、SSDのように容量の小さい記憶媒体では用途に合わないからかもしれない。出来合いのSSD内蔵NASは売っていないようだが、その代わりに「NASキット」と呼ばれる空のNASにSSDを組み込むことはできるようだ。今回はそのNASキットを購入することに決めた。そしてSSDは以前ノートPC用に購入したSATA規格のものを使用することにした。NASキットに組み込むドライブにはSATA(※2)とIDEという2種類の規格があり、今回使用するSATAはIDEより転送速度が速いそうだ。

NASの目星も付いたので秋葉原のPC専門店へと向かった。最近ではどこの専門店でもNASを取り扱っているようで、NASキットも店頭ですぐに見つけることができた。さて、ここで問題となることが一つ判明した。市場にあるNASキットに2.5インチSATAのSSDに対応したものがないというのだ。そこで専門店の店員に相談してみたところ「メーカー推奨の使用方法ではないのでおすすめはできませんが、SATAのドライブは2.5インチも3.5インチも共通のコネクタなので、3.5インチ用スロットに2.5インチをマウントすることは可能です。」と教えてくれた。そして、その店員が勧めてくれたThecus製NASキットN299を購入して家路を急いだ。

  • ※2 PCにHDDやSSDを接続するためのインターフェース規格。
NASキット Thecus製NAS

DLNAに対応していない?

N299の筐体は軽くて多少頼りないが必要最低限のシンプルな構造とコンパクトさが気に入った。それでは早速SSDを組み込んでみよう。N299の裏蓋を外してドライブを固定する骨組みを取り出してみる。コネクタの規格が同じなので思いのほか簡単に取り付けることができた。マニュアルに従ってNASの初期設定を進めてみたところ、2.5インチのSSDを問題なく認識することができた。これでLINN指定のDLNA(※3)TwonkyMediaをインストールすれば音が聴けるはず…だったのだが、どうやらN299に組み込まれているOSはソフト追加に対応していないようで、DLNAをインストールできなかった。今後N299のOSがバージョンアップしてDLNAをインストールできるようになれば使用できるのだろうが、現時点では不可能のようだ。仕方がないので再び秋葉原へNASを探しに向かった。そして今度はDLNA対応のNETGEAR製ReadyNas Duoを購入した。これでやっとSSDの音が聴ける…と思ったのだが、なんと今度はNASキットがSSDを認識してくれなかった。

二度の失敗を経てどんなNASキットが必要なのかが分かってきた。一つはDLNAが動作すること、もう一つはSSDを認識できるかということだ。DLNAに対応しているかどうかは予め調べれば確認できるのだが、3.5インチSATA用のNASキットに2.5インチSATAのSSDを組み込むというイレギュラーな行為の動作確認を購入前にすることはどうしてもできない。さてどうすればいいだろう。

  • ※3 Digital Living Network Allianceの略。異なるメーカー間の機器を相互接続するためのホームネットワークサーバ。TwonkyMediaはLINN指定のDLNA。
NASを開ける LinnGuiに認識されない NETGEAR製NAS