レビューメディア「ジグソー」

ほぼ唯一の4K/HDR完全対応。現状ベストの製品です。

この度、RATOC社製のHDMI音声専用出力端子付き4K対応HDMIオーディオ分離機、RS-HD2HDA-4Kのレビューをさせていただくことになりました。

 

 

RATOCさんは、もとはPC計測や制御関連の製品を取り扱っていた印象なのですが、数年ほど前?からオーディオやAV機器用の製品を次々と開発されています。

 

僕もRATOCさんのUSB DACであるRAL-DSDHA2を使っています。

いまは無くなってしまったWolfson製のDACを搭載し、DSD対応、10MHzの外部マスタークロック入力対応という意欲的な製品でした。ついでに自作ですがRbマスタークロックも持っています..。

 

そんな思い入れのあるRATOCさんの製品のレビューということで、僕も胸を躍らせながらレビューさせていただきました。そしてレビューを終えた今、RS-HD2HDA-4Kは期待通りの素晴らしい製品だったなと思いました。文章が長くなってしまったのでそのうちもう少し読みやすくしようかとは思いますが、流し読みでも構わないので見ていただければと思います。

 

■  HDMIオーディオ分離器のジャンルの中のRS-HD2HDA-4K


 

 

RS-HD2HDA-4Kは『HDMIオーディオ分離器』とあるように、HDMIで送信されるオーディオ信号を光デジタルや2chアナログ音声に分離します。

同じような機能のHDMオーディオ分離機は、安いものならば3千円程度でAmazonで売っています。例えばスピーカーを内蔵していないかあるいは申し訳程度のスピーカーしか内蔵していないPCモニターで音を聞きたいとか音をよくしたいというのであれば3千円程度のものでも正直十分です。

 

HDMIオーディオ分離機というジャンルが比較的ニッチなものなので、これが欲しい!という方も限られるかもしれませんが、RS-HD2HDA-4Kはオーディオ系のHDCPを2.2から1.4変換して出力するという、数あるオーディオ分離器のなかでも唯一の存在ともいえます。

 

DVDの頃のサラウンドフォーマットはDolby DigitalやDTSといったビットストリームのサラウンドの基本的なフォーマットがほとんどで、こういったサラウンドフォーマットは光/同軸デジタル出力から出力が可能でした。 このようなシステムの場合、HDMIオーディオ分離機が必要なシーンはあまりないかもしれません(HDMIから分離しなくても、光デジタルで音声が出力可能なので)。

 



 

これがBDになると、著作権保護の扱いがより厳しくなりよりチャンネル数の多いサラウンドフォーマットや、マルチチャンネルPCMなどはHDMI上の著作権保護(HDCP)されてる状態でのみ外部機器へ送信できなくなりました。

 さらに4Kに対応する際にHDCPのバージョンがFullHDの1.4から2.2になり、HDCP1.4までにしか対応していないAVアンプでは4Kのオーディオを楽しむことはできなくなってしまいました。

 

こういった著作権保護技術の変化に加え、最近のAV機器では光デジタル出力がないものが増えてきたこともありHDMIオーディオ分離機が販売されるようになりました。

 

Amazonで数千円で販売されているHDMIオーディオ分離機は、『4K2K対応...』などと書かれていますが、ほとんどの場合4Kの場合は30Hzまでの対応、HDCPについては1.4までしか対応していないにもかかわらず4K対応として平然と販売しているものさえあります。

 

 

 

またAVアンプがHDCP2.2に対応している場合でも、発売された年代などの事情があり最新の4K HDRへの対応が不十分なAVアンプもあります、この場合は映像ソースの画質を落としたり、HDRの使用をあきらめる必要があります。

 

 

 

 

RS-HD2HDA-4Kは、次の仕様(取扱説明書より一部抜粋させていただきました)に示す通り4K(3840×2160)60p、HDRは4:4:4まで対応という充実ぶりです。さらに出力端子には先ほど触れたHDMI音声専用出力端子まで搭載しています。RS-HD2HDA-4Kを使用すると、少し古めのAVアンプ(オーディオ系は十分な性能があるにも関わらず、ビデオ系の性能またはHDCP規格が追い付いていない)でも最新の4K HDRビデオを楽しむことができます。

 

 

 

RS-HD2HDA-4Kの性能が最も発揮されるのが、4K HDR対応が不十分なAVアンプで4K HDR映像を使用する場合です。4K HDRビデオ信号は、AVアンプを通らずに4K TVに送信されます。AVアンプへは1080p(720pかもしれません)の一面黒画面+オーディオ信号で送信されます(確認した範囲では、オーディオ系は1080pか720pで送信されているようです)。

 

 

 

オーディオ系のみ黒画面で送信する方法は、過去に高級BDプレーヤーで音質向上対策として採用されたこともあります。

ネットにはその記事など残っていますが、ビデオ信号がオーディオ系のジッターに悪影響を与えるために、やはり音声専用HDMI端子を設けて黒画面+音声を送信することにしたそうです。

(パイオニアのBDP-LX91(定価43万円)やパイオニアのBDP-LX91(定価54.6万円))

 

RS-HD2HDA-4KもHDMI信号のビデオとオーディオを分離できるので、同様の効果が期待できる可能性があります。ただしHD2HDA-4Kの接続により余計な機器やケーブルが増えるというデメリットが現れる可能性もあるので、実際に音質向上となるかどうかはケースバイケースなのかもしれません。

我が家では高級システムを使っていないこともあるのでしょうが、正直にいうとビデオとオーディオの分離による変化はよくわかりませんでした..。

それでも長いHDMIケーブルを使用していてビデオ系の伝送レートが高い4k60pなどの映像を流している場合には差が出る可能性はあるのではないかと思っています。

 

製品の紹介(主に写真)


 

少し前書きが長くなってしまいましたが、いよいよ製品の紹介です。とはいっても小さな黒い箱ですが..。

 

製品の構成

 

 

製品の構成は、RS-HD2HDA-4K本体と、ACアダプター、取扱説明書、保証書です。
HDMIやオーディオ系のケーブルは一切付属しませんので、あらかじめ準備しておく必要があります。

 

RS-HD2HDA-4Kのフロント側です。
艶消しのブラック塗装に、各種設定状態表示用のLED(全て緑)と、EDID設定切り替え用のスイッチ、ARC切り替え用のスイッチがあります。

 

 

本体の背面には入出力系のコネクタが並んでいます。
安いHDMIオーディオ分離器では、入出力のコネクタが様々な方向、例えば背面と全面とか、背面と側面とかに配置されていて、ケーブルを接続した際のおさまりが良くないものが多いのですが、RS-HD2HDA-4Kはすべて背面なのでケーブルの配置に頭を悩ませることもなく好印象でした。
光デジタル出力のコネクタもシャッター付きのものなのでほこりの心配もなく安心です。

 

 

ただし端子類をすべて背面に配置したためか、Fire TV Stickを挿すと少し残念な状態になってしまいました。短いHDMI延長ケーブルがあればなんとかなりますが、もう少し間隔が広ければうまく入ったのではないかと思いました。

 

 

 

比較用に、昨年購入した格安HDMIオーディオ分離機(Neotech製 型名不明)に各種ケーブルを接続した際の写真を載せておきます。Neotech製のは、入力側と出力側が前後に分かれています。LED表示も電源LEDだけなので見えるところに置いてもあまり意味はないのですが、Fire TV Stickが直挿しできるのはポイント高いです。

 

 

 

RS-HD2HDA-4Kには小型のACアダプターが付属しています。出力が5V,1A(本体の消費電流は公称600mA)なのでUSB ACアダプターと同じようなサイズ(ACプラグ部除く本体部分は45mm×32mm×25mm、ケーブル長約1.5m)です。

ケーブルは取り外せない構造です。あまり意味はないかもしれませんが、ワールド電圧対応です。

 

 

 

画質


 

画質..。といっても画質改善するような装置でもないのですが、RS-HD2HDA-4Kの有無で画質は全く変わらないように感じました。

(下の写真はイメージです。ビデオ系の画質評価でいつも悩むのが、著作権に問題のない映像って? ということで、映画とかの本編などは撮影せずに、内容を特定しにくい画面の一部などを映すか、メニュー画面ぽいものになってしまいます)

レビュー期間が比較的長かったので、特に用がなくともRS-HD2HDA-4Kをつないでおいて、家族にも見てもらいました。特に違いを見分けようと意識して見ていたわけではないですが、地上波やBDをみていても画質の違いについてのコメントはありませんでした。

 

プロジェクターで映画鑑賞


 

TVに接続した状態でRS-HD2HDA-4Kを撮影しても本体が小さくて全然目立たないので、今回Fire TV Stickとモバイルプロジェクター(HD解像度なのでHD2HDA-4Kの限界とは程遠い状態ですが..)の組み合わせで使用してみました。

モバイルプロジェクターのモノラルスピーカーでは味気ないのでHD2HDA-4Kでオーディオ分離してサウンドバーで再生しよう!ということです。

接続した機器は、Fire TV Stick(2017)、RS-HD2HDA-4K、プロジェクターがAIRXELさんのAXJ-800、スピーカーがAverMediaさんのGS331(サウンドバー本体),GS335(サブウーファー)です。

GS335は大きいので下の写真には映っていません..。

  

 

 

この組み合わせはHDMIオーディオ分離機の基本的な使い方で、4Kとかとは程遠い環境ですが、少し低ゲイン化したサウンドバーとの組み合わせで、こんなコンパクトなシステムでもとても迫力ある映画が楽しめました。

 

 

オーディオ系


 

 

Windows10での認識状況


 

 

PCでのRS-HD2HDA-4Kは192kHz/24bit対応のDACとして認識されます。光デジタル出力もDACに送っているフォーマットで出力されます(最高192kHz/24bit)

 

↓の画面は、5.1ch設定時の再生デバイスのプロパティです。192kHz/24bit/6ch対応に加えて、DTS Audio、Dolby Digitalに対応と表示されています。

 

 

 

次は7.1ch設定時です。最大チャネル数が8chに増えて、対応エンコードも大幅に増えています。

2chオーディオのときの光デジタル出力はどこまで動作するのか取説にもあまり書かれていなかったので、適当な音源をアップサンプリングして光デジタル出力させてみました。

  

下の写真は、RS-HD2HDA-4Kの光デジタル出力をFX-AUDIOのD302J+に接続したときのものです。
44.1kHzの音源を4倍にアップサンプリングした音楽を鳴らしているので176.4kHzになるはずです。D302J+のfs表示LEDの176.4-192kHzが点灯しているので、きちんと176.4kHzで送信されていることがわかります。

 

 

 

一方格安側はどうかというと、Neotech製の格安HDMIオーディオ分離器は購入したときは192kHz対応と認識されていたはずなのに、今回つないでみたところ48kHzまでとしか認識されませんでした。なにか不安定な要素があるのかもしれません。何度か挿しなおしてもEDIDスイッチを切り替えても変わりませんでした。5.1chにしても対応エンコードにDolby Digitalとかでないのは故障しているのでしょうか?

 

 

音質


 

音質については、HDMIや光デジタル出力は接続する外部機器によるところが大きいです。アナログ出力はRS-HD2HDA-4Kの内蔵DACの性能について調べてみました。

 

今回は昔懐かし Michael Jackson のThrillerから、BEAT ITとかBilly Jeanなんかを聞いてみました。

レビュー期間中に出張に行く羽目になってしまったのですが、たまたま出張先が実家の近くだったので実家でも視聴をしていました。手前のテーブルの上に置いてあるのがRS-HD2HDA-4Kです。一番奥に見えるのはナカミチの700ZXEですが、今回は出番がありませんでした。

 

 

視聴に使用したのはSONYのMusic Centerです。
RS-HD2HDA-4KはASIOこそ選択できませんでしたが、WASAPI排他モードが使用できました。

 

 

 

 

出力フォーマットは通常おまかせ設定にしていますが、一応192kHz/24bitの設定で動作することは確認済みです。

 

 

 

音質は、D302J+との比較ではすこし立ち上がりが甘いかな?とも思いますが、結構良く鳴っています。高級DACを日常的に使用しているような方は別として、聞き比べなければ特に不満も出ないのではないかと思います。(D302J+の写真は取り損ねました..)

 

Neotechの安物分離器との比較では、RS-HD2HDA-4Kの圧勝でした。Neotechはコンデンサをケチっているのか、一言でいえば重心の軽い感じがします。聴感的には低音の違いを特に感じました。

BEAT ITでは冒頭5~10秒あたりで鳴るドン..ドン..という音がポンポンに聞こえます..。

RS-HD2HDA-4Kと聞き比べると『同じ音を鳴らしているのか?』と思うほど違って聞こえます。

 

 

 

 

RS-HD2HDA-4Kは1万円ほどで購入できる製品で、しかもそのコストの大半はHDMIのICに使用されていることを考えると、DAC部分はほんのわずかなコストで作っているのだと思いますが、思いのほか興味深い音でした。

 

 

余談


 

今回、レビュー期間中に2度も出張が入ってしまい、当初想定していたレビュースケジュールが崩壊してしまいました(10日間も出張に行っていれば当たり前ですが..)。

そんな逆境のなかで何とかレビューをまとめ、ほっと一息つきながらこの余談(^-^; を書いています。

 

RATOCさんもニッチな製品を推してきたな..とか多少思っていましたが、製品の完成度はとても高いなと思いました。一方、いままで使っていたNeotechの使い道に困ることにもなってしまいました。

 

他社さんの製品の話もなんだかなと思いながら軽く触れておきますと、AverMediaさんのGS331、GS333は結構有名なD級アンプICを使っているようで、100kΩカットのマジックを施すと、使いやすさが一変します。残留ノイズもかなり少なくなるのでお勧めですが、さすがにAverMediaさんのレビューページでは書けませんでした。

 

そして度々登場しているAIRXELさんのAXJ-800。我が家の3板液晶プロジェクターは押し入れにしまい込まれたまま1年近く経とうとしています。これもリモコンさえあればとも思いますが、HD解像度で驚異の小ささ、軽さ&バッテリー駆動、DLPの鮮やかな発色とコントラストでいうことなしです。

 

ここに今回RATOCさんのRS-HD2HDA-4Kが加わり、Fire TV Stickでの視聴もより捗りそうです。

 

今後とも我が家のzigsowプレミアムレビューAVシステムは発展してゆくのでしょうか?それともこのあたりで打ち止めでしょうか..。

更新: 2018/04/07
総評

1万円程度で入手できるHDMIオーディオ分離機の高級機

1万円という価格は、中国製のHDMI音声分離器よりは高いですが、今後は確実に4K時代がやってきます。安物は4K対応とは書いてあっても4Kは30Hzまで、さらに最悪なことにHDCPは1.4までの対応というものばかりです。これでは著作権保護されている4Kソースには一切使えません。

 

RS-HD2HDA-4Kは、これが無くては話にならないHDCP2.2対応に加え、HDMIオーディオ専用出力端子、4K60Hz、HDR対応など、HDMIオーディオ分離機としては最高クラスの性能を誇っています。

 

最初に書いたようにそもそもこの商品ジャンル自体がニッチなものなので欲しいという人はそれほど多くはないかもしれませんが、どうせ買うなら1万円の高級機、RS-HD2HDA-4Kを購入すべきだと思います。

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