携帯電話にやぶれる
携帯電話やPHSの普及で、電話帳やメモといった機能が飾りでしかなくなったものの、依然ツールとしての利便性はPDAの方に分があった。しかし、次第に携帯電話の多機能化が進んでくるとその存在意義が揺らいでくる。特に99年に始まったDoCoMoのi-modeやauのEZwebなど携帯電話を使ったお手軽なインターネット接続サービスが広まると、PDA市場は急速に縮小していく。2002年にはPalm社が日本から撤退した。
そんな中にあって、SONYとシャープは奮闘。もともと、SONYが出していたPalm機CLIEシリーズは、他のPalm機と違い音楽プレイヤーやデジカメなどエンターテイメントツールとしての特性を前面に打ち出していた。だが、止まらない携帯電話の高機能化や、2002年~2004年頃より携帯電話各社がスタートさせた着うたなどの音楽配信サービスなど逆風にさらされ、2005年にCLIEシリーズ全機種の生産を中止する。もう一方の雄シャープのザウルスシリーズも、OSのLinux化やハードディスクの装備によるメモリの強化、辞書や地図ソフトなどの内蔵ツールの強化など携帯電話との差別化で生き残りを図ったが、iPhoneを始めとするスマートフォンの台頭により、惜しまれながらも2008年に生産を終えた。
ビジネスのアシスタントとして登場したPDAは、その進化の過程でモバイルコンピューティングの扉を開いた。液晶タッチパネル、縦横に切り替わる画面、オープンアーキテクチャによる豊富なアプリ、PCとの同期で容易となったコンテンツの管理…。いまはその名を耳にする事はなくなったが、スマートフォンやタブレットPC、ブックリーダーなど最新のデジタルデバイスの中にも、そのDNAはしっかりと息づいている。




