時代をリードしてきたAppleの作品たち Vol.3
──スティーブ・ジョブズとその魔法──


iPad Wi-Fi 16GB(i-ji-さんのもちもの)

2009年、ジョブズは病により2度目のリタイアをする。そして3月に肝臓移植を受けるのだが、この時すでに腫瘍は他の場所へも転移していた。しかし彼は耐え難い痛みに苛まれながらもその年の5月に復帰する。かねてから手掛けてきた重要な仕事が残っていたからだ。ポストPCを担うタブレット「iPad」の開発だ。薄型で軽量(約700g)、「iPhone」と同じようにマルチタッチスクリーンで操作。クリアな画面でネットへのアクセスや電子書籍を読むのにも最適なデバイスだ。発表当時は記者や専門家たちの間には、その機能について疑問視する声もあった。『ノートブックと何が変わるのか?』と。だが2010年4月(日本では5月)に発売されると、その声は賞賛の合唱へと変わる。プレゼンに、読書に、写真のビューワーとして、実にさまざまな用途へと活用されたのだ。その翌年の3月(日本では4月)には「iPad 2」を発売。プロセッサはデュアルコアにメモリは2倍に、スピードとグラフィックは格段にアップし、前面と背面にビデオカメラも搭載された。しかし、3月に催された「iPad 2」の発表会を最後に、ジョブズは表舞台から姿を消す事になる。


Apple iPad2 ブラック 32GB Wi-Fi(mayhemrabbitさんのもちもの)

ジョブズなき後の世界は?

ユーザーたちが気を揉む中、ジョブズは2011年8月24日にアップルのCEOを退任。後任にはティム・クックが就任する。そして同じ年の10月5日、ジョブズは56歳でこの世を去る。奇しくも、それは「iPhione 4S」発表の翌日だった。あまりにも早い死に人々は驚き、その日は世界中が悲しみの色に染まった。

常に世界を良いものに変えたいと願い、「Macintosh」でGUIそしてDTPの扉を開き、「iMac」でコンピュータを身近な家電へと進化させ、「iPod」で音楽と人との関係を変え、「iPhone」で携帯電話そしてネットと人々との繋がりを再定義したジョブズ。彼なき後のアップルを「船頭を失った船」と悲観的にいう人もいれば、「ジョブズは今後30年のアイデアを後進に託した」と楽観的に捉える人もいる。どれがまことかは分からないが、アップルはこれからも優れた製品を世に送り続けるだろう。ただ今後もアップルがイノベーターとして世界をリードしていくかは、早くとも次の製品発表を待たなくてはならない。