時代をリードしてきたAppleの“作品”たち Vol.2
──スティーブ・ジョブズとその魔法──


iMac 233(vvvさんのもちもの)

こうした商品の見直しは一部からは疑問視する声が上がったが、一般ユーザー向けに発売されたiMacの登場ですべての不安が打ち消される。ジョブスはこのiMacの開発にはことさら力を入れた。目指すは安くて性能のいい、多くの人々に愛される消費者家電のようなオールインワンのコンピュータ。CPUはPower Macintosh G3と同じ物を使用。当時は主流であったFDドライブを無くしUSBを採用、ドライブはハードディスクとCD-ROMのみにした。しかし何といっても話題を集めたのは、のちにiPodのデザインも手掛ける社内デザイナーのジョナサン・アイブと共に生み出した斬新なスケルトンのボディだ。発売当時はボンダイブルー1色だったが、これものちにカラーバリエーションが増えていく。てっぺんに付いた取っ手がなんともチャーミングだ。ジョブズが復帰したアップルが掲げたキャンペーンコピー『Think Different.(シンク・デイッファレント)』をまさに体現するマシンだった。価格も178,000円と手頃でiMacは大ヒット商品となる。アイボリーボディが溢れていた時代、コンピュータにはお堅くどこか素っ気無いというイメージがあったが、iMacの登場はコンピュータをお洒落で身近な家電というイメージに変えた。


i BOOK (zigsowユーザーのみ閲覧可能)

iMacは爆発的にヒットするが、1999にはiMacのノート版ともいうべきiBook G3クラムシェルを発売する。対衝撃性を考慮し、ボディはラバー素材でコートした。POPな色合いと貝殻に似せたデザインはiMac同様にユーザーから歓迎され、特にそれまでパソコンを持った事のなかった女性の間でも人気を呼んだ。

ジョブズの復帰早々、ヒットを飛ばしたアップルは赤字を解消し、株価も急上昇。倒産寸前の状態から奇跡の復活を遂げる。古くからのマッキントッシュユーザーはもちろん、世間は改めてスティーブ・ジョブズの手腕を認めざるを得なかった。そして2000年、長年の課題であったOS Ⅹを発表し、彼は正式にCEOに就任。この後もジョブズの革命はまだまだ続く。しかしそんな快進撃とは裏腹に、見えないところで病魔が少しずつ彼を蝕んでいたのだった。