時代をリードしてきたAppleの“作品”たち Vol.2
──スティーブ・ジョブズとその魔法──

苛まれるリンゴ


Macintosh II ci
(zigsowユーザーのみ閲覧可能)

Macintosh color classic II
(vvvさんのもちもの)

Macintosh Portable
(zigsowユーザーのみ閲覧可能)

さて、ジョブズが去った後のアップルだが、社内には依然として優秀なスタッフは残っており、Macintoshを中心に優れた製品を世に送り出している。いわゆる68kマック時代の名機と呼ばれた一体型のMacintosh SE/30やMacintosh Color ClassicⅡを始め、1987年に発売された初の本体とモニター分離型のMacintoshⅡシリーズ、いわゆるピザボックスタイプのMacintosh LCシリーズ、最上位モデルとなるMacintosh Quadra(クアドラ)などラインナップも豊富だ。当時、デザイナーやDTP関連の仕事をするプロフェッショナルたちは、高い高いと言いながらも100万円以上するクアドラを使っていたものだ。ちなみに現在でも一体型の68kマックは人気を集めており、SE/30やColor ClassicⅡはメモリー増設や改造をして使っているというファンもいる。そのほか、1989年にはラックトップ型のMacintosh Portableも発表。しかしハードディスク搭載だと重さ7kg以上にもなり、価格も90万以上とかなりの高級品だった。


Power Macintosh 8500/120
(知的レビュアーさんのもちもの)

また1991年からは仇ともいえる存在だったIBMとモトローラと共同で次世代プロセッサの開発に乗り出す。そして1994年には次世代のマイクロプロセッサPowerPCを搭載したPower Macintoshシリーズを発表する。第1世代はピザボックス型の6100、デスクトップ型の7100、ミニタワー型の8100の各シリーズが発売され、当初は68kマックと互換性を優先した造りであった。そして翌年には1995年には互換性を廃しPowerPCのパフォーマンスを重視した第2世代を発売。個人ユース向けを想定したデスクトップ型の7500シリーズ、パワーユーザー向けにPowerPC604を搭載したミニタワー型の8500、9500シリーズが登場する。8500にはビデオ出力が備えられており、9500はPCIスロットが6つ、メモリースロットが12個用意されているなど抜群の拡張性を誇り、プロ仕様のマシンであった。

 

その後も各シリーズの廉価版が数多く造られる。中でもローエンドモデルの中で人気を博したのがPower Macintosh performa5260。一体型のボディは古くからのマックユーザーに支持された。そして1996年にはアップル社創立20周年記念して20th Anniversary Macintoshを発売。液晶モニタを備えた薄いボディ、革製のキーボードレスト、BOSE製スピーカーなどが搭載された豪華なモデルで、1万台のみ限定生産だった。当時、日本での販売価格は88万8千円。しかし、アメリカでの売れ行きは芳しくなかった。


Macintosh performa 5260(ZRTさんのもちもの)

20th Anniversary Macintosh Spartacus(vvvさんのもちもの)

 

こうして1990年代、特に92年から97年にかけてアップルはウインドウズに染められていく市場を守るために、製品のラインナップで勝負に出る。しかしハイエンドモデルは高価過ぎ、ローエンドモデルの性能はウインドウズマシンとドングリの背比べ、そして当時MacOSのライセンス供与を行っていた他社からの安いMac互換機に利益を食われていた。また広げすぎた商品ラインナップはユーザーの混乱を招き、同時にアップル社内に在庫の山を築く結果となる。96年度の決算ではなんと8億ドルもの赤字を計上。アップルにとって幸いだったのは、いまだ熱狂的なファンやクリエイターたちが支えてくれていた事だったが、財務的危機がすぐそこまで迫っている事は誰の目から見ても明らかだった。