WD Black² のレビュアーに選んでいただいたので、早速HDDを換装してみました。
高級感のあるパッケージです。
良いですね。
かなり良い感じの雰囲気です!
内容物は下記の様な感じ
- WD Black² 本体
- SATA-USBケーブル
- マニュアル
- USB Web キー
- 保証ガイド
換装したのは MacBook Pro 13-inch, Early 2011(2.7GHz) 。
交換前のHDDは Seagate Momentus 5400.6 でした。
このMacのHDDは下記のようにパーティションが切ってあります。
- Gen(OS: 10.9)
普段使いの環境 - Work(OS: 10.8)
主に音楽制作環境 - data
共用のデータ置場。
Gen(10.9)にはVMware Fusion 5がインストールされており、data上にある仮想ディスク上にWindows 8 Media Centerが動いています。
今回は、こんな環境を下記のページを参考に移行してみました。
http://www.hdd-fan.com/pcdiy/06/step1.html
ただ、このページそのままやった訳では無いので、その辺りの話は後述します。
HDDの交換自体は簡単!データの復元もこだわらなければ楽勝!
換装作業は大きく分けて2段階。
ドライブを古いHDD から WD Black² に交換する作業と、データを古い環境から新しい環境へコピーする作業。
ディスクの交換作業は必要な工具さえ手元にあれば簡単に出来ると思います。
ただ、小さめのプラスドライバーは良いとして、T6トルクスレンチをどれだけの人が持っているのかは疑問ですが…
データの移行も思ったよりは簡単なのですが、色々とこだわったり、環境が複雑だと少し面倒かもしれません。
特に Fusion Drive 関連は細かくやりだすと深みにはまる感じがします。
単一パーティションで細かいことを気にしない人ならサクッと終わると思います。
ディスクの交換
まず、MacBook Proの裏蓋を外します。
HDDを取り外すには光学ドライブとの境にある黒いパーツを取り外す必要があります。
写真だと分かりにくいかもしれないですが、ねじを外せば簡単に取り外せます。
パーツを外してしまえば引きだすだけでHDDは取り出せます。
HDDを適当なところまで引きだしたらSATAのコネクタを取り外します。
元々のHDDについていたネジを取り外して WD Black² に取り付ける必要があるのですが、この部分だけ何故かT6トルクスというタイプのネジが使われているので、T6トルクスレンチやドライバーを持っていないと作業が出来ません。
私は持ってなかったので買ってきました…
外したネジをWD Black2に取り付けます。
外した時の逆の順番ではめ込み、光学ドライブとの境にあったパーツを取り付けて固定します。
これでHDDの交換は終了。
裏蓋を閉じます。
データ移行
まずは付属の SATA-USBケーブルで取り外したHDDを MackBook Pro に接続します。
ここから先が本番ですね。
流れとしては、
- USBで接続した旧HDDの環境から起動
- ドライブを正常に認識させる
- パーティション作成
- 復旧ディスクから起動
- 旧HDDから WD Black² にデータを復元
と言う感じです。
基本的な作業は
http://www.hdd-fan.com/pcdiy/06/step1.html
に書かれている方法で行いました。
単一パーティションで運用していて、特に細かい事が気にならない人はこのままでも問題無いと思います。
が、パーティションが複数あったり、Fusion Drive にこだわったりすると、パーティションの作成の手順が変わってきます。
あまりないケースなのかもしれませんが、私の場合は下記の様な感じでセットアップしました。
- Gen(OS: 10.9): 120GB(SSD)
- DAW(OS: 10.8): 360GB(HDD)
- data: 640GB(HDD)
SSD と HDD を別のパーティションとして使う構成です。
Fusion Drive 無しで、複数パーティションを分けている場合の手順だと思って見ていただければと思います。
ドライブを正常に認識させる
WD Black² を接続しただけの状態では 120GB の SSD 領域しか認識されません。
HDD の部分も含めて認識できるように下記の手順を実行します。
古いHDDをUSBで接続した状態で、Optionキーを押しながら起動し、以前使っていた環境を選択して起動します。
今回は、Gen(OS 10.9)を使います。
読み取れないディスクと言うような警告が出ますが、「無視」をクリックして抜けます。
ディスクユーティリティーで見てみると、120GBのディスクとして認識されているのが分かります。
1TB の HDD の領域を正常に認識させるためにターミナルで作業を行いますが、その前に必要なファイルを下記のURLからダウンロードします。
http://www.hdd-fan.com/product/wd_black2/mac_installer/
zipファイルを解凍すると xlba というプログラムが入っているので、適当な場所に置いておきます。
私は
/Volumes/data/xlba
に保存しました。
ちなみに
http://www.hdd-fan.com/pcdiy/06/step1.html
では root になって実行すると書いて有りますが、
http://www.hdd-fan.com/product/wd_black2/mac_installer/
からダウンロードできる英語のインストールガイドを見る限り、rootで実行する必要はないようです。
上手く行かなければ root になるくらいで良いかもしれません。
実行するコマンドは下記の一本のみ。
$ /Volumes/data/xlba -d=0 -enable
XLBA Version 1.3_mac
Enable/Disable Hybrid's iSSD
Copyright (C) 2012-2013 Western Digital Corporation
Executing: /Volumes/data/xlba -d=0 -enable
Drive #0
--------
Model: WDC WD1001X06X-00SJVT0
Serial: WD-WX*************
Firmware: 01.01A01
LBAs: 0xdf94bb0
Enable SSD: Successful
New LBAs: 0x8269b960
コマンド成功後、再起動し、先ほどと同じようにUSBに接続した旧環境から起動。
「読み取れないディスク」という警告は「無視」で抜けて、ディスクユーティリティーで確認すると、1.12TB のディスクとして認識されました。
http://www.hdd-fan.com/pcdiy/06/step1.html
の手順では、この後普通にこの領域を丸ごとフォーマットして終了しています。
単一パーティションで構築し、細かい事が気にならないのであればこの手順で良いと思いますが、「Fusion Driveが完成」としているのはちょっと怪しいかなと。
※14.7.24 追記
セットアップの参考にした URL が消えていますね…
改めて英文マニュアルを見返してみると下記の様な表記があります。
It is not recommended to use the fully expanded WD Black² Dual Drive as a single, non-fused partition, as this will create a single partition that spans across the virtual boundary between the SSD and HDD.
Performance degradation caused by the OS trying to access a nonexistent drive location will result.
つまり、Fusion Driveを作らずに単純に SSD と HDD をまとめて一つのパーティションで運用するとパフォーマンスが低下するという事です。
やはり SSD と HDD を分けてフォーマットして使用するか、単一パーティションで使いたい場合には Fusion Drive化して使わないとダメだという事なんでしょう。
先ほどのページに貼られている画像を見ても分かりますがディスクの説明が
ソリッドステート SATA ドライブ
っとなっているんですよね。
実際、このままの手順で一回セットアップしてみましたが、同じような感じで「ソリッドステート SATA ドライブ」となりました。
システム情報で見てみても、メディアタイプがSSDとなっていて、何となく怪しい。
Fusion Drive 標準搭載の Mac を持っていないので、正しくセットアップできた場合の例が分からないのですが、英語のインストールマニュアルを見ると別の手順が書いてあり、こちらの場合は「ソリッドステート SATA ドライブ」となっているところが「Fusion Drive」となっています。
試しに英文マニュアルの手順でセットアップしてみたのですが、その際のシステム情報は以下のような感じになりました。
明らかに違いますよね…
なので、もし Fusion Drive でセットアップしたい場合には、英語のマニュアルの手順でセットアップした方が良いと思います。
さらに、3つのパーティションに分かれた状態を保ちつつ Fusion Drive を構築したりもしてみたのですが、最終的に Fusion Drive を使わずにセットアップする事にしたので、その手順を書いていきます。
パーティションの作成
ここからは基本的に英文インストールガイドの手順に従って進めていきます。
まずはフォーマット。
$ diskutil partitiondisk /dev/disk0 3 JHFS+ Gen 119824388096b JHFS+ DAW 360G JHFS+ data 640G
ここでは、
一つ目 119824388096b
二つ目 360GB
三つ目 640GB
と言う感じでパーティションを切っています。
ガイドにも書いてありますが 119824388096b は SSD の領域らしいです。
disk0 が WD Black² です。
$ diskutil list
/dev/disk0
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *1.1 TB disk0
1: EFI EFI 209.7 MB disk0s1
2: Apple_HFS Gen 119.7 GB disk0s2
3: Apple_HFS DAW 359.9 GB disk0s3
4: Apple_HFS data 640.1 GB disk0s4
/dev/disk2
#: TYPE NAME SIZE IDENTIFIER
0: GUID_partition_scheme *500.1 GB disk2
1: EFI EFI 209.7 MB disk2s1
2: Apple_HFS Work 200.0 GB disk2s2
3: Apple_Boot Recovery HD 650.0 MB disk2s3
4: Apple_HFS data 199.9 GB disk2s4
5: Apple_HFS Gen 98.6 GB disk2s5
6: Apple_Boot Recovery HD 650.0 MB disk2s6
今回は Fusion Drive にしないのでパーティションの作成は以上で終了。
ディスクユーティリティーで見るとこんな感じです。
データ復元
再起動して、今度は「復旧-10.9」から起動します。
OS X ユーティリティーのディスクユーティリティーを選択。
あとは普通に復元を行いました。
それなりに時間が係りますが、データの復元は以上で終了。
全てのパーティションの復元が終ったら、システムを終了して USB で接続していた古い HDD を取り外し、WD Black² に復元したパーティションから起動して換装完了です。
長々と書いてしまったので面倒に感じるかもしれないのですが、ツールを実行するだけで SSD+HDD の全領域を丸ごと一つのディスクとして認識してくれるので、それで問題ない人であれば難しい事は無いと思います。(※14.8.27 ドライブを丸ごと認識させる手順を書いたままだったので修正。)
ツールを実行し、決められた要領でパーティションを切るだけで SSD と HDD の領域が使えるようにはなるので、Fusion Drive を使わなくても良いような場合はそこまで難しい作業ではないかなと思います。
SSD領域は段違いで早い! HDD領域も体感で分かるレベルに向上!
言葉で書くよりもベンチマークの結果を並べた方が分かりやすいと思うので、パラパラ貼っていきたいと思います。
先ほども書きましたが、
- Gen(OS: 10.9): 120GB(SSD)
- DAW(OS: 10.8): 360GB(HDD)
- data: 640GB(HDD)
と言う感じでフォーマットしています。
OS 10.9
Blackmagic Disk Speed Testの結果です。
W: 39MB/s | R: 40MB/s
↓
別次元ですね。
圧倒的に早くなりました。
電源ボタンを押してからアカウントが表示されるまでの時間も 90秒 から 15秒に短縮。
この違いはデカいです。
元々が遅すぎると言うのもありますが、本当に使うのが嫌になる遅さだったので生まれ変わったかのような印象です。
凄い!
Windows 8
※14.7.19追記
数値を見返してみると明らかに変な数値が出てることに気が付きました。
明らかに SATAⅢの理論値6Gb/sを超えてますね…
おそらく VMware Fusion 上の CrystalDiskMark は RAM に読み書きに行ってるのかなと。
なのでこのテストは参考までにという感じで見て頂ければと思います。
SSD上の 10.9 の環境にインストールされている VMware Fusion 5 上に構築されている Windows 8 上で実行した CrystalDiskMark の結果。
ただし、仮想ディスクは data という HDD領域に切ったパーティション上に置いてあります。
大きく変化しているようには見えないかもしれませんが、書き込みに関しては確実に速度が上がっていることが分かります。
ただ、この結果は怪しい感じがしますが…w
ホスト(10.9)が SSD化によって爆速になった事も関係していると思いますが、モッサリ感もかなり改善されたように思います。
OS 10.8
↓
1.5倍強の向上と言う感じでしょうか?
電源ボタンを押してからアカウントが表示されるまでの時間は約1分で変わりませんが、使用感は確実に良くなっています。
数値で見ても全体的に向上していることが見て取れるかと思いますが、体感もかなり早くなったように感じます。
特にSSDのディスクに移植した 10.9 の環境に関しては、もともとが非常に遅くてストレスを感じていたので生まれ変わったような速さで快適。
嬉しいです。
実は買い替えを検討していたのですが、これでしばらく延命できそうですね。
素晴らしい!
容量不足でSSDを諦めた人の為のドライブ!
SSDの速度とHDDの大容量、これら二つを単一のドライブで実現している!
っと言うのが、WD Black² の最大の売り。
SSD の快適さは一度使った人ならば分かると思いますが、HDDと比べた時に容量がネックになるのは今でも変わらないかなと。
最近は500GBクラスのSSDも比較的安くなってきましたが、それでもHDDと比べるとまだまだ割高。
値段を考えると120~250GBクラスの SSD を選ぶことが多いと思いますが、メインで使う PC のストレージサイズとしてはちょっと少ない。
かと言って、外付けのディスクを使うと言うのもなんだかなぁっと言う感じで、大容量のデータを扱うような人の場合は結構 HDD のノートを使ってる人って多いのかなと思ったりします。
実際、私の場合も明らかにディスクの速度がボトルネックになって動作が遅くなっていることは分かっていたのですが、SSD化するには500GBクラスは高すぎ、250GBだと容量的に厳しいという事で SSD化を断念していていました。
が、その問題は WD Black² が解決してくれますね。
まさに、容量不足が原因で SSD に換装できなかった人の為のドライブだと思います。
今の所 Mac には正式に対応してないという事で、公式サイトやマニュアルに記載がありませんが、その点がクリアされた場合にはHDD搭載の MackBook Pro ユーザーには嬉しい商品になるのではないでしょうか?
やはり SSDの速度は素晴らしいですよ!
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