使ってみて驚いたのは、
・ これまでのスキャナ使用作業工程(下記①~⑦)のほとんどが自動化できそうに思えたこと
・ もう「押さえ続けなくてもいい」!
ということです。
なんと「楽ちん」なことか!
そして、取り込みから→ゆがみ補正→Wordファイル化という一連の過程が
「ScanSnap Manager」-【自動で連携】→「ScanSnap Organaizer」を使って一元化できてしまいます。
感動しました! Wordファイルになってしまったらあとは楽なもの。
無限の可能性を感じます。これは戦力になってくれそうです。
私は職業柄、日常的に業務でスキャナを使用しています。
そもそも、17年前に最初のPCを買ったのもスキャナを使いたかったからでした。
スキャナに関しては、パソコンと同じ長さのキャリアがあります。
Windows95搭載のノートPC/デスクトップ機にSCSI接続する時代から使っています。
エプソンGT5500WINSを買い増ししていって、最終的に自宅と実家に1台ずつ、
途中仕事を辞めて大学院生をやっていたときには研究室にも1台、予備機も含めると
5台も所有していました。そういう「PC=スキャナ」というパソコン人生です。
予備校講師として、浪人生や高3生に英語を教えて20年以上になります。
予備校では予備校独自のテキストを用いて授業を行うのが一般的ですが、
受け持つコマの授業時間に対して提供されている量が不足する場合や
そのタイミングで内容が生徒に合っていない場合等、講師が独自に教材を提供する必要があります。
担当コマ・生徒数が増えてくるとテキスト作成そのものに参加する機会も増えてきます。
直近の授業で提供する問題を作ったり、教材をストックしておいたり、自分自身の学習であったり、
と様々な必要性から、英文を大量にテキストデータ化しています。
主に大学入試の過去問をPCに取り込むのですが、それだけでなく、
話題になった洋書や定番のペーパーバックにも目を配っています。スキャンする量には膨大です。
受験生の答案の書き方や間違いの傾向をつかむために提出させた英作文を添削する際も、
答案をストックするためにスキャナを活用しています。
これまで、
① 各種の媒体からフラットベッドスキャナで英文を取り込む
→② ビットマップ形式で保存
→③ OCRを使ってテキストデータ化
→④ Microsoft Word で編集して問題を作成
→⑤ プリントアウトして授業で使用
→⑥ 解説レジュメ教材とともに今後編集の余地あるものはWord形式で保存
→⑦ 追加の編集が必要ないと判断した「完成」カテゴリで保存するモノはPDF化
という過程の中で①だけにスキャナを使っていました。
ハードは長らく、EPSONのGT-5500WINSをSCSI接続して使う、というスタイルを
2年前まで続けていましたが、さすがにもう「SCSI」はないだろう、というので、
最近は、インクジェットプリンタに付属のフラットヘッドスキャナを使っています。
近頃では「自炊」といって本を裁断してページスキャナで読む込むというスタイルが主流のようですね。
でも、自分の場合、「自炊」なんて言葉が生まれる10年以上前から「手順」ができあがっている、
ということがあるのと、1冊の本を表紙から最後のページまで全部取り込む、というのとは違います。
今後も、「裁断」やページスキャナとは無縁でしょう。
ただし、体力的な負担が大きいのです。
赤本などの厚くて小さな本をフラッてヘッドスキャナのガラス面に圧しつけて取り込むというのは。
ガラス面に沿ってスキャナのヘッドがページ面をなぞっている間は
ずっと力を込めて押さえつけていなければならないし、
少しでも本がずズレてしまうとそのビットマップ画像をOCRソフトがちゃんと読み取ってくれません。
最後に行う校正作業も時間と労力を取られるのですが、この
「微動だにせず」「力を込めて」「押さえ続ける」 作業を 「延々と繰り返す」
のは本当に大変です。
この憂うつな作業から、一切の「苦痛」を取り除いてくれるかもしれない。
ScanSnap を知ったときは単なる新製品の一つとしてではなく、まさに「イノベーション」だと感じました。
そして、待ち焦がれていた製品のレビュアーの1人に選出されるという幸運を得ました。
これからレビューでじっくり使用感を伝えていくつもりですが、
その前にセットアップを終えて初めて使ってみた感想を
ファーストインプレッションとして取り急ぎお伝えします。
本編を書くのが楽しみです。
(↑以上、ファーストインプレッションでした)
SV600は仕事のやり方そのものを変えるイノベーションだ!
ScanSnap SV600 のおかげで仕事のやり方が変わりそうです。
単純に「楽になる」だとか「時間が短縮される」といった次元ではありません。
個々の工程が「楽になり」「時間も短縮される」ことはもちろんですが、
各工程が密接に連携されていることによる労力と時間の短縮
がこれまでなかった部分です。
これは想像以上の効率をもたらしてくれます。
その圧倒的な能率向上が仕事のしかたを本質的に変えてくれそうな予感があります。
これまで、スキャナが関わる部分の仕事については、
ハードとしてのスキャナはそれだけの存在で、ソフトウェアとの連携がとれていませんでした。
各種の印刷媒体からテキストデータやWord形式のファイルという自分が望む成果物を得るまでに、ソフトウェアメーカーが各社のスキャナに汎用で開発しているOCRソフトと組み合わせる必要がありました。正確に言うと、その間にも別のソフトが必要でした。
具体的には、ハードとしてのスキャナが取り込んだ画像データをOCRソフトにダイレクトに読ませるわけにはいかず、その間にビットマップファイルを Windows付属のペイントで、ノイズや影を除去する、という工程を割り込ませる必要もありました。ノイズ除去は手作業であり、
OCRソフトを使う段になっても、その最初の部分でノイズ除去が必要で、傾き補正などの「補正」作業も欠かせません。
↑もう、こんな大げさで大がかりな作業工程をしなくて済むのです。
一方、ScanSnap SV600 を使ったスキャン作業ですが、ハードウェアとしての SV600 本体がフラットベッドスキャナと遜色ない精度で画像を読み込んでくれるだけでなく、その後の付属ソフトウェアによる処理が格段にスピーディーに展開されます。残りのほんのわずかな工程だけ、人の手を加えないといけませんが、それも痒いところに手が届くインターフェースのおかげでここでも負担はグッと減っています。
もちろん、ファーストインプレッションで述べたとおり、スキャン対象を卓上に置くだけで読み取ってくれるという手軽さがいちばん助かります。が、これも、その後の「補正」や「校正」作業がしんどければ意味がなくなってしまいます。
ハードとソフトの連携が取れた総合力が ScanSnap SV600 の最大の魅力だと思います。
やはり、同一メーカーによる専用ソフトウェアあってこそハードの高性能も生きてくるのだと思います。その根底にある思想が、これまでのスキャナの固定観念から自由である分、実際の使用のいろんな部分で革新性を感じることができました。
例えば、70年代初期に発行された書籍をスキャンしようとすると、経年劣化で黄色っぽく
焼けている頁がほとんどで、書き込みがあっても消しゴムで擦ることができません。
こういった黄色く「焼けただれた」ページも問題なく認識して取り込んでくれますし、
黄色く焼けたページの上に書き込みが残っていたとしても、鮮明に読み取ってくれます。
前提として、SV600本体は光学機器として非常に高い性能を持っているといえます。
そして、そのハイスペックなハードウェアが送ってくる画像データを符号化する際に、
滅多な粗相は起こさない仕上がりとなっているのが、ScanSnap Manager であり、
ScanSnap Organizer でありましょう。
このように高い次元で互いにバランスの取れたハード/ソフトであるからこそ、
① 一連の工程をオートマチックに進めてくれる。
② 人の手で「補正」する部分は格段に省かれている。
③ よって、スキャン作業に一切の苦痛がなくなった。
④ ちょっとした空き時間にも手軽にスキャンできる。
机の横に常時起動ONできる状態にセッティングしておいて、365日使い倒せるような、
スキャナにあるまじきフットワークの良さを生み出します。
ScanSnap SV600 は、仕事の中に占めるルーティーンワークを大幅に削ってくれ、
増えた時間をより多く本来の仕事に、すなわち、本来のクリエイティブな作業に振り分けてくれるでしょう。まさにイノベーションです。
同種の原稿ごとに ScanSnap Manager を切り替えるのがコツ/原稿の置き方にも注意
ScanSnap SV600 の梱包を解くと以下の一式が含まれています。
セットアップについては他のレビュアーの方々が詳細に説明されていますので、そちらをご覧ください。
SV600本体の下に黒い筒が見えているでしょうか?「背景マット」という名が付けられています。巻物のようにくるめられていますが、展開してSV600本体の前に敷き詰めて使います。
黒いフエルト地のようなマットですが、光沢のない「マット」なマットですw
「背景マット」には「B4」「A3」などのマーカーが印字されています。
原稿の大きさに応じて、その両端を置く場所が指定されます。
「背景マット」に白字で印字されているマーカーを最初に見たとき、「SV600本体の前にスキャンするモノの中心が垂直に交差するように置くためのマーカーなのかな?」ぐらいの認識でした。「スタートアップガイド」にも「背景マットと原稿をScanSnapに突き当ててからScanボタンを押して原稿の読み取りを開始します。」と指示されています。
「とにかく中心がズレないようにするのが大事なんだな」という程度の理解で読み取りを開始しました。
なので、書籍の左右どちらか片方のページだけを読み取りたいときは、その片方のページの上辺の中心をScanSnap SV600の台座の中心に押し当ててScanボタンを押して作動させました。こんなふうに。
でも、そうやって原稿を置いて読み取らせると、隣の 白紙の項も「余白という情報」 としてきちんと読み取ろうとするんですよね。だから、その後、ScanSnap Managerで補正作業するときに、その「余白という情報」を持った画像部分も編集対象に含めて提示されます。
これで分かったのですが、ScanSnap SV600 というハードは、
黒地に浮かび上がった白い部分は全部読み込もうとするのですね。
そういう設定になっているわけです。
ならば、 不要な部分は「背景マット」に溶け込ませてしまえばいい 、
すなわち、読み込ませたくない頁の上に「マットな黒い布」でも被せればいいんです。
そうだと気づいても手芸店とかホームセンターに黒いカーテン生地を買いに行く暇がなかったので、とっさに横においていたノートパソコンで隠しました。ブラックはブラックでも指紋がつくような光沢のある黒色の天板だと、ScanSnap SV600 が照射する光が乱反射して読み取り結果にノイズを混濁させかねません。そこで、ThinkPad X200 のマットな天板が役に立ちました。NECのノートPCによくあるピカピカの天板やLenovoのPCでも ideapad S10 に使われているようなピアノブラック天板だとうまくいかなかったかもしれません。
「よし!」
以上は、個々の読み取りシーンで特に注意すべきことに言及しましたが、読み取り作業を行うにあたってもっと大事な事があります。ScanSnap SV600 を使った作業全般において気を付けるべきことがあるのです。
ScanSnap SV600 が読み取った画像データを、付属のアプリケーションがパソコンに取り込む際のファイルの扱い方に関連します。
PC と ScanSnap SV600 を USBケーブル でつないで SV600 の電源を ON にすると、
「ScanSnap Manager」というソフトウェアが自動で立ち上がります。「ScanSnap Manager」は、ScanSnap SV600本体 の操作から読み込んだ画像データをPCへ取り込み、その後で歪みを「補正」して→「保存」するまでを一貫してガイドしてくれます。指示される通り進めていけば、望んだスキャン結果をPC内に保存するまで何ら迷うことはありません。
いったんSV600を電源ONして立ち上げてしまえば、
あまりに楽ちんにドンドン読み取っていけるので、
逆に「ScanSnap Manager」を終了させることがおっくうになります。
その結果、
「電源を入れた日時」がファイル名になった、一つの巨大なファイル
の形でPCに取り込まれます。
読み取って行く書籍の内容が、小説のような、最初から最後までテキストデータのみならば、それでいいです。しかし、異なるコンテンツが混在するのであれば、その内容ごとに個別のファイルを作るべきです。
テキストデータの中に表やグラフが差し込まれていたり、イラストや写真が含まれる場合は、そういったコンテンツの種類ごとに、ScanSnap Mnagaer を終了させて取り込み内容を区切ることをオススメします。区切らないと、一つの巨大なファイルで取り込まれてしまいます。
たとえば、次のような「2013年09月29日12時01分35秒」というファイル名が表す、電源がONになった時から最後の取り込み頁を読み込んで保存するまでの間の28頁が、ひと続きの単一ファイルとなって保存されます。
(デフォルトの設定では、PDFファイルで保存して ScanSnap Mnager は終了します。)
この中には、ほぼイラストだけの頁が2項、比較的大きな表を含む頁も2頁含まれます。
このように「ScanSnap Manager」によって一括して保存されたひとつのファイルを、
今度は「ScanSnap Organizer」というソフトウェアが引き継ぎます。
「ScanSnap Organizer」を使って、
「Word文書」「Excel文書」「PowerPoint文書」のうちの任意のファイル形式に変換します。
私の場合、Word形式に変換するのですが、イラスト画像の2頁はそのままPDFファイルのままにしておきたかったのが、一緒くたにWordファイルにされてしまいました。エクセル地図のような大きな地図が載った頁も1つあり、それもそのままにしておきたかったですね。
あと、ファーストインプレッションで読み込んだ生徒の手書きの答案ですが、
これもやはり活字のようには認識してくれません。PDFファイルのまま、保存しておく必要があります。こればかりは、時間のあるときに手打ちでテキストファイル化する他ありませんね。
コレを ScanSnap Organizer に任せて丸投げすると…
こういった憂き目に遭わぬよう、取り込む対象は前もって、コンテンツの種類でグループ分けしておくとよいです。イラストメインの項だけ先に読み込んだら、いったん「ScanSnap Manager」を終了させる。もう一度「ScanSnap Manager」を立ち上げたら今度は表を含む頁だけを読み込んでまた「ScanSnap Manager」を終了させる。次はエクセル地図ふうの地図の頁を読み込んで終了。最後にまとめてテキストだけの頁をいっきに読み込む、
といった 段取りを最初に決めておくべき ですね。
全方位にやさしい次世代型スキャナ
とにかく ScanSnap SV600 に触れている間中「やさしい」使用感に包まれていました。
まず、自分にとっては、「スキャナを使う」ということは、イコール、「ずっと力を込めて押さえ続ける」ということと同じ意味でした。
この体力的な辛さから解放してくれたことがいちばん大きいです。
極端な話、ちゃぶ台の横で寝転がりながらでもドンドン読み込ませていくことが可能です。
次に、その後の専用ソフトウェアを用いた「補正」作業も格段に楽になりました。
PCのモニタに向かっている時間が半分以下に短縮されるので、
肩こりや首の痛み,背筋痛からも解放されそうです。
と、ここまでは、ScanSnap SV600 の「使う人にやさしい」顔の部分です。
そして「読み取る対象にやさしい」という性質も備えています。
私は大阪・京都・兵庫・滋賀という関西圏の予備校で英語を教えています。
近畿圏の国公立大学は入試において、基本的に2~30年前と変わらない英語を課し続けています。
なので、80年代や70年代の問題を入手してスキャニングすることが少なくありません。
本としての体裁が崩れ落ちそうになった形でかろうじて存在しているものがほとんどです。
そのような、朽ち果てる寸前の「本」を強い力でフラッドベッドスキャナのがガラス面に圧し付けることはなるべくしたくありませんでした。しかし、どのページも経年劣化で黄色く焼けているので、そうも言っていられません。また、鉛筆による書き込みがあっても消しゴムで「擦って」消すということもできません。むしろ、最近の書籍にかける圧力以上に強い力で圧し付けなければなりません。
こんなボロボロのご老体ともいえるスキャン対象に、ScanSnap SV600 ならば、一切の圧力をかけることなく読み込むことが可能になります。願ったり叶ったりとはこのことです。
次に、「環境にやさしい」ということ。
これは、使ってみるまでまったく予想がつかなかったことです。
フラットベッドスキャナって、もの凄い大きな音を出しますよね?
まず電源投入後のウォーミングアップで「ガッコーン、ガガガガーッ!」と唸りながら、
本体が小刻みに震えます。
そして、読み取りヘッドが動くたびに「クウォーン」という不快な周波の音をまき散らします。
フラットベッドスキャナって空洞部分が多い、いわば、「太鼓」のような構造をしています。
作動中は騒音も振動も増幅されて結構な騒音の元です。
なので、いままでは夜中に使うのは憚られました。
この点でも、ScanSnap SV600 は超優秀です。
光の帯がスキャンされる物体の上を一度サッと照射されるだけですから、ほぼ無音です。
振動なんて起こりようがありません。
これは、本当にありがたいことです。特に仕事が急いているときほど。
最後に、「パソコンにもやさしい」ということ。これは意外でした。
これだけの性能を持つハードがPCに送ってくるデータ量はさぞかし甚大なものなんだろうな、
本の歪みを「補正」するためのソフトウェアってメモリをたくさん使ってCPUにも膨大な量の仕事をさせるんだろうな、と身構えていたのですよ、実は。
なぜなら、私がメインで使っているPCは6年前の発売当時でさえ低スペックだったエントリーマシンです。シングルコアで1.86GHz動作のCeleron540を積むWindows XP 機です。
メモリを3GB積んでいるとはいえ、Core2Duo ですらない、Lenovo ThinkPad R61e は
第3世代目-第4世代目のCore-iマシンの時代に作られたハードウェア/ソフトウェアに
耐えられるのか?と密かに心配していたのでした。
実際、ScanSnap SV600 は 容量の大きいRawデータで取り込んでいるのですよ。
ScanSnap Manager を使っているときも、
ScanSnap Organizer を使っているときも、
ユーザーには一度もRawデータとして開かせることはしません。
プログラム内部のみでRawデータを処理して、
いままさにPCの中でRawデータが生起していることをユーザーには感じさせません。
上のファイルは自分でフォルダを開けて読みに行ったものです。
こんな低スペックの3世代も4世代も昔のエントリーノートPCであっても、
ScanSnap Manager,ScanSnap Organizer ともに
砂時計アイコンが出たまま待たされるということがほとんどありません。
プログラムがPCにスマートなアルゴリズムを実行させているのでしょう。
ハイスペックPCでなくとも支障なく動くようによく練られているのですね。感心しました。
まとめると、ScanSnap SV600 は
「使う人にやさしく」
「環境にもやさしく」
「PCにもやさしく」、それでいて
「読み取る対象にもやさしい」という性質を持つ
全方位に「やさしい」次世代型スキャナ だと言えます。
「本の歪みを補正する」機能は秀逸
現在、フラットベッドスキャナで主に赤本などから大学入試の過去問を読み込んでいます。
ぶ厚くて頁の小さな本をフラットベッドスキャナのガラス面に圧し付けるのは、たとえ1頁をスキャンするだけであっても体力を使う作業です。これが、何十ページもまとめて、となると、腕の筋肉がこわばるだけでなく、首や肩の筋肉も凝るし、背中も痛くなります。
読み込んだ画像を補正する作業については、ScanSnap SV600 の場合も必要になってくるのでしょうが、やはり、この
「微動だにせず」「力を込めて」「押さえ続ける」作業を「延々と繰り返す」
という工程がいちばん辛いです。
対して、ScanSnap SV600 の場合は、原理的に、この身体に負担を強いる工程が不要というのが嬉しいのですが、果たしてスキャンして得られた画像が、編集作業のソースとなり得るのか、という疑問はずっと持っていました。
オプションで「スキャンスナップSV600用ブックプレッサー」なる、書籍を上から押さえ付ける透明のアクリルボードが用意されているのですが、私の用途の場合、これを購入してもあまり効果があるとは思えません。やはり、ScanSnap SV600 のハードと付属ソフトウェアの総合力が問われるわけです。特に、後者が重要になってくると思います。
なぜなら、どんなに精度が高い読み取り機能を持つハードウェアであっても、本の歪みの表面に載っている活字を平面で写し撮ることは不可能だからです。
しかし、その心配は杞憂に終わりました。
湾曲した歪みをどうやって平面に置き換えるのか?
↓
「6つのコーナー点と上下の輪郭線」をスキャンした本の輪郭に合わせる
本の四隅とノド(本の綴じ目に沿った部分。見開いた時の中央部分)の天と地の両端に6つの「コーナー点」を合わせます。「コーナー点」とは画像の白い四角い点「□」のことです。6つの「□」をマウスでドラッグします。
ほとんどの場合、この時点で上下の輪郭線も本の天と地の輪郭に合わさっています。
あとは、こうして決定した輪郭で囲まれた部分全体を1つの頁としてみるか、
左右2頁から成る、とみるか、で仕上げにかかります。
この場合、2頁と見るので、ノド(本の綴じ目)に緑の点線を指定します。
あとは「補正実行」をクリック。
すると、左の頁,右の頁が切り分けられて、それぞれ平面に補正されます。
これの繰り返しでドンドン補正していきます。
拡大できるので、かなり正確に合わせることが可能です。
指で押さえるときに頁の四隅を持つより、中央寄りで押さえけたほうがいいです。
四隅が指で隠れているとコーナー点も推測でしか特定できなくなりますので。
途中、押さえつけている指が写っている箇所を消去していきます。
マウスでポインタを写っている指に近づけるだけで、ほぼ正確に「指」を捕捉してくれます。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2013/09/24
とのことですが、私も本編を見るのが楽しみです^^
ジェイソン太郎さん
2013/09/24
ありがとうございます。本編は膨大な量になりそうですが、少しでも読みやすく編集します。乞うご期待!
aoidiskさん
2013/10/04
読み取った物がゆがんでいると、見にくいですし、
かなり緩和されているのは本当嬉しい。
読んでいて楽しかったです。
ジェイソン太郎さん
2013/10/04
駄文に最後までお付き合いありがとうございます。
ハードも優秀ですが、ソフトも勝るとも劣らぬ優秀さを発揮してくれました。歪みの補正は本当に助かります。
「ScanSnap Manager」の内部で、歪み補正を担当する部分と従来のOCRソフトの役割を担当する部分に分かれていると思うのですが、前者の部分がかなりがんばってくれている印象を受けます。汎用プログラムではないので富士通さんも大変だったでしょうが、日本のメーカーが「ものづくり」の底力を見せつけてくれています。
世界中で売れる予感がします。
某支配人@名古屋定住@イベント行きたいさん
2013/10/08
レビューを見て、ますます欲しくなりました。
もう数回Cool押したいくらい^^
ジェイソン太郎さん
2013/10/08
確かに、他のスキャナと比べて割高ですよね。
家庭用のフラットベッドスキャナは1万円出さずとも買えてしまいますものね。それに、わざわざスキャナ買わなくてもプリンタに付いてきますからね。
でも、SV600は投資に見合う生産増をもたらしてくれる「設備」だと思います。