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デジタイザーペンはワコムハードフェルト芯の書き心地、すばらしいお絵描きタブレットPC! 13/7/7追記

デチャタブル(着脱式)Ultrabook、TOSHIBA dynabook V713を、絵描きが趣味のわたくし視点にてレビューさせていただきます。
最後までお付き合いしていただければ幸いです。
アルティメットシルバーの本体は表面に細かいドット加工がしてあり、タブレットモードで使用時にも背面に傷がつきづらい(目立たない?)ようになっています。
排気口はディスプレイを開いたときに右上に来るようになっており、排気音や排熱などがあまり意識しないですむようになっています。
電源スイッチはタブレット部分についており、その横にはタブレットモードでの使用時にパソコンが応答しない場合にシャットダウンが可能になるシャットダウンボタン(小さい穴にクリップなど先の細いものを入れて押す)があります。
またタブレット側はリザーブペンが内蔵されており、うっかり本体付属のデジタイザーペンを忘れてしまった場合もサポートしています。この心遣いがうれしいですし、絵描き的には後述するメリットもあります。
キーボード側にはUSB2.0、HDMI、RGBコネクタ、有線LANがあり、多彩なニーズにこたえることができる仕様となっています。

■スペック

お絵描きをするとなるとやはりメモリが4GBで追加が出来ないことが一番のネックになると思います。最低でも8GBは欲しいところなので、今後そういったモデルが出ることを期待したいです。
キーボードは85キーでも比較的打ちやすいです。またバックライトキーボードです。
重量を軽くするためにキーボードの部分は非常に薄くなっています。
残念なのは、その開閉の角度で、最大でも写真の角度までしか開きません。この角度はユーザーの背の高さ、目線の高さなどに好みが非常に左右されるところだと思うので、もう少しあそびの部分が欲しかったと感じました。
(個人的にはあと5度位後ろに倒したい)


PCをUltrabookスタイルで起動してからタブレットスタイルにする際は、きちんとイジェクトスイッチを押してからラッチノブを使って外すこととマニュアルに書いてあります。私はマニュアルを読まずに本体をさわり初めてしまい、イジェクトスイッチを「これ何に使うんだろう?」とずっと思ってました。
キーボードドッキング部分の拡大
キーボードドッキング部分の拡大

タブレットモードの場合はソフトウェアキーボードを使って文字入力をすることになります。
一部ショートカット(コピー&ペースト・Undo・全選択)にも対応しており、このキーボードの使い心地が非常に良かったです。
文章を打つには全く問題はないのですが、お絵描きをする場合は「Shift+α」のショートカットを使うことが多いため、その点では不自由を感じました。
キーボードが取り外し可能ということで、期待していたのは、外した際にタブレットの横において使えるかということでした。スペースキーを押しながらの画面内移動などキーボードを使用しての作業が多かったため、横において使えれば便利かも?と期待していたのですが、それは出来ませんでした。
タブレット部分とキーボード部分はコネクタでつながっているようですので、なにか接続できるケーブルなどがあれば・・・とも思ったのですが、あの形状では作業の邪魔にもなってしまいそうですし、難しいところですね。現状ではBlutoothキーボードを別に認識させるのが手っ取り早いかもしれません。(後述にてそれ以外での対応について記述)
まずは本体付属のデジタイザーペンについてですが、その形状が非常にワコムのクラシックペン

に酷似していたので、そちらと比較してみました。
全体の長さ、サイドスイッチの位置もほぼ同じです
全体の長さ、サイドスイッチの位置もほぼ同じです
芯がペン先から出る長さにやや違いがあります
芯がペン先から出る長さにやや違いがあります
なんと重さも同じです
なんと重さも同じです

そして本体付属のデジタイザーペンの芯なのですが
その見た目・書き心地は「ワコム純正ハードフェルト芯」と同じです。形状はやや違っているのですが、書き心地は同じです。
もしかして?とワコム純正芯を入れたところそのまま入り使用することが出来ました(ただし、芯の頭が出る長さに微妙に差異があるので同じ書き心地ではありません)
またワコム純正のエラストマー芯も入ることは入ったのですが、こちらの方は何故か画面に接していなくても描画されてしまうという不具合が発生したため、不具合がでなくなる長さまで芯をカットする必要がありました
ただしここまで短くしてしまうと芯を取り出すことがかなり難しくなってしまうのでおススメしません。
代替案として

Wacom Wacom feel IT technologies搭載端末用ペン Bamboo Stylus feel CS300UWのソフト芯の方が非常にエラストマー芯での書き心地に酷似していたので、こちらを利用することが良いと思いました。
(Bamboo Stylus feelの動作確認機種にV713は含まれていませんでしたが、問題なく動作しました)
筆圧もばっちり感知 ※CLIP STUDIO PAINT Pro 使用時
筆圧もばっちり感知 ※CLIP STUDIO PAINT Pro 使用時


また本体装着用のリザーブペンについてですが
こちらのペン芯はワコム標準ペン芯と同じ書き心地です(こちらの方は芯の取り外しがきかない)

そのため、Intuosユーザーの方で自分好みの書き心地をV713で得るためには

ハードフェルト芯→V713デジタイザーペンを使用
エラストマー芯→ Bamboo Stylus feelを使用
標準芯→本体装着用リザーブペンを使用

と持ち替えて使用することが一番安全で手ごろではないかと思われます。

また東芝サポートに問い合わせたところ、

・V713のデジタイザーペンの替え芯のみの販売はしない
・デジタイザーペン単品の販売は7月中旬から東芝パソコンを扱う販売店様や東芝ダイレクトにて販売開始(オープン価格)
・リザーブペンは\3,830(税込)にて7月中旬から東芝ダイレクトにて販売

とのことです。
お絵描きでV713を使用する場合、芯の消耗は早い気がしますので、是非芯の単品販売(5本組みなどでよいの)はして頂きたいと思いました。
ポイント精度についてはこの手の機種にしては非常に優秀な方ではないかと思います。やはり左端・右端では微妙なずれを感じましたが、ほぼメニュー部分のみで描画部分についてはほぼあっておりました。気になるのはカーソルの遅延ですがこちらも慣れれば問題ない程度の遅延でした。
ホバーについては約1.2cmから認識しています。

それでは実際にお絵描きの環境を整えていきます。こちらの機種はデフォルトではPhotoShopで筆圧を感知することができませんので、

を利用します。
環境設定→タブレット→使用するタブレットサービス「TabletPC」を選択すると筆圧の感知が可能です。
またPC本体の設定も
カーソルの遅延を無くすために
カーソルの遅延を無くすために
100%表示の方が線画引きやすかったので
100%表示の方が線画引きやすかったので

に変更します。さらにデジタイザーペンでの描画の快適さを上げるため
こちらの設定をしました。ただしこちらの設定はペンでの描画を快適にするためですので、その他のソフトでの動作を不便にしてしまう可能性もありますので自己責任でお願いいたします。

前述したソフトウェアキーボードのショートカットが使いづらいので、

を利用してその不自由さを補完します。
CLIP STUDIO PAINTですとTab-Mateコントローラーに対応しておりクイックメニューを利用してショートカットが複数設定可能です。


上記の設定・環境にてCLIP STUDIO PAINTにてお絵描きをしてみます。
約12分ほどの動画になっています。ラフから人物の仕上げまでの動画です。


この程度の描画がこの設定で可能でした
この程度の描画がこの設定で可能でした

600dpi A4サイズでの描画でしたが、やや線画(ベクターペン入れ)に不自由さは感じましたが、他はおおむね良好な書き心地でした。


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以上がファーストインプレッションとなります。
この先は非公式かつ自己責任でのお絵かき用にカスタマイズして描画の方を試してのレビューを書かせて頂きたいと思っています。
(2013.6.30. 7.7一部漫画挿入、記述挿入)
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さて、よりお絵描きに便利な環境を整えてみることをテーマにレビューを追加していきたいと思います。


こちらの機種Wintabに標準では対応していないため、PhotoshopなどTabletPC対応ではないソフトでは筆圧の感知ができません。
そこで、米Wacomで配布しているTabletPC用のドライバを入れてやることで、筆圧感知が可能になります。
米Wacom » Support » Drivers
2013.7.7時点ではTABLET PC – Enhanced Tablet Driver 7.1.1-12というファイルになります。
こちらを入れることでPhotoshopで問題なく筆圧感知が可能となりました。
とくに挙動がおかしくなる等の不具合はありませんでしたが、将来的になにが起こるかはわかりませんので入れる際は自己責任でお願いいたします。
個人的にはPhotoshopよりもIllustratorにて筆圧が感知可能なことの方がメリットがあると思いました。

ブラシツール・塗りブラシツールの筆圧感知可能ですので、サイズの拡大を気にせずにイラスト制作が可能ですし(イラレはベジュなので)、写真等の切り抜きもタブレットPCで行う場合は、ベジュ曲線に慣れてない方でもペンを使用することで比較的簡単に切り抜きが可能ではないかと思いました(時間があるときにここら辺を追記したいと思います)

ファーストインプレッションのお絵描き動画をごらん頂くと
指先が使いやすいようにカットしてあります
指先が使いやすいようにカットしてあります
指先に穴を開けた軍手を使用してお絵描きをしていることが分かるかと思います。
こちらの方ですが

・ペンでの描画の際にペン以外の部位が当たって誤描画を防ぐ

という主目的のために使用しておりました。(他の理由は画面のすべりを良くするため・手汗対策・液晶面の熱さ対策です)

またTab-Mate Controllerを使用して、ショートカットの補足をしておりましたが、出来るだけ荷物は一緒に持ち歩きたくないというのが正直なところです。

その2つの点を補足してくれるフリーソフトが
Windows 8タブレット用 左手ソフトキーボード 「TouchKey」
でした。インストールして起動しますと、

このようにソフトウェアキーボードが左下に表示されます。こちらの方、ペンが近づくと自動で消えてくれるので、ツールバーを押す際にストレスは感じません。
また上記画像ではデフォルトのままとなっていますが、自由にキーを増やしたり、割り当てることが可能になります。(ShiftやAlt、選択解除などを入れていく予定です。そちらの画像も後ほど追記します)
こちらの方もフリーソフトですので、インストールは自己責任でお願いいたしますが、非常に便利です。
デフォルトでこういったキーボードを入れて欲しいなと思うくらい便利でした。
制作者の方に本当に感謝です。

この2週間試してみた結果ですが、特に設定を変更したくないユーザーの場合は、CLIP STUDIO PAINT PROを導入し、ショートカットの不自由さを解決するためにTab-Mate Controllerを導入するか、Bluetoothキーボードを導入、タッチのご操作対策で軍手や手袋などを使用する。

非公式のソフトウェアを導入することに抵抗がないユーザーの場合は、WACOMタブレット導入+フリーソフトで対応する。

といった形が良いのではないかと感じました。

CPUの温度はCLIP STUDIO PAINT PROを使用して(裏でbandicamで撮影)お絵描き時には、最高でも40℃でした。画面に素手で接している際の感覚的にも「ほんのり温かいかな?」程度でした。

バッテリーベンチソフト「BBench」を使い測定してみました。
電源プランはバランス。画面の明るさはデフォルト設定のままです。

●Web巡回+キーボードエミュレーションの場合
バッテリー残量50% 2時間40分
バッテリー残量2%  4時間18分

●CLIP STUDIO PAINT PRO+Photoshopなどで漫画制作(ファーストインプレッション時の漫画制作)
バッテリー残量50% 2時間4分
バッテリー残量2%  3時間56分

お絵描き時にはバッテリー消費は早まりますが、大体4時間はもつようです。
色々設定をいじってみるとよりバッテリー消費は抑えられるかもしれません。


お絵描き用タブレットPCとしては非常に使える1台だと感じました。
特にデジタイザーペンの書き心地はとてもよいです。
ただ残念なのはメモリが少ないこと。そのせいで、CLIP STUDIO PAINT PROのペン入れ時のカーソル遅延がやや気になります。
逆にこれ以上の書き心地を求めるならばCintiqを素直に導入すべきなのではないかと感じました。

個人的には印刷に出さない絵でしたら、V713+CLIP STUDIO PAINT PROで描いた方が手軽で良いのではないかと思いました。

以上でV713のレビューを一旦しめさせて頂きます。

一部お絵描き動画を追加する予定です(動画編集苦手で間に合いませんでしたorz)

お付き合いありがとうございました。

コメント (22)

  • はにゃさん

    2013/07/01

    レビューお疲れ様でした。

    今動画を見ている最中ですが、超絶倍速で快適に見えますが、CLIP STUDIOの反応とかどうでした?
  • manya嫁さん

    2013/07/01

    >はにゃさん
    反応は良好でしたよー。600dpiで描いてしまったので、ベクターペン入れがやや使い心地が難でしたが、350dpiで作業すればよかったなぁとは思いました。
    あの動画ではレイヤーがちょうど隠れてしまって見えずらいかもしれないのですが、各パーツ5~6レイヤー重ねて色塗ってましたが平気でした。
    彩色に関しては問題ありませんね。
  • ちばとどさん

    2013/07/01

    こんばんは。

    スタイラスペンのこと、設定のことなど、すごく参考になります。
    よく読ませていただいて、絵というものを何年ぶりかで描いて見たいと思います。ありがとうございます。
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