レビューメディア「ジグソー」

今時珍しい明確なコンセプトアルバム

声優であり、音楽ユニットfripSideのヴォーカルかつμ'sのメンバーという、様々な肩書きを持つ南條愛乃のソロ2作目となるフルアルバムです。

 

前作となる「東京1/3650」が思ったよりも気に入ったので、今回は初回限定盤を予約購入してみました。「東京1/3650」ではアニメ関連のタイアップ曲が多かったのですが、本作はアルバムとしてのコンセプトを優先した結果として、タイアップ曲はシングルカットされた「ゼロイチキセキ」のみとなっています。

 

 

 

 

 

初回限定盤は特典ディスクが3枚(CD1枚+Blu-rayまたはDVD2枚)にわたるため、このような箱に収められています。いずれの仕様も表面に大きく「N」の文字があり、まさに「Nのハコ」に収められているということだそうで…。

 

 

 

 

 

箱の中身は

 

・本編CD

・特典ディスクセット

・ブックレット

 

となっています。

 

 

 

 

 

ディスク面も全て「N」がプリントされています。

 

 

収録内容につきましては、

 

 

<アルバム本編CD>

 

1. きみからみたわたし
2. Oh my holiday !
3. NECOME
4. 灰色ノ街ヘ告グ
5. ゼロイチキセキ
6. Gerbera
7. ヒカリノ海
8. idc
9. ツナグワタシ
10. ヒトビトヒトル
11. Dear..
12. 0-未来-
13. 今日もいい天気だよ

 

 

<特典CD>(J-POPカバー集)

 

1. 全力少年 (スキマスイッチ)
2. Time goes by (Every Little Thing)
3. ラブソング (サンボマスター)
4. ガーネット (奥華子)
5. Stay by my side (倉木麻衣)

 

 

<特典Blu-ray>

 

・「Yoshino Nanjo 1st LIVE TOKYO 1/3650 ミンナとつながる365日×???」

・「リスアニ!TV「南條一間 ~じじいとわたしの60日~」(#1~#9)」

 

 

となっています。

 

アルバムをきっちりと聴き込んだ後に、特典ディスクの「南條一間」(ゆるい感じのバラエティー)を視ると、何というかアルバムの世界観を壊される気がします…。

 

更新: 2016/07/22
総評

作詞者の個性と多彩な表現のヴォーカルで構築される世界

Web上に本作についてのインタビュー記事なども上がっていますので、そちらを参照すると制作の過程がある程度わかります。

 

本作のコンセプトは「今の南條愛乃をひとつの入れ物として見たときに、中には何が入っていると思いますか?」であり、このコンセプトに沿った詞を、プライベートでの親交があり、作詞を出来る人たちに依頼して書いて貰ったという訳です。1,5,9,13曲目については、南條愛乃自身による作詞ですが、先行シングルだった5曲目の「ゼロイチキセキ」を除き、あくまでアルバムのコンセプトに合わせて制作されているとのことです。

 

作詞を依頼したメンバーには詞の方向性をまず示して貰い、そこで上がってきた内容に沿って曲を作り、その曲に合わせて詞を完成させるという流れで制作されたため、詞と曲のマッチングについては非常に良く出来ているものが多くなっています。

 

 

作詞陣は親交のあるメンバーに限ったとのことですが、アニメ関連楽曲ではお馴染みともいえるメンバー(畑亜貴、KOTOKO、川田まみ、yozuca*)の他、作詞経験は浅いもののμ'sのメンバーとして長らく活動を共にしていた飯田里穂などの名前が並びます。

 

特にμ's楽曲全曲の作詞を手がけた畑亜貴は、ここではアーティスト性を前面に押し出した詞(「ヒトビトヒトル」)を書いていますが、それを歌う南條愛乃のヴォーカルも今までにあまりしていなかったような発声で歌っていて、前作ではあまり見られなかった表現の幅が今回はかなり広く表れています。また、作詞者が作曲に携わっている訳ではないにもかかわらず、川田まみが作詞した「0-未来-」では歌い方も何となく川田まみに似ているなど、知っていると楽しめるという要素もあります。

 

 

そして特典CDの方ですが、J-POPカバー集としてのはプロデューサーの提案によるものだったとのことですが、なかなか面白い選曲となっています。

 

実際に聴いてみての想像ですが、詞の世界観で選ばれたと思われるのが「全力少年」、元歌のイメージから声質的に合いそうなものが「Time goes by」「Stay by my side」、そして本人が特に好きな曲が「ラブソング」「ガーネット」だったのではないかという気がします。

 

「ラブソング」は元々サンボマスターの荒っぽい歌い方の印象が強い楽曲ですが、これを女性ヴォーカルで歌うことによって全く違った印象を残す曲となります。個人的にはこの曲については元歌よりもしっくりきました。「Time goes by」や「Stay by my side」も元歌にあまり思い入れがないので結構良いと思うのですが、オリジナルが好きな人がどう受け取るかは難しいところかなと感じます。

 

 

Blu-ray特典のライブは、前作「東京1/3650」をほぼそのままなぞった構成となっていますので、前作を持っていない人が内容を確かめてみたいという場合にも適していますし、思った以上にライブでの声の強さを感じられますのでなかなか良い特典ではないでしょうか。

 

 

最近あまり日本語で歌われているアルバムを買っていなかったので、何となく新鮮に聴けましたし、明確なコンセプトに基づいて作られるという、今となってはなかなか珍しい作品でもあります。ずば抜けた楽曲がある訳ではありませんが、アルバムとしては前作以上に楽しめた感があり、買ってみて結構満足しています。

  • 購入金額

    5,010円

  • 購入日

    2016年07月12日

  • 購入場所

    エディオン

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