レビューメディア「ジグソー」

確かに流れる変態の血

●2012年5月 Ivy対応版UEFI&Xeon E3-1260Lでの動作確認を追記

8スレッドでTDP45Wというサーバー向けCPU、Xeon E3-1260Lと組み合わせたマザーボードAsrock Z68 Pro3-Mです。もちろん本来はZ68とXeon E3の組み合わせは想定外。




本体と付属品
本体と付属品

付属品はシンプル。マニュアルも4CoreDual-SATA2の頃より読むんじゃない感じるんだ適な日本語が減っており、ちゃんとマニュアルしてます。しかし「ユーザーマ ニュアル」の微妙な間や「デュアルヱャンネルメモリ」は健在なので安心です。

M-ATXながらPCIスロットやFDDポートも抜かりない。SATAポートは全部上向き。
競合製品になりそうなGIGABYTEやMSI製M-ATX Z68マザーはPCIスロットが無い代わりにPCI Expressスロットを増やしており、SATAは横向き実装。USB2.0ヘッダピンを多く乗せている辺りもコンセプトの差が出ていて面白いです。
フロントUSB3.0をもつGIGABYTEや、OCを考慮してオンボードスイッチ&LEDを持つMSIに比べるとこのASRockは地味な立ち位置かもしれませんが。

CPUソケットがメモリ&PCI Expressスロットに近い位置にあるので大型のCPUクーラーを使う場合はそれぞれ干渉することを念頭にいれて選ばないといけないかも。
グラボをさすとPCIex固定用ツメがCPUクーラーとグラボの間に挟まれてしまい、特に大型クーラーだと超高難易度取り外しゲームを楽しむハメになります。
asrz68_3.jpg
asrz68_3.jpg

私の場合ピンセットとマイナスドライバー駆使してグラボはずしました。

各種オンボードグラフィック用インターフェイス(HDMIはもちろんディスプレイポートまで!)がついているのですが今回はグラボさしっぱなしなので割愛。

BIOS…じゃなくてUEなんとかさん
BIOS…じゃなくてUEなんとかさん

スクショも撮れる(これは購入後しばらくたった時のSS)
スクショも撮れる(これは購入後しばらくたった時のSS)

さて電源を入れてとにかく驚いたのがBIOS画面。なんなんですかこのグラフィカルなのは。なんとマウス操作もできちゃう(まあKBのが操作しやすいが)。後から知ったのだが、「UEFI」というBIOSの役割をする全く別のモノらしい。てっきり見た目をかっこよくしたBIOSだと思っていたがそんな事はなかったぜ!

ASUSのUEFIはF12押すとUSBメモリにSS保存する機能があると雑誌で読んだので、ASRockのヘルプもみたらがっつり同機能搭載。レビューとかで便利ですね。

画面配置自体は従来のBIOSとほぼ同様なので見た目に驚いても今まで通り操作できるので安心です。BIOSにスタイルシートでも当てたオシャレ仕様と勘違いするほど操作系や配置はBIOSのママでしたから。
この辺はマザーベンダー次第のようなのでAsrock先生にしては無難にまとめてくれたということでしょうか?他のメーカーの場合BIOSっぽい画面に入る前に他の拡張機能を操作するためのメニューを挟んでいるものもあるとのことなのでそれはそれで触ってみたいですね。

起動速度
起動速度

ドライブの認識などOSブートまでにかかる時間がUEFIの恩恵により、BIOS時代のマザーに比べてかなり短い。
電源ボタンを押した10秒後にはWindows7のロゴに入っている。画面出力された瞬間から数えると3秒もない。同時に起動を開始したBIOSマザー(ASRock4CoreDual SATA2)が同じくWindows7ロゴに入る25秒にはようこそ画面寸前になっている。

Z68側はHDD、4CoreDualはSSDなのでここから4CoreDualが追い上げるのだが、最終的にデスクトップ画面に入るタイミングはどちらもほぼ同じ45秒。
なんとUEFIのマザーにするだけでSSDとHDDの差を埋めるまでに至った。ただ4CoreDual側はAHCIモードが使えずIDE互換モード。さらに周辺機器特盛というハンデがあるが。

つまりコイツとSSDと組み合わせたら相当起動速度速くなるんじゃなる。電源ボタン押した瞬間からデスクトップまで20秒台も十分実現可能だ。


各調整項目
各調整項目

さて今度は電圧設定。他の6X系マザーを触った事がないのでこれがあたりまえなのかもしれないが、電圧調整に「オフセット」という項目があり、通常の可変モードから何Vかをマイナスで動作というもの。これは以前使っていたP45時代のマザーではできなかったのでうれしい。
loadline calibrationの電圧変化度合いも5段階で調整できるので、電圧可変をオンにしたまま省電力化や高電圧化が容易に調整できる。

loadline calibration Level4
loadline calibration Level4

こんな感じで視覚的な解説ついてるから安心です。

結局何度か数値を調整して-0.150Vオフセットで1260Lが通常動作。電圧可変なのでむしろダメな設定の時はOS起動しないし、起動してしまえば高負荷かけてもそこそこ大丈夫だったりと両極端。とりあえず余裕をもって-1.25辺りでの常用を開始した。

初期設定時に比べてアイドル時には-4Wの49W、prime95時には-10Wの83Wという数値。グラボがついたマシンとは思えない控えめっぷり。
E8400の電圧調整の際は電圧固定モードで他の設定との組み合わせもあり何度も何度も設定を見直して、起動しても油断できず負荷もかけた記憶があるが…それに比べると随分あっさり感。

各ファンの回転数調整も自動可変をオンにしつつ、9段階に細かく設定できて、PWM対応ファンなのになかなか思った通りの回転域にならないという心配もなし。マザー側にあるファンコネクタすべてにこの調整が行えるので4個までならもはやファンコンいらず。

この辺も他のマザーで不満があった箇所なのでしっかり進化してますね。その後入手したASUS P8Z68-V PRO/GEN3はここまでファンコントロールが細かくできなかったので。


ソフト
ソフト

付属ユーティリティはいくつかあるのだがUSBの性能を高くするというXFAST USB、そしてOS上で一部のBIOS(UEFIだっての)項目を操作できるASRock eXtreme Tunerをインストール。…が、XFAST USBは新しいUSBストレージデバイスを挿す度に挿しなおしを要求してきたり、マスストレージモードのRICOH CX3(デジカメ)を繋いだらうまく認識しなかったりと私の環境では微妙だったので今のところ使っていない。

一方eXtreme Tunerの方は操作性も良好。特にファンコントロール系は実際の動作音や温度を見ながら調整できるのでやりやすい。
項目によってはeXtreme Tunerで変えても再起動後元に戻ったり、起動前のBIOSの方で設定をいじるとそれぞれの間で設定に齟齬が生じることもあるので、設定が決まったら起動前のBIOS(UEFIだry)画面でその設定を行っておき、普段は微調整や確認用に収めておくほうが無難か。
OS起動時にeXtreme Tunerを起動させる設定もあるが、これだと毎回ウインドウが開き最小化操作をするハメになる。


へんたいだー
へんたいだー

というわけでBIOS(UEFIry)の機能はなかなか良い。13000円で購入できるZ68というだけでもなかなか魅力的なのだが、その他の部分も抜かりないですね。
しかし正統派でもASRockはASRock、アレな部分がにじみ出ている。

・LGA1156&LGA1155用クーラー穴に加えて少し斜めにLGA775用クーラー穴付き。
(最初の動作確認時にLGA775クーラーしか残っていなかったので土下座するほど感謝した。)
・パワーLEDピンヘッダが2箇所あり2pinサイズと3pinサイズどっちもカモーン。
・さりげなく公式のCPU対応表にXeon E3-1220が入ってる。(後にsandy E3シリーズ全部のせ)
・これを書いた当時発売されている4枚のZ68マイクロATXマザーの中で唯一PCIスロット&FDDポート付。

ASRockと書いて変態と読む
ASRockと書いて変態と読む

やはりASRockは(いい意味で)ASRockだった!
…結局変態オチかよ!

追記など
追記など

●低電圧メモリ挿したらスリープ復帰があやしくなって…(BIOS 1.40にて解決済



●リモコン使えた
別のASRockマザー付属のリモコン使えました。



2012/05/15追記 Ivy対応UEFI編
2012/05/15追記 Ivy対応UEFI編

Ivy発売にあわせて対応UEFI 2.10がリリースされました。
一部他社マザーでは「今まで動いていたSandy Xeon E3がIvy対応UEFIだと動かなくなる」という例もあるとかないとか聞いていたんですが…

むしろASRockは1.60「以降」CPU対応表に思いっきりSandy Xeon E3を乗っけるという始末なのでその言葉を信じて2.10にアップデートしてみましょう。
(余談だけど、主要メーカーのZ68マザーでXeon E3を対応表に載っているのを確認したのはASRockとGIGABYTEの一部モデル、そしてまさかのIntel純正板だったりする)

ぶっちゃけSandy使う分にはアップデートする必要ないしSandy Xeonの場合リスクしかない気がするんですが!ついでに私の場合低電圧メモリの動作もあるから安定している1.60からアップデートする意味は全くない。ズバリヒトバシラー。


アップデート方法は毎度のインスタントフラッシュ(USBメモリ等にUEFIデータを突っ込んでおいてUEFI上のユーティリティからアップデートをかけるタイプ)。
当然設定はリセットされるし保存していたプロファイルも全て吹っ飛ぶので自力メモかF12を押すと保存されるSSでも撮っておこう。

インスタントフラッシュをかますと通常通りアップデートが入り再起動…画面でねえ!!

2700KとかもぎとってきてUEFI元に戻すか?それともとりあえず低電圧メモリどうにかするか?と電源ボタンをカチカチしていると何度かの再起動の後に画面表示が。しかもそこでさらにアップデート作業(初期化?)。

ヒヤヒヤさせやがって…って何この画面!!
びふぉー
びふぉー

あふたー
あふたー

今までのエメラルドグリーンベースの目に優しい色から引きこもりには天敵のまばゆい青空カラー!!ハイライトがうおっまぶし!
一通り設定を安定動作していたものにしなおしてOS起動すると…BSOD。ドライバ関連のエラーだ。幸いもう一度再起動したら無事に起動。

先にIntel MEドライバやAXTU(マザーユーティリティ)アップデートしたほうがよかったのかもしれない(ちゃんと説明読めよ)。
この後IntelMEとAXTUをアップデートして無事動作完了。Xeon E3-1260Lも低電圧1.25Vメモリもしっかり動作だ。HD5750を搭載しながらアイドル45W、OCCT125Wという低消費も相変わらずだ。

でもUEFIの見た目が眩しくなったってくらいしか変わったことないぞ!結局「現状で安定してるならBIOSアップデートなんぞするな」というごくごく当たり前の結論に達したとさ。


おまけ?EtronUSB3.0ドライバ
おまけ?EtronUSB3.0ドライバ

購入から暫く、まともなUSB3.0対応機器を持っておらず、主にeSATAでストレージを運用していたのだが…


格安のUSB3.0HDDケースを入手、こちらに切り替える事に。しかし何故かこのマザーでのみ「ドライブをフォマットする必要があります」というメッセージが出てHDDにアクセスできない。手持ちの他マザーオンボードやUSB3.0拡張カードでは問題がないのにだ。よくよく考えれば手持ちでEtronチップを搭載しているのは(当時)コイツだけ。他はAsmediaやNECチップだ。

そこでASRock公式サイトよりオンボードのEtron EJ168用ドライバをダウンロードし、再インストールしてみるも現象は変化せず。
すると別のASRock製マザーのFAQでEtron公式サイトのEJ168ドライバを入手してくれとの記述があった。モノは試しとコイツにもEtron公式サイト配布版のドライバをインストールしてみると…見事USB3.0HDDがそのまま使用可能になった。

もしオンボードUSB3.0の挙動が怪しかったり相性が出てしまった場合は(自己責任だが)Etron公式サイト配布のドライバを使用することで改善されるかもしれない。

2013/2/25 EtronのドライバURLが変更されていたので修正
  • 購入金額

    12,800円

  • 購入日

    2011年06月02日

  • 購入場所

    TSUKUMOパソコン本店

コメント (4)

  • cybercatさん

    2011/10/11

    ASRock先生...
    >しかし「ユーザーマ ニュアル」の微妙な間や「デュアルヱャンネルメモリ」は健在なので安心です。
    最近更生したとかで心配しましたが?やはり本性は隠せn(ry
  • 下小川さん

    2011/10/11

    わりと正統派になってきてますが先生は先生です。
    まあ「ヱ」に関しては全ての「チ」がそうなっているので、使っているフォントの問題なんでしょう。フォントを変えないかぎりずっとそのままでしょうね~
  • ねおさん

    2012/01/13

    > ASUSのUEFIはF12押すとUSBメモリにSS保存する機能がありました。

    ウホッ・・・

    知らなかった(@_@;)
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