レビューメディア「ジグソー」

針折れで骨折れ?....

 

SHURE V15 TYPEⅣ MMフォノカートリッジ  

1978年に発売された米国シュアー社のフォノ(レコード)カートリッジです 針折れ品を入手しました この商品の前世代がV15 TYPEⅢです TYPEⅢがかなり有名でヤフオクで今でも2~3万円近くの値段が付きます TYPEⅣはそれ程人気が無いようです なんですかねえ 当時オーディオ評論家がTYPEⅢを押してましたからね 今でも当時の若者には印象が刷り込まれているんでしょうか よく判りません...

交換針はⅢの互換品が3000円位から有るのにⅣは互換品で最低1万円です どちらも純正品は既に販売されていません。 

 

 

当時価格 \39,800
■発電方式 MM型
■出力電圧 4mV(5cm/sec 1kHz)
■針圧 0.75~1.25g(最適 1.0g) ダイナミックスタビライザー使用時は+0.5g
■再生周波数帯域 10-25,000Hz
■チャンネルセパレーション 25dB(1kHz)
■チャンネルバランス 2dB以内
■コンプライアンス 
■直流抵抗 
■負荷抵抗 47kΩ+200~300pF
■インピーダンス 
■針先 
ハイパーエリプチカル
■自重 6.4g
■交換針 VN45HE(\19,000)
■発売  1978年2月
■販売終了 1985年頃
■備考 価格は1978年頃のもの  他に VN4G(円錐針・\17,800)、VN478E(楕円・\18,400)使用可能ダイナミックスタビライザー付き

1981年頃には\43,200 VN45HE(\20,600)  VN4G(円錐針・\17,800)、VN478E(楕円・\18,400)
1983年頃には\47,800 
1985年頃にはVN45HE(\22,600) VN4G(円錐針・\21,300)、VN478E(楕円・\22,000)

  

      シェル付き針折れ品で入手 ビスナットは交換済み後撮影  

 

      シェルが難点だった...試行錯誤...シェルのモチモノで説明します   

 

      シェルに取り付け  下向きのレバーは針カバー(プロテクター)です   

 

カンチレバーが折れていて針先が無いので手持ちの針を繋ぐ これは最初の試作で長すぎたので違う

針を短くして接合  

 

      針を繋いだところ....これでもちょっと長すぎだが   

音質は低音が割と出て、高音も出ますがきつくない高音です 歪みも少なく清澄な再生音ですね

ボーカルが前に出る感じは無いですが自然に聴こえて、ストリングスは綺麗でフワーと再生されます 歪率はいいんじゃないでしょうか。 

このカートリッジはヘッドシェルへのマウント方法が普通と変っています ボディがシェルから

浮く感じですね シェルの影響を受けない構造にしたんでしょうか 実際はアルミのナット板とクッションのプラ板が付いていたのですがインチネジでしたのでやむなく手持ちのビス・ナットで対処しました 40年前はインチネジもあったのですね(片方のビスが折れていた)

アルミのナット板----http://www6.atpages.jp/omat/pages/phonocart.htm#V15_TYPE4  

 

取り扱い説明書

http://cdn.shure.com/user_guide/upload/1817/us_pro_v15iv_ug.pdf  

 

    

 

 

 

   

 

 

-------------------------------------試聴・測定----------------------------------- 

 

さて試聴の感想を述べたので例によってF特を測ってみました 耳で聴いただけじゃ判らない 耳鳴り、空耳と言うのもありますから..冗談ですが.. 

基本はデータですよね 今回の針加工カートリッジは高域ピークは13KHzです 高域共振点が13KHzになってしまったようです(だら下がりで20khzまでは出ていますが、sweepレコードが20khzまでなのです) ハッ!これは....ローレゾです!  低域はまあまあです カンチレバーが長すぎて高域が追従できないようですね 本来ならQダンプか共振点を20KHz上に引き上げれば良いのですが一発勝負ですから出来ない話です 交換針を新しいものに変更すれば直るでしょうけど やはりSHURE社は基礎的な造りは流石です 私の様ないい加減な針工作でも性能が出ます...w 我流針工作の結果ですから実際のV15TYPEⅣとは違いますのでその点ご勘弁をお願いします.. 

数日後聴いた感じでは中音(ボーカル)と高音の量感が不足している感じはしますね それと4mVの

出力電圧は無い様に思えますね まあ聴きやすいですが....

 

                赤い線がsweep結果です 高域が上がっていても耳には聴こえない?でしょう 

  

 

      奇数次高調波は50dB以下なので歪は少ない筈です 

        

 

参考 DENON D301Ⅱ SWEEP特性 高域でやや上がりますが優秀です ストンと落ちているところが20KHzですね ドンシャリと言われていますがそんなことも無いようです     

 

      D301Ⅱ 1KHZ再生時の高調波 こちらも優秀 

  

 

       測定は同条件ですが周波数軸の表示が若干違います...勘案して読んで下さい。  

  

 

 

 

 

------------------------------------追記 2017-11-18~19 -----------------------------------

 

2017-11-18(SAT) 

その後、カンチレバーを短めにしました 結果10KHz以上が低下してますがMM型カートリッジ?の形になりました このカートリッジは元々高音が出にくいカートリッジの様です  落ち着いた音とか大人の音などの評価があります ダンパーがM95 2個のダンパーと比較しても硬くなってますがオリジナルでもそうなのかは不明です 高音が出ないのはダンパーにも原因がありそうです。   

 

  

   

 

 

 

   

 

 

 

 

 

 

追記 2017-12-25

SHURE V-15TYPEⅣ の針折れ補修  3回目 完成版...

何回か針折れと追加で補修したけどどうにも高音が伸びていかない このカートリッジはパッパといかない 元々市場でも評価はイマイチなカートリッジであったようですが聴く人が聴くと素直な良いカートリッジとか。

コイルの巻数が多いのか高音が出にくいのです そしてゴムダンパーからマグネットまで

短いので針交換もややこしくなっています ダンパーを針側に出さないとストロークも取れません 短いカンチレバーを使うしかないのです それと楕円針は必須ですね 楕円針付けないと高音が出ません (ダンパーがかなり硬かったのが原因かも VN45針はカンチレバーが指先で柔らかく動かないと高音は出ないようです) 針先を人差し指で軽く左右に動かして芯があって硬いようであればダンパーが硬いです この場合高音が出なくなっています ダンパーは他のMM型カートリッジと硬さは同じくらいです この針はテンションワイヤーで後方に吊ってハンダ付けしてありますのでカンチレバーを外すには後方からハンダを溶かします。 

今回は楕円針とダンパーを選別して苦労しながらなんとか希望レベルの交換針ができました 超高音(シンバル、ウィンドチャイム)は良く出ます ボーカルもハッキリ、力強く再生されますね 低音も問題ないですが出過ぎるほどじゃない 良い結果となったのではないでしょうか 音質としてはフラット傾向ですね なかなか聴きやすい癖のないカートリッジですね 

石川ひとみの「ひとりぼっちのサーカス」の最初の方のタンバリンが綺麗に出ます しかしこの歌はシュールで怖いです 歌詞の若い女性主人公の家から、深夜自宅に帰っていく既婚男性を呪う歌のようです 当時20歳くらいの女性歌手に歌わせていたのですから凄いです 良く聴いて歌詞を理解しないと判らない歌ですね 若い男性には判ったのだろうか 結構当時は他の若い歌手もきわどい歌詞を歌っていたんです。

 

いやぁ、アナログって良いですね デジタルってなんか信用できないんですよね 間引きしているようで....冗談ですよ。

 

   

       

 

L,Rでレベルが違うがご愛敬という感じです 低音は立ち上がり揺すられてPEAK-HOLDで上がっています  

    音質は大体フラットですね ワイドレンジではないですがボーカルも聴きやすいです 

  

  

     

 

               2019-11-30  最終版SWEEP波形       

   

 

            2019-11-30  使用機器

 

 

 

 

 

 

  

   

 

 

  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2017年03月頃

  • 購入場所

28人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • aPieceOfSomethingさん

    2018/01/12

    コメント遅れました..。

    何回も針交換(補修?)するってすごいですね。
    そのたびに特定も変わって、できるようになれば楽しそうな趣味だなと思いました。

    でもカートリッジでf特測定しようと思うと、たしか結構な値段のするテストレコードがいるんですよね..。

    実家はともかく自宅にはプレーヤーもないので、試してみるのも難しそうです。
  • タコシーさん

    2018/01/12

    aPieceOfSomethingさん 
    書き込みありがとう御座います 
    以下長文です
    MM型カートリッジの交換針は普通はカンチレバーとダンパーが真鍮の筒から抜けます 
    一部テンションワイヤーが真鍮製筒にハンダ付けされているのも有りますのでハンダを外します 今回のもテンションワイヤー付きです で、外しました
    カンチレバーとダンパーを勝手に何度でも入れ替えることは可能です MC型カートリッジはカンチレバーとコイルが一体なので外すことは不可能で一回きりになります(SATINなどを除く)

    テストレコードはヤフオクで購入しました 新古品でしたが5000円以下だったと思います
    オーディオテストレコードと言って何種類もでていますが音楽が入った物とかSWEEP信号が
    入った物とかありますが正確なソースではないようです なんちゃってテストレコードの類です
    ヤフオクを注視してると正規のテストレコードが時々出品されます。

    アナログは弄り甲斐が有って自己満足できて...面白いですね(´・ω・`)
    自己満足の世界だと思います 特典は70年代の若い歌手の歌声を聴けます...?
    そこそこの機械でも変化があるのがアナログです カートリッジは一番変ると思います。
    今回の SHURE V15TYPE4はかなり変わりましたね 真の原因はゴムダンパーが
    硬くなってたようです。

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