レビューメディア「ジグソー」

パブロ・ピカソが愛した豊穣の女神

なんとも奇怪な相貌である。
まず目につくのは、異様なほどに大きくせり出した鼻。
遮光器形土偶を彷彿させる強調された眼。
顔や乳房を縁どる刺青のような紋様。
まるで鬣のような髪の毛。
それらすべてが近代西洋文明が美とするものから見事に逸脱している。
古代ギリシャ期から世界を席巻し続けている美の基準をまるで無視しているかのような、一見不細工な容貌のこの像を眺めていると、なにやら静かに醸しだされてくる神々しさのようなものを感じるから不思議なものである。

 

 

 

一番下の画像は、かつてピカソが所有していたニンバのマスク。パリのピカソ美術館に収蔵されている。
126cmもある大型な物で、豊作や安産を願う祭事において肩に担いで踊るらしい。
ニンバの仮面像にもいろいろなデザインのものが存在しているのだが、私がながく探し求めていたものは、この写真のピカソのニンバであった。
こちらに登録したものは高さ40cmで頭に飾る小さいタイプのものだが、デザインはピカソのそれと酷似していた。見つけた時の喜びは大きかった。
やはり製作年代は不明。
幾度も幾年も祭りで聖なる踊りを捧げてきたのだろう。
経年による深みのある褐色の鈍い艶が美しい。
圧倒的な美しさを放つ原始の女神像を息子は神様と呼んでいる。

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15人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (6)

  • 退会したユーザーさん

    2013/04/12

    アフリカのお面と言えば
    「動物のお医者さん」に出てくる
    漆原教授を思い浮かべまつ(・・
    しかし・・同じ趣味を持ってるとは
    思えない繊細なvingt-et-unさま・・
    あの漆原教授もそうなのでせうかねぃ(ww
  • vingt-et-unさん

    2013/04/12

    >「動物のお医者さん」

    は読んだことがありませんが、なんだか面白そうですね。
    漆原教授の部屋には、たくさんのアフリカのお面が飾ってあるんですね。
    いいなぁ。

    ユダヤ、キリスト、イスラムといった三大宗教のいずれにも属さない、一見まったく別種に見えるアフリカの様々な民族の神々の世界観は、実はその根本思想の源流だったり・・・なんて空想します。
  • 北のラブリエさん

    2013/04/13

    やはり乳房と豊穣のイメージは繋がってくるんですね。
    原初的なものはやはり共通なんでしょうか。

    アフリカは三大宗教の地域とも近いので源流というのもあるかも・・・?
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