今回のレビューでは、製品そのものの使い勝手や試用インプレッションはもちろんだが、アナログテレビへ試用したケースも多く、地デジ化によって使用できなくなる旧型テレビを引き続き利用できる手立てとして有用な機器であることも実証された格好になった。
シンプルなデザインで外寸がW236mm×D152mm×H53mmと手ごろなサイズであることから各レビューアー共に設置場所を選ぶことはなかったが、本体が比較的軽いため「TV台やAVラックに設置した時にケーブルの弾力や重さで簡単にずれてしまう」のが気になるという意見や「赤外線受光部だけを別ユニットとしてTV付近に設置できれば見た目もすっきり」するという声が上がった。操作系に関わる意見では「万が一リモコンを破損、紛失した場合に操作が出来なくなる」ために本体にも操作ボタンがあった方がいいとするレビューアーも。機器との接続では、基本的な接続ではアンテナ入・出力、音声端子(赤、白)映像端子(黄色)と電源をつなげるだけという簡単さで高評価を得たが、背面の接続コネクタ関連で気になった点として「アンテナ端子、HDMI端子それぞれの間隔が狭く干渉して挿しにくい」とのレポートも見られた。
AV機器やPC周りの電源確保に苦慮することを各レビューアーが実体験していることもあってか、「マルチ電源タップを利用している場合、付属品のACアダプターが大きくて隣のコンセントが利用できなくなる~中略~本体に電源を内蔵してくれればスッキリする」と実用性を重視したコメントも興味深かった。
使用した感想では、番組表の見やすさが高評価。特に文字が大きく読みやすい点には複数の賛同意見があり「高齢でも使いやすい」と好評。しかしその分画面スペースに余裕がなくなり一度に4局分、時間軸も3時間分しか表示されないのが不便との意見も。この点に関しては、文字の大きさや表示範囲をカスタムできるようにすれば使い勝手向上につながるとの前向きな提案もあった。直接手に触れる機会が一番多いリモコン操作系については「番組表の切り替えののみが離れたチャンネル1、2ボタンは慣れが必要。操作が上下左右のカーソルキーと決定ボタンに集約されているのは違和感を感じる」「戻るボタンで一つ一つメニュー階層を後戻りしないとテレビ画面に戻れないのはかなり面倒」と使い勝手での改善が望まれる点を指摘する声もあった。
機能の特徴の一つでもある番組予約に関しては便利だとする声もあったが「IR出力アダプタを用意してテレビ電源を連動させたり、アナログビデオデッキとの予約連動ができれば使い勝手が飛躍的に向上する」とする意見の背景には、VHSビデオデッキや地上アナログ専用のHDD/DVDレコーダーを現役として使用しているユーザーが多数いることは容易に予想でき、これらの機器をこれからも有用に使用できる環境が必要であることも浮き彫りとなった。「HVT-BTL」では録画機能がないため拡張性も含め考慮してのことであるが「外付けハードディスクによる録画機能は欲しい」というのが各レビューアーの共通の感想であるようだ。