レビューメディア「ジグソー」

これぞ進化系デジカメ。ピントは後から合わせるものさ。

後からピントを変えられる!という話題のカメラ・・・

「LYTRO ILLUM」をお借りしてレビューさせて頂けることになりました!

ライトフィールドを捉えることで、ピントを変更できる写真が撮れる初めての高性能カメラ。

技術情報はあちこちで出てるので、

詳細な使い方ではなく「素人が触ってみた印象」という点でレビューします。

 

・LYTRO ILLUM諸元表(抜粋)

※本データはLytroHP(JP)の仕様より気になるところを抜粋

 

  • 製品名: LYTRO ILLUM
  • 寸法: 86 mm x 145 mm x 166 mm
  • 本体質量: 940 g
  • 焦点距離: 9.5 ~ 77.8 mm (30 ~ 250 mm 相当)
  • センサーフォーマット: 1/1.2インチ
  • クロップファクター: 3.19
  • レンズ絞り値: 全域 f/2.0
  • マクロ撮影: 最短撮影距離はレンズ前 0 mm
  • マクロ比率: 1 : 3
  • プロセッサー: QUALCOMM® の Snapdragon® 800 プロセッサー

  • 撮像素子: CMOS ベースのライトフィールドセンサー
  • ライトフィールド解像度: 40 メガレイ
  • 2D 出力解像度: 2450 x 1634

まずは、スペック情報から気になる数値を抜き出してみた。

良さそうなところ

レンズは30~250mm相当のf2通しの明るいレンズだ。

独自のライトフィールドセンサーを装備し、ピントを後から変えることができる。

そのため、絞りは「固定」、明るすぎる場合の対応にND8フィルターが付属する。

ライトフィールド処理のためか、スナドラ800を積んでいる。

気になるところ

サイズが大きく、重そうな940g。

ライトフィールド解像度は40「メガレイ」だが、

その処理のためか最終的な出力解像度は400万画素相当の2450×1634ピクセル。

 

・外観編

それでは、順次確認していきます。

荷物輸送時の段ボールが大きかったので気になっていたんですが、開けてみると化粧箱も大きい!

重箱サイズ

 

 

中を割って開ける独特な開け方

 

蓋を開けると、中から本体がお目見え。最初みて「デカい。」と思わずつぶやいてしました。

付属品一覧

充電池、充電器は専用品が付属。

最近は電源のUSB化もあいまって充電器が付いていない事も多い中での好印象。

レンズフードやストラップも付属。

ND8フィルターが標準添付、これは特長として絞りが存在しないLytroで明るいところを撮影するために必須なアイテム。

付属品の守備範囲が広く、これだけあればLytro撮影生活を始めることができます。

 

カメラ本体の写真を何ショットか。

スタイルはミラーレス一眼によく似てます。操作ボタンは右手に集約。

左手はレンズのフォーカスリングとズームリングの操作くらいですね。

モニターは引き出してほぼ水平にできるため、見おろしでの撮影には向ています。

逆にはあまり傾かない&180度の自撮りはできず。

 

これだけみると普通のミラーレスですがファーストインパクトであった大きさについて。

手持ちのNex-5Rと比べましたが、子供みたいなサイズですね。

明るいレンズなので、それが巨大さの理由でしょうか。

バッテリー&ストラップを装備した重量 1174g。結構ヘビーな重さ・・・

 

 

・試し撮り

カメラのレビューなので、写真を撮らないと話にならない。

ということでまずは試し撮りしてみます。

何はともあれ、後からピント合わせを試してみたい。

 上記写真はどちらもLytroで撮影後、専用ソフトでピントを前後(左は奥、右は手前)に調整したもの。

 

一つの画像ファイルから、ピントが別の写真が撮れるのはなんとも不思議な体験。

ピントの調整も専用ソフト「Lytro Desktop」を使えば簡単に操作可能。

ソフト画面上の深度調整スライダを動かせば直観的にどの位置にピントが合うかわかる。

スライダ操作中にオーバーレイ表示される深度マップを元に、

ピントを合わせたい部分の黄色/青色のオーバーレイ表示がされないようにすれば良い。


特長的な「絞り」と「深度」スライダ

それぞれを操作中の画像が以下。

「深度」スライダ:それぞれ中央のアヒル、手前のアヒルにピントを合わせる

 

「絞り」スライダ:手前のアヒルにピントを合わせたまま、絞りを変える

 

これら二つのスライダを使用すると、Lytro独特な写真の調整が出来るようになる。

GIFアニメでスライダ調整の雰囲気を

 このような絞りや被写界深度の調整が撮影した「後」に出来るというのは新鮮な体験でした。

 

撮影操作も特長的なところをひとつ。

このカメラの特長的なボタン、ライトロボタンである。

シャッターボタンのすぐ上に配置されており撮影中にこのボタンを押すと、ソフト同様カメラディスプレイ上に深度がオーバーレイ表示されてピントが合う範囲が分かるようになる。

これを見ながらマニュアルで調整して・・・というのが本来の使い方のようで、初期動作ではシャッター半押しはAELAFは背面のボタンに割り振りされており、慣れるまで使いにくかった。

そこで、シャッター半押しの動作をAF+AELに設定変更。

これで半押しでAFも決まるようになり、且つ半押しを維持しつつフォーカスリングを調整すれば、後からフォーカスも変えられるように。

この挙動、使い慣れたNexのDMF(ダイレクトマニュアルフォーカス)と同じであり、(邪道かもしれませんが?)非常に使いやすかったです。

 

・編集部からの質問

 

次に、編集部からの質問項目5項目に対して回答していきます。 質問内容が意味合い的に一部被るので回答も重複してます。

①「LYTRO ILLUM」は、どんなシチュエーションで力を発揮すると思いますか? 日常シーン、スポーツ写真、記念写真、観光写真……有効なシチュエーションを教えてください。    
    観光写真に向いてそう。
     ・レンズ一体型で30~250mm対応可能なので、荷物を増やさずに/レンズの付け替えをせずにいろんなシーンに対応できる。
     ・旅行から帰って見直すとピンボケしてる!といった画像があっても、後から修正が可能なのも心強い。

懸念点は付属品込1kg超えの重量か・・・
②「LYTRO ILLUM」で撮影した写真は、こう使うと楽しい、こう使うと便利など、思いついた使い道を教えてください。    
    後からピント調整できることから、撮影時は大雑把に「顔」にピントを合わせて撮影に集中、後から「目」に合わせるという使い方が便利そう。  
    
③「LYTRO ILLUM」は、どのようなユーザーにオススメでしょうか? また、家族で使うファミリー向けとしてはいかがでしょうか?    
    動きが多い子供撮影はピント合わせが大変。
    撮影時は大雑把に「顔」にピントを合わせて、後から「目」に合わせるという使い方をすれば、
    シャッターチャンスを逃がさずに済みそうです。
    
④そのほか、「LYTRO ILLUM」の面白い使い方や、こんな風に使用してみたいというアイデアがありましたら教えてください。    

被写界深度を自由に変えられることから、ジオラマ撮影にどうでしょう。

例・・・スケール違いのプラモデルを前後に並べ、あたかも同一スケールであるかのように見せる。

 

例として、最近我が家のプラモに仲間入りしたベアッガイFを写してみた。

ベアッガイF(ファミリー)はその名の通り、ママッガイとプチッガイのサイズ違いの2つのモビルスーツが入っています。

2体のサイズ差(NEXで撮影)

これを、前後にずらして撮影してみると・・・

シャッター1/80 ISO200 +0.3EV 85mm Pモード

 

同じサイズのモビルスーツが戦ってるように見えなくもない(Lytro使用)。

 

側面からみるとこうなっている(NEXで撮影)。2体の距離は約40cm。

丁度映り込んでいるhpの文字が見えるPCは嫁の17.3インチノートPC(420x39.5x278 mm)なので、距離感の足しに。

更に60cm離れたところにコードレス電話機がありますが、上の例ではボカしています。

焦点深度を深くし、ピント域以外の絞りを少し絞ったのが(f1⇒f4)次の画像。

手前の机の端や奥の電話機が判別可能に

流石に電話機のエッジは若干ピントが合わない(ピント再調整範囲外の為)が、ほぼ全域にピントが合います。

これがジオラマであれば、例えば前景の木をぼかしつつ背景の岩陰をはっきりさせることも、

その逆も自在にできるようになる。

このように、写したいモノだけを切り出し他を自在にぼかせるので、ジオラマ表現に向いていると考えました。
 

⑤最後に「LYTRO ILLUM」の全体的な感想と、改善点、気付いた点などを教えてください。    
全体的な感想

   デジカメの「未来」を感じます。

マジョリティ化するにはまだ時間が掛かりそうだが、ライトフィールドセンサーの可能性を感じました。

処理にハイスペックなSoCが必要(スナドラ800積んでるし)なことから、スマホへの組み込みデバイスとして今後の展開が期待できそう、と思います。

(光学系を含め全体のダウンサイジングが必要でしょうけど)

スマホの進化に合わせてスマホ向けの機能として搭載されていくと差別化の武器として面白いと思います。


気付いた点
  ・本体形状から、横位置は持ちやすいが、縦位置のおさまりが悪い。
   

改善点
  ・本体で再生~画像をスワイプで探し中に何度か再起動が掛かった。まだ動作不安定なところあり?
  ・メニュー操作はほぼタッチパネルセンサーでの操作となるが、本体が重くタッチ操作が苦しい。

   物理キーでの操作にも対応して欲しかった。

 

・撮影サンプル

撮影したショットを何枚か。

機種:すべてLytro

設定:「深度」「絞り」スライダ以外は無調整

Arduinoの基盤

発掘したBIT CHAR-G(ミニカーサイズ)

測距モジュール

ZenFone5も何枚か

風が強くてこっち向いてくれなかった花

街頭

 

時間の関係もあり、ほぼブツ撮りになってしまいました・・・

撮影していて気付いたことは、ピントの調整が後から出来るというのはブツ撮りに向いているかもしれません。

テザー撮影できる環境が揃っているなら兎も角、液晶でピントがあってるかを確認しないでも、後から調整可能なのは便利。

ネット用の画像であれば400万画素相当のイメージサイズもそれほど問題になりません。

 

・さいごに

今回は、Lytro illumの試用レビューでした。

1週間くらい借りられたんですが、他の予定のバッティングで実質数日しか使えなかったことが心残り。

もう少し使いこんで見たかったですね。

更新: 2015/02/09
期待度

後からピントを合わせられるという新体験。

この機会が無ければ知ることのできなかったちょっと未来、

もっと普及すると楽しいですね!

コメント (14)

  • いぐなっちさん

    2015/02/24

    予想外に、まともな写りでびっくり。
    チルトシフト動画のような質感が癖になりそうです。
    フィルムに例えると、コダクロームのような感じですね。

    街頭写真はちょっと厳しいですね。
  • atsuo@tokyoさん

    2015/02/24

    今まで何度撮影後にピントが違う所に合っていた事を嘆いたことか...

    ちなみにシャッターを切ってから次の撮影ってすぐに出来るものなのですか?

    1枚のデータがかなり大きいようなので、書き込みにも時間がかかったり連続撮影とかってキツイのかな?とか思えるのですが。

    まぁ、使い方がジオラマやブツ撮りに向いているとおっしゃっているので、連続撮影や連写はきつそうですが、仕様的には 3コマ/秒ってなっているんですよね。

    もっと価格が手頃なら手を出したいのですが...
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