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Corei7-4770K vs Intelの歴代CPU! 果たしてその性能の違いとは!?

-はじめに-
この「Corei7-4770K」は、今年の6月2日に発売したばかりインテルの最新CPUです。開発コードネーム「Haswell(ハズウェル)」の名称で知られており、4770Kはその中で最上級モデルとなります。

 

前世代にあたるIvyBridge世代と比較すると、次の内容が追加されています。

 ・電圧制御のレギュレータをCPUに内蔵しアイドル時の省電力化に貢献

 ・拡張命令「AVX2」、「FMA」に対応

 ・演算処理ポート数が2つ増加し、8命令同時実行が可能

 ・内蔵Graphicsが大幅に強化(本製品はIntel HD Graphics4600搭載)

 

このHaswellでは新しいプラットフォームが採用され、導入にはLGA1150対応のマザーボードが必要となります。(マザーボードに直接はんだ付けを行うBGA版もありますけど)

 

CPUクーラーは従来のLGA1155/1156対応のものを使用することが可能です。(リテールBOX付属のクーラーはIvyBridgeのCorei7-3770に付属していたものを全く同じ型番でした)

 

また、Haswellの特徴の一つとして、アイドル時の消費電力が大幅に低くなっており、従来の電源では想定されないほど負荷が軽くなるため、結果として動作が不安定になる可能性があります。この為Haswell対応を謳った電源を購入することをお勧めします。(私が試した限りは、古い安物電源でも安定していたので、それほど神経質になる必要は無いのかも知れません)

 

でも・・・
実は、このCorei7-4770Kは発売日の深夜販売で購入しており、SandyBridge/IvyBridge/その他との「普通の」性能比較レビューは既に済んでいる状態だったりします(^^;

 

この為、今回は「普通じゃない」性能比較レビューを行ってみましょう(;゚∀゚)=3
 
 
 
-IPCを比較しよう(ハードウェア構成編)-
今回のレビュー課題は「マイクロアーキテクチャの強化」です。

レビューの課題には「第4世代のCoreiは演算処理ポートが1つ増加し、最大8命令同時実行」という旨が書かれています。つまり、IPC(クロックあたりの処理性能)が上がっていると間接的に言っておられます。
 

これが本当なのかどうかを実証する為、Corei7-4770KのIPCについて比較を行います。

 

Corei7-4770K

 

Corei7-4770K用のマザーとしてLGA1150のGIGABYTE製GA-B85M-D3Hを用意!

 


【比較対象のCPU】

やはり、性能を比較するとなるとライバルが居なくては面白くありません。

と言うことで、歴代のIntel CPUを掘り起こしてきました。

(CPU名にもちものへのリンクを貼っています。CPU単体で登録していないものはPC本体へのリンクとなります)

 

 

(`・ω・´)比較対象として、IvyBridgeとSandyBridge世代のCPUを用意!

まだまだ店頭でも入手できる、LGA1155のIvyBridgeとSandyBridge世代のCPU達です。この世代から、どれくらい性能が向上するか気になりますよね。

Corei7-3770(IvyBridge)

Corei7-2600K(SandyBridge)

 

 LGA1155搭載マザーボードとして、Intel vPro対応のDQ77MKを使用しました。

 


(゜ω゜)これではインパクト不足なので、Core2やATOM世代のCPUを用意!
そもそも、今回のレビューだとIvyBridgeやSandyBridge世代のCPUと比較される方が多いことが予想されるので、まだまだ現役で使っている方が多いCore2世代とATOM世代のCPUを用意しました。

Core2DuoE7200(Wolfdale)

Core2DuoT5500(Merom)

ATOM N270(Diamondville)

 

Core2DuoE7200の評価にはDELL Vostro200を使いました。

Core2DuoT5500の評価にはNEC PC-VY16AWZE4を使いました。

 

ATOM N270の評価にはacer Aspire A150を使いました。

 


(゜Д゜) IPCを語るならネットバーストも入れるだろ!?
っというツッコミが入りそうなので、Pentium4世代のCPUを用意!

クロック至上主義でIPCが低いと言われるNetBurstアーキテクチャの性能は如何に?また、Pentium4に対抗?してIPCを上げる設計を行ったと言われるPentiumMとも比較してみましょう。

Pentium4-2.8GHz(Northwood)

PentiumM-900MHz ULV(Banias)

 

Pentium4-2.8GHz

 

 

マザーボードには当時の廉価PCで良く見かけた、BIOSTAR製U8668-Dを使用しました。

 

PentiumM-900MHz 超低電圧版


( ;´Д`)まだだ! まだ終わらんよ!
せっかく古いパーツを所持しているので、PentiumⅢ世代のCPUも用意だ!

この世代になると業務用端末など特定用途以外では、現役で使っている方は少ないと思われます。

Celeron-1GHz(Tualatin-256K)

PentiumⅢ-1GHz FSB100(Coppermine) ※リンク先はFSB133MHz版です。

 

Celeron1GHz

 

Celeron1GHzのマザーボードにはSocket370搭載の懐かしきAopen製MX36LE-Nを使用しました。

 

PentiumⅢ-1GHz

 

PentiumⅢ-1GHzはMSIのベアボーンMS-6215を使用しました。

 

 

(´゚д゚') まだ足りないだと?

Windows98搭載の10万円パソコンが爆発的に普及した頃のPPGA Celeronです。あとは最後まで高嶺の花だった見た目も高級感のあるSlot1のPentiumⅡも用意!

Celeron-300AMHz(Mendocino)

PentiumⅡ-266MHz(Klamath)

 

Celeron300AMHz

オーバークロックの代名詞とも言える、伝説のCPUなのですよ(;=゚ω゚)=333

 

Celeron300A用のマザーとしてSocket370のEPOX製EP-3VBAを召喚!

 

PentiumⅡ-266MHz

 

PentiumⅡ-266MHzのマザーとして、Slot1のASUS製P2L97掘り出す・・・

FSB66MHz版のPentiumⅡ時代の名機ですよ。

 


(';°;ω;°;')もうこれ以上は無理です・・・
秘蔵のPentium(P54C)、MMXPentium(P55C)も用意するお・・・

2013年になって、Socket7マザーでPentium用にジャンパ設定をすることになるとは・・・

MMXPentium166MHz → 評価中にFIC製PT-2011を巻き込んで死亡・・・

Pentium100MHz

 

Pentium100HMz

 

Pentium100MHz用のマザーとしてSocket7のGigabyte製GA-586STX2を発掘(;=゚ω゚)=333

 

まだ、ちゃんと動くよ(´Д`;)・・・

当時のパーツは強いよな・・・


本当は、この後に486DX4-100MHzの載ったFMVも出陣させたかったのだが、倉庫の奥にしまってあるので、GWや夏休みでないと無理でしたorz

・・・まさか、自分でもHaswell世代のCorei7とクラシックPentiumの夢の共演(狂演?)をすることになるとは夢にも思いませんでした(^^;



-IPCを比較しよう(ベンチマーク比較編)-

 

【比較方法】
オールドCPUからCorei7までをベンチで比較しますが、古いCPUを搭載できるマシンではWindows9xなど古いOSしかインストールできませんので、幅広いOSをサポートするベンチマークソフトを使用します。

■ベンチマークソフト

・午後のこーだ(ノーマルベンチ)

・SuperPI(104万桁)

・CrystalMark2004R3(ALU/FPU)
・HDBench Ver3.30(Integer/Float)

※但し、CrystalMark2004R3はWindows98では動作しない為、2004(無印)で動作させています。

 

■測定条件

・TurboBoostはベンチ結果にバラつきが出るため無効にしています。

・CPUの持つコア/スレッドはフルに使用しています。

 (コア数もIPCを上げる方法と考えておりますので・・・)

 

(注意)CPUの世代が異なり過ぎるので、メモリ、マザー、ハードディスク、グラフィックカードなどほぼ全ての構成が異なります。特に古いマザーボードではチップセットでメモリの転送速度が決まるようなものなので、フェアで無い部分も多々あると思いますので、「ネタ」として見てやってください(^^;

 

 

まずはCPU-ZでCPUの詳細を確認してみました。

但し、Win98では古いバージョンしか動作しないこと、および一部の環境ではメモリのSPD読み出しのところでハングアップするのでCrystalInfoを使用しました。

 

 

 

 

 

 

 【ベンチマークのスコア】

 

ベンチマークのスコアをそのまま掲載!

果たして、どのような結果となったのでしょうか?

 

■午後のこーだ

 

■SuperPI

 

■CrystalMark2004(ALU)

 

■CrystalMark2004(FPU)

 

■HDBench Ver.3.30(Integer)

 

■HDBench Ver.3.30(Float)

注意:Coreiシリーズでは正確に測定できていないようです。

HDBenchのFloatのみ不可解な結果となりました。

Coreiシリーズだと正確に測定できていないのか低いスコアとなります。

BIOSでコア数を減らしたりするとスコアが上がったり、良く分からない挙動を示します。

 

ベンチの結果ではシンプルにCorei7-4770Kが一番高速という結果になりました。

SandyBridge世代やIvyBridbge世代から順当な進化を感じさせます。

マルチスレッド対応のアプリケーションだとシングルコア同士の争いがどんぐりの背比べのように見えてしまいますね(^^;

 

 


【IPC(ベンチのスコア÷動作クロック)】

■午後のこーだ

 

■SuperPI

注意:この項目のみクロック周波数÷スコアで算出しています。

 

■CrystalMark2004(ALU)

 

 

■CrystalMark2004(FPU)

 

■HDBench Ver.3.30(Integer)

 

■HDBench Ver.3.30(Float)

注意:Coreiシリーズでは正確に測定できていないようです。

 

IPCの結果を確認しますと、予想通りPentium4とATOMは世代の割にはIPCがやや低いという結果になりました。もっともPentium4はIPCの低さをクロック数で補ったCPUであり(むしろクロック至上主義という方が正しいのかも知れません)、ATOMはワットパフォーマンスという考えでは他を寄せ付けないほど効率が良かったので、それぞれの用途を考えると決して悪いCPUではなかったと思います。

 

ただ、Haswell世代では最高クラスのIPCを見せ付けられると、過去のCPUが霞んで見えるのも事実です。当時では圧倒的な性能だったCore2Duo世代のCPUを使っている方に是非使っていただきたいCPUですね。(WEBの観覧だけでも体感速度は大きく変わりますよ)

 

 


-結論-

Corei7-4770K(Haswell)のIPCは、HDBenchを除き全てCorei7-3770(IvyBridge)やCorei7-2600K(SandyBridge)を差し置いてトップとなりました。もちろん、今回評価を行ったIntelの歴代CPUの中でもトップとなっています(;=゚ω゚)=333

 

アーキティチャーの革新やコア数の増加、Hyper-Threading Technologyにより、IPCは底上げされいます。どんぶり勘定ですが、Corei7-4770Kは、Pentium100MHzのおよそ20倍のIPCを持っている算出されます。

 

もちろん、最新のCPUではクロック周波数も数十倍に上がっている訳で、ベンチマークスコアから見ても明らかであるように、Pentium100MHzと比べた場合、そのスコアはベンチによって100~600倍もの性能向上が見られます(;゚∀゚)=3

 

今回はTurboBoostを無効にしていること、使用したベンチマークが新しい拡張命令に対応していないことを考慮すると更に性能差が開くと考えられます。

 

初代Pentiumが登場して20年程度経ちますが、これからの成長も楽しみなところです。

 

 

 

-あとがき-

今回のレビューは手持ちの古い環境を色々生かそうと思ったのですが、

古いパーツで相性が出まくったり、対応していると思っていた古めのベンチがWin98で動かなかったり、画像データの吸出し手段がなかったり、なかなか大変でした(^^;

 

具体的には・・・

・CPU-Zの最新版はWin98では動作しない。Ver1.57を使う必要がある。

・CrystalMark2004R3もWin98では動作しない。2004(無印)を使う必要がある。

・EP-3VBA(VIA ApollePro)とRiva TNTの組み合わせで相性が出て動作しない・・・

 (ドライバによるものだとは思いますが・・・ 昔は互換チップセットの相性によく泣かされたものです。それはそれで楽しかったのですが(^^; )

・元々、Celeron366MHzを使おうと思っていたがご臨終していました(-人-)

・Socket7環境ではFIC PT-2011を使おうとして起動していたのだが、

 検証中にMMXPentium166MHzを巻き込んでご臨終(´;ω;‘)

・Win98のデータの吸出しは、サードパーティー(有志?)のUSBマスストレージ

 クラスドライバを使うと普通のUSBメモリが使えて便利です。

 

 

Pentium100MHzの構成にはWindows95をインストールしても良かったのですが、ドライバやWinddowsインストーラー、パッチを探すのに時間がかかるので、止めておきました。

 

久しぶりにWindows98をインストールしてみたので懐かしんでください(^^;

DOSベースの起動ディスクを触ったのも久しぶりです。 

 

セットアップ開始画面

 

セットアップ中画面

 

初めての起動画面

 

初めてのデスクトップ

 

嫌というほど見たブルースクリーン(^^;

 

今回のレビューだけで10回以上拝みました(^^;

 

このレビューを通してみると、CPUを始め、マザーボードやOSの進化ってすごいですよね。10年後がどうなっているのやら・・・

 

 

■更新履歴

2013.7.11:各グラフからCeleron300AMHzが抜けていたので修正。

2913.8.5:ベンチ結果にコメント追記、MMXPentium166MHzにリンクを追加。

コメント (23)

  • カーリーさん

    2013/07/09

    歴代パレード状態wwwwwwwwwwwwwwww
    こうしてみるとクロックによらず確実に進化してるんですねぇ
  • harmankardonさん

    2013/07/09

    レビュー,お疲れ様です.

    進化の歴史を再認識しました.
  • jive9821さん

    2013/07/09

    ここまでの数の環境を用意して検証されただけでも頭が下がります。

    古いCPUの方の上下関係も、ある意味Core i7同士の比較よりも興味深かったです。
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