レビューメディア「ジグソー」

最高性能のLGA1155。どれだけの性能差を見せるのか?

このたび、「Top Gun Review Core i5 3570K」に続き「Top Gun Review Core i7 3770K」のレビューアーにも選出いただきました。今回も全力でお送りします。

 

<<  今回のお題  >>

 

・「Core i5-3570K」のプレミアムレビューと同じテーマ・内容のことを「Core i7-3770K」でも行なっていただき、「Core i5-3570K」と「Core i7-3770K」の違いについてレビューしてください。

 

ということで、前回にお送りした内容をそのまんま、今回のCore i7 3770Kでもお送りします。

幸いにも、前回にお送りした素材はすべて保管してあります。同じファイルを使用して「Core i5-3570K」と「Core i7-3770K」の違いについてレビューしていきます。

 

さて、今回のレビューをお送りするメインパソコンの構成ですが、詳細は前回のレビュー

を見ていただければ、と思います。

前回からの違いと言えば、マザーボードのBIOSをUEFIへと更新したくらいです。

 

さて、「Core i5 3570K」レビューでお送りしたテーマは

 

Z68チップセットを土台にした「Core i7 2600K」との動画エンコード比較

 

です。

SandyBridge、Ivy Bridgeの魅力の一つといえば「Quick Sync Video」、ハードウェアエンコードです。それがIvy BridgeではQSV1.0から2.0に進化したのを受け、果たしてどれくらいの差があるのかをお送りしました。しかも、チップセットはSandyBridge世代のZ68チップセット。VGAはPCI EXPRESS 2.0世代(Geforce GTX580)で、単純にCPUのみを更新したものと想定しての状況です。

 

素材として用意した動画は

 

 

・激しいアクションシーンの代表、地上波放送の特撮実写モノ(30分)

 (1440×1080ドット⇒1280×720ドット)

 

 ・セル画のベタ塗り代表、地上波放送のロボットアニメ(30分)

 (1440×1080ドット⇒1280×720ドット)

 

・セル画のベタ塗り代表②、BS放送のロボットアニメ(30分)

 (1920×1080ドット⇒1920×1080ドット)

 

・電飾が多く、派手な原色が目立つ地上波放送のバラエティ(60分)

(1440×1080ドット⇒1280×720ドット)

 


 

の4つ。これらをエンコードする時間を検証しました。

勝負の内容は、全部で5つ。

 

Core i7 2600K HyperThreading有効 vs Core i5 3570K の個別エンコード

Core i7 2600K HyperThreading有効 vs Core i5 3570K の4番組同時エンコード

Core i7 2600K HyperThreading無効 vs Core i5 3570K の個別エンコード

Core i7 2600K HyperThreading無効 vs Core i5 3570K の4番組同時エンコード

Core i7 2600K HT無効、1コア vs Core i5 3570K 1コア の個別エンコード

 

としました。

エンコードソフトは「TMPGEnc Mastering Video Works5」とし、使うエンコーダは

 

・Intel Media SDK Hardware(QSV)

・X264

 

とします。

前回の結果では、Core i7 2600Kよりも高性能ではあるが、使っている人が「わざわざ」換装するほどでもない印象の性能だったCore i5 3570K。

では、Core i7 3770Kではどうなのか。非常に興味がある検証ではあります。

ちなみに、検証結果ですが

・Core i7 2600K

・Core i5 3570K

については、以前のデータをそのまま流用します。果たして、Core i7 3770Kはどんなスコアを叩き出すのでしょうか。

 

 

 

検証 ①

 

さて、最初の勝負は

 

HTあり対決 個別エンコード

 

です。4本の動画を1本ずつエンコードしていきます。以前の結果では、Core i5 3570Kの方が高速という結果でした。さて…

 

QSV

 

Core i7 2600K:43分14秒

Core i5 3570K:39分45秒

Core i7 3770K:48分21秒

(Core i7 2600Kよりも5分7秒低速、Core i5 3570Kよりも8分36秒低速

 

※左から「Core i7 2600K」「Core i5 3570K」「Core i7 3770K」の順となります。

 

 

Hyper Threadingもあり、Quick Sync Videoも2.0に進化。しかし、なぜかCore i7 3770Kが最も遅い結果となりました。バックグラウンドで何か動いていたのか、理由はわかりません。とにかく、Core i7 2600Kよりも、Core i5 3570Kよりも遅い結果となりました。悪い予感のする滑り出しです。

 

果たして、今回のレビューは成立するのか…

 

 

 

 

 

次は、モロにCPUパワーがものをいうソフトウェアエンコードです。前回ではHyper Threading機能を有するCore i7 2600Kの方がCore i5 3570Kよりも高性能という結果でした。

 

 

x264

 

Core i7 2600K:1時間53分29秒(71℃)

Core i5 3570K:2時間05分13秒(70℃) 

Core i7 3770K:1時間38分31秒(65℃)

(Core i7 2600Kよりも14分58秒高速、Core i5 3570Kよりも26分42秒高速)

※温度については、以前と外気温が違いすぎるためこれ以降は言及しません。 

 

 

先ほどの結果では後塵を拝した最新トップグレードのCore i7 3770Kですが、ようやくここにきて、の面目躍如です。Core i5 3570Kは下位グレードとしても、同じHyper Threading機能を搭載する旧型トップグレードのCore i7 2600Kをも大幅に超える結果を出してきました。

この時間短縮は、単にクロックが高いだけではないでしょう。Core i5 3570Kの時にも感じましたが、コア性能そのものが向上しているような気がします。

 

 

検証 ②

 

次の勝負は

HTあり対決 同時エンコード

 

です。4本の動画を同時にエンコードします。前回の結果ではCore i5 3570Kの方が高性能な結果となりました。さて…

 

QSV

 

Core i7 2600K:33分35秒

Core i5 3570K:30分29秒

Core i7 3770K:29分08秒

(Core i7 2600Kよりも4分27秒高速、Core i5 3570Kよりも1分21秒高速)

 

個別のQSVエンコードでは惨憺たる結果だったのですが、同じQSVでも同時エンコードではさすがの結果を出しました。QSVが「旧型」となるCore i7 2600Kよりも高速なのはある意味当然なのですが、同じ「HD4000グラフィックス」を搭載するCore i5 3570Kよりも高速に処理を終えてます。 さすがのトップグレードです。

 

次はソフトウェアエンコード、同時です。

 

 

x264

 

Core i7 2600K:1時間49分38秒

Core i5 3570K:2時間00分53秒

Core i7 3770K:1時間33分55秒

(Core i7 2600Kよりも15分43秒高速、Core i5 3570Kよりも26分58秒高速)

 

はい、キッチリと数字を出してます。他の2つよりもかなり高速に処理出来ています。

エンコード目的であれば、Core i7 3770Kがベストチョイスですね。最速です。

 

 

 

検証 ③

 

次の勝負は

 

HTなし対決 個別エンコード

 

です。

Hyper Threading機能を無効にすることで、3つのCPUは、ほぼイコールコンディションとなります。この状態で性能差はどうなるのか…?

 

QSV

 

Core i7 2600K:42分23秒

Core i5 3570K:39分45秒

Core i7 3770K:48分29秒

(Core i7 2600Kよりも6分6秒低速、Core i5 3570Kよりも8分44秒低速

 

Hyper Threading機能が有効のときと同じく、Core i7 3770Kが最も劣るという結果になりました。もはや、バックグラウンドでうんぬん…ということではありません。 なぜか、QSVでのエンコードは一つずつ個別に行うと先代のSandyBridgeはおろか、下位グレードのCore i5 3570Kにも及ばないという結果になります。不思議な結果です。

 

 

x264

 

Core i7 2600K:2時間17分55秒

Core i5 3570K:2時間05分13秒

Core i7 3770K:1時間59分27

(Core i7 2600Kよりも18分28秒高速、Core i5 3570Kよりも5分46秒高速)

 

イコールコンディションのはずが、3つともスコアはバラける結果となりました。Core i7 2600KとCore i5 3570Kはこの時点ではクロックも同じで性能的には「同等」のはずが、Core i5 3570Kの方が好成績を残しています。ということは、コアそのものの性能が向上しているということ。

そして、コア性能が向上していることに加えてクロックも上昇しているCore i7 3770Kですから、他2つよりも高性能なのは納得のスコアです。

 

 

検証 ④

 

次の勝負は

 

 HTなし対決 同時エンコード

 

となります。ここまでくれば、もう結果は見えたも同然。

 

QSV

 

Core i7 2600K:34分25秒

Core i5 3570K:30分29秒

Core i7 3770K:30分19秒

(Core i7 2600Kよりも4分6秒高速、Core i5 3570Kよりも10秒高速)

 

 やはり、複数同時エンコードでは優秀な結果を残します。さて、なぜ「個別」ではあんな結果になったのか…

   

 

x264

 

Core i7 2600K:2時間10分17秒

Core i5 3570K:2時間00分53秒

Core i7 3770K:1時間54分21秒

(Core i7 2600Kよりも15分56秒高速、Core i5 3570Kよりも6分32秒高速)

 

個別エンコードと同じで、ソフトウェアエンコードではCore i7 3770Kがすべてにおいて最も優秀なスコアを叩き出しました。やはり、現行トップのCPUです。

 

 

検証 ⑤

 

最後の勝負は

 

HTなし&シングルコア対決

 

です。

 

QSV

 

Core i7 2600K:1時間23分07秒

Core i5 3570K:1時間17分54秒

Core i7 3770K:1時間15分07秒

(Core i7 2600Kよりも8分高速、Core i5 3570Kよりも2分47秒高速)

 

Core i7 2600Kよりもずいぶんと高速で、同じアーキテクチャのCore i5 3570Kよりも高速に終わりました。

ココでもまた、世代間の差、そしてグレード間の差が明確に出ました。

しかし、コアをフルに活用したときのあの「劣り具合」は本当に解せません。謎だ…

 

 

 

 

 

 

<< 総評 >>

 

 さて、総評です。

まずは、結果を表にまとめました。

ピンクの部分は「Core i5 3570Kがもっとも高速に処理を終えた」ところ。

そして、黄色いところは「Core i7 3770Kがもっとも高速に処理を終えた」ところです。

 

こうしてみると、先代のCore i7 2600Kは一つも勝ち星がなかったことになります。また、ピンクの箇所もなぜCore i5 3570Kが上回ったのか理由はわかりません。

なぜかCore i7 3770Kのみが1ランク劣るという結果になってしまいました。それ以外は、予想通りの結果となっています。

 

Core i5 3570Kをレビューした時は、Core i7 2600Kとの比較で「抜きつ抜かれつ」といった感じで、正直、Core i7 2600KをメインとするかCore i5 3570Kをメインとするかは悩んだところでした。

ですがCore i7 3770Kはほとんどの場面でCore i7 2600K、Core i5 3570Kを凌駕し、結果で

 

Core i7 3770K > Core i5 3570K ≧ Core i7 2600K

 

といった図式を確立した感があります。3つのCPUから一つを選んでメインとするなら、間違いなくCore i7 3770Kです。

 

 

 

<< 締め >>

 

前回のレビューで 

「総合処理能力ではCore i7 2600K」

「ハードエンコ性能とコア単体性能ではCore i5 3570K」

の拮抗した勝負だったのが、Core i7 3770Kは両方のいいところを持って行った感じです。

「グリスバーガー」などと揶揄され、マイナーチェンジ感が抜けきれない性能差。こういった、なんとなくネガティブな印象が多いIvy Bridgeですが、比べてみるとちゃんと進化していることがハッキリとしました。それでいて消費電力が少なくなっているのですから、やはり優秀ですね。

ただ、検証の結果ではハッキリと数値に差が出ていますが、この差を「大きい」ととるか「わずか」ととるかはその人次第です。リプレイスするほど、食指が動くほどの差なのか。その人の使い方によるでしょう。

 

「馬力の向上」は乗った瞬間に誰でもすぐにわかるが、

「燃費の向上」は試乗したくらいではわからない。

 

一言で言うと、そんな感じの進化を感じました。今の時代にマッチした「性能アップはわずかですが、燃費は大幅に改善しました」という方向の進化だったようです。華々しさはありませんが、堅実によくなっていたようです。

数世代前からの更新、新規で組み立てるなどの条件であればSandyBridgeを選ぶ理由がありません。Ivy Bridgeで決まりでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<< 番外編 >>

 

実は、今回のレビューでお送りする内容は(私の中では)こちらの方が本命です。上記レビューではCore i7 3770Kがもっとも好成績を収めるのは簡単に予想できたからです。

 

ですが、Core i5 3570Kのレビューをお送りした時からの疑問がまだ残っています。

 

「QSVにおいて、同時エンコードの方が一つずつエンコードするよりも早く終わるのはわかった。じゃあ、最も効率がいいパターンは?」

 

ということで

 

8つのファイルをエンコードする場合、どんなパターンが最速なのか?

 

という検証をお送りします。

 

レビュー本編では4つの異なる題材を用意し「1つずつ」と「4つ同時」のエンコードで比較していきました。結果としては「4つ同時」の方が明らかに高効率な結果となっています。

 

ここではさらに突っ込んだ内容として「複数同時エンコード」に的を絞って検証していきます。

 

用意した題材は

 

・Mpegファイル 1440×1080ドット 23分04秒

 

です。コレを

 

・1個ずつで8個(1個×8)

・2個ずつ同時で8個(2個同時×4)

・3個ずつ同時で8個(3個同時×2+2個同時)

・4個ずつ同時で8個(4個同時×2)

・5個同時で8個(5個同時+3個同時)

・6個同時で8個(6個同時+2個同時)

・7個同時で8個(7個同時+1個)

・8個同時

 

というパターンでQSVによるMP4へのエンコードを行い、すべてのエンコードを完了するまでの時間を検証します。

 

CPUは

 

・Core i7 2600K

・Core i7 3770K

 

を使います。Core i5 3570Kは「Core i7 3770Kの1個~4個とほぼ同じになるか、若干劣る程度だろう」との予想から、今回は省略します。

この検証の趣旨は「多数のファイルをエンコードするとき、どの設定が一番早く終わるのか?」ですから、本当の意味での勝負は、5個以上になるだろうとの読みもあってHyper Threading機能を搭載していないCore i5 3570Kは省略します。

 

さて用意する動画ですが、条件を揃えるために同じ動画を「01」~「08」までファイル名を変えてコピーしました。内容は同じですが、8つのファイルをエンコードするシチュエーションを再現したものです。同じ映像としたのは、条件の違いによるエンコード速度の変化をわかりやすくするためです。

 

 

(お断り)

※ 本レビューでは「同時進行のうち、もっとも時間のかかったもの」を合計したものを「終了までの時間」としています。

 

(例)

・3個同時エンコードの場合 ⇒ (3個同時)+(3個同時)+(2個同時)

となるので

(3つのうち最も遅い時間)+(3つのうち最も遅い時間)+(2つのうち遅い方の時間)

を合計時間とします。

 

エンコードは五月雨に同時進行していくため、この計算方法は厳密にいうと本当の意味での「終了までの時間」とは異なります。

 ですがCore i7 2600KとCore i7 3770Kの比較、そして複数同時エンコードについての時間的効率が目的の検証ですので、同じ計算方法とすることで目的は達せられると考えます。

あくまで「一つの指標」としてご覧ください。

 

 

 

 

 

さて、それではいよいよ「(自分的)本命の検証」スタートです。

 

※左が「Core i7 2600K」、右が「Core i7 3770K」です。

 

まずは

 

個別で8個(1個×8)

 

Core i7 2600K:1時間22分24秒

Core i7 3770K:1時間14分19秒

(Core i7 2600Kよりも8分5秒高速)

 

本編ではCore i7 2600Kはおろか、Core i5 3570Kにも勝てなかった「1つずつの個別エンコード」ですが、なぜかこちらの検証結果ではCore i5 3570Kをも圧倒しています。

同じファイルのエンコード×8で8分短縮されているのですから、ファイル1本あたり1分の短縮となります。とにかく不思議な今回の検証結果。

 

 

 

このエンコード時間が「基本タイム」となります。

単純に考えれば、エンコードを2本同時に行えば所要時間は半分になる。しかし、CPU負荷は倍になるため所要時間は倍になり

「結果は同じであった」

となるはずです。しかし、実際は処理時間は「倍」にはなりません。もっと早く終わります。

ならば「同時進行による総時間の短縮」と「同時進行による1本あたりの完了までの時間遅延」を考えたとき、どんな結果が待っているのでしょうか。

 

 

 

 

 

 

次は

 

2個同時で8個(2個×4)

 

Core i7 2600K:55分00秒

Core i7 3770K:48分20秒

(Core i7 2600Kよりも6分40秒高速)

 

両者の「差」でいうとさきほどよりは縮まってますが、2本ずつを同時に進めることで最終的に8本のファイルをエンコードする時間はかなり短縮されています。

やはり、同時にエンコードしたほうが効率はいいようです。

 

 

次は

 

3個同時で8個(3個×2+2個)

 

Core i7 2600K:48分49秒

Core i7 3770K:43分15秒

 

(Core i7 2600Kよりも5分34秒高速)

 

傾向は同じで、両者の差は縮まってますが完了までの時間はさらに短くなっています。

 

 

次は

 

4個同時で8個(4個×2)

 

Core i7 2600K:44分28秒

Core i7 3770K:38分30秒

(Core i7 2600Kよりも5分58秒高速)

 

Core i7 3770Kに至っては、いよいよ40分を切るタイムを出してきました。

効率はどんどんと上がっていってます。やはり「勝負は5本同時~になる」との読みは合っていたようです。

 

次は

 

 

 

5個同時で8個(5個+3個)

 

Core i7 2600K:46分02秒

Core i7 3770K:40分11秒 

(Core i7 2600Kよりも5分51秒高速)

 

若干、タイムが「4個同時」よりも落ち込みました。今のところ、最速で終わらせるには「4個同時」で進めるのが一番ということになります。

 

次は

 

 

 

6個同時で8個(6個+2個)

 

Core i7 2600K:47分59秒

Core i7 3770K:41分42秒

(Core i7 2600Kよりも6分17秒高速)

 

完了までの時間でいうと、かなり高速に処理が終わっています。「30分の特撮もの」を8本エンコードして40分そこそこです。これ、かなりすごいことだと思います。

 

 

次は

 

 

7個同時で8個(7個+1個)

 

Core i7 2600K:50分36秒

Core i7 3770K:44分05秒

(Core i7 2600Kよりも6分31秒高速)

 

 単純に見るとかなりの速度ですが、ココまでくるとどうしてもMAXの「8個」が気になります。

やはり、ここでもCore i7 3770Kが速かった。

 

 

 

最後は、大本命の「8個同時」。

「4本同時」が最速を守りきるのか、Hyper Threading機能を活かした「8本同時」が越えてくるのか。

 

 

 

8個同時

 

Core i7 2600K:42分47秒

Core i7 3770K:36分33秒

(Core i7 2600Kよりも6分14秒高速)

 

きました、最速タイムの更新です。

8本のファイルをエンコードするのに、わずか36分。1本あたり5分もかかっていません。これは相当凄いタイムです。

 

 

<< 総評 >>

 

 

CPUを2つに絞る代わりに、可能な同時エンコード数をすべて検証しました。いやぁ、時間かかりました…。

 

結果を表にまとめます。

 

 (結論)

 

論理CPUの数だけ、同時にエンコードできます。

そして、最大の「8個同時」が最も高効率でした。

 

Core i7 3770Kは、どんな状況においてもCore i7 2600KやCore i5 3570Kよりも高性能でした。

 

 

 

「8個同時」とはいえ、物理コアは4つしかありません。Hyper Threadingテクノロジーで論理的に8コアとなっているだけです。それでも、4個同時エンコードよりも8個同時エンコードの方が高速とは…不思議な結果です。

さすがIntelのテクノロジー、といったところでしょうか。

  

そして、単体の速度で見たときはやはり単一のエンコードが最速でした。

前半の結果とはうってかわって、実力を十分に発揮したといえるでしょう。

 

 

ですが、「実使用」という面で考えると、ちょっと問題があります。

8個を同時にエンコードすると、CPUもストレージもかなりの負荷となりパソコン全体の動作が緩慢になってしまいます。

エンコードが終わったファイルからサーバーに転送したりするも、かなりレスポンスの悪いパソコンになってしまうんです。

実際の使用感からすると、最適なのは「4本同時」となります。わずか2分程度の差なら、エンコードしながらも別作業が快適に行える方がストレスを感じることなく快適なパソコンと言えます。

 

ということで、真の勝者は「4本同時」となりました。

 

 

 

 

 

 

さて、独自の方法でQSVの「複数同時エンコード」についての検証をおこないました。

数字で見るとおり、複数を同時に行うほうが効率がよく、しかも新世代のCore i5 3570K、Core i7 3770Kになって明らかに処理性能が上がっていました。

 しかし、前回レビューでもそうでしたが、今回の結果も同じで、やはり

 

「この差を「大きい」ととるか「わずか」ととるかはその人次第」

 

という結論に違いはありません。常に最新モデルを所有したい方、コストパフォーマンスを考えてリプレイスをお考えの方、新規に購入の方、いろいろですがこのレビューが何かしらの参考となれば幸いです。

 

 

 

最後に

 

Core i5 3570Kのみならず、上位機種のCore i7 3770Kレビューの機会までも与えていただいたことにとても感謝しております。自分ではなかなかできない、次世代CPUとの比較、そして次世代ミドルグレードと次世代トップグレードとの違いなどを楽しく検証することができました。

 

せっかくいただいたCPUです、今後も我が家のメインマシンとして末永く愛用させていただきます。

 

ありがとうございました。

コメント (8)

  • リンさん

    2012/11/01

    ここまで書くのに何時間エンコードしたんだろうと思います。

    お疲れ様でした!凄く分かりやすかったです。

    トップガン参加できなかったので、

    凄く羨ましいです。メインマシンとして頑張って欲しいですね♪
  • 稲蔵さん

    2012/11/01

    リン さん

    コメントありがとうございます。

    時間はかかりましたが、どうしても1分程度のエンコードだと納得できなかったんです。
    メインとして、長く頑張ってもらいます。
  • cybercatさん

    2012/11/01

    詳細なレビューお疲れ様です!
    Core i7 3770KがCore i5 3570Kより高性能なのは同世代なので当たり前かも知れませんが、Core i7 2600Kに比べてもクロック比以上に伸ばしてますね。
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