レビューメディア「ジグソー」

レビュー終了(3/26 17:12訂正)

◇まずは自己紹介◇

 レビュー開始前のお約束として環境紹介から入ろうと思う。使用したマシンは、Lenovo Thinkpad X61を使用した。OSはWindows VistaとWindows 7のデュアルブート構成で、原則としてWindows Vista上での動作と効果を中心に見ていこうと思う。尚、マシンのスペックとパーティション構成は以下の通りである。

◇マシンスペック◇

CPU:Core2 Duo 2.2GHz
Memory:DDR2-667 4GB
HDD:WesternDigital Scorpio Black WD3200BJKT 2.5inch 7200rpm 298GiB(320GB)

◇パーティション構成◇
第一パーティション
40GiB
用途:Windows Vista x86 システムパーティション

第二パーティション
40GiB
用途:Windows 7 x64 システムパーティション

第三パーティション
218GiB
用途:データ用パーティション

※GBとGiBの違いについて
 GBは1GB=10^9Byte=1,000,000,000Byte、GiBは1GiB=2^30Byte=1,073,741,824Byteとして計算してある。コンピュータの世界では、2進数が基準であるので、後者のGiBを用いるのが妥当であるが、メーカによってはマーケティング上の理由(GBを用いた方が、容量が大きく見える)から単位としてGBを用いているメーカが見られる。ここでは余計な混乱を防ぐ目的で、原則GiBを用いる。


◇製品が届いた!!◇

 しばらくインターネットが使えない環境にいたので、当選したことに気づいたのは自宅に帰ってヤマト運輸のご不在表を見てからだった。しばらく待っていると、再配達しに来てくれた。
 早速包みを開けてみると、はいってるはいってるPerfectDisk 10 Proが。手に取って開けてみるとCD-ROM1枚とクイックスタートガイドとかいう簡易マニュアル、シリアル番号が記載された紙が入っていた。正直、この程度の内容物ならDVDなどに使われているトールケースで十分ではないかなと思った。Windowsですら紙の大きな箱を止めてトールケースにしたぐらいだ、環境に配慮してコンパクトなものにしてもいいのではないかと思った。


◇まずは見た目から◇

 ソフトウェアの重要な要素と言えば、機能性と操作性の二つが大半を占めると思う。機能については少しずつ紹介していくことにして、まずは操作性、ユーザインターフェースから見ていこうと思う。
 基本的なインターフェースは、Microsoft Office 2007等で導入されているリボンインターフェースを採用している。その為、関係のない機能のボタンが自然に隠れ、幾つかの項目ごとにグループ化されているので機能を探しやすい。ただし、逆にわかりにくい部分もある。例えば、「デフラグ」内の詳細にある、「選択したファイル」と「システムファイル」などといったボタン、名前を見る限りではそれらに関係することは分かるが結局なにをする機能なのか分からない。これはシンプルなボタンになったリボンインターフェースの弊害と言えるだろう。表記の工夫、配置の工夫で改善できるのであればもう少し努力して貰いたい。


◇パフォーマンスの比較をしようと思ったが・・・◇

 早速デフラグ前と後でパフォーマンスの向上が見られるかどうかテストしようと思った。ところが、「分析」コマンドで分析してみると、パフォーマンスが98%とほとんど断片化していない状態であることが分かった。どうやら先日システムがクラッシュし、バックアップから復元した時に断片化が解消されてしまったようだ。

 さて困った、これではパフォーマンス面のレビューが書けない・・・ とりあえず他の面から見ていくことにする。


◇とりあえず空き容量の回復から◇

 断片化がほとんどしていない状態でのデフラグはほとんど意味がない。そこでとりあえす重複ファイル検索を利用してみることにした。使い方は簡単で、重複ファイルを検索するドライブにチェックを入れて「重複ファイル検索」ボタンを押すだけだ。
 このスキャン、なにかと時間がかかる。CPUよりもHDDに負担がかかることから時間がかかるのは仕方ないとは思うがもうすこし改善の余地はあると思う。もう一つ改善して貰いたい点は、重複ファイル検索時にファイルタイプまたは拡張子を指定する必要があるところである。なにげにこれが面倒臭い。デフォルトで幾つかのファイルタイプが設定されているが、検索するファイルタイプを指定するよりも逆に除外ファイルタイプを指定できた方が楽ではないかと思った。この辺はユーザの好みや使用用途にもよるだろうから一概にどちらがよいとは言いにくい。

 重複ファイルの検索はディスクを効率よく使用するという意味では非常に便利な機能であるが、下手に使うとファイルを見失ったり、プログラムが起動しなくなったりすることもある。これらの点に気をつけて使用すれば空き容量を最大限に増やすことができるだろう。


◇続いてスペースエクスプローラ◇

 「重複ファイル検索」の隣に並んでいる「スペースエクスプローラ」。これは一体どのような機能なのかというと、特定のドライブやフォルダの中に含まれるファイルやフォルダがどの程度の容量を消費しているか視覚的に表示する機能だ。使い方は容量を確認したいドライブやフォルダを選択して「分析」ボタンを押すだけだ。フォルダやファイル数が多いとプログレスバーが全く当てにならない(98%ぐらいまでさくさく進むもののそこから急に進みが悪くなる)ので焦らずゆっくり待っていると、多重ドーナツグラフ(と言っていいのだろうか)が表示され、各フォルダとファイルの使用量が分かるようになっている。グラフのフォルダ部分をダブルクリックすると、そのフォルダを中心としたグラフに再描画される。フォルダの数が多い時には便利な機能だ。その一方、再描画時に該当フォルダに対して再分析されるのでファイル・フォルダ数の多い部分に当たるとまたしても待たされる。この辺は大いに改善の余地があると思う。また、グラフを用いて下位のフォルダに潜れるものの、上位のフォルダには戻れない。中心部分をクリックすると、前のフォルダに戻る機能がついてもいいのではないかなと思った。

 ちなみにシンボリックリンクを使用していると、総容量が増えて表示される。一般にシンボリックリンクなんてものを使っている人(そもそも知らない人の方が多いのではないか)は少ないと思うが、最近のWindows VistaやWindows 7では内部でシンボリックリンクを使用している。実際の容量と分析された容量が一致しないことがあってもディスクやプログラムが壊れているわけではないので安心してよい。

※シンボリックリンクとは
シンボリックリンクは平たくいうと、Windowsのショートカットのように設定したファイルやフォルダにアクセスすると別の実体にジャンプする機能の事である。ショートカットと大きく違うのは、ショートカットはそれ自体が.lnkという拡張子を持つファイルであり、実体への参照を持つに過ぎない。つまりプログラムからは実体と同じファイルではなく、あくまでショートカットとして扱われる。逆にシンボリックリンクは、実体と同じように扱われ、プログラムから見ると実体を直接操作しているように見える。


私は今まで空き容量を回復する為に重複ファイルの検索やスペースエクスプローラのような機能を持ったフリーウェアを幾つか組み合わせて運用して来たが、これらの機能が一本のソフトに統合されたのは非常に便利だ。改善の余地はまだまだ残されているが、ディスクパフォーマンスを改善するソフトウェアとしてこれだけの機能が統合されていれば、PC初心者にもお勧めできるし、コマンドラインから操作できるという意味で上級ユーザにも満足して貰える製品だと思う。


◇ちょっと断片化してきた◇

届いたその日に分析をかけて3日経つ。何度かのWindows Updateとファイルの読み書きを続けているとパフォーマンスの欄が88%まで落ちてきた。この程度の数値低下でパフォーマンスの差が体感できるとは思えないがとりあえず最適化をしてみてみることにした。HDDが通常のノートPC向けとしては高速なことと、あまり断片化してないということもあって30分程度で終わった。Windows標準のデフラグなんていつまで経っても終わらない上、思いの外断片化が解消されていない。PerfectDisk 10 Proでは一番断片化が酷いファイルでも断片が一桁以内に収まっている。ファイル操作も確かにきびきびしたような気がする。


◇ベンチマークを取ろう!!◇

通常、HDDのベンチマークソフトと言えば、低いレイヤーでの動作、すなわち物理層により近い部分を計測するものが多い。その為、断片化を解消してもその結果が数値には反映されにくい(と言いながらもテスト用に作成されるファイルの断片化率が下がるので大抵向上するのが分かる)。実際の操作はファイル単位で入出力を行う。さて、これを計測できるベンチマークソフトはあるのであろうか・・・

と思って探してみたものの、どうも見つけられなかった。そこで、ささっとそれっぽいベンチマークソフトを作って計測してみた。プログラムそのものは当該ディレクトリ下にあるファイルをただひたすら読み込み、ファイルサイズを読み込みにかかった時間で割り速度を求めるだけの単純なものだ。小さいファイル(とりあえず1MB以下)については断片化の影響があまりないという前提でスキップするようした。

いつも使っているX61が断片化していないので、別の自作マシンを実験台にした。
スペックは以下の通り。

◇マシンスペック◇

CPU:Core 2 Extreme QX6700 2.66GHz
Memory:DDR2-667 4GB
HDD:Seagate barracuda 7200.10 298GiB(320GB) * 3 Intel Matrix RAID によるRAID 5構成

RAID5 構成なので効果はあるのかと半信半疑で測定。平均読み込み速度は約90MB/sとでた。元々、単体で高速なHDDではないので、この構成で頑張って130MB/sぐらいの性能だったと思う。

そんな自作マシンだが、断片化率は2.6%と一見少なそうに見えた。が、しかしファイルによっては断片が1万個をオーバーするといった断片化っぷり。これはパフォーマンスの向上が期待できそうだ。

いったんX61からPerfectDiskをアンインストール。自作マシンにライセンスを移行し、デフラグを実行した。ところが、なぜかデフラグするのに半日以上かかる。朝の10時に始めたのに予定終了時刻が0時を過ぎている。一応優先順位を上げてみたり、IOの最適化を無効にしてみたり試してみたが、一行に改善されなかった。Matrix RAIDとの相性なのか、ディスクが悪いのかは不明だがこれは想定外の結果だ。CPU使用率も低いままだし、ディスクIOも低い、うーん謎だ。

3日間かけて計測が終了した。結果は・・・速いファイルで約5倍(!)速度が上がっていた。約2万の断片に分かれたファイルで約4倍、それ以外でも概ね1.2~3倍程度読み込みにかかる時間が短くなっている。なかなか驚異的な数値だ。転送レートだけでみてもほとんどのファイルが100MB/sオーバーで読み込めた。RAID環境でこれだけ速度が伸びているのだから、その効果は十分といえる。



◇コマンドプロンプトからの操作◇

 普通は使わないかもしれないが、PowerX PerfectDisk 10 Proの売りの一つでもあるようなので、すこし触ってみることにした。コマンドプロンプトから操作する場合、インストールしたフォルダ、恐らくC:\Program Files\PowerX PerfectDisk 10内にある、PDCmd.exeを起動する。引数をなにも付けなければ、ヘルプが表示される。贅沢かもしれないが、このヘルプも日本語で表示されるとなお良かった。
コマンドを利用したデフラグも容易で、例えばCドライブをデフラグしようと思ったら
PDCmd.exe /sp c:
と入力するだけで自動的に始まる。ところがだ、自分の操作が悪いのかどうか知らないが、コマンドプロンプト上で進捗状態を見ることができない。どうやらPDEngine.exeに命令を投げているだけのようである。スケジュール実行する際はこれでいいかもしれないが、ステータスの表示ぐらいはやってほしいな思う。


◇総評◇

PCのスペックが著しく向上し、フリーソフトが多数出回っている今日この頃。有償のデフラグソフトを購入する理由はあるのか、若干疑問に思っていた(といいつつもDiskeeperを買おうかPerfectDiskを買おうか悩んでいた私だが)が、作業を阻害しないAutoPilotスケジューリング、他社を寄せ付けないデフラグ速度、ディスクパフォーマンス改善ユーティリティとしてはかなり完成度は高い。CPUやメモリがいくら高速になっても、ディスクのパフォーマンス、特にシークに関してはここ十数年大して変化していない。つまりハードディスクがPCの足を引っ張っている。デフラグを行い断片化が解消されると極力シークなしにデータを読み込める為、PCの性能をぎりぎりまで引き出せる。また、シークが減ることによりわずかだが消費電力が軽減され、モバイルの場合バッテリーの寿命が伸びやすくなる。
そんなPerfectDisk 10 Pro、ぜひ持っておきたいユーティリティの一本になりそうだ。


自分で書いていてなんだが、つぎはぎだらけのレビューになって申し訳ない・・・
最後に本製品を提供して頂いた株式会社ネットジャパンとレビューの機会を与えて頂いたzigsowに感謝します。

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