レビューメディア「ジグソー」

GTX560Ti搭載VGA「GV-N560OC-1GI/L2」で、どこまで3Dゲームに3Dアニメ制作ができるか、ベンチチェック!

<2013年09月24日完結>
<2014年08月03日追記>

GV-N560OC-1GI/L2をかなり斜め上目指したレビューをさせて頂きます。
(今回のレビューはGA-Z77X-UD3Hと組み合わせたものです)

PCの黎明期から流通として市場を支えていただいているCFDさんと、世界のマザーボードベンダーGIGABYTEさんと、ユーザーからのデマンドをメーカーに伝えるサイトを作っていただいたZigsowさんに感謝します。


[ GTX560Ti(GF114)の仕様 ]
ですが、下記のとおりです。
・DirectX11対応
・シェーダープロプロセッサー数384基
・256bitメモリーインターフェース
・PCI-E 2.0対応
・1GBメモリー搭載


[ デザインと雰囲気は大変に素晴らしい ]
フォーミュラカーのカーボンカウルのような美しいボディです。
性能と相まって素晴らしい。
長く、一線級で使用できるボードです。
GTX560_06.jpg
GTX560_06.jpg


[ デュアルディスプレイが簡単に設定できる ]
nVIDIAコントロールパネルから、デュアルディスプレイは簡単に設定できます。
・DVI-I x2
・mini HDMI
GTX560Tiオーバークロック時maya.jpg3つの映像出力端子のうち、2つまで出力が可能です。
Ti560の3画面は無理.jpg
Ti560の3画面は無理.jpg


[ オーバークロック製品である ]
コアクロックを822MHz→900MHzにオーバークロックしているのですが、アイドリング時の音はとても小さいです。
高負荷時にはファンが回って音がしますが、それでも純正CPUクーラーよりも静かです。
オリジナルクーラー「WINDFORCE 2X」を採用しているおかげもあって、静音かつ高性能です。
GTX560_04.jpg
GTX560_04.jpg


・CINEBENCHとMaya 2012を使用してオーバークロックを行う
☆出荷時の900MHzというのは絶妙な設定だ!
非常に残念なことに、オーバークロックがなされているこのグラフィックスボードを、更にオーバークロックしても性能向上は期待できない。
(私の環境(GA-Z77X-UD3H+2600K)ではEasy Tune6がうまくインンストールできませんでした。そうしたこともあり、Msiのアフターバーナーにて計測しました)

・CINEBENCH 11.5
822MHzから900MHzにクロックアップされているこのグラフィックスボードをさらにクロックアップしたが、性能が低下してしまった。
GTX560Tiオーバークロック時cinebench.jpg
GTX560Tiオーバークロック時cinebench.jpg


・Maya 2012(Physx for Maya使用)
900MHz時に15フレーム/秒出ていたので、全く性能が向上していない。
GTX560Tiオーバークロック時maya.jpg
GTX560Tiオーバークロック時maya.jpg



[ この製品の性能について各種ベンチ出し ]

☆ゲームでは段違いの性能です。3Dアニメ制作にも「使える」VGAです。
これは私には結構衝撃的なことです。
まさか9万円のQuadroに迫るとは…このVGAは恐ろしいです。

・3D MARK 11
私が使っていたQuadro4000を大幅に超えました。
3DMARK11まとめ.jpg
3DMARK11まとめ.jpg

もちろん、ゲーム用VGAとOpenGL VGAを比較するのはナンセンスではあると思います。
しかしながら、驚きの性能差です。

・3D MARK VANTAGE
2600Kの内蔵GPUに比べると、1部で10倍という性能差です。
3DMARK-VANTAGEまとめ.jpg
3DMARK-VANTAGEまとめ.jpg

信じられない高性能です。FPSに、3Dアニメ制作に期待できます。

・ファイナルファンタジー14
DirectX9における指標になると思います。
FF14まとめ.jpg
FF14まとめ.jpg

美しい、高いフレームレートを維持できます。

・Maya 2012におけるプレビュー速度
Quadro4000との「Physx for Maya 2012」を使用した比較です。
GV-N560OC-1GI/L2 : 15fps
Quadro4000 : 17fps
GV-N560OC-1GI/L2は画像がカクつく時があり、Quadro4000はスムーズでした。

・Maya 2012におけるプレビュー品質
GV-N560OC-1GI/L2 : 影がおかしい時がある
Quadro4000 : かなり安定している

・モンスターハンターフロンティア DirectX9.0c以上
内蔵GPUを1とした場合、Quadro4000は3.5、GV-N560OC-1GI/L2は7.3となる。
OpenGL性能はQuadro4000有利だが、DirectXは圧倒的にGV-N560OC-1GI/L2有利となる。
モンハンベンチまとめ.jpg
モンハンベンチまとめ.jpg


・ストリートファイター4 DirectX9.0c以上
フレームレートの限界がどこかをチェックする。
Quadro4000「386fps」、内蔵GPU「125.6fps」、GV-N560OC-1GI/L2「481fps」で、フレームレートもGV-N560OC-1GI/L2の圧勝。
スト4ベンチまとめ.jpg
スト4ベンチまとめ.jpg


・CINEBENCH R11.5
CPU性能はZ77でもP67でも同じ。チップセットでは差が出ない。
OpenGL性能で、GV-N560OC-1GI/L2がまさかの大健闘。
Quadro4000と比較してわずか8%しか劣っていない。
9万円のボードにまさかGV-N560OC-1GI/L2が遜色ないとは…素晴らしい!
CINEBENCHまとめ.jpg
CINEBENCHまとめ.jpg


・Maya 2012を使用した「Physx for Maya 2012」プレビュー速度チェック
スカートをApex Clothingにてひらひらさせたが、びっくりすることに3倍の価格差のQuadro40000との差が全くない!!
・2600K内蔵GPU : 100とする
・Quadro4000 : 116
・GV-N560OC-1GI/L2 : 116
→この結果から、Mayaで使う場合はGV-N560OC-1GI/L2でOK!!
 もしかしてMaya 2012はPhysxをGPU使っていない?
 なんにしてもQuadroを購入する必要はMayaに関しては全くない。がっかりかつどういうこと?
Mayaまとめ.jpg
Mayaまとめ.jpg


[ CUDA対応エンコーダー 「MediaCoder」 にてエンコードチェック ]
フリーソフトなのにCUDA対応という神ソフト=MediaCoderにてエンコードチェック。
名機種IS01にて再生が可能な形式である下記の形式にする。
(x64版は不安定なので、x86版を使用したほうが良いと思います)

・H.264 Mpeg4-AVC
・93秒のソース、720x480ドット、ピクセルアスペクト比0.9:1、ステレオLPCM48KHz
・ベースラインプロファイル、LV3.0、デインターレース
・映像:1パスCBR、1000kbps / 音声:4800Hz、128kbps、ステレオ

☆P67とZ77を比べた際に、x264=CPUのみのエンコード性能は全く変わらない。
☆CUDAを使用したエンコードはCPUよりも20%程度高速になった。
☆内蔵GPUのクイック・シンク・ビデオを使用した場合、CUDAと同等の速度になる。
MEDIACODERまとめ.jpg
MEDIACODERまとめ.jpg

MEDIACODER_QSV.jpg
MEDIACODER_QSV.jpg


[ 次はx16ビデオカード2本挿しの場合のチェック! ]
お題 QuadroとGeforceは共存できるのか!?
    その場合、両VGAの強みはマルチディスプレイで活用できるのか!?
トリプルなVGA出力環境で、誰得なベンチマーク! いやいや、これはみんな興味があったはずだー
「内蔵GPUをEnableにして、VGAを2枚挿し」
16レーンのPCI-EバスにVGAを2本同時接続して、内蔵GPUもさらに同時使用すると、かなり性能低下する?って思っていたら“驚きの結果が出た!!”

☆PCI-EXPRESS x16形状のバスは3本ありますが、Z77チップセットの仕様のためZ77X-UD3H合は下記のようなレーン数になる。
・「x16のみ」(Quadro4000)
・「x8 + x8」(Quadro4000とGV-N5600OC-1GI/L2)
・「x8 + x8 + x4」(これは今後の宿題)

・マルチVGA環境 3D MARK11
3D MARK11の結果では、誤差範囲程度の結果で性能低下はないといって過言ではない。
→x16とx8ではほとんど性能低下しない!
マルチディスプレイまとめ1.jpg
マルチディスプレイまとめ1.jpg


・マルチVGA環境 FF14ベンチ
→全くといっていいほど性能低下はない。
Z77X-UD3HのマルチVGA環境 「4461」
(Quadro4000とGV-N5600OC-1GI/L2+2600K内蔵GPU)
Z77X-UD3HでQuadro4000単体使用 「4514」
FF14_3画面.jpg
FF14_3画面.jpg


・マルチVGA環境 CINEBENCH11.5
→4パーセント程度の性能低下で
Z77X-UD3HのマルチVGA環境 「60」
(Quadro4000とGV-N5600OC-1GI/L2+2600K内蔵GPU)
Z77X-UD3HでQuadro4000単体使用 「62」
3画面_CINEBENCH.jpg
3画面_CINEBENCH.jpg


・マルチVGA環境 Maya2012プレビュー速度
→Mayaのプレビュー速度の比較はやっぱり誤差範囲程度の性能低下!
Z77X-UD3HのマルチVGA環境 「14.4fps」
(Quadro4000とGV-N5600OC-1GI/L2+2600K内蔵GPU)
Z77X-UD3HでQuadro4000単体使用 「15.4fps」
Maya_3画面.jpg
Maya_3画面.jpg


このベンチマークの結果から下記のことが分かります。
A.マルチVGAでPCI-Eのレーン数が下がっても、性能低下は僅かでしかない
B.プライマリーVGAの性能が全体のディスプレイ出力になる
 よって、他のVGA性能は低くても全く構わない!!
C.逆に言うと、ゲームと仕事で使うVGAはBIOSからプライマリーを切り替える必要がある。
 プライマリーVGAの性能に依存するためだ!!
D.ゲームと3Dアニメーション制作は共存できるぞ!!
 このマザーボードとVGAのおかげで幸せになれるとおもうと胸熱だー
プライマリーVGA設定.jpg
プライマリーVGA設定.jpg


本当は、もう一本あるx16バスにVGAを挿したかったんです。
そうなると、x4になるのでどの程度のパフォーマンスダウンが起こるか興味がありました。
しかし、CPUやSSDに電源、まな板を購入してもうお金がありません。
この疑問は宿題にします。
ちなみに3本目のx16は「x4とx1のレーン数をBIOSから指定することが可能」です。
こうしないとレーン数が足りなくなってしまい、PCI-E接続の他のファンクション=追加SATA・USBポートが使用出来なくなってしまうのです。

~続く~
いままでQuadro4000とGTX560OCのMayaベンチを行いました。
その際にはMayaのプレビュー速度は、Quadro4000が5パーセント程度しか速くありませんでした。
そこからさらに詰めていって、ゲームではGTX560OCが大逆転。
っていうか、そもそもふつうの人がVGAに期待する性能というものは3Dゲームなわけで、Quadro4000は大敗を喫したわけです。

3Dアニメーション制作においてQuadro4000を使用してきたのですが、がっかりの5%程度の速度向上。
この5%に当時10万円を支払っていたわけで、それはもう無理だなと思います。
そんな気持ちを引きずりながらもQuadro4000のMayaにおける価格性能比の低さをなぜ公開しなかったかというと、それは私の使い方の問題もあるのではないかという疑念があったわけです。
もし、もっと高ポリゴン状態ならば変わったのかなと。

そうした疑念もあり、継続していたのですがあれから1年使い続けてはっきり言うと、GTX560OCでまったく問題なし。
Quadro4000は当時10万円弱、gtx560OCは当時2万円程度。
なのでGTX560OCのコストパフォーマンスは抜群に良かったです。
なので、3Dアニメーション製作を志す人達には「Geforceで十分」であると断言します。
ああ、8万円あったらなー、CPU強化できたなー。

そんな中で驚愕のGIGAZINEさんの記事が。
~NVIDIAのビデオカードをちょこっといじって30万円台のカードに変える方法 GIGAZINE~
http://gigazine.net/news/20130319-hacking-nvidia-card/

コレ見る限りですよ、GeforceとQuadroは基板上の抵抗をちょっとハンダでいじるだけでQuadro化できてしまう。
いや、まあ、これは結構みんな知っていたことではあるんですが。
でも、いまでもこれができてしまうとなると、10万する高額なQuadroって一体何なんでしょうね。
ドライバーの開発費用なのかな。

しかしですね、この記事見てQuadro化して3Dアニメ制作や勉強しようって思わないように。
まじでGeforceで十分。
ミドルレンジのGeforceを2年ごとに買い換えていけばok過ぎる。
やっぱCPUとメモリ、SSDですね、こっちにはカネかけましょう。

ってことで、ああ、あと1年ぐらいはQuadro4000使いたいかなと思う。
じゃないともと取れないよ。

と言いつつも、ドライバーが開発されちゃって早くなったりしないのかな。
物理演算機能に対応しちゃったりしないかな。
ボディに衝突検知ができちゃったりしないかな。
なんて期待もしたり。
いやいや、いままでしなかったんだから、これからもないだろうね。
そしてそれらの機能が追加されたら、そのときこそかえばいいわけですから。
現状はGeforceで十分だと思う。
この「GV-N560OC-1GI/L2」と「GA-Z77X-UD3H」でばっちり、3Dアニメーション制作が行えますよ。
大変にすばらしい環境です。


<2014年08月02日追記>
悲しいことにMaya2014ではDirectXベースかと。
Quadro選ぶメリットはとうとうないかも。
Geforceにしたほうがいいと思いますね。

コメント (8)

  • 下小川さん

    2012/04/14

    おおっQuadro4000との比較レビューお疲れ様です!あえて土俵の違うVGAを比較するとどんな風に味つげが異なるか判りやすくて興味深く読ませていただきました。

    さすがにMayaの表示はQuadroの本領ですが、純粋にゲーム向け性能が高いのでGTX560Tiでもゴリゴリいっちゃうとは。
    それにしてもよく冷えそうなVGAクーラー…このクラスは熱や音が心配なんですが、コレは安心ですね。

    physicstestは実質CPUのスコアなんでしょうかね。
  • プレカリアート真面目明さん

    2012/04/14

    コメントどうも。
    いやー、誰からも注目されないと思っていたのでコメント嬉しいです。

    このベンチ、まだまだ続くんです。
    1日に2時間くらいしかレビュー用素材の作成時間が取れないのです。
    なので、あと1ヶ月くらい続くかも…
    あと、Physxに関してはやっぱり面白いテストする予定です。

    Quadroが本当に3Dアニメーション制作で必要かどうか、見極めます。
    それを公表することで、すげー高いQuadroの価値を決定したい。
  • ぽんぽんぽんさん

    2012/04/14

    レビューお疲れ様でした。
    GTX560Tiオーバークロック時maya.jpgに
    これからの展開をいろいろ妄想させてくれるオブジェクトがありますねw
    まったり続きを楽しみにしています。
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