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MSI製のZ68ハイエンドマザーボードでOCチャレンジ!

zigsowプレミアムレビュー「あなたのオーバークロックを強力サポート!〜MSI〜」にて”MSI Z68A-GD80 (G3)”をお借りすることになりました。関係者の皆様にご選考頂きました事をこの場をお借りして御礼申し上げます。

オーバークロックコンテストのサポートパーツ”MSI Z68A-GD80(G3)&MSI N560GTX-Ti Twin Frozr II/OC”と手持ちのIntel Core i7-2600Kを組み合わせてオーバークロックに挑戦してみました!


”あなたのオーバークロックを強力サポート!〜MSI〜”グラフィックカードのレビューはこちらです。




Intel Z68チップセットを採用したMSIのLGA1155マザーボードのラインナップの最上位に位置するハイエンドモデルで来年登場予定の32nmCPUに対応するためにPCI-E Gen3スイッチチップを採用した新製品です。


CPUの電源回りのMOS-FETにはMSI製品では定番のDrMOS(ドクターモス)を10フェーズ構成で採用。

黒と青を基調としたCoolなデザイン。冷却を考慮した存在感のある大型ヒートシンクが目を引きます。オンボードで搭載するI/O関係も豊富で上位モデルである事が窺えます。



付属品は「ユーザーズガイド(マルチランゲージ)、ソフトウェアアプリケーションユーザーズガイド(英語)、グイックガイド(マルチランゲージ)、クイックインストレーションガイド(マルチランゲージ)、保証書、ドライバーCD」


「バックプレート、SATA 6.0GB/sケーブル(4本)、ペリフェラル>SATA電源変換ケーブル(2本)、USB 3.0ブラケット、SLIコネクタ、MコネクタKit、テスター接続用ケーブル(4本)」




●フェーズ数
CPU周りの電源回路に高品質で高出力な”DrMOS”と高品質タンタルコアコンデンサ”Hi-c CAP(ハイシーキャップ)”を採用しています。

フェーズ数は10(CPU)フェーズデザインと他社のハイエンドマザーボードに比べると少ない印象を受けますがDrMOSは通常のMOS-FETより高出力ですから消費電力の少ないSandy Bridgeコアにはオーバースペックとも言えるほどの機能です。

●Active Phase Switching(APS)
Active Phase Switching(APS)により負荷率に合わせて自動的に使用するフェーズ数を制御して消費電力を抑える仕組みになっています。


フェーズ数の稼働状況はCPUソケットの側に設置されたLEDでリアルタイムで確認可能です。

●メモリスロット
DDR3-DDR3 2133(OC)/1600(OC)/1333/1066MHz(MAX32GB)をサポートした4本のメモリスロットを搭載。実際にDDR3-2133での動作も確認しました。


拡張スロットはPCI-Ex16 or x8 (Gen3)x2、PCI-Ex16(x4 or x1,Gen2)、PCI-Ex1(Gen2)x2、PCIx2となっています。PCIスロットはPCI Express to 32-bit PCI BridgeのASMedia ASM1083経由で実装されています。

スロットレイアウトも定番のタイプで2スロット占有タイプのGPUを2基搭載してもPCI-Ex1とPCI、PCI-Ex16(x4)スロットが利用可能です。CPUソケットに近い位置にPCI-Ex1スロットが配置されているので大型のCPUクーラーを使用した場合も取り回しは楽です。

他のマザーボードではあまり見かけない機能として、PCI-Ex1の側にPCI-E6ピン補助電源コネクタを接続するためのピンが設置されていてGPUへの電力の安定供給を行えるようになっています。

ヘッダーピンの位置に”電源、リセット、OC Genie”の3つのボタンが設置されています。マナ板稼働やOCテストを行うときに便利です。


●PS2ポート
最近ではあまり見かけなくなったキーボード&マウスに対応したPS2ポートを1ポート備えてします。

FPSゲーマーなどの複数キーの同時おしに対応したゲーマー向けPS2キーボードを利用したい方には重要なポイントです。

●CMOSクリアボタン
オーバークロッカーには嬉しいCMOSクリアボタンが設置されています。無理な設定で起動不可能になってもPCケースのサイドパネルを開けなくても復帰できるのは魅力です。

●ディスプレイ出力
DVI-I, HDMIの2種類を搭載。個人的にはIGPのシングルリンク制限を突破できるDisplayPortや汎用性の高いアナログRGBを採用してほしいところですがATXマザーボードのモニター出力としては十分と思います。

●USB 3.0
USB 3.0はNEC D720200を2個搭載することでバックプレートに2ポート、ヘッダーピンで2ポートの合計4ポート搭載しています。

●eSATAポート
eSATAポートはMarvell 88SE9128経由で実装されています。

●IEEE1394
VIA VT6308Pをオンボードで搭載することでIEEE1394を2ポート搭載しています。
出力はバックパネルに1ポートとヘッダーピンで1ポートです。PCIブラケットは付属していません。


SATAポートは大型のGPUに対応するため横向きに設置されています。右側の白色のポートがチップセット供給のSATA 6.0GB/sポート。黒色のポートはSATA 3.0GB/sポートです。

左側の上向きに取り付けられているSATA 6.0GB/sポートはeSATAポートと同じオンボードで搭載されているMarvell 88SE9128から供給されています。


CPUソケットには評判の良いクロムメッキ加工されたLOTES製を採用。
MOS-FETの冷却用に高品質の証”MILITARY CLASS II”と”OC Genie II”のロゴ入りの大型のヒートシンクが設置されています。



レビュー用PCを作成するにあたり使用したパーツを紹介します。


<現在の髑髏PCの構成>
●CPU - Intel Core i7-2600K
●クーラー - Thermalright TRue Black 120 PLUS
●クーラー用ファン - サイズ SY1225SL12SH x2
●マザーボード - Intel BOXDP67BGB3(P67)
●GPU - ZOTAC GTX460 1GB 256Bit DDR5(ZT-40402-10P)
●メモリ - CORSAIR CMT4GX3M2A1600C6
●HDD - Intel SSD X25-M 160GB
●光学ドライブ - Pioneer DVR-S16J-BK
●電源 - SCHWARZBERG RPSB-700 (700W)
●ケース - Silver Stone SST-RV02B-W
●OS - Windows 7 Home Premium 64bit

比較対象のロクナナトリオレビューで作成した髑髏PCです。PCケースなど一部のパーツを変更してゲーム専用PCとして稼働中です。

GPUはPalit製のGeForce GTX 570カード(NE5X5700F09DA)を使用しているのですが、現在Xeon DPシステムでSLIテスト中のためショットガンレビューPCに搭載されていたGeForce GTX 460カード”ZOTAC GTX460 1GB 256Bit DDR5(ZT-40402-10P)”を取り付けています。

電源はENERMAX MODU87+ EMG800EWTを使用していたのですが新しいPCへ移植したのでSCHWARZBERG RPSB-700を取りつけました。(上の写真は配線の途中の状態です。)


<新しいZ68A-GD80(G3)の構成>
●CPU - Intel Core i7-2600K
●クーラー - Thermalright Archon
●クーラー用ファン - Archon付属140mmPWMファン
●マザーボード - MSI Z68A-GD80 (G3)
●GPU - MSI N560GTX-Ti Twin Frozr II/OC
●メモリ - GeIL GE34GB2133C9DC
●HDD - Intel SSD X25-M 80GB
●光学ドライブ - Pioneer DVR-S16J-SV
●電源 - ENERMAX MODU87+ EMG800EWT (800W)
●ケース - Corsair Obsidian 700D (CC700D)
●OS - Windows7 Professional 64bit

今回のレビュー用に新しく構築したPCです。

空冷限界テストを想定してPCケースは大型CPUクーラーに対応可能なCorsair Obsidian 700D (CC700D)を選択。CPUクーラーは140mmPWMファンを搭載したThermalright Archon。メモリはDDR3-2133対応のOCメモリを組み合わせてみました。




搭載されているUEFI BIOSはキーボードの他にマウス操作に対応しています。
キーボード・マウス操作共にレスポンスは良好です。

項目別に6つのメニューに分かれていているので分かりやすいと思います。
設定変更後にESCキーで終了するとセーブされないので注意してください。

オーバークロック関連で気になったのはBCLKを100KHz単位で調整可能なところです。そこまで微調整する必要があるのかと思いましたがLGA1155はBCLKの変更によるオーバークロックは苦手としている関係で倍率変更ではクロックの微調整が難しく限界へ挑戦するときなど1MHzでもクロックを稼ぎたい場合に有効な機能と言えそうです。

その他にはBIOS設定を6か所(+USBメモリへ幾つでも)にセーブ可能なので状況に応じた設定へ切り替えるのに便利でした。


マザーボードのBIOSはV18.5(Live Update5上では1.5表記)でした。
その後最新のV18.7(Live Update5上では1.7表記)へ更新しました。

●BIOS更新ツールの注意点
BIOSはLive Update 5で”手動更新”を選択してダウンロードされたBIOS更新ツールを起動して更新しました。BIOS更新ツールは日本語(2バイトコード)に対応していないのか文字が文字化けして内容の確認ができませんでした。デュアルBIOS搭載マザーボードのため失敗しても問題ないだろうと判断し”Yes”と思われる選択しを選び強引に更新してみました。

あまり押すめできる更新方法ではないので、手動アップデートが不安な方は自動更新やBIOS上の更新ツールを利用してアップデートすることをお勧めします。

●22nmプロセスのCPUへ対応する最新BIOS公開!
Ivy Bridgeへ対応するBIOSが公開されました。下記の特設サイトからダウンロード可能です。

□MSI 22nmCPU対応BIOS紹介サイト(英語)
http://event.msi.com/mb/22nm/


OC Genie IIはマザーボードに搭載された自動オーバークロック機能です。


使い方は簡単です。マザーボード上に設置されている”OC Genie IIボタン”を押してからPCの電源を入れるだけです。OC Genie II機能が有効の場合、ボタンに内蔵されている青LEDが点灯するので目視でオンかオフか判断できます。


試しにOC Genie IIを有効にしてみると Core i7-2600Kの場合は”42倍の4.2GHz(省電力系オフの4.2GHz固定)、コア電圧は1.34V(CPU-Z読み)”で起動しました。

コア電圧を盛りすぎな印象ですがCPUの個体差当を考慮して安定する安全圏内の設定といったところでしょうか。自作PCに詳しくない初心者向けの機能としては悪くない完成度です。


OS上からBIOSの設定を変更する”ClickBios2”を試してみました。


ClickBios2を起動するとBIOS画面に似たウィンドウが表示されます。
マウスでの操作のレスポンスは良好で操作性も悪くないです。変更を適応するにはOSの再起動が必要になるのでオーバークロック耐久テスト向きではありません。

OS起動テストを含めたオーバークロックテストなど、OS起動中にBIOS設定を変更できるのは意外と便利なので有用なツールと言えます。



OS上でBIOS設定を変更しリアルタイムで適応可能なオーバークロック向けツール”Control Center”を試してみました。


オーバークロッキングタブ上ではCPUのクロックや電圧関連の項目を変更可能です。OS起動中に設定を変更しダイレクトに反映可能なのでOC耐性のテストに便利でした。

注意点として設定を変更した後に動作が不安定になる場合があるので、好みの設定を見つけたらBIOS(またはClickBios2)で設定を変更して再起動することをお勧めします。
(Ptime95はパスできてもOS起動が安定しないという症状が発生したので今回のオーバークロック耐性テストには利用していません。)



自作ユーザーのもっとも気になるポイントと思われるMSI Z68A-GD80(G3)のオーバークロック耐性についてCore i7-2600Kと組み合わせて検証してみました。


<Core i7-2600Kクロックと電圧設定 その1>
・4.5GHz (Vコア:1.275V) : Prime95 10分間 パス
・4.6GHz (Vコア:1.320V) : OS起動不可能
・4.6GHz (Vコア:1.375V) : OS起動不可能
・4.6GHz (Vコア:1.420V) : OS起動不可能

45倍設定までは低めの電圧で安定動作可能ですが、倍率を46倍以上に設定するとコア電圧を高めに設定してもOSが起動出来ない状態に。コア電圧の変更のみでは45倍が限界のようです。


<Core i7-2600Kクロックと電圧設定 その2>
・4.8GHz (Vコア:1.375V) : Prime95 10分間 パス

コア電圧以外の設定を変更しさらに上の倍率(クロック)を目指します。
なかなかOSが起動しなくて苦労しましたが何とか安定して起動できるようになりました。
ただし、メモリはDDR3-2133設定では起動できないのでDDR3-1600設定に変更しています。


<Core i7-2600Kクロックと電圧設定 その3>
・5.0GHz (Vコア:1.450V) : Prime95 10分間 パス
・5.1GHz (Vコア:1.450V) : Prime95 10分間 BSoD or エラー発生回避できず

更にコア電圧を昇圧して上のクロックを狙ってみたところ5.0GHzで安定しました。
Z68A-GD80(G3)のOC耐性も良好なようです。

電圧設定をそのままで51倍も試しましたが安定させることはできませんでした。

●OCを試した感想
MSI製のマザーボードは久しぶりなので電圧変更に対しての反応が予想できないため、コア電圧以外の設定は少しずつ変更してテストを繰り返して何とか46倍以上の設定で起動することができました。

CPUのコア電圧あたりのクロックの伸び率に関しては概ねBOXDP67BGB3(P67)と同じ傾向です。Z68A-GD80(G3)を導入したことによりオーバークロック耐性に関して大幅な改善は有りませんが、電源まわりが大幅に強化された事、BCLKの100KHz単位での変更が可能になり少しでも上のクロックを狙える可能性が増えた事は限界オーバークロックを想定した場合には重要な要素です。

自動で設定される電圧が低めなのかauto設定よりマニュアル設定を好むようです。電圧の盛り加減については設定した電圧より若干低い感じで、他のマザーボードのように”勝手に0.05V以上盛られている!?”といったことはテスト中一度もありませんでした。コア電圧は安定していてドロップしたりしないので癖を掴むかテスターで電圧を計測して正しい値を把握すれば問題ないでしょう。



オーバークロックコンテストには以前プレミアムレビューで頂いた髑髏マザーことIntel BOXDP67BGB3(P67)で挑戦する予定でいたのでBOXDP67BGB3(P67)との比較でまとめたいと思います。

5.0GHzまでCore i7-2600Kをオーバークロックしてみた感想です。

オーバークロック時の安定性についてはCPUの個体差の問題もあるので判断が難しい面もあるわけですが、4.5GHz(45倍)あたりまでは非常に安定していてCPUコア電圧の変更のみでも十分対応可能でした。4.6GHz(46倍)以上になると設定を詰めないとOSが起動できないので初心者には対応が難しい場合も出てくる可能性はあります。

全体的に双方のマザーボード共に優秀で甲乙つけ難いとった感じです。最近はCPU&チップセットやマザーボードの構造自体のクオリティーが高いので差が付きにくい状態なのかもしれません。

MSI Z68A-GD80(G3)は上位モデルのためIntel BOXDP67BGB3(P67)と比べるとオンボードI/O関連がリッチなのでPCを構築して活用する場合、機能的な魅力が増すと思います。

5.0GHz以上へのオーバークロックについてはCPU的に危険域のため、今回のレビューでは簡単なテストのみとしました。5.0GHz以上のオーバークロックついてはオーバークロックコンテスト本番で挑戦します!


<2012/05/15>
・22nmCPU対応BIOSの情報を追記しました。

コメント (8)

  • bibirikotetuさん

    2012/01/03

    レビューおつかれさま!
    MSI、独特の癖があって面白そうですねw
  • Sheltieさん

    2012/01/03

    ●bibirikotetu さんへ
    コメントありがとうございます。

    久しぶりにMSIマザーを使ってみたのでBIOS設定に対しての反応を見るのに苦戦してしました。多少癖はありますがマニュアル設定でOC出来る方なら問題ないと思います。
  • mickeyさん

    2012/01/03

    レビューお疲れさまです。

    MSI製マザボのOCのやり方など勉強に
    なりました。自分はASUS製マザボだった
    のですが、MSIマザーもいろいろあって
    便利そうですね。
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