レビューメディア「ジグソー」

最廉価MPカートリッジ

実は結構前の話だったのですが、NAGAOKA MP-10というMP型カートリッジを買いました。

 

MP(Moving Permalloy)型は大枠ではMM(Moving Magnet)互換型ですが、永久磁石よりは遙かに軽量なパーマロイを磁化することでMM型よりも大幅に軽量な発電系を実現しつつ、MM並の発電効率を実現するという方式で、磁石の代わりの何かを磁化するという意味ではIM(Induced Magnet)型の一種といえます。

 

MP-10はこのナガオカ製MP型カートリッジとして最廉価の製品であり、昭和50年代には希望小売価格3,900円というほどの安さでした。まあ、以前交換針製作体験でいただいたNT-500Mはヘッドシェル付き3,000円だったらしいですが。

 

 

 

 

 

 

 

私はMP型を自分が買うなら、モノラル専用のMP-MONOを買うつもりでいました。しかし、7月にナガオカの営業の方とお会いした際に、「具体的な中身は明かせないものの、もうじきMP型カートリッジとその交換針が値上げされます。それも結構ガッツリ上がります」という情報をいただいていました。実は今まで最上位のMP-700を除くMP型カートリッジは他社比で本体価格の割に交換針が安いという特徴がありました。私がその話をした時に値上げの情報をいただきましたので、これはかなり上がるんだろうなという印象を受けたのです。

 

当初予算に余裕が出来たら、日頃の付き合いもありますので無垢楕円針を装着したMP-150を新品で買おうという計画もありましたが、値上げの幅によっては二の足を踏む程度の価格となってしまう恐れもあります。

 

それから暫くして値上げが公式発表されたのですが、正直想像以上の値上げ幅でした。特に今まで割安だった交換針の値上げ幅が凄いことになっていました。

 

こうなると値上げ前に何かしら買っておこうと思った訳ですが、ここで思い出したのが偶然買ってあったMP-10の存在です。実はMP-10はヘッドシェルやシェルリードが社外品装着済で、殆どその付属品の値段だなと思って買ってあったものでした。

 

MP-10はお世辞にも高性能なボディではありませんが、MPシリーズは旧製品・現行品問わずシリーズ内で物理形状は同一に作られています。そして一般的にMM互換カートリッジは正常に針を装着出来ていれば取り敢えず音は出てきます。となると、MP-10のボディを取り敢えず活用してMPシリーズの針先を楽しんでみようというつもりになり、買ったまま放置されていたMP-10を使ってみることにしました。

 

ちなみにMP-10はいくつかバリエーションがあり、ブランド名がナガオカのMP-10、ブランド名がジュエルトーンのMP-10、そして末尾にJという文字が付いたMP-10Jが確認できていますが、中身は基本的に変化していないようです。さらに現行のMP型カートリッジのローエンドモデルはMP-100ですが、これも中身はMP-10とほぼ同じようです。

更新: 2026/09/02
総評

古き良きアナログ感

後のことを考え、このカートリッジには不相応ともいえるヘッドシェルとシェルリード線を組み合わせました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘッドシェルはaudio-technica AT-LH15/OCC、シェルリード線はKS-Remasta KS-Stage401EVO.II-VKです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

本格的な試聴というほどではないのですが、「Hydra / TOTO」(US盤LP)を聴いてみました。

 

MP-10の針先は接合丸針で、やはりというべきか高域方向の質感や解像度は現代的な水準には届きません。しかしKS-Stage401EVO.II-VKの効果もあるのか、低域方向のゆとりがタップリと感じられ、ヴォーカル帯域の質もまずまずです。昔ながらのレコ-ドの音という印象を強く受ける音といえます。

 

ただ高域方向の質の低さで、まるで昭和50年頃のシステムで聴いているような音に感じられてしまいます。ちなみにフォノイコライザーTEAC PE-505はMM互換の負荷容量を可変することが出来ますが、0pFではやや物足りず100pFではシャープさがやや後退します。中間があればベストだったのかも知れませんが、トータルバランスが整っているのは100pFの方ですので、ここを基準値とするのが良さそうです。

 

いずれにしてもMP-10のボディは問題なく使えることがわかりましたので、これを上位モデルの交換針と組み合わせてみようという訳です。ナガオカは公式には指定型番以外の交換針は使えないと案内していますが、前述の通り物理形状は全て同一ですので装着に支障はなく、音も問題なく出てきます。ちなみにMP-10の上位モデルMP-11や、その後継MP-110もボディについてはほぼ同じであり、この辺りは同じ針が問題なく利用できると考えて差し支えありません。

 

  • 購入金額

    3,000円

  • 購入日

    2026年05月26日

  • 購入場所

    サウンドハイツ

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