(2015/11/18 権利違反になりそうなので写真を削除)
「武装ポーカー」でデビューし「ジョジョの奇妙な冒険」を29年間描いてきた漫画家の荒木飛呂彦先生が「王道漫画を描く方法」を自身の作品を交えて解説している本です。
絵や効果音が独特なジョジョも荒木先生いわく「王道漫画だと思って描いてきた」そうで、本書のなかでその具体例を挙げています。つまりこの本は荒木先生による漫画の描き方の直伝書であるとともにジョジョやバオー来訪者など荒木漫画の解説書でもあり、漫画を描きたい方や先生のファンなら絶対に読んだほうがいい一冊です。またそれだけでなく、「どうやったら導入で編集や読者を引き込むのか」ということが丁寧に書かれていますし、解説書のはずなのにエンターテイメント作品を読んでいるかのような「楽しさ」があるので、何かを創作している方や、仕事で企画書を書く方や、あるいは単に暇つぶしの本を探している方にもおすすめです。
漫画の四大構造
荒木先生いわく漫画の4大構造は「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」だそうで、本書ではそれぞれについて王道漫画を作るためのテクニックが丁寧に解説されています。「キャラクター」では身上調査書を作成し物語の進行で設定崩壊がおきないようにするそうです(なお、この「身上調査書」は荒木先生が出演されたNHKの番組でも公開されているものなのですが、本書では実物のコピーの他、細かい運用方法が書かれていて大変参考になりました)。ぐらついてはいけないのは世界観やテーマも同様でその構築の方法なども興味深かったです。またストーリーでは「プラスの法則」という原則を紹介。読者をひきつけ続ける方法を解説しています。
また本書では漫画解説の引用として「キン肉マン」「孤独なグルメ」「蟲師」など他の漫画が荒木先生独自の視点でその人気の秘密が分析されています。いままでなんとなく面白いと思っていた漫画も面白さを分析してみると上記の4大構造の活用法に則している、というのは興味深かったです。
本書はスタンドの矢
ジョジョではスタンドという超能力を発現させる矢が存在しますが、本書はその矢のように読むと非常に多くの事を学べ、まるでスタンド能力に目覚めたかのような気分になります。例えば自分は職業としてWebの制作を担当しているのですが、ファーストインプレッションでひきつけたり、世界観など各種設定をぶれさせない方法は自分の作業でも活かせそうだと感じました。
ぜひ皆さんも本書を読んで荒木先生から送られた矢を受け取ってみてください。
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購入金額
842円
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購入日
2015年07月09日
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購入場所
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