Duck氏 おすすめのパーツ「メモリ」

Kingston KHX1866C9D3T1BK2/8GX

DDR1866/9-11-9/とさほど高速ではないが、4Gx2@8GBモデルなのでゲーム用途や3Dベンチの練習には十分なモデルだ。またKHXの大型ヒートシンクは冷却時に有利なのでオーバークロック向けだ。少し高めの電圧にも耐えてくれる。

G.Skill F3-14900CL9D-4GBXM

スペックはDDR1866/9-10-9-28/2Gx2で実売価格4000円前後という価格が魅力だ。2D系のベンチや常用オーバークロックでサクサク動かしたい人向け。電圧やタイミングを調整したりメモリオーバークロックの練習に最適。

Kingston KHX2133C10D3T1K2/4GX

現状のZ68系プラットフォームでも高クロック動作が求められる。ベンチに慣れてきたなら2133くらいのクロックは欲しいところだ。2GBx2だが主要なベンチマークでは問題なし。

G.SKILL F3-17600CL9D-8GBXLD

常用よりベンチマークの比重が高い人向け。スペックは2133/9-11-9だが、電圧昇圧と冷却次第ではタイミングもクロックもまだ上を目指せる。

Kingston KHX2133C11D3K4/16GX

X79に正式対応したQUAD CHANNEL対応モデル。2133MHzだと電圧1.75v、タイミング9-12-10で安定してベンチを楽しめる。3Dベンチやゲーミングマシンに最適。

Corsair CMT16GX3M4X2133C9

CL9から動作するので2Dから3Dまで幅広く遊べそうだ。競技向けではなく常用でオーバークロックをするなら最上級クラス。

競技用メモリ

ここまで紹介してきたメモリはあくまで『常用』も視野に入れた製品。せっかく『オーバークロックで上を目指す』のなら、入手が多少困難でもオーバークロック競技向けの製品を探したいところだ。上級者が選ぶ目安としては、PSCや旧Elpida-twn製のチップを搭載したメモリでとにかくハイクロックな表記の型番が有利。CL6か7でtRCD項目(CPU-Zの上から2番目)だけ緩めたタイミング設定で2200MHzあたりか、それ以上での動作を狙いたいところだ。

Sandy以前の世代では、このようなハイクロック動作が出来ても低レイテンシ&タイミングで動作出来なければパフォーマンスが出なかったが、最近になって状況は逆転。つまり、X58やP55時代に『セカンドラベル』の烙印を押されたパーツが今となっては非常に価値が出てきた為、中古市場から比較的安価でお宝を見つけ出すチャンスもあるのだ。

X58または旧世代用の最強メモリはElpida-Hyperチップをおいて他はないだろう。もちろん、同世代のマイクロン、同じくElpidaのBDBGあたりでも3Dベンチなどあまりメモリのタイミングが影響しないベンチなどでは戦える。今となってはPSCチップなどに王座を奪われた形だが、それでも高耐性のモノはSandy世代になっても大きくは遅れをとらない。

今となっては市場で新品に出会えることは極めて難しく、中古市場で探してくることとなる。入手困難なイメージかもしれないが、当時のElpida-Hyperチップはメーカー、型番や動作クロックに関係なく様々なメモリに混在しているので、探すと思いもよらず所にあったりと意外に見つかることが多い。どうしてもElpida-Hyperチップが欲しいなた諦めず探してみよう。

Elpida-Hyperチップは大きく分けて2種類。パッケージにMNHと書かれているのが初期型で要求電圧も高い。その為CPU側のメモリコントローラーへの負担も大きく、大幅なオーバークロックをする際には壊れてしまうことも多かった(定格電圧で2.05vという製品もあったくらいだ)。ただし、選別や基準値も緩かったせいか?表記されているメーカー公表値よりも遥かに上回るオーバークロック動作が出来るものが多数埋もれていて、探す楽しみがあるともいえるのだ。後期のものはMGHと表記されていて、要求電圧も低く改良されていて動作クロックの選別もしっかりされている。安定したその分、オーバークロックをしても表記されているメーカー奨励クロックより上はあまり伸びないケースも多い。

Elpida-Hyperの特徴だが、メモリタイミング設定で大きく速度に関係してくる tRCD項目が低くても動作出来るところにあり、CLも6~8、クロックもDDR-1866~2300あたりまで動作出来る。代表的な設定例としてゾロ目と言われるCL7-7-7-20-60や7-7-5-20-60の設定でDDR-1000以上で動かすのが競技の世界では一般的となっている。

1) PSCチップ 代表的な製品

G.SKILL F3-19200CL8Q-8GBZHD

2) Elpida-BBSE(通称Bダイ) 代表的な製品

G.SKILL F3-17000CL8D-4GBXMD

3) X58,P55用 各社 Elpida-Hyperチップ搭載メモリ 代表的な製品

Corsair CMG6GX3M3A2000C7

Question

メモリをオーバークロックする際、どれくらいの電圧まで耐えられるのか?

Answer

オーバークロック動作は「絶対に壊れない」という保障はないが、壊れにくい一つの目安となる基準はある。チップや環境でも変化するがケースなどの閉鎖された環境の空冷でオーバークロックする場合、ヒートシンクが60℃を越えるケースもある。常用オーバークロックが目的なら1.75vくらいを目安にするといい。また、Z68以降のCPU自体は、メモリコントローラーの耐性が高くないのでメモリ自体が壊れなくてもCPUのメモコンに支障の出るケースもある。最大で1.8v以内に抑えた方が無難といえる。当然、CPUに対しても冷却を強化したい。メモリチップによっては高電圧で急に伸びる個体もあるのも事実。ケースから出した通称・まな板状態なら1.85vくらいまで、極冷環境なら1.9vくらいまでと、個々の冷却環境に合わせてオーバークロックを試してみたい。

紹介しているパーツは2012年1月現在の情報です。その後変更となる場合がありますのでご了承ください。