近年関心が高まっているポータブルオーディオ市場に新たに名乗りを上げたAstell&Kernブランド。同ブランドの目指すところはズバリHi-Fiオーディオ...
B100は低ノイズS/N比93dbのフラットで透明感あるクリアな音質を実現。CD音源の音質を無劣化で圧縮できるFLAC形式を使用すれば、B100の高音質再生の本領をより一層ご堪能いただけます。5バンド調整可能なカスタムEQや圧縮された音を適正なレベルまで調整し、迫力あるサウンドに変換するサラウンド技術「SRS WOW HD」と、2ch音源を擬似的に5.1chサラウンドで聴くことが可能な「SRS 5.1 Surround」を搭載。お好みの音質に調整することも可能です。さらにiriverならではの高イヤホン出力と高音質を手軽に楽しめるように2年間のチューニングを通して完成した「iriverプレミアムイヤホン」を付属。音質にとことんこだわったプレミアムな1台です。
スマートフォンがまだ誕生する数年前、我々編集者/ライターを生業にしている者にとって、iriverは素晴らしいマルチデバイスだった。インタビューの録音機器として非常に安定したパフォーマンスを発揮すること。データの保存/抜き出しが非常に簡単であること。当時情報収集に最適だったFMラジオが聴けて、さらに録音が可能であること。そして、何より音質の良さが抜きん出ていること。ノートPCの軽量化も今ほどではなかった当時、移動も多く、少しでも荷物を減らしたい筆者のような人間にとって、これほど重宝するアイテムはなかったのだ。
そして、あれから数年が経った。現在はスマートフォンがマルチデバイスの中心を占拠するようになり、私はライターの他にも音楽ディレクターを兼業するようになった。このように仕事の幅が広がっていく中、今回久しぶりにiriverの最新モデル「B100」の使ってみたが、その充実した機能性には寸分の揺らぎもない。
上がってくる音源を細かくチェックするために、音質のいいモバイルの再生機は必須のアイテムなのだが、「B100」は筆者の求める音質に十分応えていると言えるだろう。
例えば、数値が高ければ高いほどノイズの少ない音とされる「S/N比」。「B100」の数値は93dbで、これはオーディオコンポに肉迫する数値だ。また心理音響学の応用技術で世界をリードするSRS Labsが開発した技術「WOW HD」がすごい。「WOW HD」は実際には存在しない音を脳に感じさせることによって、モバイルでは実現できない低音を表現し、音場を適切な高さに設定する機能。それに加えてさらに臨場感のある3Dオーディオが再現された。これによって例えばクラブ・ミュージックの低音のダイナミズムや、互いの息遣いを読み合うジャズの緊張感に満ちた空気感がヘッドフォンの中で再現されるようになっているのだ。
今回、J-POP、アニソン、ボーカロイド音楽、クラブ・ミュージックと多彩な音楽が収録されていることで話題になっている『MOGRA MIX VOL.1 mixed by DJ WILDPARTY』で音質のチェックをしてみたのだが、シャカシャカした薄い音ではなく、しっかりとした音圧に加え、柔らかさと空間を表現した音はなかなかのもの。BOSEのような突出した個性のある音ではないが、耳疲れのしない非常に優しい音は、くり返し音楽を聴く筆者にはとてもありがたいものだ。
サウンド・チェックには向かないが、「SRS 5.1 Surround」を使えば、2ch音源を擬似的に5.1chに変換して音を楽しむことができる。クラシックをはじめとする各ジャンルのライブ音源などを聴く際には、素晴らしい臨場感を与えてくれる。「B100」には高い音質と出力を実現した「iriverプレミアムイヤホン」が付属しており、ヘッドフォンを選ぶ手間がないもの嬉しいところだ。15.5mmの大口径ドライバーで中高域がかなりしっかり再生されている。出力音圧は110dBはスピーカーと同レベル。プレミアムに相応しいスペックだ。
「B100」は様々なファイル形式に対応している。MP3、WMA、OGG、ASF、FLAC、APEなど、様々なファイル形式が使用可能。データ移行の際にファイル形式を気にする必要がないのはありがたいところだ。
注目したいのは可逆圧縮FLACファイルに対応している点。「可逆圧縮」とは圧縮したファイルを圧縮前の状態に戻せる機能で、劣化せずに最高音質のWAVに戻すことが可能。つまり、プレイヤーで聴くために音質を劣化させなくてはいけないストレスとは無縁になるということになる。
ちなみに音データの転送は非常に簡単。アイコンをクリックして、それぞれのフォルダに転送したい音源や書籍データを入れればOK。専用ブラウザを必要としない融通の効く感じもiriverのいいところだ。
さて、これまで音質面について語ってきたが、iriverのお家芸と言える多機能性についても紹介したい。インタビューなどに必須となる録音機能は再生速度の調節が可能になり、テープ起こしが容易になった。FMラジオにも使用できるので、例えばinter FMなどを録音し、ヒアリングの勉強に用いるのもいい。指定秒数分の早送り、巻き戻しが可能な学習機能でスムーズかつ快適になっている。スマートフォンのマイクアプリは頻繁にダウンするが「B100」の安定感は流石の一言といえる。
低消費電力で色彩表現力の高い、AFFSディスプレイは動画や電子書籍リーダーとしても活用できる。読書好きの筆者は絶版マンガを無料で楽しめるJコミ(http://www.j-comi.jp/)や青空文庫をB100に放り込み、懐かしの名作を楽しんでいる。気になるバッテリーの持ちだが、音楽に関しては36時間、動画は8.5時間の再生が可能と存分に使い回すことができる。音楽ファンを満足させるパフォーマンスと進化した機能。「B100」の登場で再びiriverに注目することになりそうだ。
iriver B100 を使って試せる!レビューア募集!
3.1型AFFS静電容量タッチディスプレイを採用し、イヤホンまでこだわり抜いた高音質設計のデジタルオーディオプレーヤー、iriver「B100」のレビューアを5名募集します。
期限内にレビューを書いていただいた方には iriver「B100」を継続してご利用いただけます。
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